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令和2年第11回教育委員会議(8月臨時会)議事録

令和2年第11回 広島市教育委員会議議事録

 令和2年8月28日(金曜日)、令和2年第11回広島市教育委員会議(臨時会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午前9時
 閉会 午後6時

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 糸山 隆
 委員 井内 康輝
 委員 栗栖 長典
 委員 秋田 智佳子
 伊藤圭子委員及び西敦子委員は欠席 

3 事務局等の出席者

 教育次長 荒瀬 尚美
 総務部長 横山 元信
 青少年育成部長 長谷 冨美
 学校教育部長 森川 伸江
 指導担当部長 野間 泰臣
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 平山 高成
 教育企画課情報化推進・学校支援担当課長 戸政 佳昭
 指導第一課長 中谷 智子
 指導第二課長 松浦 泰博
 特別支援教育課長 山領 勲 

4 傍聴者等

 23人

5 議事日程

 議題1 令和3年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について(議案)  
 議題2 令和3年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について(議案)
 議題3 令和3年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について(議案)    
 議題4 令和3年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について(議案)       
 議題5 市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について(代決報告)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長 

 ただ今から、令和2年第11回広島市教育委員会議臨時会を開会いたします。
 本日は傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。 
 本日は除斥の規程により、伊藤委員、西委員が欠席となりましたが、定足数を満たしております。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と秋田委員にお願いします。
 これから日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 本日審議予定の議題5については、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第6号「教育事務に関し、市長が作成する議会の議案に対しての意見の申出に関すること」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題5については非公開として審議することに決定いたしました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1の議案第33号「令和3年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。まず、概要について指導第二課長から説明お願いします。

指導第二課長

 それでは、「令和3年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について」、御審議をいただきます。
 資料について御説明いたします。議題1、その次に資料1、資料2、資料3に加えて右肩に四角囲みで「別紙」と示したものをお配りしております。
 まず、これまでの教科書採択の経過を説明いたします。
 資料1の1ページを御覧ください。
 5月29日の教育委員会議で、(令和3年度使用)広島市立義務教育諸学校用教科用図書の採択について、上段の「広島市教育委員会」の枠内にありますように、採択基本方針の決定、採択審議会への諮問事項の決定、採択審議会委員の委嘱又は任命を行い、採択審議会へ諮問しました。採択審議会は6月2日、7月10日、7月17日、7月22日に開催され、資料1の2ページに示している中学校用教科書、69種類、145点全てについて、資料3の調査員から示された調査・研究報告書を踏まえて審議されました。
 審議の結果及び答申は、資料2にありますが、その内容については、後ほど御説明いたします。
 なお、資料1の3ページには、この度の採択に係る発行者の一覧を掲載しています。この後の説明につきましては、発行者の名前は、表の左側にある略称を用いさせていただきます。
 次に、教科書展示会について御説明いたします。右肩に四角囲みで「別紙」と書いている3枚綴りのものを御覧ください。
 本市では、広島市教育センターの他、全ての中学校、中等教育学校及び特別支援学校において教科書展示会を実施しました。展示会場には、質問等記入用紙と回収箱を設置しました。この綴りは回収箱に入っていたものを順序不同で転記したものです。
 なお、この度の教科書採択に関する要望書、請願書については、先日、教育委員の皆様に情報提供させていただいております。
 それでは、答申の概要について説明いたします。
 資料2と資料3を御覧ください。

栗栖委員

 その前に、よろしいですか。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 確認しておきたいのですけれども、教科書選定に関して言うと、適正さや公正さが大変重要だと思うのですが、今回のこの(採択)審議会の委員や調査員について、教科用図書採択に利害関係がないことは、どういう方法で確認されているのか説明してください。

指導第二課長

 審議会の委員及び調査員の公正確保につきましては、例えば、教科用図書の著作に参加していないなど、教科用図書採択に利害関係を有する者でないことを誓約する書面を本人から提出させて、校長及び教育委員会が確認をしております。

栗栖委員

 書面できちんと確認をされているという理解でよろしいですか。

指導第二課長

 はい。確認しております。

糸山教育長

 よろしいですか。

栗栖委員

 はい。

指導第二課長

 それでは、答申の概要について御説明いたします。
 資料2と3を御覧ください。
 まず、資料2の構成について、国語を例に御説明いたします。資料3の2ページ、右肩に四角囲みで「別添1-2」と書いておりますが、この2ページから7ページまでが、調査員による国語科の調査・研究報告書で、2ページの2に、本市の実態や生徒の状況、3に調査・研究の観点と視点、3ページの2に調査・研究の観点及び教科書の特徴を記しております。
 続いて、資料2の2ページを御覧ください。
 右肩に四角囲みで「別添1-1」と書いておりますが、この2ページから9ページまでが国語科の答申です。先ほど御説明した詳細な調査・研究報告書を基に4回にわたり開催された採択審議会では、全ての発行者の教科書について、本市の中学校の実情に則して綿密に検討・審議されましたが、本答申につきましては、1の(審議の際に、)特に重点を置いて検討した事項についてまとめられています。その審議結果については、8ページ、9ページにありますように、「よりふさわしい」、「ふさわしい」の意見が付されています。
 採択審議会の答申に至るまでの経緯と資料の構成についての説明は以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。
 よろしいですか。
 それでは、概要の説明は以上と致します。
 それでは、各種目の教科用図書について審議を行います。
 まず、国語について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科・種目)国語について説明いたします。
 資料2の2ページから9ページを御覧ください。
 2ページの四角1、教科・国語について、「令和3年度から使用する中学校用教科用図書の調査・研究報告書」並びに調査員代表からの報告をもとに、各観点及び視点に沿って、全ての発行者、4者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1、審議の際に、特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、丸印の一つ目、全ての小・中学校で朝読書の取組、学校図書館の環境整備を実施していることなど読書活動の推進に力を入れていること、二つ目、複数の文章や資料から目的に応じて必要な情報を取り出すことや、相手意識を持って分かりやすく相手に伝えることに課題が見られること、三つ目、多様な表現に言い換えるなど語彙(い)の定着にも課題が見られること、以上の三つです。
 続いて、(2)、(調査・研究の)観点と視点については、丸印の一つ目、観点1、基礎・基本の定着の視点丸1、読書や情報の扱い方等に関する内容の取扱い方、二つ目、観点1の視点丸3、漢字や語句の取り扱い方、三つ目、観点2、主体的に学習に取り組む工夫の視点丸4、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、四つ目、観点5、言語活動の充実の視点丸10、社会生活に必要とされる言語活動の種類と工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、実際に教科書を御覧いただきながら、説明をいたします。
 (1)、読書や情報の扱い方等に関する内容の取り扱い方についてです。
 まず、読書について、説明いたします。
 東京書籍(以下、「東書」)の第1学年の教科書94ページを御覧ください。読書活動として、「図書館での調べ物」を掲載しております。同様のものは、182ページにもあります。このように、各学年二つの読書活動を掲載しています。
 次に、三省堂の第1学年の教科書181ページを御覧ください。「ブッククラブ」を掲載しております。
 次に、教育出版(以下、「教出」)の第1学年の教科書59ページを御覧ください。「本の帯やポップ作り」を掲載しております。
 次に、光村図書出版(以下、「光村」)の第1学年の教科書82、83ページを御覧ください。「ポップ作り」、「感想の共有」、「読書記録」を掲載しておりますが、このように各学年三つの読書活動を掲載しており、他者よりも読書活動を多く掲載をしております。
 これらのことにつきまして、答申の2ページ、東書の二つ目の丸印、3ページ、三省堂と教出は共に二つ目の丸印、4ページ、光村の二つ目の丸印に記載をしています。
 続いて、情報の扱い方についてです。
 東書の第1学年の教科書184ページを御覧ください。「言葉とメディア」を掲載しております。また、190ページを御覧いただくと、教材の後の「てびき」に学習課題を示しています。また、302ページに、「情報の整理」の参考となる資料を掲載しております。
 次に、三省堂の第1学年の教科書142ページから149ページを御覧ください。「複数の情報を関連づけて考えをまとめる」を配置しています。
 次に、教出の第1学年の教科書62ページを御覧ください。「メディアと表現」を配置しています。同様のものは102ページと226ページにもあります。
 次に、光村の第1学年の教科書32ページを御覧ください。ここには、「情報整理のレッスン」を、52ページに「思考のレッスン」を、60ページに「情報社会を生きる」を掲載しています。このように情報に関する教材を複数掲載することにより、教材の文章や資料に学習課題を示しております。また、60ページから66ページまで、「情報社会を生きる」に「情報を集めよう」や「著作権について知ろう」など情報の整理の参考となる資料を掲載しています。
 これらのことにつきまして、答申の2ページ、東書の六つ目と七つ目の丸印、3ページ、三省堂の六つ目の丸印、教出の五つ目の丸印、4ページ、光村の六つ目と七つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の4ページ、(2)、漢字や語句の取り扱い方についてです。
 東書の第1学年の教科書53ページを御覧ください。教材の後の「てびき」に「広がる言葉」を設け、教材に出てくる言葉を扱っています。また、328ページの巻末の「言葉を広げよう」に先ほどの「広がる言葉」で扱った言葉に関連した様々な言葉を掲載しています。
 次に、光村の第1学年の教科書300ページ、301ページを御覧ください。「語彙を豊かに」を設け、心情や様子などを表す様々な言葉を掲載しています。また、巻末の裏見返しに「言葉を味わう」として、時、色、季節を表す言葉を掲載していますが、これは他者にはない内容となっています。
 これらのことにつきまして、答申の4ページ、東書の六つ目の丸印、5ページ、光村の六つ目と七つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の6ページ、(3)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 東書の第1学年の教科書28ページを御覧ください。「振り返り」を設け、教材の中で学んだことを自分の言葉でまとめさせ、次に学習につなげることができるよう工夫しています。
 次に、三省堂の第1学年の教科書18ページ、19ページを御覧下ください。ここでは「学びを振り返る」に「振り返りのキーワード」を示しています。
 次に、教出の第1学年の教科書34ページを御覧ください。教材名の下に目標が示されています。また、40ページの「振り返り」は、先ほど御覧いただいた目標と対になっています。
 次に、光村の第1学年の教科書22ページを御覧ください。教材名の下に目標が示されています。また、28、29ページに目標に沿った学習活動や「振り返る」を設けるとともに、「振り返る」では、学習した内容や小学校で学習した物語などを取り上げ、自分の言葉でまとめさせています。57ページの「話すこと・聞くこと」、「書くこと」の学習においては、左側に「達人からのひと言」を設け、様々な業種の人のコメントを掲載し、表現する際の参考にできるようにしています。
 これらのことにつきまして、答申の6ページ、東書、三省堂、教出共に三つ目の丸印、光村の三つ目と四つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の7ページ、(4)、社会生活に必要とされる言語活動の種類と工夫についてです。
 東書の第1学年の教科書2ページを御覧ください。3の教材名「調べて分かったことを伝えよう」の下に「食文化」のレポート、3ページ、「根拠を明確にして書こう」の下に写真の意見文など、具体的な場面を想定した言語活動例を記しています。
 次に、光村の第1学年の教科書2ページを御覧ください。1番の下の教材名「情報を整理して書こう」の下に「分かりやすく説明する」、次の、「話の構成を工夫しよう」の下に「好きなことをスピーチで紹介する」など、具体的な言語活動例とともにその目的を分かるように示しています。
 これらのことにつきまして、答申の7ページ、東書の一つ目の丸印、8ページ、光村の一つ目の丸印に記載されています。
 最後に、答申の8ページ、3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、光村を「よりふさわしい」とし、その理由として七つの丸で記載しています。
 次に、9ページの(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として五つの丸で記載しています。
 審議会では、本市の「読書活動の推進に力を入れている」という実態から、特に、光村の一つ目の丸印、読書活動として各学年三つの活動を掲載していることを重視されていました。また、生徒の「(複数の文章や資料から)目的に応じて必要な情報を取り出すことや、(相手意識を持って、)分かりやすく相手に伝えることに課題が見られる」、「(多様な表現言い換えるなど、)語彙の定着に課題が見られる」という課題の解決に向けて、特に、光村の二つ目の丸印、各学年、情報の扱い方に関する教材や資料を複数掲載していること、四つ目の丸印、裏見返し2ページにわたり、「言葉を味わう」として、時、色、季節を表す言葉を掲載していることを重視されていました。
 国語については以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 各出版会社の教科書は、大変良く、いろいろ工夫されていると思います。ただ、広島市で採択するということになると、広島市の課題にいかに合っているかがポイントになろうかと考えます。
 国語に関して言うと、内容的に必要な情報を取り出すこと(が課題です)。情報に関してであれば、光村の二つ目、各学年に「情報社会に生きる」という単元を設定して、情報の活用力を高める工夫をしていると思います。また、相手に分かりやすく伝えるということについて、例えば、光村の1学年の教科書6ページには「学習の見通しをもとう」というのがあり、ここで「話すこと・聞くこと」ということで、1年生は七つ、2年生は六つ、3年生は六つの教材を使って、ある程度話すことと聞くことに関して充実感を持たせているという印象を持ちました。これらのことが、広島の(課題である)「相手意識を持って、分かりやすく相手に伝える」ところに関連しているのではないかという印象を持ちました。
 もう一つの語彙の定着という課題に関しては、光村の1学年の教科書300ページに「語彙を豊かに」として、丁寧に語彙のことが書いてあります。また、答申にもあるのですが、言葉に関して、光村の1学年の教科書80ページに「言葉を集めよう(もっと)『伝わる』(表現を目ざして)」、2年生では(80ページに)「言葉を比べよう」、3年生では(76ページに)「言葉を選ぼう」ということで、各学年に応じて語彙について工夫がされている様子が見られたので、各者とも良い教科書だと思うのですが、広島市の課題に関して言うと、光村が「よりふさわしい」という意見はよろしいかと思います。

糸山教育長

 確認です。今、栗栖委員から、広島市の課題に対応したものというお話がございましたけれども、この広島市の課題というのは、どういうデータあるいは根拠から引っ張ってきたのですか。恐らく、全教科に関わってくることだと思いますので、その辺りを少し教えていただけますか。

指導第二課長

 本市の実態や生徒の状況ですが、例えば、国語科につきましては、全国学力(・学習状況)調査のような全国的な調査が客観的なデータとなります。あるいは、各学校において先生方が、観点別に定期テスト等を作成する中で、子どもたちの状況を把握していると考えています。そして、先生方が認識しておられる課題について調査員あるいは審議会の委員がいろいろと話し合い、本市の課題としてより明確に打ち出されていると考えています。

糸山教育長

 このたびの審議会では、どの教科も課題に適応した、あるいは課題に対応した教科書という視点で、検討・審議したということですね。

指導第二課長

 そうです。

井内委員

 光村図書の教科書を見て、普通の国語の教科書には余り無い書き方だと思う点は、目次です。「言葉に出会うために」、「学びをひらく」、と少し小さ目の字で書いてあるのですが、例えば、4番の「心の動き」は、言葉を学ぶことの新鮮な意味合いを強調しているような気がしました。この点に共感しました。
 それから、審議会の意見から言うと、ごもっともだと思ったのですが、これからの社会の中で情報の整理は大事であり、言語活動として自分の意見がきちんと言えることは非常に重要なことだと思います。これからの子どもたちに必要な情報の整理に関して、光村の教科書はかなりページ数を割いていて、言語活動例についても、とても具体的で分かりやすいと思いました。その点を見ると、東京書籍などと完全に比較はできていませんけれども、光村図書出版の方が使いやすいだろうという感触を持ちました。この審議会の意見に賛同するものです。以上です。

糸山教育長

 それでは、お諮りいたします。
 国語については、光村図書出版が「よりふさわしい」と考えられますので、光村図書出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、国語については、光村図書出版を採択することに決定いたしました。
 次に、書写について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)国語、(種目)書写について説明いたします。
 答申の12ページを御覧ください。
 書写では、4者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、文字表現の多様化により、場や目的に応じて表現の効果を考えながら、書写で学習したことを日常生活に活かすことができていない生徒が多いという課題が見られることです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、二つ目は観点3の視点丸4、単元・題材や資料等の配列・分量、三つ目は、観点4の視点丸6、他教科や日常生活との関連の示し方、四つ目は、観点5の視点丸9、学習や日常生活に生きる言語活動の工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、説明をさせていただきます。
 まず(1)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫について、最初に、運筆について説明します。
 東書の教科書11ページを御覧ください。運筆について、筆圧の違いを視覚的に示すとともに、「とん・すう・ぴた・ぐっ・すっ」と擬音語を用いて説明しています。
 次に、光村の教科書41ページを御覧ください。先ほどの東書と同様、運筆について筆圧の違いを視覚的に示すとともに、「トン・スー・トン」と擬音語を用いて説明しています。
 これらのことについて、答申の12ページ、東書の二つ目の丸印、13ページ、光村の二つ目の丸印に記載されています。
 次に、学習を振り返って次につなげるための工夫についてです。
 光村の教科書2ページを御覧ください。切り離し可能な「書写ブック」を設け、学習したことを生かして書いたり、学習した内容の確認をしたりすることができるようにしています。
 このことについて、答申の13ページ、光村の六つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の13ページ、(2)、単元・題材や資料等の配列・分量についてです。
 東書の教科書40ページを御覧ください。広島に関する教材として、伝統的な製法を続けている主な生産地である安芸郡熊野町の「熊野筆」と呉市の「川尻筆」を扱っています。また89ページに、平和記念公園の前にある「平和の門」を紹介しています。
 次に、三省堂の教科書56ページと57ページを御覧ください。各都道府県名を鉛筆でなぞり書きできるようにしています。
 次に、教出の教科書22ページを御覧ください。右上の筆の主な生産地の一つとして、「熊野筆」を紹介しています。また、97ページには全国の城などの石碑を紹介しています。
 次に、光村の教科書95ページを御覧ください。ここには、厳島神社の扁額を紹介しています。また、114ページの「はがきの表書き」に「広島市中区大手町」を、115ページには行書で都道府県名の一覧を掲載しています。さらに、116ページに、「入学願書の書き方」として、広島県公立高等学校の「志望理由書」を紹介しています。
 これらのことについて、答申の13ページ、14ページ、各者とも三つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申14ページの(3)、他教科や日常生活との関連の示し方についてです。
 東書の教科書、26ページ、27ページを御覧ください。ページの右下にあるように、他教科と関連がある教材に、教科関連マークを付し、関連する教科名を示しています。また、単元の終わりに、「生活に広げよう」を設け、学習したことを生かして文字を書くことができるようにしています。
 次に、三省堂の教科書48ページを御覧ください。各学年の終わりに「やってみよう」を設け、1年間で学習したことを生かして文字を書くことができるようにしています。
 次に、教出の20ページを御覧ください。各学年に「学習を生かして書く」を設け、学習したことを生かして文字を書くことができるようにしています。
 次に、光村の64ページを御覧ください。国語科と関連がある教材には、教材の右上に「国語」と示しています。また、50ページには、「学校生活」を、118ページには「日常生活」を設け、学習したことを生かして文字を書くことができるようにしています。
 これらのことについて、答申の14ページ、東書の一つ目と三つ目の丸印、三省堂と教出ともに二つ目の丸印、光村の一つ目と三つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の15ページ(4)、学習や日常生活に生きる言語活動の工夫についてです。
 東書の教科書64ページ、65ページを御覧ください。「生活に広げよう」に本のポップなどの言語活動を示し、書写で学習したことを国語科で生かせるよう工夫しています。
 次に、光村の80ページ、81ページを御覧ください。「国語」、「学校生活」に本の帯などの言語活動を示し、書写で学習したことを国語や学校生活の様々な場面で生かせるよう工夫しています。また、105ページには、書写で学習したことを生かして好きな言葉を書く際の参考として、卓球選手や漫画家が直筆で書いた書を掲載しています。
 これらのことについて、答申の15ページ、東書の一つ目の丸印、光村の一つ目と三つ目の丸印に記載されています。
 最後に、15ページの3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、光村を「よりふさわしい」とし、その理由として六つの丸印で記載しています。
 次に、16ページ(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として四つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「書写で学習した内容を日常生活に活かすことができていない」という課題の解決に向けて、特に、15ページの光村の二つ目の丸印、「書写ブック」を設け、学習したことを生かして書いたり、内容の確認をしたりすることができること、三つ目の丸印、広島に関する教材として、「はがきの表書き」、「志望理由書」を扱っていること、五つ目の丸印、「国語」、「学校生活」などで本の帯など書写で学習したことを生かせるよう、さまざまな言語活動を示していることを重視されていました。
 国語科書写の説明は以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 広島市の課題は、文字表現の多様化により、(場や目的に応じた表現の効果を)考えながら、書写で学習した内容を日常生活に活かすことができていないことが挙げられています。日常生活に活かすということに関しては、各者とも、当然配慮しながら教科書を作っておられます。広島に関する教材ということであれば、各者とも熊野筆などを挙げられていて、光村にある厳島神社や「はがきの表書き」も、広島の関連教材ということで非常に良いと思います。
 私が一番良いと思ったのが、光村の「書写ブック」です。(答申の15ページの3、意見(1)の)二つ目の丸印にもあるのですが、この「書写ブック」の2ページに、「書写ブックの活用のしかた」として、「毛筆で学習したことを硬筆に生かして、書写の学びを深めよう。」とあります。現実問題、毛筆を日頃使うことはなかなかないのですが、「書写ブック」を活用することによって、日常生活でできるだけ使っていこうという学習ができるのではないかという印象を持ちました。また、26ページに「年賀状を書こう」ということで、この頃はパソコンを使って書くことが多いかもしれませんけれども、年賀状で学習したことを活かしていこうとあります。そういう意味で、各者とも同じようなことがあるのですけれども、具体的な日常生活との関連対策が含まれているのが良いと思いました。(光村の教科書の)目次を見ていただくと、1年生であれば「学校生活」、2年生であれば「国語・学校生活」、3年生であれば「日常生活」とあり、また3年生のところで年賀状のことも書いてあります。各学年で日常生活とのつながりが明確に示されているような作りになっている点でも、光村図書が「よりふさわしい」ということについては、私も同意見です。

井内委員

 書写の重要性というのは、我々の世代だと分かるのだけど、今の子どもたちは、ほとんどの人が、パソコンを使って文章を作るし、今更筆を持って書くことを学校で習って、一体どのくらい役に立つのだろうかと思っている子が多いのではないかと思います。ですから、その中で、いかに文字を書くことを学ぶことが大切なのかを伝えるのが、この書写の目的ではないかと思うのですけれども、そうすると、それをどう活かすかということで、一番活かせる工夫を示しているのが、光村図書だと思いました。学校生活や日常生活での活かし方を具体的に、各者それぞれ工夫して書いてはおられるのだけれど、子どもたちにとってどれが一番ぴんと来るのかという点で言えば、光村図書の工夫が一番良いと感じました。ともあれ、興味・関心を持たせることが非常に大事な科目であろうと思うので、より取り組みやすく、あるいは、自分たちの生活とは全く離れたというとこでないところに視点を当てたような、指導の仕方というのが大切だろうと思います。光村図書出版を推薦されている審議会の意見には賛成いたします。

糸山教育長

 各者、大きな差はない中で、光村図書出版は、課題に対応した工夫が多彩であるというところが答申の内容です。
 それでは、お諮りをいたします。
 書写については、光村図書出版が「よりふさわしい」と考えられますので、光村図書出版を採択することでよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 異議なしと認め、書写については、光村図書出版を採択することに決定いたしました。
 次に、社会、地理的分野について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)社会、(種目)地理的分野について説明いたします。
 答申の18ページを御覧ください。
 地理的分野では、4者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、都市再開発、高速道路の整備、自然災害等、状況が大きく変容しており、地域の実態や課題を調べる学習に適した地域であること、二つ目は、地図や諸資料を有効に活用して事象を説明したりすることに課題が見られること、三つ目は、自分の解釈を加えて論述したり、意見交換したりすることにも課題が見られること、以上の三つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸2、国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせる工夫、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は、観点2の視点丸4、問題解決的な学習を実施するための工夫、四つ目は、観点5の視点丸9、様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換したりするための学習活動の工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、実際に教科書を御覧いただきながら、説明をいたします。
 まず(1)、国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせる工夫についてです。
 東書の教科書72ページを御覧ください。左上に「基礎・基本のまとめ」を設け、資料を基に言語活動を取り入れながら、課題を解決するようにしています。また、73ページの下には、導入で示された探究課題を掲載しています。さらに、71ページ、諸資料を有効に活用するために、特設ページ「資料から発見」を掲載し、資料を比較して考えるなどの基礎的な技能を身に付けるための活動を掲載しています。
 次に、教出の教科書65ページを御覧ください。「学習のまとめと表現」を設け、基礎的な知識を確認するなどの活動を掲載しています。また、各州を振り返るためにワードチェックや大きな地図を掲載しています。
 次に、帝国書院(以下、「帝国」)の教科書65ページを御覧ください。「節の学習を振り返ろう」を設け、ステップ1からステップ3を通して、州の特色を考える課題を掲載し、段階的に課題を解決していくようになっています。
 次に、日本文教出版(以下、「日文」)の教科書57ページを御覧ください。上を御覧いただくと、学習のまとめを設け、基礎的な知識の確認等を行うことができる活動を掲載しています。また、地図を活用しながら、知識を整理する活動を掲載しています。
 これらのことについて、答申の18ページ、東書の三つ目、四つ目の丸印、教出の三つ目の丸印、19ページ、帝国と日文は共に三つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の19ページ、(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 東書の教科書199ページを御覧ください。右下に小項目の課題を「探究課題」として掲載しています。また、「探究課題」を掲載している資料からの気付きを基に設定し、興味・関心を持たせる工夫をしています。また、198ページの上側を御覧ください。タイトルの右横に見開きページで学習する学習課題を掲載しています。
 次に、帝国の教科書190ページを御覧ください。上側に小項目の課題を「節の問い」として示し、中段のタイトルの右横に「どのような」等の見開きページで学習する学習課題を掲載しています。
 これらのことについて、答申の19ページ、東書の二つ目の丸印、20ページ、帝国の二つ目の丸印に記載をしています。
 続いて、答申の21ページ、(3)、問題解決的な学習を実施するための工夫についてです。
 東書の教科書20ページを御覧ください。左下を御覧いただくと、資料や学習課題に「見方・考え方」マークを付し、地理的な見方・考え方を活用して考察を深めたり、問題解決的な学習をしたりする活動を掲載したりしています。
 次に、帝国の65ページを御覧ください。「節の学習を振り返ろう」を設け、「『地理的な見方・考え方』を働かせて説明しよう」において、関連が深い見方・考え方を記載しています。
 これらのことについては、答申の21ページ、東書の四つ目の丸印、帝国の三つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の22ページ、(4)、様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換したりするための学習活動の工夫についてです。
 東書の教科書243ページを御覧ください。ここには、「くらげチャート」を利用して「探究課題」を解説する活動を掲載しています。また、255ページでは、「ウェビングマップ」を利用しています。このように、「まとめの活動」を設け、シンキングツールを利用して「探究課題」について考えたことを自分の言葉でまとめる学習活動を掲載しています。また、206ページの下側を御覧いただくと、「まとめの活動」の中に「みんなでチャレンジ」を設け、理由を話し合う課題や自分の意見を整理し、まとめるなどのグループで活動する課題等を掲載しています。
 次に、教出の教科書201ページを御覧ください。「学習のまとめと表現」の中に、「意見を交換しよう」を設け、「学習の視点」について考えたことを自分の言葉でまとめる活動を掲載しています。
 次に、帝国の教科書201ページを御覧ください。「節の学習を振り返ろう」の中で、導入で示された「節の問い」について自分の言葉でまとめる活動を掲載しています。また、ステップ3では、グループで活動する課題を掲載し、意見交換したりする言語活動を掲載しています。
 次に、日文の教科書191ページを御覧ください。「学習のまとめ」を設け、シンキングツールを利用して、「追及するテーマ」について考えたことを自分の言葉でまとめる活動を掲載しています。
 これらのことについては、答申の22ページ、東書の四つ目、五つ目の丸印、教出、帝国の四つ目の丸印、23ページ、日文の四つ目の丸印に記載しています。
 最後に、23ページの3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、東書を「よりふさわしい」とし、その理由として八つの丸印で記載しています。
 次に、24ページの(2)、帝国を「ふさわしい」とし、その理由として六つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「地図や諸資料を有効に活用して事象を説明する力に課題が見られる」ことの解決に向けて、特に、東書の二つ目の丸印、特設ページ「資料から発見」を設け、資料を読み取る力や考える力、説明する力などの地理的な技能を身に付けさせる活動を設定していることや、五つ目の丸印、「まとめの活動」で、関連する資料を取り上げながら問題を解決していく活動を設定していることを重視されていました。また、「自分の解釈を加えて論述したり、意見交換したりする力に課題が見られる」ことの解決に向けて、七つ目の丸印、多様なシンキングツールを利用した学習活動や、八つ目の丸印、「みんなでチャレンジ」を設け、グループで活動する課題を設け、論述したり、意見交換したりする活動が掲載されていることが重視されておりました。
 社会科、地理的分野については以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 広島市の課題は、地図や諸資料を有効に活用して事象を説明する力と、意見交換の力などということなのですけれども、私は、帝国書院の教科書がすばらしいと思います。写真や地図、グラフが非常に見やすく、地理への興味が湧いてくる作りになっています。また、ステップ1からステップ3があり、ステップ3でいろいろな話し合いをする作りになっている点でも、非常に良い教科書だと思います。審議会では、「ふさわしい」と判断されています。
 その中で、東京書籍が「よりふさわしい」という答申をいただいているのですけれども、広島市の課題である、地図や諸資料を有効に活用ということと直接的につなげると、特設ページ「資料から発見」は、確かに、資料から読み取る力という観点でスキルがあると思います。答申の六つ目の丸印にありますが、「見方・考え方」マークを付して、そこに注視するというような作りと、「まとめの活動」の中に「みんなでチャレンジ」を設けて、そこにみんなを参加型にさせて、意見交換をし、最終的に「探究課題」の解決に結びつける作りを、広島市の課題に「よりふさわしい」と審議会で判断したと思いますので、それは尊重して、東京書籍を「よりふさわしい」という意見に賛同したいと思います。
 帝国書院も非常に良い教科書だなという風に思いました。

井内委員

 地理というものは、ある意味、よく知ってもらわないといけないことがたくさんあって、互いに討論しながら学ぶというところが、なかなか作りにくい分野ではないかと思うのですが、各者、工夫して、取り組んでおられる努力が見えると思っています。今の時代に再認しなければいけないのですが、どこの者も第4章で「地域のあり方」というのを言っておられますよね。これからのSDGsを教育する社会(地理的分野)で、我々の住む中四国地方、広島のあり方を分析して、何があって、何が足りないのか、それを克服するためにはどうしたら良いかという議論をしてもらうというのは、非常に良い教科書の内容だと思っています。東京書籍と帝国書院は、ほとんど同じような作りになっていて甲乙付けがたいとは思うのですが、東京書籍の方が、少し丁寧かなという気がしました。帝国書院は、世界と日本という順番で、今までの捉え方が前に出てきている気がしたので、これからの社会は、あまり世界と日本とを分けないで、むしろ世界の中の日本であり、自分たちの住む地域から見て世界はどう見えるか、といった視点も非常に必要ではないかなと思っておりますので、東京書籍が「よりふさわしい」という意見には賛同します。以上です。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。その他は、よろしいですか。
 井内委員がおっしゃったように、地理ということで、大部分が知識習得型の教科ということもあり、(生徒に)考えさせるために、現場で使っていく上で使いやすく、あるいはうまく(課題に)つなげられるだろうということが評価されているのだと思います。
 それでは、お諮りします。
 社会、地理的分野については、東京書籍が「よりふさわしい」と考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、社会、地理的分野については、東京書籍を採択することに決定をいたしました。
 次に、社会、歴史的分野について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 それでは、(教科)社会科、(種目)歴史的分野について説明いたします。
 答申の26ページをお開きください。
 歴史的分野については、7者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、人類史上最初の被爆都市であり、原爆ドームなど平和の原点となる場所や、歴史的建造物や遺構などが多数存在する地域であること、二つ目は、身近な地域の調査や体験活動を通して、歴史を直接感じることができる地域であること、三つ目は、歴史的事象を多面的、多角的に考察する力に課題が見られること、四つ目は、課題を把握し、思考、判断したことを説明したり、それらを基に議論したりする力にも課題が見られることとしています。以上の四つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸2、国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせる工夫、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせて、見通しを立てたり学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は、観点4の視点丸7、本文の記述と適切な関連付けがなされたイラスト・写真・ウェブコンテンツ等の示し方、四つ目は、観点5の視点丸9、様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換したりするための学習活動の工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、御説明いたします。
 まず、(1)、国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせる工夫についてです。
 東書の教科書58ページを御覧ください。「基礎・基本のまとめ」で基礎的な語句の確認に表現活動を設けています。また、次の60、61ページ、「まとめの活動」では、シンキングツールを利用し「探求課題」を解決する活動を設定しています。
 次に、教出の教科書56ページを御覧ください。「学習のまとめと表現」で基礎的な語句の確認等を行い、「原始・古代の時代の特色を考えよう」という活動を掲載しています。
 次に、帝国の教科書56ページを御覧ください。「章の学習を振り返ろう」で基礎的な語句の確認等を行い、段階的に章の問いを解決した後で、時代の特色を穴埋め形式で解決する活動を掲載しています。
 次に、山川出版社(以下、「山川」)の教科書60ページを御覧ください。「まとめ」で地図や表を活用し、基礎的な語句の確認等を行う活動を掲載しています。
 次に、日文の教科書62ページを御覧ください。「学習の整理と活用」そして右側にあります「アクティビティ」で時代の特色を考える活動を掲載しています。
 次に、育鵬社の教科書66ページを御覧ください。「学習のまとめ」で年表や写真を参考にしながら、時代の特色をノートに記述する活動を掲載しています。
 次に、学び舎の教科書52ページを御覧ください。「第2章をふりかえる」で基礎的な語句の確認等を行い、「学習のまとめ」では学習してきたことを記述する活動を掲載しています。
 これらについては、答申の26ページ、東書と教出ともに二つ目の丸印、帝国から学び舎まで各者とも二つ目の丸印に記載されています。
 続いて、(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 東書の教科書149ページを御覧ください。右下の中項目の冒頭に、中項目の課題と共に、各小項目の課題を、「探究のステップ」として段階的に掲載しています。
 次に、帝国の教科書170ページを御覧ください。上側に「第3節の問い」を示してあり、対応する小項目に「学習課題」を掲載しているのが特色となっています。
 これらのことについては、答申の27ページ、二つ目の丸印、次の28ページ、帝国の二つ目の丸印に記載されています。
 続いて、(3)、本文の記述と適切な関連付けがなされたイラスト・写真・ウェブコンテンツ等の示し方についてです。
 東書の教科書276ページを御覧ください。特設ページ「地域の歴史を調べよう」を設け、「広島の復興と平和への思い」をテーマに「広島市」を取り上げ、平和都市としての広島の課題を考え、将来の広島の構想について話し合う課題解決的な学習活動を掲載しています。
 次に、山川の教科書250ページを御覧ください。「地域からのアプローチ」を設け、「広島」をテーマに取り上げ、原爆の被害や復興等についての学習活動を掲載しています。
 これらのことについては、答申の28ページ、東書の三つ目の丸印、29ページ、山川の三つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の29ページ、(4)、様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換したりするための学習活動の工夫についてです。
 東書の教科書25ページを御覧ください。右上を御覧いただきますと、基礎的・基本的な技能を身に付けさせるために「スキルアップ」を掲載しています。また、63ページの右上にあります「みんなでチャレンジ」を随所に設け、「クラスで発表し、意見を交換しましょう」など、意見交換する活動を掲載しています。
 次に、帝国の教科書37ページを御覧ください。上側に、基礎的・基本的な技能を身に付けるために「技能をみがく」を掲載しています。また、57ページでは、「章の学習を振り返ろう」を設け、右側の中段のステップ2で、「話し合いを通して自分の考えを深めよう」などの学習課題を掲載しています。
 これらのことについては、答申の29ページ、東書の一つ目と四つ目の丸印、29ページ、帝国の一つ目と四つ目の丸印に記載されています。
 最後に、答申の30ページ、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、東書を「よりふさわしい」とし、その理由として七つの丸印で記載されています。
 次に、31ページの(2)、帝国を「ふさわしい」とし、その理由として五つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「歴史的事象を多面的・多角的に考察する力に課題が見られること」の解決に向けて、特に、東書の一つ目の丸印、「まとめの活動」で「探究課題」を解決する活動を設定していることや、二つ目の丸印、特設ページ「資料から発見」を設けていることを重視されておりました。また、平和の原点となる場所や歴史的建造物が多数存在する地域であるということから、東書の五つ目の丸印、「広島市」を取り上げ、将来の広島の構想について話し合う課題解決的な学習活動を掲載していることも重視されていました。さらに「思考・判断したことを説明したり、議論したりする力にも課題が見られること」の解決に向けて、特に、東書の六つ目の丸印、思考ツールを用いながら、時代の特色を考察し、自由に表現する活動を掲載していることや、七つ目の丸印、「みんなでチャレンジ」を随所に設け、「クラスで発表し、意見交換をしましょう」など、意見交換をする活動を掲載していることも重視されていました。
 社会科、歴史的分野については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 広島市が被爆都市だということで、各者とも中身の違いは多少ありますけれども、広島の復興に関する記載があります。東京書籍の教科書276ページには、「広島の復興と平和への思い」としてきちんと記述できていると思いました。
 課題である(歴史的事象を)多面的・多角的に見るということに関して、答申の30ページの上から四つ目の丸印にありますが、帝国書院の教科書では、「多面的・多角的に考えてみよう」という特設ページを設け意図的に記載があります。審議会では、東京書籍が「よりふさわしい」という御判断をいただいていますが、帝国書院への評価について、どういう話があったのか、審議状況が分かれば御説明いただければありがたいのですが。

指導第二課長

 審議会の中でも、先ほど(栗栖委員に)おっしゃっていただいたような特徴を捉えて、各者とも多面的・多角的に考察するための工夫は見られるけれど、帝国書院や東京書籍で、より明文化されているといった御意見がありました。その中でも、東京書籍については、「まとめの活動」で「探究課題」を設定していることや特設ページ「資料から発見」を設けているところで、「よりふさわしい」という御意見がまとまったと記憶しています。

栗栖委員

 総合的に御判断されたということですね。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 地理にも若干そういう部分はあったのですが、(歴史的事象を)多面的・多角的に考察するために具体的にどういう指導を行っていくかということは、非常に難しいことだと思います。東京書籍の歴史の教科書を見て、良いと思った特徴は、60ページの「みんなでチャレンジ」の「くらげチャート」で、こういう考え方でみんなで考えようとか、96ページでは、「Ⅹチャート」、「Wチャート」で、こういう見方で歴史を見てみようとか、146ページでは、「ピラミッドストラクチャ」とあって、いろいろ段階的に見ていこうとか、204ページでは、「ウェビング」の手法を使って、というように、多面的・多角的に見るために、いろいろな視点で物事を見る、いろんな方法で考えるということが示されている点です。これは歴史の教科書ですが、他の場面でも、こういう観点でいろいろな議論をすることにつながるのかなと思います。そういうことが具体的に示されている辺りが良いと思いました。
 帝国書院など他の教科書も多面的に考察させる作りになっていますが、歴史における多面性が重要だという意味で、私も、東京書籍の思考ツールをベースに使えば、広島市の課題へつながると思いましたので、「よりふさわしい」という判断に賛同したいと思います。

指導第二課長

 今、栗栖委員におっしゃっていただいたように、審議会の中でも、東書の教科書は思考ツールが多彩であるという意見がたくさん出ました。
 それから、もう一つの特徴としては、例えば、205ページの「まとめの活動」の最後のまとめのところが空白で、子どもたちがいろいろな視点で自由に記入できる点が良いのではないかという意見も出ました。

秋田委員

 (歴史的分野では、)暗記や理解をしなければならない情報が膨大です。現場の先生が、基本的な事項の確認だけではなく(生徒が)自主的に考えて議論できるような授業作りという意味で、東京書籍の「探究のステップ」が使いやすくて選ばれたのだろうと思いました。審議会の答申に賛同いたします。

井内委員

 今、秋田委員がおっしゃられたように、歴史的分野も、自ら考えさせることは難しい科目であろうと思うのですが、東京書籍の工夫として見られるのは、「地域の歴史を調べよう」というのが、所々に入っていて良いと思いました。それに対して帝国書院は、先ほど栗栖委員から出たのですが、「多面的・多角的に考えてみよう」とあります。それで、「多面的・多角的に考えてみよう」というのは、大変とっつきにくいというか、「赤穂事件を考察する」というのが144ページにあるのですが、忠臣蔵の話を、今更どうするのだろうという気がしないでもない。かと思えば、突拍子もないところに未来志向な話が出て来て、少し無理矢理な感じがあるという気がしました。それと比較して、(東京書籍では、)「地域の歴史を調べよう」ということで、広島については原爆のことを取り上げてくれていて、これは大変ありがたいと思っています。他の地域では、例えば、92ページにある一乗谷の話になると広島の子は関心を持つかどうか分かりません。恐らく、先生の選択で、それぞれの地域の近いところ、関心のあるところどれかを取り上げて学習しようということだろうと理解しています。そういう形で、より身近なテーマを取り上げながら、子どもたちに少し考えてもらおうという試みから言えば、東京書籍の内容の方が少しとっつきやすいかなという感じがしました。全体的に、内容のボリュームがあって大変な教科なので、なかなかゆっくりディスカッションをしたり、調べたりする時間が取りにくいとは思うのだけれども、その中でも、広島ですから、今の広島の被災とそれから被爆のことと復興のことは、やはりみんなに調べてもらいたい。それぞれの立場で、その中にいろいろな感想や実感を含めてもらいたいと思っていますので、そういう意味も含めて、東京書籍が「よりふさわしい」という意見には賛同いたします。

糸山教育長

 それでは、お諮りをいたします。
 社会、歴史的分野については、東京書籍が「よりふさわしい」と考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、社会、歴史的分野については、東京書籍を採択することに決定をいたしました。
 次に、社会、公民的分野について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)社会(種目)公民的分野について説明いたします。
 答申の34ページを御覧ください。
 公民的分野では、6者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、第一次産業から第三次産業まで様々な産業が見られ、現代生活全般を概観できる地域であること、二つ目は、習得した知識を活用して、事実を基に多面的・多角的に考察・構想したことを説明する力に課題が見られること、三つ目は、論拠を基に自分の意見を説明、論述したりする力にも課題が見られることとしています。以上の三つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸1、公民として現代社会の見方・考え方の基礎を培うための工夫、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は観点2の視点丸4、問題解決的な学習を実施するための工夫、四つ目は観点5の視点丸9、様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換をしたりするための学習活動の工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴については、教科書を御覧いただきながら特徴を説明いたします。
 まず、(1)、公民として現代社会の見方・考え方の基礎を培うための工夫についてです。
 東書の教科書26、27ページを御覧ください。対立と合意、効率と公正について、部活動の今後の体育館の使い方を例に、解決策を考える学習課題を掲載しています。また、34ページ、35ページに「まとめの活動」を設け、自転車の使用ルールを例に解決策を考える活動を掲載しています。
 次に、教出の教科書28、29ページを御覧ください。対立と合意、効率と公正について合唱コンクールの練習場所のトラブル等の解決策を考える学習課題を掲載しています。
 次に、帝国の教科書17ページを御覧ください。防災備蓄倉庫の新設を例にした学習課題を掲載しています。また、23、24ページには、特設ページ「アクティブ公民」を設け、ロールプレイングを取り入れながら解決策を考えるようにしています。
 次に、日文の教科書26ページを御覧ください。合唱コンクールのスケジュールを例に、解決策を考えるようにする活動を掲載しています。
 次に、自由社の教科書36、37ページを御覧ください。体育館の使い方を例に、文章で課題を掲載しています。
 次に、育鵬社の教科書31ページを御覧ください。昼休みのグラウンドの使い方を例に、解決策を考える活動を掲載しています。
 これらのことについて、答申の34ページ、東書は一つ目と二つ目の丸印、教出の一つ目の丸印、帝国の一つ目と二つ目の丸印、35ページ、日文、自由社、育鵬社は、一つ目の丸印に記載されています。
 続いて(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 東書の教科書69ページを御覧ください。言語活動を取り入れて語句の確認を行い、次の、70、71ページを御覧いただくと、「まとめの活動」で新たな学習課題について、様々な見方・考え方を生かして取り組む学習活動が掲載されています。ここでは、シンキングツールを利用して、より発展的な課題にも取り組む活動が掲載されています。
 次に、教出の教科書78、79ページを御覧ください。「学習のまとめと表現」を設け、79ページの上のstep(ステップ)2では、シンキングツールを用いる課題を掲載し、次のページのstep3では、大項目の学習課題に対する自分の考えをまとめる学習活動を掲載しています。また、80ページの下側には、次章の学習のための関連事項を掲載しています。
 次に、帝国の教科書63、64ページを御覧ください。「章の学習を振り返ろう」を設け、語句の確認などを行い、「節の問い」を解決する学習活動を設定し、「章の学習を振り返ろう」の最後では、「次章への準備」を掲載しています。
 これらのことについて、答申35ページ、東書の四つ目の丸、教出の三つ目の丸、帝国も三つ目の丸印に記載されています。
 続いて、(3)、問題解決的な学習を実施するための工夫についてです。
 東書の教科書78ページを御覧ください。左側中央ですけれども、資料に「見方・考え方」を付して、重視する観点等を示し、関連する学習課題を掲載しています。
 これらのことについて、答申36ページ、東書の二つ目の丸印に記載されています。
 続いて、(4)、様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換したりするための学習活動の工夫についてです。
 東書の教科書65ページを御覧ください。上側ですけれども、「みんなでチャレンジ」を随所に設け、政治参加や、ここでは、プライバシーの権利と表現の自由について考えようという学習課題を設定しています。 
 次に、帝国の教科書170ページを御覧ください。「章の学習を振り返ろう」では、「見方・考え方を働かせて考えよう」のステップ2で、意見交換をする学習活動を掲載しています。
 これらのことについては、答申の37ページ、東書の四つ目、帝国は三つ目の丸印に記載をされています。
 最後に、答申37ページ、3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、東書を「よりふさわしい」とし、その理由として八つの丸印で記載されています。
 次に、38ページの(2)帝国を「ふさわしい」とし、その理由として五つの丸印で記載されています。
 審議会では、本市の生徒の「事実を基に多面的・多角的に考察・構想したことを説明する力に課題が見られる」ことの解決に向けて、特に、東書の一つ目の丸印、「効率」、「公正」の観点から考えさせる学習課題を掲載していることや、二つ目の丸印、公民的な見方・考え方を活用して考察するための課題が掲載されていることを重視されていました。さらに、「論拠を基に自分の意見を説明、論述したりする力にも課題が見られる」ことの解決に向けて、特に、四つ目の丸印、シンキングツールを利用し、各中項目を振り返る学習活動を設けていることや、七つ目の丸印、「導入の活動」や「まとめの活動」に「みんなでチャレンジ」を設け、グループで協力し、意見交換する学習活動を掲載していることが重視されていました。
 社会科、公民的分野については、説明は以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 広島市の課題は、多面的・多角的に考察・構想したことを説明する力、説明したり論述したりする力ということです。答申に書いてあるとおりなのですが、東京書籍で良いと思った点が、「もっと公民」です。(教科書)16ページに「新しい情報技術で社会が変わる」というテーマで、36ページに「オリンピック・パラリンピック(と日本の心)」、72ページに「先住民族としてのアイヌ民族」と全部で9テーマあります。一つ一つ見ていくと、SDGs(持続可能な開発目標)に関係があるテーマとして、現代の課題に対していろんなことを考え、深堀りすることができる題材だと思いました。それから、これも東京書籍の特徴だと思うのですが、「探究課題」、「まとめの活動」があって、「みんなでチャレンジ」では、みんなで話し合うツールを提供しています。例えば、34・35ページの「まとめの活動」の中では、座標軸を使って(情報の評価を行ったり)、70ページでは「トゥールミン図式」を使って考察したり、多面的に考えるための様々なツールを紹介しているというのは、大変良いと思いますので、東京書籍が「よりふさわしい」ということに賛同いたします。
 また、「ふさわしい」とされた帝国書院の教科書も、全般的に内容もイラストも充実していて、非常に使いやすく良い教科書という印象を持ちました。

井内委員

 公民分野というのは、まさに、いろいろな資料を大いに活用して、自分たちがなぜそうしなければならないか、あるいはどういう風に社会は構成されているのかということを勉強してほしいという科目だろうと思います。資料を大事に、またその資料をいつでも取り出せるような形で、一人一人が見方・考え方を確立してほしいという科目であろうと認識しているのですが、そういう意味では、東京書籍の教科書は、考え方の定義をステップバイステップで探究していけるような形に作ってあるという感じが致します。何にしても、教科書的にどう書いてあるということではなくて、むしろ、みんながそれを基にどういう風に考えていくかという授業作りが大切だと思います。基本的には、この東京書籍の教科書を「よりふさわしい」としておられることには賛成いたします。以上です。

糸山教育長

 その他、いかがでしょうか。よろしいですか。御意見も出尽くしたようですので、それでは、お諮りをいたします。
 社会、公民的分野については、東京書籍が「よりふさわしい」と考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし) 
 異議なしと認め、社会、公民的分野については、東京書籍を採択することに決定をいたしました。
 ここで休憩といたします。
 議事の再開は11時15分からといたします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは議事を再開します。
 地図について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)社会(種目)地図について説明いたします。
 答申の40ページを御覧ください。
 地図では、2者の教科書について、詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、豊かな自然環境に恵まれ、太田川のデルタ地形に位置し、自然災害等の発生しやすい地域であること、二つ目は、第一次産業から第三次産業まで様々な産業が見られ、地理的・歴史的分野における地域調査や体験活動を行うことに適している地域であること、三つ目は、地図や諸資料を有効に活用して、事象を説明する力に課題が見られること、四つ目は、自分の解釈を加えて論述したり、意見交換したりする力にも課題が見られることとしています。以上の四つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸1、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育てるための工夫、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は、観点2の視点丸4、学び方・調べ方の題材やその手順の示し方、四つ目は、観点5の視点丸9、様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換したりするための学習活動の工夫、以上の四つです。
 次に、2、各発行者の特徴について、実際に教科書を御覧いただきながら、御説明いたします。
 まず、観点1の視点丸1、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育てるための工夫について説明します。
 東書の教科書85、86ページを御覧ください。見開き2ページで「日本列島」の地図を550万分の1の縮尺で表しています。また、87、88ページで、南西諸島と各群島・列島等の地図を順に掲載しています。
 次に、帝国の教科書77ページを御覧ください。77、78、79ページに折込見開き3ページで「南西諸島と各群島・列島等」の地図を掲載しています。また、80ページから81、82ページには、日本列島の地図を400万分の1の縮尺で大きく表しています。
 これらのことについて、答申の40ページ、東書の一つ目、41ページ、帝国も一つ目の丸印に記載されています。
 続いて(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 帝国の教科書41ページの左上を御覧ください。世界の各州の地図に、同縮尺・同緯度・同経度の日本を掲載しています。このように、同緯度・同縮尺の日本を表していることで、日本との気候の違いや位置関係等を学習する際に役立つようになっています。
 このことについては、答申の41ページ、帝国の三つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の42ページ(3)、学び方・調べ方の題材やその手順の示し方についてです。
 東書の教科書4ページを御覧ください。4ページから3ページにわたって、地図帳に関する基本的な事項等である地図記号や地図、資料の見方の説明を掲載しています。
 次に、帝国の教科書4ページを御覧ください。4ページから5ページにわたって、地図帳に関する基本的な事項等である地図記号や地図、資料の見方、地形図の主な記号についての説明を掲載しています。また、8ページでは、函館市の地形図を例に挙げて、「国土地理院の地形図」に関する基本的な事項である記号や縮尺の説明等を掲載しています。
 これらのことについては、答申では42ページ、東書、帝国ともに一つ目の丸印に記載されています。
 続いて(4)「様々な資料を有効に活用し、考察したり、論述したり、意見交換したりするための学習活動の工夫」についてです。
 東書の教科書23ページを御覧ください。下側を御覧いただくと、キャラクターがありますけど、関連する資料に「キャラクターの吹き出し」を付して、学習内容を深めるため、考察したり、論述したりする活動を掲載しています。
 帝国の13ページを御覧ください。上側を御覧いただくと、「学習課題」として、学習内容を深める活動を掲載しています。また、24ページの下側を御覧いただくと、地図を活用するための「地図活用」を随所に付して、考察したり、論述したりする活動を掲載しています。
 これらのことについては、答申では、42ページ、東書、帝国ともに一つ目の丸印に記載されています。
 最後に、42ページ、「3 意見」の(1)をご覧ください。審議会としては、帝国を「よりふさわしい」とし、その理由として、七つの丸印で記載しています。
 次に、43ページの(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として、五つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「地図や諸資料を有効に活用して事象を説明することに課題が見られる」ことの解決向けて、特に、帝国の四つ目の丸印、世界の各州の地図に同縮尺・同緯度・同経度の日本を掲載していることや、六つ目の丸印、「地図活用」のコーナーを設定していることを重視されていました。また、「自分の解釈を加えて論述したり、意見交換したりする力に課題が見られる」ことの解決に向けて、特に帝国の七つ目の丸印、「地図活用」のコーナーで「クラスで発表しよう」、「説明しよう」等の言語活動等を含む学習課題を掲載していることが重視されていました。
 社会科地図については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 まず、帝国書院の地図についてです。全体の作りとして、縮尺が統一されていて非常に分かりやすいという印象を持ちました。また、広島の様々な自然災害の関連では、帝国書院の教科書149ページに「日本の自然災害・防災」という記載がありますし、96ページには「広島市付近にある水害の碑の分布」があり、「防災」のマークを付して、実際に広島で起こった災害に関連した資料も示されています。全般的に、各地方の特色が地図の上で丁寧に記載されているという印象を持ちました。そういう中で、(地図や諸資料を)有効活用したり、事象を説明したり、意見交換したりする力という課題に対しては、答申に書いてあるとおり、帝国書院には「地図活用」がふんだんにあるので、それをベースに地図を見ながら学習する工夫が良くされているなと思いました。また、6ページの「地図活用をやってみよう」で、(私は)実際には試していないのですが、二次元コードを読み取ると「地図活用」の解答が確認できるという昨今の時代に合った仕掛けを入れられているという印象を持ちましたので、帝国書院を採用するということに関して異議はございません。以上です。

井内委員

 帝国書院の地図は毎回そうなのですが、栗栖委員もおっしゃったけれど、大変見やすく、それから、記号やその他の説明を最初のところで丁寧にしてもらっているので、一人でも十分学習できるだろうという感じがします。具体的に、(8ページに)函館市の地図を例に地図帳の使い方を説明してあるのも良いのではないかなという気がしました。ともあれ、地図というのは、これだけで学習するというよりは、補助教材として横に置いて見ながら勉強するものだから、使いやすいさが一番ではないかなという気がしています。そういう意味では、帝国書院が使いやすいという気が致します。

秋田委員

 従来は、地図は地図だけということだったのですけれど、帝国書院の教科書は、「地図活用」ということで、地図の中でどういう視点で見るかということを意識付けさせてくれる点が、使いやすいのかなと思いました。

糸山教育長

 それでは、お諮りをいたします。
 地図については、帝国書院が「よりふさわしい」と考えられますので、帝国書院を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、地図については、帝国書院を採択することに決定をいたしました。
 次に、数学について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 はい。それでは、(教科・種目)数学について説明いたします。
 答申の46ページをお開きください。
 数学では、7者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、事象を数学的に解釈し、図表やグラフなどを適切に用いて論理的に考えたり、数学的な表現を用いて説明したりする力に課題が見られること、二つ目は、(全国学力・学習状況調査の)正答率30%未満の生徒の割合が高く、基礎・基本の定着のための手立てが必要であること、以上の二つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸2、基礎的・基本的な知識・技能を定着させるための工夫、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は、観点2の視点丸4、問題解決的な学習を実施するための工夫、四つ目は、観点5の視点丸9、数学的な表現を用いて自分の考えを表現し伝え合う学習活動の工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴については、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明させていただきます。
 まず(1)、基礎的・基本的な知識・技能を定着させるための工夫についてです。
 東書の第1学年の教科書305、306ページを御覧ください。折込みになっております。左上に「学びのつながり」と記載されていますけれども、既習事項のまとめを掲載し、学習内容と関連付けたり、振り返ったりできるようにしています。
 次に、大日本図書(以下、「大日本」)の第1学年の教科書280ページを御覧ください。280から285ページまで、「小学校算数のふり返り」に既習事項のまとめと問題を掲載し、学習内容と関連付けたりできるようにしています。
 次に、学図の第1学年の教科書10ページ、11ページを御覧ください。各領域の前に「ふりかえり」のページを設け、既習事項を学習内容と関連付けたり、振り返ったりできるようにしています。
 次に、教育出版(以下、「教出」)第1学年の教科書12ページを御覧ください。各章の前、ここでは「整数の性質を学習する前に」のコーナーを設け、既習事項を学習内容と関連付けることができるようにしています。
 次に、啓林館の第1学年の教科書7ページを御覧ください。ここから12ページまで、「算数をふりかえろう」として、既習事項に関する問題を掲載し、学習内容と関連付けたりできるようにしています。
 次に、数研出版(以下、「数研」)の第1学年の教科書14ページを御覧ください。各章の前に「ふりかえり」のページを設け、既習事項を学習内容と関連付けたりできるようにしています。
 次に、日文の第1学年の教科書13ページを御覧ください。各章の前に「次の章を学ぶ前に」を設け、既習事項を学習内容と関連付けたりできるようにしています。
 これらのことについて、答申の46ページから47ページ、各者とも一つ目の丸印に記載をしています。
 続いて、東書の第1学年の教科書264ページを御覧ください。巻末の「補充の問題」で基本的な内容の補充問題を掲載していますが、少し難しい問題にオレンジで星(★)マークを付けて示しています。
 次に、学図の第1学年の教科書283ページを御覧ください。巻末の「1年の復習」で基本的な内容の補充問題の掲載をしていますが、「基礎・基本となる問題」に、薄い緑色で三角(◢)マークを付けて示しています。
 これらのことについて、答申の46ページ、東書の三つ目の丸印、47ページ、学図の三つ目の丸印に記載されています。
 続いて答申の48ページ、(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 学図の第1学年の教科書32ページを御覧ください。興味・関心を持たせるための工夫として、ページ中ほどの「おしえて!」の欄で、学習の中で生徒が感じる疑問を取り上げ、33ページの「Tea Break」で疑問についての解説をしています。続いて、80ページの下を見ていただきますと、学習の区切りになるところで、「どんなことがわかったかな」の欄を設けて、学習を振り返り、その横の「次の課題へ!」で次の学習につなげる疑問を示しています。また、192ページ、各章末に「5章『平面図形』を学んで」のコーナーを設け、章を通した学習の振り返りができるようにしています。
 次に、教出の第1学年の教科書199ページを御覧ください。各章末に、ここでは「6章学習のまとめ」のコーナーを設け、学習を振り返ることができるようにしています。
 これらのことについて、答申の48ページ、学図の二つ目と四つ目の丸印、49ページ、教出の三つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の50ページ、(3)、問題解決的な学習を実施するための工夫についてです。
 東書の第1学年の教科書129ページを御覧ください。数学的な見方・考え方を働かせている箇所に虫眼鏡マークを付けて示しています。また、245ページの「大切にしたい見方・考え方」で、本文で扱った問題を取り上げ、どのような見方・考え方を働かせて問題を解決したかを振り返っています。
 次に、学図の第1学年の教科書139ページを御覧ください。側注の「!見方・考え方」の欄でどのような数学的な見方・考え方を働かせるかを示しています。また、262ページ、263ページの「『見方・考え方』をまとめよう」で、導入の「Q」で扱った問題を取り上げ、どのような見方・考え方を働かせたかを問題解決の流れの図に添えて示しています。続いて、264から267ページをお開きください。SDGsの特設ページを設け、複数のデータを分析し、そこから国際的な課題を見出し、自分たちにできることは何かを考える活動を設定しています。
 これらのことについて、答申の50ページ、東書の三つ目の丸印、学図の三つ目、四つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の52ページ、(4)、数学的な表現を用いて自分の考えを表現し伝え合う学習活動の工夫についてです。
 学図の第3学年の教科書18ページを御覧ください。上側を御覧いただくと、内容の導入の際に、話し合いの場面を設けています。また、裏見返しを御覧いただくと、個人で考察する際やグループで話し合う際に活用できるアイデアボードを設けています。
 次に、日文の第3学年の教科書23ページを御覧ください。一番上ですけれども、話し合おうのマークを付けて、話し合いを促しています。また、巻末を御覧いただくと、対話シートというのがありますが、該当箇所で話し合う際に切り取って使える対話シートを付けています。
 これらのことについて、答申の52ページ、学図の一つ目、二つ目の丸印、53ページ、日文の一つ目、二つ目の丸印に記載されています。
 最後に53ページ、3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、学図を「よりふさわしい」とし、その理由として八つの丸印で記載されています。
 次に、54ページの(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として六つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「図表やグラフなどを適切に用いて論理的に考えたり、説明したりする力に課題が見られる」ことの解決に向けて、特に、学図の六つ目の丸印、どのような見方・考え方を働かせたかを問題解決の流れの図に添えて示していることが重視されていました。また、正答率30%未満の生徒の割合が多く、基礎・基本の定着のための手立てが必要であるということから、特に、学図の二つ目の丸印、補充問題の「基礎・基本となる問題」に三角マークを付けていることや、四つ目の丸印、学習の区切りや章末に学習のふりかえりを設け、さらに次の学習につなげる課題を「次の課題へ!」で示していることが重視されていました。
 数学ついては以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 広島市の課題は、数学的に解釈し、論理的に考えたり、数学的な表現を用いて説明したりする力と、(全国学力・学習状況調査の)正答率30%未満(の生徒の割合が高く、基礎・基本の定着のための手立てが必要)ということがあります。各者とも、振り返りということに関しては、分析し工夫があると思いますが、その中で、学校図書の教科書が「よりふさわしい」という評価は、まさに答申に記載のとおりの理由だと思いました。
 数学的な見方というのは、非常に難しい面もあるのですけれども、例えば、学校図書の教科書で、広島市の課題と関連がある点は、1年生の教科書4ページと5ページの「この教科書を使った数学の学び方」というところで、5番目に「1つの課題を協働的に解決する数学的活動!」と明記されているところです。教科書全体として数学的な活動を意識した作りになっていると思います。それから、1年生の50ページの左端に「数学的活動」とありますが、「問題をみつけよう」、「平均を求めよう」、「より良い方法を見付つけよう」という形で進んで、最終的に51ページで「まとめよう」となっています。こういう流れで物事を数学的に考えていこうという工夫が見られるので、広島市の課題にマッチしているという印象を持ちました。
 それから、もう一つ、イラストで二人の中学生が各ページに登場し、身近な題材に対して、対話をしながら、いろんな考え方を説明しています。発想したり問題意識を持ったりすることが、この教科書を使って数学を学ぶときに習慣付くような作りになっているという印象を持ちました。論理的に物事を考えたり、説明したりするという広島市の課題に対しても工夫があると思いましたので、各者とも特徴があって非常に良い教科書だと思うのですが、広島市の課題である数学的な解釈や論理的な説明ということに焦点を当てた場合は、学校図書の教科書が「よりふさわしい」という答申に賛同したいと思います。

井内委員

 中学校の数学に課題があるというのは、以前から指摘されているところですね。広島市の場合、ポイントが二つあって、一つ目は、基礎・基本ができていない子が多いのではないかということ、二つ目は、図表やグラフを用いた問題に、非常に弱いのではないかということがあったので、今、東京書籍と学校図書を比べてみたのですが、図形などを移動させたりするっていうのは、ぱっと見た時に、東京書籍の方が分かりやすいと思います。学校図書は、データを見ながら分析していくところに、ページ数が多く、データを見ながらどう考えていくか、ある答えを導くようにどう誘導していくかということについては、データ活用に関してのノウハウがかなりあるような気がしました。いろいろな視点での課題というのはあると思うのですが、基礎・基本に関しては、各者ともいろいろと工夫をしておられると思うのだけど、今の後半に言いましたデータのことに関しては、やや東京書籍よりも学校図書の方が良いという風な視点で見ておりましたので、トータルとして考えた場合に、学校図書の方が「よりふさわしい」という意見には賛成をいたします。以上です。

糸山教育長

 私も、特に、数学というのは積み上げる(教科)というか、どこかでつまずいてしまうと先になかなか進めないというような中で、(学校図書の教科書の)章の頭に「ふりかえり」があって、進んだ先に、さらに発展があってという、できるだけ躓きを抑えつつ進めていこうという作りの工夫が、現場の先生方からすると、課題解決につながるという評価になったのではないかなという風に思っています。
 それでは、御意見も出尽くしたようですので、お諮りをしたいと思います。
 数学については、学校図書が「よりふさわしい」と考えられますので、学校図書を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、数学については、学校図書を採択することに決定をいたしました。
 次に、理科について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 はい。(教科・種目)理科について御説明をいたします。
 答申の56ページを御覧ください。
 理科では、5者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、大雨による土砂災害等の自然災害等も多く発生しており、自然災害と人間との関わり方についての認識を深めさせることが必要な地域であること、二つ目は、科学的な概念を活用して分析・解釈することに課題があること、三つ目は、基礎となる知識及び技能の習得に課題があること、以上の三つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸1、知識や概念の定着を図り、知識を深めるための工夫、二つ目は観点4の視点丸6、他教科や日常生活との関連の示し方、三つ目は観点5の視点丸8、科学的な概念を活用して分析・解釈したり、説明したりする学習活動の工夫、以上の三つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明いたします。
 まず、(1)、「知識や概念の定着を図り、知識を深めるための工夫」についてです。
 東書の第3学年の教科書68ぺージを御覧ください。各単元末に、基本事項を確認する「学習内容の整理」と問題演習をする「確かめと応用」を設けています。68ページに「学習内容の整理」を、70ページに「確かめと応用」を設けています。
 次に、大日本の第3学年の教科書78ページを御覧ください。各単元末に基本事項を確認する「まとめ」と問題演習をする「単元末問題」、「読解力問題」を設けています。「単元末問題」は80ページ、「読解力問題」は82ページとなっています。また、338ページでは「学習のまとめ」を設け、3学年末に中学校3年間の学習を振り返えらせているのが特徴となっています。
 次に学図の第3学年の教科書74ページを御覧ください。各単元末に、「学びを日常にいかしたら」を設定しています。
 次に、教出の第3学年の教科書64ページを御覧ください。「基本問題」を設けています。その前の62ページには「要点と重要用語の整理」を設けています。また、330ページに、「学年末総合問題」を設け、各学年末で1年間の学習を振り返らせています。
 次に、啓林館の第3学年の教科書38ページを御覧ください。「力だめし」を設けています。その前の36ページに基本事項を確認する「学習のまとめ」を設けています。また、316ページに「学年末総合問題」を設け、1年間の学習を振り返らせています。さらに、318ページには「中学校総合問題」を設け、3学年の巻末に中学校3年間の学習を振り返らせています。このように、各学年末及び3学年末にも演習問題を設けているのが特徴となっています。
 これらのことについて、答申に56ページ、各発行者とも二つ目の丸印に記載をしてあります。
 続いて、答申の57ページ、(2)、他教科や日常生活との関連の示し方についてです。
 東書の第2学年の教科書223ページを御覧ください。気象災害に関する内容ですが、上側を御覧いただくと、過去の気象災害を表にして紹介するとともに、右下に「注意報」、「警報」、「特別警報」を緊急度別に紹介をしています。また、第3学年の教科書298ページには、私のレポートとありますけれども、自分たちの住む地域ではどのような災害が起こる恐れがあるかを調べる活動のレポート例を示しており、本市の災害碑について調査した結果を示しています。その下側が広島市の例になっています。
 次に、啓林館の第2学年の教科書123ページを御覧ください。ここも気象災害に関する学習ですけれども、本文の中で局地的大雨による災害について記述されています。また、局地的大雨による被害の資料として、広島県内の土砂災害の様子を右上に写真付きで掲載しています。また、第3学年の295ページには、「大雨注意報」、「大雨警報・大雨特別警報」を緊急度別に紹介しています。それから、「記録的短時間大雨情報」と「土砂災害警戒情報」についても紹介をしております。
 これらのことについて、答申の57ページ、東書と啓林館ともに三つ目、四つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の58ページ、(3)、科学的な概念を活用して、分析・解釈したり、説明したりする学習活動の工夫についてです。
 大日本の第1学年の教科書64ページを御覧ください。各単元の終わりに「探究活動」を設定し、習得した知識・技能を統合し、探究の過程に沿って、疑問を解決する活動を仕組んでいます。
 次に、啓林館の第1学年の教科書13ページを御覧ください。単元に一つずつ「探Q実験」を位置付け、探究の過程に沿って疑問を解決する活動を仕組んでいます。また、60ページ、各単元の終わりには「みんなで探Qクラブ」を設定し、習得した知識・技能を統合し、探究の過程に沿って疑問を解決する活動を仕組んでいます。
 これらのことについて、答申の58ページ、大日本、啓林館ともに三つ目の丸印に記載されています。
 最後に59ページ、3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、啓林館を「よりふさわしい」とし、その理由として七つの丸印で記載しています。
 次に、60ページの(2)東書を「ふさわしい」とし、その理由として五つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市生徒の「基礎となる知識及び技能の習得に課題が見られる」ことの解決に向け、特に、啓林館の一つ目の丸印、各章末、各単元末、各学年末、3学年の巻末に演習問題を設けていることが重視されていました。また、「科学的な概念を活用して分析・解釈することに課題が見られる」ことの解決に向け、特に、啓林館の五つ目の丸印、探究の過程に沿った学習活動が多く設定されていることが重視されていました。そして、本市は自然災害についての認識を深めさせることが必要であるという実態に則し、啓林館の三つ目、四つ目の丸印、大雨による災害が丁寧に説明されていることが重視されていました。理科については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明に対し、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 各者とも、写真や実験のセットの流れを掲載し工夫されていると思います。広島の課題ですが、自然災害は実際に広島で起こっていますので、自然災害と人間との関わり方についての認識(を深めさせること)は、当然必要だろうと思いますし、また、科学的な概念を活用して分析・解釈することにも課題があります。
 先ほど指導第二課長から説明がありましたように、(啓林館の2年生の教科書)123ページに、2018年7月の広島県呉市の土砂災害の写真と岡山県倉敷市の大被害の写真が掲載されています。広島の人間にとっては大変身近な災害として、自然災害はいつ起きてもおかしくないということをきちんと認識する意味で、非常にここは良いと思います。このことは、答申の三つ目、四つ目の丸印に書いてあるとおりです。その他についても、科学的な概念を活用するという視点から言うと、答申に書いてあるとおりだと思います。理科というのは、多面性があり世の中のいろいろなこととのつながりがあります。科学的概念を活用して分析・解釈することや、基礎となる知識及び技能の習得との関連で言いますと、啓林館で良いと思った点は、例えば、1年生の教科書8ページの目次にある「科学コラム」です。「部活ラボ」、「お料理ラボ」、「お仕事ラボ」、「防災減災ラボ」、「深めるラボ」のコーナーで、3学年全ての教科書で、理科の実用性を具体的な日常生活のコラムの中で紹介しています。どちらかというと、理科が苦手な生徒が多いと思うので、「科学コラム」を使って日常生活と理科に関連があるということを各学年に応じて分かりやすく書いてあると、科学的な概念を活用し、基礎となる知識をきちんと身に付けるための一つの大きなきっかけになると思いました。この啓林館の教科書が「よりふさわしい」という答申に対して賛同したいと思います。

井内委員

 理科というのは非常に範囲が広く、物理、化学、生物、地学と種類もあって、かなり大きなボリュームを占めると思うのですが、結局、何が共通かというと、探究心を持たせるかどうかです。だから、いかに興味を持って実験で取り組んでくれるか、あるいは、物を見るかというところなので、こういう風に考えてくれたら良いなと思うのは、啓林館の本の最後の方に、探究の流れと探究の振り返りというのが1ページだけあり、それぞれの子どもたちが、自分がどんなことに疑問を持って、どんなことをやってみたかを、振り返ってくれるというのは、とても良いまとめのページじゃないかなと思います。それから、中身も、適切なところに適切な疑問が湧くような仕掛けがしてあるようにも思うので、やはり理科の教科書としては、大変面白い、興味深い教科書じゃないかなと思って、啓林館が「よりふさわしい」ということには賛成いたします。以上です。

秋田委員

 (井内委員の御意見に)重なるのですけれども、啓林館の後ろの部分に「探Qシート」が付いていて、実際に授業で使いやすいようになっていると思いました。審議会の答申に賛成です。以上です。

糸山教育長

 それでは、御意見も出尽くしましたので、お諮りをいたします。
 理科については、新興出版啓林館が「よりふさわしい」と考えられますので、新興出版社啓林館を採択にすることとしてよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、理科については、新興出版社啓林館を採択することに決定いたしました。
 ここで昼休憩とします。
 議事の再開は1時からとします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは、議事を再開します。
 本日は傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますよう、お願いいたします。
 午前に引き続き、議題1の議案第33号「令和3年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について」を議題とします。
 それでは、音楽一般について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)音楽、(種目)一般について、説明いたします。
 答申の62ページをお開きください。
 音楽科では、2者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、興味を示す音楽に偏りがあり、様々な音楽について、良さを感じ取ったり、理解したりすることに課題があること、二つ目は、生徒一人一人が音楽を知覚したことと感受したことを関連付けて、適切な言葉で表現することに課題が見られること、以上の二つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸3、共通事項との関連を図るための工夫、二つ目は観点2の視点丸5、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と関わるための工夫、三つ目は観点5の視点丸9、表現・鑑賞領域における言語活動につなげる工夫、以上の三つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明いたします。
 まず、(1)、「共通事項との関連を図るための工夫」についてです。
 教出の第1学年の教科書4ページを御覧ください。巻頭の学習内容を示した「学びのユニット」で、教材ごとの「学びの手掛かりとなるヒント」として音楽を形づくっている要素を示しています。
 次に、教育芸術社(以下「教芸」)の第1学年の教科書8ページを御覧ください。巻頭の「学習内容」を示した「学習内容」と一番上に書いてありますけれども、ここで教材ごとに関連する音楽を形づくっている要素を示しています。また、10ページには、左側の側注にありますけれども、教材ごとに関連する音楽を形づくっている要素を、見開きページの左側注にアイコンで示しています。また、36ページに、学習したことを基に考える際の参考として、中央よりやや下ですけれども、「注目するポイント」を示しています。
 これらのことについて、答申の62ページ、教出の一つ目の丸印、教芸の一つ目と二つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の63ページ、(2)、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と関わるための工夫についてです。
 教出の第2・3学年上の教科書40ページを御覧ください。我が国や郷土の伝統音楽について、縦譜や文化譜、唱歌について掲載し、唱歌を歌う場面を設定しています。具体例として44ページの「唱歌(しょうが)を用いて「『越天楽』を体験しよう」では、打ちものと篳篥(ひちりき)の唱歌の縦譜を掲載し、「膝の打ち方」を付して、歌う活動を促しています。
 次に、教芸の第1学年の教科書52ページを御覧ください。我が国や郷土の伝統音楽について、同様に縦譜や文化譜、唱歌について掲載し、唱歌を歌う場面を設定しています。具体例として55ページの「『越天楽』の唱歌を歌おう」では、五線譜と篳篥の縦譜の一部を掲載し、「歌う時のポイント」、「歌う時の姿勢」、「拍子の取り方」を付して、歌う活動を促しています。
 次に、教出の第2、3学年の教科書66ページを御覧ください。左上に「ポピュラー音楽図鑑」とありますが、ここでポピュラー音楽の起源や種類について、それぞれの音楽の違いや代表的な演奏家や作曲家についてイラストを付して紹介しています。
 次に、教芸の第2、3学年下の教科書58ページを御覧ください。ポピュラー音楽の様々なジャンルについて、2ページにわたり鑑賞活動を設定し、次の60ページの「ポピュラー音楽のジャンル」で海外編と日本編に分けて、更に4ページにわたり様々なジャンルの相関関係を示したり、写真を掲載し、解説したりしています。
 これらのことについて、答申では63ページ、教出、教芸ともに二つ目と六つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の64ページの(3)、表現・鑑賞領域における言語活動につなげる工夫についてです。
 教出の第1学年の教科書9ページを御覧ください。各学年で設けている「進んで学び合おう ACTIVE!」において、聴き取ったことや感じ取ったこと、表現の工夫等について生徒が直接書き入れる部分を設けたり、友達と話し合ったりする活動を促しています。書き込むのは右側のページです。
 教芸の第1学年の教科書19ページを御覧ください。各学年で設けている「深めよう!音楽」において、聴き取ったことや感じ取ったこと、表現の工夫等について、生徒が直接書き入れる部分を設けたり、友達と話し合う活動を促したりしています。生徒が直接書き入れる部分は、表の形式になっています。同様のものが47ページにもあります。
 次に、教出の第1学年の教科書60ページを御覧下さい。各学年の「何が同じで、何が違う?」では、様々な音楽について共通性や固有性を考え、特徴を理解することができるよう、表に整理し、話し合う活動を設定しています。
 次に、教芸の第1学年の教科書93ページを御覧ください。「曲のよさをプレゼンしよう」のコーナーを設け、自分で選んだ曲について、その曲の音楽的な特徴や感じ取ったことをもとに、曲の良さや聴きどころを伝え合う活動を設定しています。また、プレゼンする曲について、直接書き込む部分を設けています。
 これらのことについて、答申の64ページ、教出、教芸ともに一つ目と四つ目の丸印に記載しています。
 最後に3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、教芸を「よりふさわしい」とし、その理由として七つの丸印で記載しています。
 次に、65ページ、(2)教出をふさわしいとし、その理由として、五つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「興味を示す音楽に偏りがあり、様々な音楽について、よさを感じ取ったり、理解したりすることに課題がある」ことの解決に向けて、特に、教芸の五つ目の丸印、ポピュラー音楽及び「ポピュラー音楽のジャンル」でポピュラー音楽の様々なジャンルについて掲載し、音楽科の学習に興味・関心を持たせていることが重視されておりました。また、本市の「生徒一人一人が音楽を知覚したことと感受したことを関連付けて、適切な言葉で表現することに課題が見られる」ことの解決に向けては、特に、教芸の二つ目の丸印、教材ごとに関連する音楽を形づくっている要素を、左側注に示したり、注目するポイントを示したりしていることが重視されていました。音楽一般については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 広島市の現状や課題に関して、具体的な理由といいますか、様々な音楽について、よさを感じ取ったり、理解したりすることに課題があるとか、(感受したことを)関連付けて(適切な言葉で)表現することに課題があるのは、どういう原因でしょうか。

指導第二課長

 主に、先生方が日頃子どもたちと授業で接する中で、感じておられることでして、音楽は、子どもたちの周りにあふれてはいるのだけれども、普段聴いている音楽に偏りがあるという意見や印象をお持ちでした。伝統音楽を含めて幅広く多様なジャンルのものを学び、自分の周りに音や音楽があるということを常に大切にできるような子どもたちに育てていきたいということが、課題として表れています。

栗栖委員

 表現と鑑賞というジャンルで言えば、両者ともその辺のバランスはきちんと取れているという印象を持ちました。ポピュラー音楽の様々なジャンルに関して言うと、答申の五つ目のとおり、教育芸術社が丁寧だと思います。それから、感受したことを適切に表現するという課題に関してであれば、教育芸術社の答申の六つ目の丸印にある「深めよう!音楽」で話し合う活動を促しているので、教育芸術社が良い作りだと思いました。
 もう一つは、広島市の課題とは直接は関係ないのでしょうけれど、教育芸術社の1年の教科書62ページに「郷土に伝わる民謡を調べよう」、2年・3年下の教科書54ページに、「(私たちが受け継ぐ)郷土の祭りや芸能」と、郷土の音楽の継承に関しても触れてもらっています。
 また、個人的に教育芸術社で良いなと思ったのが、「深めよう!音楽」のところに二人のキャラクターがいて、全編に記載があるのですが、非常にプラス思考で前向きなことが書いてあるのですね。例えば、47ページには「ヴァイオリンの独奏が印象的でした」、「かっこいいと思います」など音楽を通して何か自己肯定感につながるようなキャラクターが全編に表示されていて、音楽を学びながらプラス思考の発想に結びつくような工夫がされているという印象を持ちました。
 そういう意味で、教育芸術社が「よりふさわしい」という御意見をいただいているということについては、私も同感でございます。

井内委員

 審議会のまとめの意見が64ページ、65ページにあるのですけれど、教育芸術社に対する評価の最後の5行と教育出版のそれが全く同じ文章なのですね。これでどうして(教育芸術社が)「よりふさわしい」でこれ(教育出版)は「ふさわしい」のか、全く伝わって来ないというのが残念な感じがします。
 私の印象としては、教育出版の目次は少し分かりにくい。ACTIVEというのは、どういう意味でACTIVEなのかというのが伝わりにくいのと、目次の並べ方の意図がよく分かりませんでした。教育芸術社は、それに比して、少し古い見方かもしれないけれども、それなりにきちんと目標が示されています。例えば、「深めよう!音楽」のところで曲の構成であるとか、パートの役割とか、ある意味でトラディショナルな教え方なのかもしれないけれども、こういうことは分かりやすいので、教えてもらう生徒たちにとっても、私のような感覚を持っていれば、こちらの本の方が取り組みやすいのかなと(思います)。それぞれページの左端のところに、何が狙いなのかということも縦に書いてありますし、こちらの方が理解をしやすいのかなと(思います)。ここで何を感じれば良いのかということが、分かりやすいのかなという気がしました。ですから、先ほど言いましたが、(答申)64と65ページの書き方では、このどちらの本が良いのかということについての、内容はよく分かり分かりませんけれど、個人的には、教育芸術社の教科書の方が好ましいと思いました。

糸山教育長

 今の井内委員の御意見に対して、(答申65ページの)まとめの部分の表現は同じですが、恐らくその上の(丸印の)ところで、少し(教育芸術社に)重み付けがあるのではないかと思います。そこを少し補足的に(説明してください)。

指導第二課長

 確かに、65ページを御覧いただくと、(1)と(2)の最後の(まとめの)5行は、本市の課題等を述べ、その解決に向けた教科書として「よりふさわしい」、あるいは「ふさわしい」理由を記載しております。その課題解決に向けて、それぞれの教科書で、特に、ここが適当なのではないかということを、その上の丸印に示してあるというところが、審議会の意見でまとめた内容でございます。

糸山教育長

 恐らく、下(まとめ)は同じで、上(丸印)もほぼ似通ってはいますが、若干、丸印で評価するポイントが(教育芸術社の方が)少し多いという最終的な審議結果であったということで良いですか。
 はい。その他、いかがでしょうか。よろしいですか。いろいろ御意見ありましたが、お諮りをしたいと思います。音楽一般について、教育芸術社が「よりふさわしい」と考えられますので、教育芸術社を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、音楽、一般については、教育芸術社を採択することに決定をいたしました。
 次に、音楽、器楽合奏について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)音楽、(種目)器楽合奏について、説明いたします。
 答申の68ページをお開きください。
 音楽、器楽合奏では、2者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、音楽、一般と同様です。
 続いて、(2)観点と視点については、一つ目は、観点1の丸1、器楽の基礎・基本を図るための工夫、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は、観点2の視点丸4、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と関わるための工夫、四つ目は、観点5の視点丸8、器楽領域における言語活動につなげる工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴については、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明いたします。
 まず(1)「器楽の基礎・基本を図るための工夫」についてです。
 教出の教科書の4ページを御覧ください。ここでは、リコーダーの基礎的な奏法を身に付けるためのポイントを写真や文で示しております。
 次に、教芸の教科書16ページを御覧ください。同様に、リコーダーの基礎的な奏法を身に付けるためのポイントを示し、更に23ページの下に、Q&A方式でポイントを示しています。同様のものは24ページ、27ページにもあります。
 これらのことについて、答申の68ページ、教出、教芸ともに二つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の69ページ、(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って、次につなげたりするための工夫についてです。
 教出の教科書の巻頭を御覧ください。「さまざまな音色や響きと奏法」で、様々な楽器の演奏時の写真を掲載しています。
 次に、教芸の教科書104ページを御覧ください。「楽器の図鑑」で、様々な楽器を整理し、写真を掲載しています。
 次に、教出の教科書6ページを御覧ください。各楽器のページでは、見開きごとに目標を示し、目標を示し、教材ごとに学びのポイントを示しています。
 次に、教芸の教科書8ページを御覧ください。「学習内容」で、三つの資質・能力とそれに対応する学習内容や教材を図示し、学習内容と各教材との関連の大小を色の濃さで示しています。また、20ページ、各楽器のページでは、教材ごとに学びのポイントを示しています。同様のものは、24ページ、29ページにもあります。また、10ページを御覧ください。10ページから15ページまで「アンサンブルセミナー」のページがあり、教材ごとに学習目標と音楽を形づくっている要素、学習のポイントを示しています。
 これらのことについて、答申の69ページ、教出の一つ目、四つ目の丸印、教芸は一つ目、四つ目、五つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の70ページ、(3)、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と関わるための工夫についてです。
 教出の教科書59ページを御覧ください。58、59が太鼓のページですけれども、唱歌について59ページに掲載し、日本の音楽文化について紹介するとともに、唱歌を唱え、楽器を演奏するように促しています。
 次に、教芸の教科書59ページを御覧ください。58ページから太鼓のページがありますが、ここで唱歌について掲載し、日本の音楽文化について紹介するとともに、唱歌を唱え、楽器を演奏するように示しています。59ページの右側に、練習の手順や練習のポイントを文で示しています。また、巻末の裏見返しの「楽しもう!和楽器の音楽」で、部活動を通して和楽器の合奏に取り組んでいる中学生を紹介するとともに、裏表紙の「私たちが受け継ぐ郷土の祭りや芸能」で、中学生が伝統芸能に関わっている写真を左上に掲載しています。
 これらのことについて、答申の70ページ、教出の二つ目の丸印、教芸の二つ目、三つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の70ページの(4)、器楽領域における言語活動につなげる工夫についてです。
 教出の教科書、26ページを御覧ください。「何が同じで何が違う?」で、楽器の共通点・相違点について表にまとめ、交流し友達に紹介する活動を促しています。また、発展として楽器の背景となる文化や伝統を調べ、記入する欄を設けています。同様のものは52ページにもあります。
 次に、教芸の教科書11ページを御覧ください。「アンサンブルセミナー」に掲載された教材全てに「深めよう!音楽」を設定し、示された譜例や吹き出しを活用しながら友達と交流し、グループで表現を工夫したり、パートの役割を話し合ったりする活動を促しています。同様のものは13ページ、15ページにもあります。
 これらのことについて、答申の70ページ、教出、教芸ともに一つ目の丸印に記載しています。
 最後に、3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、教芸を「よりふさわしい」とし、その理由として、七つの丸印で記載しています。
 次に、71ページの(2)、教出を「ふさわしい」とし、その理由として、五つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「興味を示す音楽に偏りがあり、様々な音楽についてよさを感じ取ったり、理解したりすることには課題がある」ことの解決に向けて、特に、教芸の二つ目の丸印、「楽器の図鑑」で、様々な楽器を整理していることを重視されていました。また、本市の生徒の「知覚したことや、感受したことを関連付けて適切な言葉で表現することに課題が見られる」ことの解決に向けては、教芸の四つ目の丸印、「アンサンブルセミナー」で教材ごとに音楽を形づくっている要素を示していること、さらに七つ目の丸印、友達と交流し、グループで表現を工夫したり、話し合ったりする活動を促していることが重視されていました。
 音楽、器楽合奏については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 両者ともに、いろいろな楽器の構造や名称について、写真やイラストを使って大変分かりやすく示されていると思います。その中で、答申の教育芸術社の二つ目の丸印にありますが、様々な楽器を「楽器の図鑑」で整理されている点は、様々な音楽(のよさを感じ取ったり、理解すること)という本市の課題につながると思います。また、適切な言葉(で表現する)という課題に関しては、教育芸術社の四つ目と七つ目に御指摘のとおりで、特に、「深めよう!音楽」で、いろいろな話し合いの活動を促しているということで、広島市の課題に対して「よりふさわしい」という意見には賛同します。
 もう一つ、教育芸術社の教科書を良いと思った点は、音楽家からのメッセージがたくさん記載されているところです。2ページの見開きで「ピアノで語るということ」、40ページの琴の遠藤千晶さんからのメッセージ、50ページの三味線の杵屋栄八郎さんからのメッセージです。音楽を使って社会的に活動している人からのメッセージを通じて、音楽の意味合いや社会性を生徒たちに教えられるのではないかなという印象を持ちましたので、この教育芸術出版社が「よりふさわしい」という御意見に関しては、私も賛同いたします。

井内委員

 先ほどの音楽(一般)の教科書と同じで、この器楽も(答申の)総括の文章は同じなので、どこが違うかなと思って見ていました。教育芸術社の教科書の巻末の「楽しもう!」に、子どもたちが部活動で和太鼓の合奏をしている写真が出ているのですよね。確かに、このページは楽しそうだなと思って、自分もやってみようという風な気持ちにさせるかなと思いました。中身については、少し甲乙付けがたいなという風にも思ったりもしましたが、(教育芸術社の)「アンサンブルセミナー」のところで、それぞれグループで、アーティキュレーションの工夫ができるとか、パートの役割を考えるとか、こういう形で音楽を楽しめるということを教えている点では、教育芸術社の教科書の方がより工夫があるという風に見えると思います。(教育)芸術社の教科書の方がふさわしいということには賛同いたします。以上です。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。その他は、よろしいですか。興味・関心を持って学んでもらうというところで少し、こちら(教芸)の方がふさわしいかなと思います。
 それでは、意見も出尽くしたようですので、お諮りをいたします。
 音楽、器楽合奏については、教育芸術社が「よりふさわしい」と考えられますので、教育芸術社を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、音楽、器楽合奏については、教育芸術社を採択することに決定をいたしました。
 次に、美術について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科・種目)美術について説明いたします。
 答申の74ページをお開きください。
 美術では、3者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、主題に対して豊かに発想し構想を練る力に課題があること、二つ目は、表現において意見を述べ合ったり、鑑賞において自分の価値意識をもって批評し合ったりする力に課題があること、以上の二つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸1、造形的な視点を豊かにするために必要な知識、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は、観点3の視点丸6、発想し構想することに関する内容、四つ目は、観点5の視点丸8、意見を述べ合ったり、批評し合ったりするなどの学習活動の示し方と具体例、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら説明させていただきます。
 まず、(1)、造形的な視点を豊かにするために必要な知識についてです。
 開隆堂の第1学年の教科書52ページを御覧ください。52ページから67ページまで、美術に関する基礎的な技法や材料・用具の特徴や使い方、題材で活用できる知識などについて特集し掲載しています。続けて、第2・3学年の教科書106ページを御覧ください。106ページから122ページにも同様のものを掲載しています。
 次に、光村の第1学年の教科書58ページを御覧ください。58ページから81ページまで、美術に関する基礎的な技法等を掲載しています。それぞれの内容を詳しく扱ったり、材料の中でも身近な紙について取り上げたりすることで、内容が充実しています。続けて、第2・3学年の教科書76ページから103ページにも同様のものが掲載されています。
 次に、日文の第1学年の教科書58ページを御覧ください。この58ページから75ページまで美術に関する基礎的な技法等を掲載しています。同様に、第2・3学年上の教科書50ページから65ページにも、加えて、第2・3学年下の48ページから57ページに同様のものが掲載されています。
 これらのことについて、答申の74ページ、各者とも一つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の75ページ(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 開隆堂の第1学年の教科書14ページを御覧ください。上側ですけれども、各題材では目標を「知識・技能等」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱で示しています。
 次に、光村の第1学年の教科書16、17ページを御覧ください。16ページ上側ですけれども、表現と鑑賞の二つの内容に分けて学習目標を示しています。また、鑑賞、表現、鑑賞の流れで、表現と鑑賞を相互に関連付けて学習を進めるように構成しており、黄色と青色のマークで示しています。鑑賞が黄色のマーク、表現が青色のマークになっています。このように、表現と鑑賞を繰り返しながら学習進めることができるように示しています。このことは、美術科の学習指導要領の改訂の趣旨にも該当したものとなっています。
 次に、日文の第2、3学年上の教科書10ページを御覧ください。上側ですが、目標を「知識・技能等」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱で示しています。
 これらのことについて、答申の75ページ、開隆堂の二つ目の丸印、光村の二つ目、三つ目の丸印、日文の二つ目の丸印に記載しています。
 次に、広島に関する内容についてです。
 開隆堂の第2・3学年の教科書66ページを御覧ください。「ポスターで伝える」において、「ヒロシマ・アピールズ2019」を掲載しています。
 次に、光村の第2・3学年の教科書56ページを御覧ください。「メッセージを伝える」において、「ヒロシマ・アピールズ1983、1984、2015」の3作品を掲載しています。
 次に、日文の第2・3学年上の教科書41ページを御覧ください。「その一枚が人を動かす」において、「ヒロシマ・アピールズ1983、1984、2015」の3作品を掲載しています。
 これらのことについて、答申の75ページ、開隆堂の五つ目の丸印、光村の六つ目の丸印、日文の五つ目の丸印に記載されています。
 次に、光村の第2・3学年の教科書37、38ページを御覧ください。触っていただければと思うのですけれども、鑑賞の版画や絵巻物・漫画の題材では、それぞれ2作品について和紙の風合いを持つ紙を使用して掲載しています。また、11、12ページの鑑賞の「最後の晩餐」では、トレーシングペーパーを挟み、書き込みができるようになっています。このトレーシングペーパーに実際に線を引くことで、消失点を見つけることができるように工夫されています。
 これらのことについて、答申の75ページ、光村の七つ目と八つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の76ページ、(3)、発想し構想することに関する内容についてです。
 開隆堂の第2・3学年の教科書67ページを御覧ください。右側に、思考ツール「マッピング」を紹介しています。右側のポスターの製作で構想する際の方法として示しております。
 次に、光村の第2・3学年の教科書76、77ページを御覧ください。ここでは、思考ツール「マッピング」、「9マスの図」、「ベン図」を紹介しています。また、発想や構想を助ける特集ページ「発想を広げる」を設けています。76ページの上側に「発想を広げる」と書かれています。このように生徒が発想し、構想する際の方法や手順を示しています。次に、46ページ、同じ教科書の46ページ、左上に「みんなの工夫」と書いてありますが、こうしたコーナーを設け、中学生の製作や発想の様子を詳しく掲載しています。
 次に、日文の第1学年の教科書58、59ページを御覧ください。ここでも思考ツール「マッピング」を紹介しています。また、発想や構想を助ける特集ページとして、左上に書いてありますが、「発想・構想の手立て」を設けています。このように生徒が発想、構想する際の方法や手順を示しているという特徴があります。
 これらのことについて、答申の76ページ、開隆堂の四つ目の丸印、光村の一つ目、四つ目、五つ目の丸印、日文の四つ目、五つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の77ページ、(4)、意見を述べ合ったり、批評し合ったりするなどの学習活動の示し方と具体例についてです。
 開隆堂の第1学年の教科書36ページを御覧ください。発想・構想の場面で身の回りにある形と色彩について話し合う活動を掲載しています。
 次に、光村の第1学年の教科書40、41ページを御覧ください。発想・構想の場面でAからDのグループの文様の共通点について話し合う活動を掲載しています。次に、第2・3学年の77ページ、特集の「発想を広げる」の中で、中央に「話し合って見方や考え方を広げる」を設け、言語活動を行う際の方法や手順を示しています。
 次に、日文の第1学年の教科書41ページを御覧ください。発想・構想の場面で、友達と模様の組み合わせを考える活動を掲載しています。
 これらのことについて、答申の77ページ、開隆堂の一つ目の丸印、光村の一つ目と四つ目の丸印、78ページ、日文の一つ目の丸印に記載されています。
 最後に、答申78ページ、3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、光村を「よりふさわしい」とし、その理由として九つの丸印で記載しています。
 次に、79ページの(2)、日文を「ふさわしい」とし、その理由として五つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市生徒の「主題に対して豊かに発想し構想を練る力に課題がある」ことの解決に向けて、特に、光村の五つ目の丸印、「みんなの工夫」というコーナーを設け、中学生の制作や発想の様子を詳しく掲載していること、七つ目の丸印、発想や構想を助けるページを設けていることが重視されていました。また、「表現において意見を述べ合ったり、鑑賞において自分の価値意識を持もって批評し合ったりする力に課題がある」ということから、光村の九つ目の丸印、言語活動を行う際の方法や手順を示していることを重視されていました。
 美術については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 美術というのは、非常に感性の問題が高く、各者とも作品を豊富に取り上げて、見ているだけでも楽しくなるような作りで、非常によくできていると思います。その中で、広島市の、豊かに発想し構想を練る力や、(表現において)話し合ったり、(鑑賞において)批評し合ったりするところに課題があるという観点で見た場合に、「みんなの工夫」というコーナーには、確かに、各章とも構想を助ける構成となっていて答申の(78ページの光村の)五つ目の(丸印の)通りだと思います。
 それから、六つ目の(丸印の)ところに、生徒のアイデアスケッチやレポートが13題材で紹介されていると書いてあるのですが、実際に教科書を見ると、生徒がアイデアスケッチをする姿やアイデアスケッチの中のものが、豊富に記載されているので、同級生のやっている場面を身近に目で見ることができる作りになっていると思いました。それから、七つ目と九つ目に書いてある「発想を広げる」は、言語活動を行う際の手順を示しているので、広島市の課題にはマッチングしているという印象を持ちました。また、光村で良いと思ったのは、作者の言葉がいろんなところに書いてあって、どういう観点で制作したかを参考にしながら、発想力につながる作りになっているという印象を持ちました。
 また、映像メディアの活用とか、ICT機器でものを作っていく手順も出ていて、最近のインターネット社会における著作権の問題にも触れてあり、現代の若い人たちの課題に対しても対応できる作りになっていると思いましたので、光村のこの教科書が「よりふさわしい」ということについては、私は賛同します。

井内委員

 美術に関して言えば、それまでずっと図画工作と言っていたものが美術という名前に変わって、何をどう勉強するかということが、子どもさんにとって、よく分からない(と思います)。私が一番大事だと思うのは、美術作品をどう見れば良いのだろうということです。ただぼうっと見て、良いとか悪いとかじゃなくて、ある程度、見方の一定のルールがあるということを考えながら作品を見ることが、感性を高めていくためにはとても大事じゃないかと感じているので、光村の1年生の教科書の6ページと7ページのように、「美術って何だろう?」から始まり、1年生のときからこういうことをきちんと伝えてもらえる点がよいと思いました。それから、光村の教科書は、中に違う紙を挟んだり、いろいろ工夫がある。バラエティーに富んでいて、見ていて楽しいのではないかというような気持ちなので、あまり各者に大きな違いはないと思いましたが、この光村図書の教科書が「よりふさわしい」という意見には賛同します。

秋田委員

 光村は、「みんなの工夫」というのがあり、ただ生徒作品を載せるだけではなくて、どういう風に作ったかという経過が挙がっています。生徒作品だけが載っていると、「上手なのが載っているな」くらいで終わってしまうのですが、(制作)過程が載っているので、子どもたちが具体的にイメージしやすく、面白いと思いました。

栗栖委員

 先ほど私が申し上げた光村の第2年・3年の教科書78ページから81ページの「映像メディアの活用」ですが、最近、比較的若い人は、スマートフォンやタブレットなどを見たり、投稿したりすることが流行りになっています。79ページでは、著作権(に関する注意)にもきちんと触れられているので、その辺がマッチしていると思いました。

糸山教育長

 はい。それでは意見も出尽くしたようですので、お諮りをいたします。
 美術については、光村図書出版を「よりふさわしい」と考えられますので、光村図書出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、美術については、光村図書出版を採択することに決定をいたしました。
 次に、保健体育について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 はい。(教科・種目)保健体育について説明いたします。
 答申の82ページを御覧ください。
 保健体育では、4者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、平成30年7月豪雨をはじめとした自然災害が多く発生していることから、災害への知識と備えが必要な地域であること、二つ目は、体力の実態として、筋力、全身持久力に課題が見られること、三つ目は、習得した知識や技能を活用して課題解決することや、学習したことを相手に分かりやすく伝えようとすることが課題であること、以上の三つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点1の視点丸1、運動や健康・安全に関する知識、技能の定着を図るための工夫、二つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、三つ目は、観点2の視点丸4、習得した知識や技能を活用して課題解決につなげるための工夫、四つ目は、観点5の視点丸8、コミュニケーション能力や論理的思考力を高めるための工夫、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明いたします。
 まず、(1)、運動や健康・安全に関する知識、技能の定着を図るための工夫についてです。
 東書の教科書99ページを御覧ください。右上を御覧いただきますと、資料の近くに「ポイントマーク」を付して、資料を読み取るためのポイントを示しています。 
 次に、大修館の教科書60ページを御覧ください。左側ですが、資料の近くに「よみ取るマーク」を付し、資料を読み取るためのポイントを示しています。
 これらのことについて、答申の82ページ、東書の四つ目の丸印に、83ページ、大修館の四つ目の丸印に記載しています。
 続いて、体力の向上についてです。
 東書の教科書118ページを御覧ください。体力の要素を、体力を高める運動例と行う目安との関係で示しています。左側を御覧いただくと、縦に体力を高める運動例と行う目安等が示してあります。
 次に、大日本の教科書62ページを御覧ください。体力の要素を、中学校で学ぶ運動との関係で示しています。
 次に、大修館の教科書62ページを御覧ください。体力の要素を体つくり運動との関係で示すとともに、右側のページに、体力向上のための計画を立てる学習活動を示しています。
 次に、学研の教科書194ページを御覧ください。体力の測定とその活用例を示しています。
 これらのことについて、答申の82ページ、東書の五つ目の丸印、83ページ、大日本から学研まで各者五つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の84ページ、(2)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 大修館の57ページを御覧ください。下側ですけれども、学習を振り返って、自己評価をするための「学習の振り返り」を設けています。
 次に、学研の68ページを御覧ください。こちらも学習した内容を振り返って、自己評価をするための「振り返ろう」を設けております。
 これらのことについて、答申の84ページ、大修館、学研ともに四つ目の丸印に記載してあります。
 続いて、答申の85ページ、(3)、習得した知識や技能を活用して課題解決につなげるための工夫についてです。
 大修館の教科書129ページを御覧ください。左下ですけれども、学習した知識を実生活に活かして考える課題「体育の窓」でパラリンピックの正式種目であるボッチャについて取り上げ、そのルールを調べるなどの活動を掲載しています。また、24ページの左側ですが、「スマホ首と疲労」で自身の日頃の姿勢を見直す活動を設けるなど、学習した知識を実生活に生かして考える課題として、「保健の窓」を6か所に示しております。
 次に、学研の教科書36ページを御覧ください。左上に「もっと広げる深める」とありますが、自身の生活習慣を見直す活動など、興味や関心などに応じて学習するページである「もっと広げる深める」を5か所に掲載しています。
 これらのことについて、答申の85ページ、大修館の二つ目の丸印、次の86ページ、学研の二つ目の丸印に記載しています。
 続いて、自然災害についてです。
 東書の70ページを御覧ください。このページから二つの小単元構成で二次災害、緊急地震速報など、自然災害による傷害の防止について示しています。また、74ページに発展的な学習として、避難所生活などについて取り上げています。さらに86ページから88ページには章末資料として、自然災害の写真や警戒レベル、地域安全マップの作成などを取り上げています。
 次に、大日本の98ページを御覧ください。二次災害、ハザードマップ、緊急地震速報など、自然災害による傷害の防止について示しています。また、資料として100ページから103ページまで、自然災害による写真や日頃から備えておくことなどを取り上げています。さらに116ページ、章末資料として避難所でできることを考える活動を取り上げています。
 次に、大修館の教科書106ページを御覧ください。同様に、二次災害や緊急地震速報など、自然災害の傷害の防止について示しています。また、特集資料として116ページに、災害伝言ダイヤルや警戒レベル、ハザードマップ、災害から命を守る行動などを取り上げています。さらに168ページに、災害による衛生環境の悪化や災害に関する情報の活用法などを取り上げています。このように、第3学年の学習内容においても災害に関する単元を設けているのが、大修館の特徴となっています。
 次に、学研の116ページを御覧ください。これまでと同様、二次災害やハザードマップなど、自然災害による傷害の防止について示しています。また、特設ページとして118ページから121ページまで、自然災害の写真や災害伝言ダイヤル、警戒レベル、自然災害発生時の避難行動などを取り上げています。
 これらのことについて、答申の85ページ、東書、大日本は四つ目の丸印、大修館は四つ目、五つ目の丸印、86ページ、学研の四つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申86ページ、(4)、コミュニケーション能力や論理的思考力を高めるための工夫についてです。
 大修館の教科書92ページを御覧ください。スマホ依存に関することや、飲酒の誘いの断り方で、自身の経験等を基に話し合いを行ったり、解決方法を考えたりする学習活動を示しています。
 次に、学研の100ページを御覧ください。上側ですが、たばこ、酒、薬物の断り方で、どうすれば良いのか話し合いを行ったり、解決方法を考えたりする学習活動を示しています。
 これらのことについて、答申の86ページ、大修館の三つ目の丸印、次の87ページ、学研の三つ目の丸印に記載してあります。
 最後に3、意見の(1)を御覧ください。審議会としては、大修館を「よりふさわしい」とし、その理由として七つの丸印で記載してあります。
 次に、(2)、学研を「ふさわしい」とし、その理由として、五つの丸印で記載してあります。
 審議会では、本市は災害への知識と備えが必要な地域であるということから、特に、大修館の六つ目の丸印、災害による衛生環境の悪化や災害に関する情報の活用法など取り上げるなど、第3学年の学習内容においても災害に関する単元を多く入れていることが重視されていました。また、本市の生徒の筋力、全身持久力に課題が見られることの解決に向けて、特に、大修館の二つ目の丸印、体力の要素を体つくり運動との関係で示すとともに、体力向上のための計画を立てる学習活動を示していることを重視されていました。さらに、本市の「学習したことを相手に分かりやすく伝えようとする」ことが課題であることの解決に向けて、大修館の七つ目の丸印、自身の経験等を基に話し合いを行ったり、解決方法を考えたりする学習活動を示していることが重視されていました。保健体育については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 保健体育は、体力の向上という重要なテーマと、自然災害に関すること、熱中症や感染症といった現在の具体的な問題が総合的に入っている重要な科目だと認識しております。そういう中で、各者ともいろいろなイラストや写真、図表などを豊富に使い、生徒が見た時に分かりやすく作られていて、内容もそれぞれ工夫されて充実していると思います。
 広島市の課題を見た場合に、一つ目は、災害への知識と備えが必要な地域であるという地域性があります。二つ目は、筋力、全身持久力に関して、「全国体力・運動能力、運動習慣調査」に具体的に出ているので、課題となっていますが、恐らく筋力や全身持久力に特化した(教科書の)作りはないと思いますので、総合的に、継続的な体力つくりという観点だと思います。一つ目の災害に関しては、答申(87ページ)の大修館の五つ目と六つ目の丸印にあるように、丁寧に記載がされていると思います。筋力、全身持久力に関しては、先ほど説明があったように、大修館の62ページの「クローズアップ」に「体力の要素と体つくり運動」とあり、計画的に運動をしたら体力がつくということが書いてありますので、その辺が課題につながる記載だと思います。
 それから、課題の解決に対して、大修館で良いと思った点は、見開きの目次の右側の上から二つ目に「特集資料」というのがあり、「ゆるスポーツ」や「超人スポーツ」など20項目が載っています。ここは、テーマに関する学習の深堀りができるような内容なので、この項目から課題を掴んで相手に伝えたり、意見を出し合ったりすれば、広島市の課題につながる教材になっているという印象を持ちました。
 それから、学習の進め方という観点では、各者それぞれ工夫があるのですが、大修館に関して言うと、各単元の「きょうの学習」で目当てをきちんと明確にし、その課題をつかむ方法として、「意見を出そう」、「身に付けよう」、「振り返ろう」など、課題ごとに切り口を変えています。そういう意味でいろんな自分の考え方が見られるような仕掛けになっています。最終的には、章のまとめで基本の確認をしたり、習得の確認をしたり、最後に評価できるような仕組みになっているので、良い作りになっているという印象を持ちました。
 また、コロナについてはないのですけれども、132ページに感染症の予防の問題、150ページに「人類と感染症の終わりなき闘(たたか)い」など、172ページに「熱中症の応急手当」など、今、社会的に話題になっているような事柄についてもきちんと触れられているので、現状にあわせてどうしたら良いかを生徒に考えさせる教材になっていると思います。したがって、保健体育に関して、審議会が大修館の教科書を「よりふさわしい」とされているということに関しては、全く私も賛同いたします。

秋田委員

 大修館については、学習のまとめの中で、「確認しよう」、「発見しよう」、「生かそう」、「話しあおう」と、それぞれ分かれていて、「生かそう」とはっきり書いてあることで、生かそうかなという気持ちになるし、「確認しよう」だったら、確認しようという意識になると思うし、具体的に書かれているのが良いと思います。それから、50、51ページの「ストレスへの対処の仕方」でも、学習のまとめを話し合おうということで、個人個人の受け止め方の違いなども理解する工夫がされているなと思いました。また、「保健の窓」や「体育の窓」で実生活に生かして考える課題が勉強できるようになっているところが良いと思います。

井内委員

 本市の課題は、運動能力に少し偏りがあって、ボール投げが余りうまくない、握力がないなど問題のあるポイントがありました。そういうところから言えば、例えばこの教科書では、全て保健と体育が一つになっていて、体育の部分と保健の部分で、1年、2年、3年と分けて書いてあります。大修館の2年生のところには、体育の理論の1年のときに、どのようにこの競技をすることによって、どういう体力がつくのかという解説がありました。最初にそういう学習をしてもらって、必要性と楽しさというのは、後でもいいのではないかと思います。学習指導要領に書いてあるからこうなのだろうと思うのだけど、何となくそういう気がしました。中学校の3年間の間に、まず、こういう目標で自分の体力を上げていこうと取り組んでほしいと思います。スポーツの取り組み方、その意味合いということについては、大修館の書き方が一番分かりやすくて良いと思いました。あとの保健に関しては、どの教科書も似たり寄ったりで大差はないと思ったのですが、体力ということについて、もう少し中学生のときに考えてほしいという気持ちがあるので、この部分についての強化策を、我々も、もう少し考えていかなければいけないかなと思います。ともあれ、大修館の教科書を選ぶということには異議はありません。

糸山教育長

 それでは、お諮りをいたします。
 保健体育については、大修館書店が「よりふさわしい」と考えられますので、大修館書店を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、保健体育については、大修館書店を採択することに決定いたしました。
 次に、技術・家庭、技術分野について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)技術・家庭、(種目)技術分野について説明いたします。
 答申の90ページを御覧ください。
 技術分野では、3者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、生徒は世の中の技術に触れる機会が多く、技術分野の学習への関心は高いが、年々ものづくり体験は少なくなり、また生活体験は個人差が大きくなっていること、二つ目は、技術と生活や社会、環境との関係について理解し、知的財産を尊重しながら創意・工夫する力に課題があること、三つ目は、技術と生活や社会、環境との関係について理解し、問題解決学習を行う力に課題があること、以上の三つです。
 続いて、(2)、観点と視点については、一つ目は、観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、二つ目は、観点2の視点丸4、学習過程の工夫、三つ目は、観点3の視点丸5、題材や資料等の配列・分量、四つ目は、観点3の視点丸6、実践的・体験的な学習に関する内容、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明いたします。
 まず、(1)興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 東書の教科書68ページを御覧ください。上側を御覧いただくと、問題解決の具体例として、「問題の発見」、「課題の設定」、また「私の工夫」等を示し、生徒が行う問題解決学習について例示しています。
 次に、教育図書(以下、「教図」)の教科書162ページを御覧ください。左側を御覧いただくと、問題解決の具体例に「問題を発見する」、「目的や条件をもとに構想を考える」などを示し、生徒が行う問題解決学習について例示をしています。
 次に、開隆堂の教科書60ページを御覧ください。問題の解決の具体例として、「問題の発見」、「課題の設定」、「さまざまな課題解決の方法例」などを示し、生徒が行う問題解決学習について例示をしています。また、左上の「問題の発見」に下側に「社会とのつながり」を合わせて示し、生徒が問題を発見する際に、社会とのつながりを意識できるようにしています。
 これらのことについて、答申の90ページ、東書の三つ目の丸印、次の91ページ、教図と開隆堂はともに三つ目の丸印に記載してあります。
 続いて、答申の92ページ、(2)、学習過程の工夫についてです。
 東書の教科書2ページを御覧ください。技術分野の学習過程について、巻頭の「技術分野の学習の流れ」で説明をしています。また、272ページに「技術分野の学習を終えて」を掲載し、3年間の学習を振り返るとともに、巻末の最終ページに「SDGsとTechnology」を掲載し、持続可能な社会の構築と技術の関係について確認できるようにしています。
 次に、開隆堂の教科書6、7ページを御覧ください。「技術分野の学習の流れ」において、技術分野の学習過程について示し、各要素について4コマ漫画やイメージ図を使って説明しています。また、266ページから269ページまで「技術分野の学習をふり返り、私たちの未来へつなげよう」を掲載し、3年間の学習を振り返るとともに、持続可能な社会の構築に向けて必要となる資質能力について確認する工夫にしています。特に、269ページでは、上を御覧いただくと、主体的に技術に関わる態度や技術を工夫し創造する態度について確認できるようになっています。
 これらのことについて、答申の92ページ、東書、開隆堂ともに一つ目と五つ目の丸印に記載しています。
 続いて答申の93ページ、(3)、題材や資料等の配列・分量についてです。
 東書の教科書270、271ページを御覧ください。「知的財産の活用・創造」を掲載し、知的財産を保護・活用することに加えて、創造することの重要性について示しています。
 次に、開隆堂の265ページを御覧ください。中央ですけれども、各内容の終わりにコラムを掲載し、知的財産を保護・活用することに加えて、創造することの重要性について示しています。また、93ページの中央に技術に携わる者の倫理観について詳細に書いています。
 これらのことについて、答申の93ページ、東書、開隆堂ともに二つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の94ページ、(4)、実践的・体験的な学習に関する内容についてです。
 開隆堂の教科書56ページを御覧ください。このページから67ページまで実践的・体験的な学習の具体例を示しています。60ページを御覧いただくと、具体例、実践例の名称を「安全性を重視した」としており、何を目的としたものかが分かるようになっているのが特徴です。
 このことについて、答申の95ページ、開隆堂の一つ目の丸印に記載しています。
 最後に、3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、開隆堂を「よりふさわしい」とし、その理由として六つの丸印で記載しています。
 次に、96ページ(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として四つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市生徒の「問題解決学習を行う力に課題がある」ことの解決に向けて、特に、開隆堂の二つ目の丸印、問題解決の具体例の中に「問題の発見」に「社会とのつながり」を記載し、技術分野の学習と生活や社会がつながっていることを意識させることができるようにしていることが重視されました。また、「知的財産を尊重しながら創意・工夫する力に課題がある」ことの解決に向けては、特に、開隆堂の五つ目の丸印、知的財産を保護・活用することに加えて、創造することの重要性について示すとともに、掲載しているコラムの中で、技術に携わる者の倫理観についても詳細に触れていることが重視されていました。また、生活体験は個人差が大きくなっているということの解決に向けて、六つ目の丸印、実践的・体験的な問題解決学習の具体例の名称について、「安全性を重視した」や「調理スペースが広がる」など、何を目的としたものかがわかるようになっていることが重視されておりました。技術家庭科、技術分野については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、何か御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 広島市の課題に、ものづくり体験が少なくなり、生活体験は個人差が大きくなっているとあります。教科書の採択とは別なのですが、こういう傾向が、今も実際にあると思いますので、どの教科書を採用するかに関わらず、授業や取組の中でものづくり体験が充実するように、工夫をしていただきたいと思います。教科書で課題を解決するという観点もあるのですけれども、授業の取組の中でお願いしたいと考えます。
 それから、広島市の課題の知的財産(を尊重しながら創意・工夫する)という観点でいうと、答申(95ページ)の五つ目の知的財産の工夫ということで、(開隆堂の教科書)234ページから「知的財産の保護と活用」の項目もあり、各者ともありますけれど、開隆堂の教科書でこういうテーマで取り上げていただいているので、課題とここは結び付くのかなと思いました。
 もう一つ、開隆堂で良いと思った点が、技術と生活や社会、環境との関係に関連して、8、9ページの「企業のものづくりの流れ」では、企業が実際にどういうものづくりを行っているか、25ページの「製作者に話を聞きました」では、実際に作った人に関して、また、111ページには和歌山県や愛媛県におけるマダイの餌の工夫の例など、具体的な地域の取組を関連付けて教科書に掲載しているのも、生活や社会、環境との関係について理解してもらう一つのきっかけになるのではないかと思いました。また、56ページから67ページの「実習例1」から「実習例7」まで、問題解決の手順でありますPDCAサイクルを活用した方法が具体的に記載されています。このように、PDCAサイクルの問題解決の手順と「実習例」とをリンクさせているのも、広島市の課題である問題解決に何かつながる工夫があると思いました。
 教科書として、各単元の冒頭の「調べてみよう」、「話し合ってみよう」からスタートして、物事を進めていくという作りになっているので、生徒に問題意識を持たせながら、指導できるのではないかなという印象を持ちましたので、開隆堂出版が「よりふさわしい」という答申に、私は賛同いたします。東京書籍も、答申に書いてあるのですが、「私の工夫」ということで、工夫する視点が多く書いてある点では良い教科書だという印象を持っています。

井内委員

 技術に関しては、今までの技術に関しては、安全性を強調するような書き方がしてある点が、大変良いと思います。これからの材料と加工の技術に関しては、1番(最初の)章末に挙げてあり、生物育成に関しては、「これからの生物育成の技術」として、「これからの」と書いてあります。ここが2ページくらいしかないのは少し不満なのですが、中学生が、単に今までの技術を学ぶということではなく、これからの技術分野の発展に何か工夫してみようというモチベーションを高くしてもらうためには、ここのところが非常に重要かなと思って見ました。ともあれ、開隆堂出版の内容が1番適切だとは思いました。以上です。

糸山教育長

 それでは、お諮りをいたします。
 技術・家庭、技術分野については、開隆堂出版が「よりふさわしい」と考えられますので、開隆堂出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、技術・家庭、技術分野については、開隆堂出版を採択することに決定いたしました。
 ここで休憩とします。
 議事の再開は午後3時からといたします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは、議事を再開します。
 技術・家庭、家庭分野について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)技術家庭、(種目)家庭分野について説明いたします。
 答申の98ページを御覧ください。
 家庭分野では、3者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、自然災害が多く発生していることから、災害への知識と備えが必要な地域であること、二つ目は、実生活の中にある問題をあまり感じておらず、家族・家庭や地域における生活の中から問題を見出し、学校で学んだ知識や技能を家庭生活に積極的に活かすことが十分できていないという課題が見られること、以上の二つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点2の視点丸2、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、二つ目は、観点3の視点丸4、題材や資料等の配列・分量、三つ目は、観点3の視点丸5、実践的・体験的な学習を実施するための資料、四つ目は観点4の視点丸8、「持続可能な開発目標」を意識させるための表記、以上の四つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明いたします。
 まず(1)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 東書の教科書20ページを御覧ください。中央にありますが、各編の最初で、「小学校家庭科での学習」と「この編で学ぶこと」を学習の流れに沿って示しています。また、101ページの「学習のまとめ」の右下に「生活に生かそう」の設問を設け、生徒が学習したことを実生活に活かせるようにしています。
 次に、教図の教科書71ページを御覧ください。右上に「自立度チェック」を設け、今の自分を振り返ることができるようにしています。また、158、159ページでは、左上に書いてありますけれども、「学びを生かそう」を設け、今の自分を振り返り、学習に生かして、自分の課題に取り組めるようにしています。
 次に、開隆堂の教科書70ページを御覧ください。左下を見ていただくと、各内容の最初のページに、「学習前に、今のあなたの興味・関心を書きましょう。」と「学習を終えて、何に関心を持ちましたか。」の記述欄を設け、学習前と学習後の比較ができるようにしています。また、151ページ、章末に、「ふり返り」や「生活にいかそう」を設け、学習した内容を振り返り、実生活に即した学習ができる問いを設けています。
 これらのことについて、答申の98ページ、東書の二つ目、三つ目の丸印、99ページ、教図と開隆堂はともに二つ目、三つ目の丸印に記載しています。
 続いて、答申の100ページ、(2)題材や資料等の配列・分量についてです。
 東書の教科書174ページを御覧ください。上を御覧いただきますと、災害への備えに関する学習には「防災」マークを付しており、A家族・地域、B衣生活・住生活において扱っています。また、巻末付録に「防災・減災手帳」を設け、切り離して活用できるようにしています。
 次に、教図の教科書228ページを御覧ください。災害に関する学習において、229ページの上側を御覧いただくと、「防災」マークを付しており、こちらも家族・地域や食生活・衣生活・住生活の内容において扱っています。
 続いて、開隆堂の教科書218ページを御覧ください。災害に関する学習において、「防災」マークを付しています。また、巻末の292ページからの折り込みページに、防災・減災についてまとめた「災害から『いのちと生活』を守るために」を8ページにわたって設けています。
 これらのことについて、答申では100ページ、東書の三つ目、四つ目の丸印、教図の三つ目の丸印、開隆堂の三つ目、四つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の101ページ、(3)、実践的・体験的な学習を実施するための資料についてです。
 東書の教科書64ページを御覧ください。このページから、日常食の調理例として野菜・いもの調理や肉の調理、魚の調理の順に実習例を45例と幼児のおやつ7例を示しています。また、231ページに、蒸し器を使用した調理例として野菜の蒸しパンを掲載しています。74、75ページにお戻りいただくと、中央の調理手順の中に「ポイント」マークを付して、調理上のポイントを示しています。
 次に、教図の教科書122ページを御覧ください。このページから、日常食の調理例として肉の調理、魚の調理、野菜の調理の順に実習例を44例と幼児のおやつ5例、災害時の調理例を示しています。また、129ページの同じく蒸し器を使った調理例としては、シュウマイを掲載し、写真と合わせて調理手順を示しております。それから126ページと127ページの中央を御覧いただくと、調理手順の中に「ポイント」マークを付して、調理上でのポイントを示しています。
 次に、開隆堂の教科書114ページを御覧ください。このページから、日常食の調理例として肉の調理、魚の調理、野菜の調理、そして、あと1品つくってみよう、おやつやデザートの順に実習例を43例示しています。また、132ページに蒸し器を使った調理例として、蒸し野菜のサラダを掲載し、調理手順を写真と合わせて示しております。続いて118、119ページの下の表に調理手順が示してありますが、その調理手順の中に調理のポイントを「調理方法のQ&A」の形で、「なぜ~?」と考えさせるような示し方をしています。それから85ページから87ページまで、実験マークが青い丸で書いてあると思うのですけれども、栄養素を調べる実験を設け、栄養素を視覚的、科学的に捉え、実感を伴って学習できるようにしています。
 これらのことについて、答申の101ページ、東書、教図ともに一つ目、二つ目の丸印、102ページ、開隆堂の一つ目、二つ目、四つ目の丸印に記載されています。
 続いて答申の102ページ、(4)「持続可能な開発目標」を意識させるための表記についてです。
 東書の教科書の裏見返しを御覧ください。見開きでSDGsの17の目標のマークを示しています。また、96ページの上を見ていただきますと、各編の最後に、「持続可能な食生活を目指して」の章を設け、これからの学習を深められるようにしています。
 次に、教図の238ページを御覧ください。見開きでSDGsについて示し、持続可能な社会を目指すための取組について考える活動を設けています。
 次に、開隆堂の7ページを御覧ください。SDGsについて示しています。また、64、65ページ、各題材の最後に持続可能な社会をテーマとして、それぞれの学習内容と関わりの深いSDGsの目標を具体的に取り上げ、話し合う活動を設けています。
 これらのことについて、答申の102ページ、東書の一つ目、二つ目の丸印、教図の一つ目の丸印、開隆堂の一つ目、二つ目の丸印に記載されています。
 最後に3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、開隆堂を「よりふさわしい」とし、その理由として六つの丸印で記載しています。
 次に、103ページの(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として五つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市の生徒の「学校で学んだ知識や技能を家庭生活に積極的に生かすことが十分にできていない」という課題の解決に向けて、特に、開隆堂の四つ目の丸印、調理のポイントをQAの形で示し、「なぜ~?」と考えさせるようにしていることや、五つ目の丸印、視覚的、科学的に捉え、実感を伴って学習できるようにしていることが重視されていました。また、本市は「災害への備えが必要である」ということから、開隆堂の三つ目の丸印、防災、減災についてまとめた「災害から『いのちと生活』を守るために」を8ページにわたり掲載していることが特に重視されていました。技術家庭科、家庭分野については以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 家庭分野で、広島市の課題である、家庭生活に積極的に生かすということに関しては、各者ともに、課題に結びつくよう工夫し、充実しているように思います。災害への備えが必要な地域であるという課題に関しても、各者ともその辺の意識をしてきちんとした記載があると思います。
 開隆堂が「よりふさわしい」ということですが、答申の三つ目にありますように、292ページの「災害から『いのちと生活』を守るために」で、8ページにわたり災害に関する記載がされています。家庭生活に生かすという観点では、先ほど(指導第二)課長から説明があり、答申の意見にもありますが、25ページや41ページの各章の終わりの「生活にいかそう」で生活に生かすことをまとめる作りになっています。この「生活にいかそう」は、たびたび出てくるので、課題に直結しているという印象を持ちました。それから、(答申の102ページの)二つ目の丸印にも書いてあるのですけれども、266ページの「生活の課題と実践」で(学んだ知識と家庭生活との)結びつきが明記されているのも、広島市の課題によくつながっているという印象を持ちました。
 また、(教科書の)作りとして、「やってみよう」、「話し合ってみよう」、「考えてみよう」ということで、生徒が主体的に考えるような構成になっています。調理(のページ)では、例えば132ページでは、真ん中に調理の手順が非常に分かりやすく書いてありまして、教科書を見ながら家でも作ってみようという気持ちになるような作りだと思います。(見た目として、)非常に細かい字もありますが、最初の見開きや、68ページ、69ページなどには、大きい絵がポンと入っていて、88ページ、89ページにも大変大きい写真が入っています。全体として、大変読みやすい教科書の作りになっているという印象を持ちました。
 総合的に見て、家庭分野に関して、開隆堂出版の教科書が「よりふさわしい」ということに関しては、私も賛同いたします。良い教科書だと思います。

井内委員

 家庭分野で言えば、やはり実際にやってみるということが大事だということですよね。教育の上で、ただ単に知識で持っているだけじゃなく、実践ができるかどうかです。その意味で言えば、開隆堂の方が、すぐ手元において、あるいは、それを見ながらでもやってみることができるということで大変良い(と思います)。書き方としても、家族のことを特に挙げてますよね。家族のことが、まず、最初に出ています。ある意味で、これから目指すべき日本の家庭の在り方から議論ができ、とても良いことだろうと思います。東京書籍は、(反対に)教科書の後ろに家族の話が載っていて、少し問題があるかなと思ったので、開隆堂の方が「よりふさわしい」ということに異議ありません。

糸山教育長

 それでは、お諮りします。
 技術・家庭、家庭分野については、開隆堂出版が「よりふさわしい」と考えられますので、開隆堂出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、技術・家庭、家庭分野については、開隆堂出版を採択することに決定をいたしました。
 次に、英語について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (教科)外国語、(種目)英語について説明いたします。
 答申の106ページをお開きください。英語では6者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、まとまりのある文章を読んで説明文等の大切な部分を理解することに課題が見られること、二つ目は、与えられた情報に基づいて正確に書くことや、自分の考えや意見を書くことに課題が見られること、以上の二つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は観点2の視点丸3、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫、二つ目は、観点4の視点丸7、本文の記述・内容と適切な関連付けがなされたイラスト・写真・ウェブコンテンツ等の示し方や巻末資料の工夫、三つ目は、観点5の視点丸8、コミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じた、複数の領域を統合した言語活動の工夫、以上の三つです。
 それでは、2の各発行者の特徴については、教科書を御覧いただきながら、特徴を説明させていただきます。
 まず(1)、興味・関心を持たせ、見通しを立てたり、学習を振り返って次につなげたりするための工夫についてです。
 東書の第2学年の教科書7ページを御覧ください。上側ですが、題材と活動に分けて、扉に日本語で掲載しています。第1学年では、活動について掲載をしています。また、16ページの下を御覧いただくと、生徒が単元の目標について自己評価する箇所を設けています。
 次に、開隆堂の第1学年の教科書103ページを御覧ください。単元の目標を、右下の扉に日本語で掲載しています。また、105ページの右側に、理解を確認するためのチェック欄を設けています。右下のゴールというところです。
 次に、三省堂の第1学年の教科書97ページを御覧ください。下の扉の部分に単元の目標を「USE」パートごとに日本語で掲載しています。
 次に、教出の第1学年の教科書101ページを御覧ください。単元の目標を上側の扉に英語で掲載しています。また、102ページの上部に単元目標を達成するために必要な知識・技能等の目標を日本語で掲載しています。また、105ページの下側の「Think&Try」で、本文を読んで、大切な部分を理解し、その内容について説明を加えたり、自分の考え等について書いたりするなど、各パートの知識・技能等の目標に対して、達成度を評価するための言語活動を繰り返し設定しています。また、109ページの下の部分に、目標に対する「ふり返ろう」を設定しています。
 次に、光村の第1学年の教科書105ページを御覧ください。上側に単元の目標とそれに関わる技能を、扉に日本語で掲載しています。また、115ページの下側に目標に対応した「ふり返り」を設けています。
 次に、啓林館の第2学年の教科書7ページを御覧ください。下側ですけれども、単元の目標を、扉に日本語で掲載しています。なお、第1学年については、単元1ページ目の上部に日本語で掲載をしています。また、8ページ、上側ですけれども、知識・技能等の目標を日本語で掲載しています。
 これらのことについて、答申では、106ページ、東書、開隆堂ともに二つ目の丸印、107ページ、三省堂の二つ目の丸印、教出の二つ目と三つ目の丸印、光村、啓林館ともに二つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申108ページ、(2)、本文の記述・内容と適切な関連付けがなされたイラスト・写真・ウェブコンテンツ等の示し方や巻末資料の工夫についてです。
 東書の第1学年の教科書152ページを御覧ください。ここから167ページまで「Word Room」として、コミュニケーションに役立つ単語集をイラスト付きで収録しています。
 次に、開隆堂の第1学年の教科書を御覧ください。巻末に、コミュニケーション活動に役立つ「アクションカード」を収録しています。
 次に、三省堂の第3学年の教科書を御覧ください。巻末付録の51ページに、「Role-Play Sheet」として、日常生活を題材とした会話を練習するための教材をイラスト付で収録しています。
 次に、教出の第3学年の教科書を御覧ください。巻末に、「即興で自分のことや考えを伝える」などのコミュニケーションを行う題材となるカードを収録しています。また、121ページに、「Activities Plus」として、次のページから131ページにわたり、学習した内容を活用し、ペアでの応答や即興的なやり取り・発表をするための話題や語彙を示した教材を赤マスキングシートを付して収録しています。
 次に、光村の第3学年の教科書を御覧ください。120ページと121ページの間です。「Let’s Talk!」として、自分や相手のことについて、即興でやり取りするための教材を収録しています。
 これらのことについて、答申の108ページ、東書、開隆堂、三省堂ともに三つ目の丸印、教出の三つ目と四つ目の丸印、109ページ、光村の三つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の109ページ、(3)、コミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じた、複数の領域を統合した言語活動の工夫についてです。
 東書の第2学年の教科書67ページを御覧ください。上を御覧いただくと、「Let‘s Write」などで、「聞く」、「読む」、「話す」、「書く」の4領域の言語活動を扱っています。
 次に、教出の第2学年の教科書54ページを御覧ください。上を御覧いただくと、「Tips for Writing」等で、4領域の言語活動をコツとともに扱っています。
 これらのことについては、答申の109ページ、東書の四つ目の丸印、110ページ、教出の四つ目の丸印に記載されています。
 最後に3、意見の(1)を御覧ください。審議会としては、教出を「よりふさわしい」とし、その理由として、七つの丸印で記載されています。
 次に、(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として、五つの丸印で記載されています。
 審議会では、本市の生徒の課題である、説明文等の大切な部分を理解することに対応する特徴として、特に、教出の二つ目の丸印、達成度を評価する言語活動、「Think&Try」を繰り返し設定していることを重視されていました。また、情報を基づいて正確に書くことなどの課題に解決に向けて、教出の一つ目の丸印、パートごとに知識、技能等の目標を示していることや、四つ目の丸印、「Activities Plus」でペアでの応答や即興的なやり取り、発表するための話題や語彙を示していることが重視されていました。外国語科、英語については、以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 英語については、広島市の課題は、まとまりのある文章を読んで説明文等の大切な部分を理解することと、与えられた情報に基づいて正確に書くことということなのですが、要するに、個別の問題ではなくて、総合力を上げないといけないという印象を持ちました。どの教科書も工夫があって、正直言って、甲乙付けがたいと思いました。小学校(で学んだ内容)から中学校へのつながりに関しても、各者とも工夫しています。
 教育出版の教科書を「よりふさわしい」とされた答申の内容を見てみますと、二つ目と六つ目の丸印にありますが、「Think&Try」で話したり書いたりする言語活動を設定し、七つ目の「Tips for Speaking」等で、聞く、読む、話す、書くの4つの基本に対してのコツのようなものを分かりやすく示しています。教育出版で、個人的に良いと思った点は、目次を見てもらったら良いのですが、「Project」という項目が1年生に二つ、2年生には三つ、3年生にも三つありまして、例えば、2年生の40ページの「Project1」の「あなたの夢を語ろう!」は、習ったことを総合的に活用できるようなプログラムじゃないかなという印象を持ちました。そういうことから、教育出版の教科書が「よりふさわしい」という意見には賛同します。東京書籍は、「ふさわしい」となっているのですけれども、三省堂の教科書も立派な教科書だと思います。本当にそれぞれ工夫を凝らしながら、英語の教科書は各者ともよくできているという印象を持ちました。以上です。

井内委員

 本市の課題として、長文を読んで大切な部分は理解することに問題があるということで、今、御説明がありました。これは質問的ですが、1年生の教科書にはそんなに長文はなく、3年生ぐらいになると、かなり長文が出てきます。今のような課題に関する対策として評価されるというのは、もう少し上の学年の教科書で検討・審議されるべきではないでしょうか。教育出版を「よりふさわしい」とされた答申にケチを付けるわけではないのですが。1年生のみとしては、かなり良い工夫がしてあると思うけれども、ほとんど長文は出てきません。この辺りは、審議会ではどういう風に(検討されたのでしょうか)。それはやはり積み重ねだから、長文と言っても、いきなり長文を読んでいるわけではなくて、1文、1文理解した上での、ステップアップだということで、1年生のときの理解度の上達を狙われたという風に理解するのですか。

指導第二課長

 例えば 、教育出版の1年生の105ページ、先ほど御紹介した「Think&Try」ですけれども、その前の本文等は、確かに長文ではありませんが、ある程度まとまりのある文章を理解した上で、「明日の予定を書いてみよう。」となっています。このように、まとまりのある文章を読んで理解した上で、読むとか書くとかいう活動を繰り返し取り入れています。これが2年生、2年生になっていくと、また長い文章等も増えてくるわけですが、審議会の意見として、こういった言語活動を繰り返し持たれているというところが良いという解釈だと理解しています。

井内委員

 恐らく、そのように考えておられるんだろうと思います。例えば「Activities Plus」、後ろに御紹介があったけれど、かなり短文で、一つずつのセンテンスで意味が終わってしまうような内容ばかりですよね。センテンスが三つも四つもつながっていて、この中は結局何が一番言いたいのかを理解させるということの判断が、これでできたのかなというような気がしないでもない。でも、会話が成り立つためには、確かに、Aと言ったことに正しくBと答えなきゃいけないということはあるのだけれど、長文を理解し内容を掴むためには、少し別の要素が必要なのじゃないかなと思います。他の教科書をざっと見ましたが、だいたい同じくらいの長文が出ています。これをトレーニングの材料としてどういう風に子どもたちに与えるのかが、よく分からないので、比較のしようがないのですが、恐らく審議会のお考えは、1文1文に対する適切な理解がされなければ、長文はとても理解できないというお考えだと想像はできるのですが。そういうことだったのでしょうね。議論の中身はね。

指導第二課長

 そうですね。例えば、三人称単数が書けない、自分の考えを発するときに基本的な部分ができていないといった報告がある中で、まとまりのある文章を読んで理解するということに関して、先ほど(井内委員に)おっしゃっていただいたように、短い文であれ、基本的な、キーセンテンスと言うのでしょうか、そういったものが大事だという議論の中で、(教育出版が)選ばれたと理解しています。

井内委員

 基礎、基本の積み重ねですからね。長文を見て、感性で理解しなさいというわけではないので、一つずつ積み上げることの大切さを学習するには、(教育出版の)「ONE WORLD」の教科書が一番適切だという判断だと理解します。
 少し疑問に思ったので質問をしましたけれど、この教育出版の教科書が「よりふさわしい」とおっしゃることに特に異論はありません。

糸山教育長

 (課題にある)まとまりのある文章とは、長文のことですか。それともある程度の短いセンテンスがいくつかかたまったという意味でしょうか。恐らく井内委員がおっしゃったように、1年生と3年生では、英語のレベルが全然違います。現場の先生方は、どこで(課題を)捉えているのか、各学年でそういう課題の出方をしてるのか、入り口(の早い段階)でなのか、何か分かることがありますか。

指導第二課長

 まず、まとまりのある文章については、今、教育長におっしゃっていただいたように、必ずしも長文だけではなく、ある程度まとまっている文章という解釈になっております。それから、後半でおっしゃっていただいたのは、子どもたちの基礎的な事項等の定着状況です。

糸山教育長

 どのあたりのところを捉えてこの課題が出てきたのか。私の捉え方は、割と早い段階で、1対1でこういう投げかけをしたらこういう答えが返ってくるというやり取りは、ある程度できていても、5、6行の3、4センテンスの文章を読んで、すぐに短いセンテンスで答えるところに課題があるという捉えでこの課題が出てきたのかどうかという確認です。

指導第二課長

 おっしゃっていただいたとおりの課題だと認識しております。

糸山教育長

 はい。分かりました。

井内委員

 では、ある程度(短いセンテンスの)かたまりの会話がきちんと成り立てば良いということも含めて、まとまりのある文章という表現になっている。

糸山教育長

 恐らく、そういう理解や捉え方をしているということです。

井内委員

 分かりました。

糸山教育長

 それでは、お諮りします。
 英語については、教育出版が「よりふさわしい」と考えられますので、教育出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、英語については、教育出版を採択することに決定いたしました。
 次に、道徳について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 (特別の教科・種目)道徳について説明いたします。
 答申の114ページを御覧ください。
 道徳では、7者の教科書について詳細に検討・審議した結果、以下のとおり答申されました。
 1の特に重点を置いて検討した事項ですが、(1)、本市の実態や生徒の状況については、一つ目は、各学校において「いじめ見逃し0(ゼロ)」を目指し取組を進める中で、いじめの認知件数は増加傾向にあり、いじめの未然防止に向けた取組を推進していること、二つ目は、生徒が当事者として、道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性ある力の育成に取り組むことが必要であること、以上の二つです。
 続いて、(2)の観点と視点については、一つ目は、観点2の視点丸4、体験的な学習を取り入れた工夫、二つ目は、観点3の視点丸7、いじめの問題や現代的な課題等を踏まえた内容の示し方、三つ目は、観点5の視点丸10、考え、議論するための工夫、以上の三つです。
 次に、2の各発行者の特徴について、教科書を御覧いただきながら、説明させていただきます。
 まず、(1)、体験的な学習を取り入れた工夫についてです。
 東書の第3学年の教科書100、101ページを御覧ください。「ACTION!(アクション)」とありますけれども、体験的な学習を促す教材を、各学年二つ掲載し、その後に「ACTION!」のページを設け、発問や教材の一場面を演じて考えを深める活動を掲載しています。「役を交代しながら、全員が全ての役を演じましょう。」のような、役割演技を促すような発問とともに、「それぞれの役を演じてみて、気付いたこと、感じたことを書きましょう。」のように、自分の考えを記入する欄を掲載しています。
 次に、日文の第3学年の教科書18、19ページを御覧ください。体験的な学習を促す教材を、各学年二つ掲載しておりますけれども、その後ろに「学習の進め方」のページを設け、発問や教材の一場面を演じて考えを深める活動を示しています。「体験しよう」には、役割演技を促す活動を示しています。また、別冊は1教材1ページで構成しており、体験を通して感じたことや友達の意見、話し合いをメモする欄や、本冊の「学習の進め方」に示している「考えてみよう」、「自分に+1(プラスワン)」の発問に対する自分の考えを記入する欄など掲載しております。
 次に、学研の第3学年の教科書61ページを御覧ください。体験的な学習を促す教材を複数掲載し、その後に「深めよう」のページを設け、発問や教材の一場面を演じて考えを深める活動を示しています。ここでは、左側にあります「やってみよう」に、役割演技を促す発問を具体的な流れで示すとともに、「考えよう」に自分の考えを記入する欄を掲載しています。
 次に、廣済堂あかつき(以下、「廣あかつき」)の第3学年の教科書69ページを御覧ください。体験的な学習を促す教材を複数掲載し、その後の「考える・話し合う」のコーナーに複数の発問を示しています。
 次に、日本教科書(以下、「日科」)の第3学年の教科書56、57ページを御覧ください。体験的な学習を促す教材を複数掲載し、その後の「考え、話し合ってみよう。そして、深めよう」のコーナーに発問を示しています。
 これらのことについて、答申の114ページ、東書の一つ目の丸印、115ページ、日文の一つ目の丸印、116ページ、学研、廣あかつき、日科ともに一つ目の丸印に記載されています。
 続いて、答申の116ページ、(2)、いじめの問題や現代的な課題等を踏まえた内容の示し方についてです。
 東書の第1学年の教科書21ページを御覧ください。いじめを自分の問題として考え、議論することができるよう、各学年三つの教材で構成したユニット「いじめのない世界へ」を一つ配置し、三つの教材を掲載しています。このユニットの扉のページには、ここで扱う教材名や主な登場人物を掲載しています。
 次に、教出の第1学年の教科書40・41ページを御覧ください。複数の教材やコラムで構成したユニット「いじめや差別のない社会について考える」を、第1学年に二つ、2、3学年に一つ配置し、各学年、合計二つから五つの教材を掲載しています。また、このユニットの扉のページに、いじめに立ち向かうためのメッセージを掲載しています。
 次に、光村の第1学年の教科書30ページを御覧ください。三つの教材やコラムで構成したユニット「いじめを許さない心について考える」を、各学年一つ配置し、三つの教材やコラムを掲載しています。この「魚の涙」という教材と次の34、35ページの「深めたいむ」は同じ内容項目について、2時間連続で扱い、学習を深められるようにしています。
 次に、日文の第1学年の教科書28、29ページを御覧ください。各学年、複数の教材やコラムで構成したユニット、「『いじめ』と向き合う」を第1学年に三つ、2、3学年に二つ配置しており、各学年合計で五つから七つの教材を掲載しています。このユニットの扉のページには、いじめの問題について考える上で意識したいことを促すメッセージとともに、1年間に三つのユニット内で扱う教材名の紹介を掲載しています。また、次の34、35ページのコラム「プラットホーム」では、「『いじめ』ってなに?」を掲載しています。右下のまとめには、どうすればいじめはなくせるのか、「自分のこととして話し合ってみましょう。」の発問やメッセージを掲載しています。
 これらのことについて、答申の116ページ、東書の一つ目の丸印、117ページ、教出、光村ともに一つ目の丸印、日文の一つ目、二つ目の丸印に記載されています。
 続いて答申の118ページ、(3)、考え、議論するための工夫についてです。
 東書の第1学年の教科書、裏表紙から1枚目と2枚目を御覧ください。話し合いを活発にする工夫として、切り離すことのできる巻末付録のホワイトボードや「心情円」を掲載しています。
 次に、日文の第1学年の別冊36ページを御覧ください。1教材1ページで構成した別冊には、めあてを記入できる欄、考えることや考えたことを記入する欄、他者の意見や話し合いをメモする欄を設けています。また、37ページには、様々な教材に対応できるよう教材名や内容項目、主題名等を空白にしたページも設けています。さらに、1年生の本冊の159ページの「学習の進め方」の「学習を深めるヒント」のコーナーに「グループ内で出た意見の、同じところや違うところを考えてみよう。」のように、ホワイトボード等を使って話し合いを深める方法について掲載しています。
 これらのことについて、答申の118ページ、東書の二つ目の丸印、日文の一つ目、二つ目の丸印に記載されています。
 最後に、答申119ページの3、意見の(1)を御覧ください。
 審議会としては、日文を「よりふさわしい」とし、その理由として五つの丸印で記載しています。
 次に、120ページの(2)、東書を「ふさわしい」とし、その理由として、三つの丸印で記載しています。
 審議会では、本市は、「いじめの未然防止に向けた取組を推進している」ことから、特に、日文の二つ目の丸印、「『いじめ』と向き合う」などの教材を各学年、五つから七つと最も多く掲載していることや、三つ目の丸印、コラムにいじめに関する資料とともに発問を掲載していることから、重視されました。また、本市の生徒の「当事者として、道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性ある力の育成に取り組むことが必要である」ことから、特に、日文の四つ目の丸印、別冊に自分の考えたことや他者の意見を記入する欄を設けていることが重視されました。
 道徳については以上です。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 広島市は、いじめの未然防止ということが、全体の大きな、重要な課題の一つだと認識しています。したがって、道徳においていじめへの対応をどういう形で取り上げるかということは、選択のポイントだと思います。そういう意味で、(日本)文教出版の教科書は、答申の二つ目と三つ目の丸印に記載のとおり、「いじめと向き合う」ということで、1年生で三つ、2年生で二つ、3年生で二つ、コラム「プラットホーム」を設け、内容が充実しているという風に思います。
 それから、確認です。現在も(日本)文教出版の道徳(の教科書)を使われていると思うのですが、当初、取り上げる時に、この別冊が有効に使えるだろうということで、現場でどのような使われ方をするのかというのは、課題の一つだったと思うのですが、今、使われているこの道徳ノートの使い勝手と言いますか、現場においての活用状態はどんな状況なのでしょうか。今回も、この道徳ノートの効用ということは言われているのですけれども。

指導第二課長

 (日文の)別冊「道徳ノート」につきましては、審議会でも、子どもたちが、自分の考えを書いたり、友達の意見を聞いて考えを書いたり、話し合いを深められるといった御意見は出ておりました。また、今使っている別冊の改良点として、例えば、1年生の別冊の2ページを御覧いただきますと、現在使っているものは、一番上の部分に発問が元々記入されていたのですけれども、学校の実態によって多少変えた形での発問を書けるよう空欄になっています。このように、現場の意見等をふまえて改良されているということも良いのではないかということでした。

栗栖委員

 実際に現場で使われた先生方が、そこへ記入する発問そのものを生徒みんなで話し合って決めた方が良い、(空欄になっている方が)より使い勝手が良いという形で、今回このように改められたと理解して良いでしょうか。

指導第二課長

 そうですね。生徒の意見を聞いてというよりも、教師が生徒の実態等を捉えてどう発問を設定するかですが、教材と子どもの実態等で、すっかり変わるということはないにしても、表現を多少変えたいときに、空欄の方が自由度が高い、扱いやすいといった御意見がありました。

栗栖委員

 つまり別冊「道徳ノート」は、今でも上手く活用がはかられているという理解で良いですか。

指導第二課長

 逆に(別冊が)なければ教師の方でワークシート等を作る必要があるだろうということで、教師の働き方(改革)の点でも良いのではないかということです。

栗栖委員

 そういう観点も含めて、(日文は、)いじめに関する内容も充実していると思います。答申の五つ目の丸印にも書いてあるのですけれども、「学習の進め方」に話し合いを深める(方法が掲載されていること)や、「考えを深める視点」では、身近な写真を使って(意見発表等を)進めるようになっているので、非常に使いやすいという印象を持ちました。それともう一つ、この(日本)文教出版の作りが良いと思っている点は、各教材の最後に、「考えてみよう」と「自分にプラスワン」の記載があり、そういう形で教科書として使っていけば良いなという印象を持ちました。それからもう一点、これは全体の作りの話で、個人的な印象なのですが、1年生から3年生までの教科書の流れを作るポリシーとして、1年生の冒頭には「であう」、2年生では「みつめる」、3年生では「ひらく」という風に、成長段階に応じた教科書の考え方をきちんと出して、段階的に構成されているのだろうなと(思いました)。
 また、情報社会において、生徒が、インターネットで被害にあうこともある中、情報モラルに関してもきちんと触れてあるので、総合的に見て(日本)文教出版が「よりふさわしい」ということに私も賛成ですし、大変見やすくて良い教科書だと思っています。

秋田委員

 日本文教出版の別冊を活用されて、授業が進めやすくなっている点が良いと思いました。
 それから、「プラットホーム」の、例えば、3学年の35ページの「メッセージのやりとりで・・・」で、ライン等での交流についての具体例を示していたり、43ページにあるようにコミュニケーションのタイプの具体例を示している点は、子どもたちがイメージしやすい内容だと思いました。

井内委員

 日本文教出版の別冊の(道徳)ノートに、「自分にプラスワン」という項目がありますが、子どもたちは、ここに何を書いているのでしょうか。質問で申し訳ないのですが。この項目は、(子どもたちが)どういう風なことを書いて、どういう風に活かされているのか、お分かりですか。

指導第二課長

 例えば、1年生の教科書10ページの上にある「自分にプラスワン」では、「努力は簡単にできることだろうか。努力をするために大切なことはなんだろう。」という風に(例示があります)。「考えてみよう」も(教科書にも別冊にも)書くところがありまして。「自分にプラスワン」も同様に(教科書と)別冊にあるという形になっています。

井内委員

 教科書に書いてあるプラスワンとは別に、自分なりに考えたプラスワンが別冊に書かれていくと理解すれば良いのですね。
 道徳の授業の性格上、こういうところがものすごい大事だと思うのですが、生徒が書いた内容が、正しく教員に理解され、その子の成長が分かるような手応えとして、何かきちんと捉えられているのかどうかということが気になってますので、そういうことも含めて、この(日本)文教出版の教科書はふさわしい教科書ではないかなとは思います。

栗栖委員

 今、(井内委員から)確認があったので、(私からもお聞きします)。(日文の)1年生の別冊の最後に保護者の記入欄がありますよね。この保護者の記入欄は、実際に使われていて具体的にどんなことが書いてありますか。教科書採択とは直接関係ないのですけれども、保護者が、道徳に関してどんな風に捉えられているのかなというのは、前々から気になっていたので、もし分からなければ良いですけれど教えてください。

指導第二課長

 そうですね。適宜、別冊を活用していると理解しておりますが、詳細に学校から確認を取っているわけではないので、今、状況が分かりません。

栗栖委員

 分かりました。ぜひ、また教えてください。家庭も含めて、こういうことの問題意識は重要ですし、せっかくこういうツールがあるので、実際の使用状況も検証していただきたいと思います。

指導第二課長

 はい。分かりました。

糸山教育長

 平成31年度から2年間、この別冊を使う中で、恐らく、結構良かったという評価が現場にあるのではないかと思います。
 そういう意味では、上手く使えば非常に使い勝手が良いし、(使い方の)大変さもあるかとも思います。現場の教員が、良いという意見であろうと思います。
 御意見も出尽くしたようですので、お諮りをいたします。
 道徳については、日本文教出版が「よりふさわしい」と考えられますので、日本文教出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、道徳については、日本文教出版を採択することに決定いたしました。
 指導第二課長から、何かあればお願いします。

指導第二課長

 今後、速やかに採択結果の公開に向けた手続を行ってまいります。
 本日は、ありがとうございました。

糸山教育長

 ここで、休憩とします。
 議事の再開は午後4時25分といたします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは、議事を再開します。
 議題2の議案第34号「令和3年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。内容について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 議題2、議案第34号「令和3年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について」は、各学校から申請されたとおり採択することとしたいと考え、(議案を)上程しております。
 2ページの「令和3年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針」を御覧ください。こちらは、令和2年5月29日の教育委員会議で決定いただいたものです。
 次に、3ページの「広島市立中等教育学校(前期課程)における教科用図書採択の手順」を御覧ください。中等教育学校(前期課程)は3ページの下の段にありますように、他の公立中学校とは異なり、中高一貫教育校として、その特質を生かした特色のある教育課程の編成が可能となるよう、教育課程の基準の特例が適用されています。教科書の採択についても、他の公立中学校とは別に、学校ごとで行うものと法令上は定められています。中等教育学校では、この表に示している手続きに従って、調査員による調査・研究を経て、教科用図書選定委員会における審議をした上で選定した教科用図書について、教育委員会に申請をしています。なお、申請様式は後ろの5ページから7ページに添付しています。指導第二課においては、提出された申請書等の内容について校長から説明を受け、教科用図書の審査を詳細に行い、適切に申請していると判断し、本教育委員会議に(議案を)上程しています。校長から実際に提出されたものは、右肩に枠囲みで「別添資料」と記している「令和3年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書に係る選定手順、選定資料及び申請書等」です。
 では、別添資料の1ページをお開きください。(様式1)「令和3年度から使用する中等教育学校(前期課程)用教科用図書選定手順(報告)」です。6月10日の説明会を受け、6月12日に校内に設置した選定委員会を開催しています。
 次に、14ページを御覧ください。校内の選定委員会は、こちらの学校で定めた規約に基づいて、適正に運営を行ったことを確認しております。
 それでは、1ページにお戻りください。(以下、)御覧のとおりの選定手順を経て、7月31日に教育委員会に申請書が提出されています。
 次の2ページが「令和3年度から使用する中等教育学校(前期課程)用教科用図書選定資料(報告)」です。1に学校の特色を、2に生徒の実態を、3に調査の観点及び視点を記載しており、調査の観点については、(他の)市立中学校における観点と同じものです。3ページから、「令和3年度から使用する中等教育学校(前期課程)用教科用図書申請書」で、先ほどの観点に基づき、(他の市立)中学校の教科書採択の際に御説明した69種類145点について比較検討し、ふさわしいものを2点に絞った上で、選定したものを上段にして、それぞれの特徴を二重丸(◎)と丸(〇)で記しており、その右には選定する理由を文章で記載しております。3ページから13ページまでが申請書です。
 それでは、左肩に枠囲みで「議題2」と記している資料にお戻りください。
 9ページからが「令和3年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の選定一覧」です。
 10ページを御覧ください。上の1に、選定の際に特に重点を置いた調査の観点及び視点を記しており、これは先ほど説明した、5観点、13視点のうち、教科ごとに、特に、重点を置いた観点と視点を三つ示しています。2が、教科用図書選定一覧で、教科ごとに選定した教科用図書を記しています。
 国語につきましては、ただ今見ていただいた三つの観点に、特に重点を置き検討した結果、国語、書写とも光村図書(出版)を選定しています。
 11ページ以降、各教科を続けて説明しますが、1の特に重点を置いた観点等については御覧いただくこととし、説明を省略させていただきます。
 それでは、11ページを御覧ください。
 社会は地理(的分野)、歴史(的分野)、公民的分野とも東京書籍を、地図は帝国書院を選定しています。
 12ページを御覧ください。
 上段の数学は学校図書を、下段の理科は(新興出版社)啓林館を選定しています。
 13ページを御覧ください。上段の音楽は一般、器楽合奏とも教育芸術社を、下段の美術は光村図書(出版)を選定しています。
 14ページを御覧ください。上段の保健体育は大修館(書店)を、下段の技術・家庭は技術分野、家庭分野とも開隆堂出版を選定しています。
 15ページを御覧ください。上段の外国語は教育出版を、下段の特別の教科、道徳は日本文教出版を選定しています。
 説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

糸山教育長

 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 先ほど、中学校の教科書の審議が終わったのですが、結論だけ見ると同じ教科書が挙げてあります。
 先ほどは、広島市の全体のものということで、広島市の課題をベースに審議させてもらったのですが、この中等教育学校は単独の学校なので、(その課題が)広島市全体の課題と一致してるのかどうか、私もよく分からず、全部同じ教科書で良いのかなという印象を持っています。その辺りはいかがでしょうか。

指導第二課長

 はい。確かに、結果として同じものを選定はしておりますが、選定までの過程につきましては、中等教育学校の場合には、グローバル人材の育成を教育目標を掲げて、その中でリーダーシップの育成、伝統文化の継承、それから知的探究能力、そしてコミュニケーション能力、こういった能力を育成するところを目指しております。そういう中で、各教科では、基礎・基本的なところを押さえていくということになると思うのですけれども、そういった(独自の教育目標の)視点に立った時に、目指すところがありながら、どこを重視するかというところで、各教科、各種目、三つ程度の重点を置く観点を定めて、そこを中心に設定しています。結果的には同じ教科書ということになっています。

栗栖委員

 (他の市立中学校の)数学の場合、(全国学力・学習状況調査の)正答率30%未満の生徒の割合が高く、基礎・基本の定着に課題があるということでした。もちろん基礎・基本は大事ですが、中等教育学校の場合は、ある程度競争率の高い中で(合格した)生徒が入学してくるので、スタートラインが(他の市立中学校の生徒と)違うのではないかという印象を持っています。中等(教育)学校の校長先生が、おっしゃっておられるわけだから、良いのだけれども、少し気になったので質問させていただきました。その辺は、問題ないという理解でよろしいわけですね。

指導第二課長

 はい。

井内委員

 英語ですけれど、(別添資料の2ページの2)学校の特色に、英語教育研究指定校として特色を出すように挙げていますよね。努力しておられると思うのですけれど、例えば、ALTを使った会話の教育も優先的にされていると思うのだけど、先ほど選定した(教育出版の)「ONE WORLD」で、先ほども少し質問したのだけれど、例えば、中学校3年生ぐらいになったら、物足りないということはあるのでしょうか。それとも、そういう要望があれば、また副教材などを利用して前に進めておられるのでしょうか。質問です。

指導第二課長

 はい。先ほど選定した「ONE WORLD」で、基本的なところから、活用、言語活動、4技能統合して活用するような場面ももちろん入ってきます。そのことに加えて、井内委員からもおっしゃっていただいたように、発展的な内容については、別途、副教材等を使うこともあります。他の教科についても、中等教育学校の場合には、高校の内容を前倒しして学習することもできますので、言葉が適切か分かりませんが、高度なものについては、高校の教科書を使って学習する中でも取り組んでいます。

井内委員

 例えば、2年生が、「ONE WORLD」の3年生用を使っているということもあるのですか。4年生の教科書を3年生で使っているとすれば、2年生が、3年生の教科書を前倒しで使うということはあるのですか。

指導第二課長

 英語ですか。

井内委員

 他の科目を聞くと混乱するから。今は、英語だけ教えてください。

指導第二課長

 はい、そうです。

指導担当部長

 教科書自体はその学年の4月に配りますから、先に配ることはないのですが、昨年度と一昨年度に見ていただいた多読の授業で、教科書以外にイギリスの絵本や(イギリスの)教科書を使ったり、eラーニングを行っています。そのように、別の取組をしながら、広島市の英語教育のプログラム開発のようなことをしていただいている研究校ですので、一般の学校でもできるところは、やっていただくように、研究開発をしています。(英語教育特別研究校の)大塚中学校で確かめてみて、他の中学校へ普及していくという風にしていますので、(井内)委員のおっしゃったように、教科書だけではなく他のものも英語の時間や放課後を含めて開発していただいている状況です。(これまでに)見ていただいてるように、英語があふれている状況です。

井内委員

 はい。分かりました。そうではないかなと思ったので。

指導担当部長

 辟易としている子どもがいないことはないのですが、皆でしっかりやろうという気持ちで頑張ってますので。

井内委員

 多様な人材を育てようということであれば、英語が得意な子もいるだろうし、またそういう子を、一つの枠の中に押し込めることはないのであって、どんどん伸ばしてやりたいなという目的もこの学校にはあると思うので、必ずしも教科書だけにこだわることはないと思います。一応、ベーシックな、広島市の中学生としての基本はもう完全にクリアしていて、プラスアルファで、パソコンで充分できているということであれば、もうそれで結構だろうと思います。はい。分かりました。

糸山教育長

 はい。その他、いかがですか。よろしいですか。
 それでは、御意見も出尽くしたようです。お諮りいたします。
 議題2の議案第34号「令和3年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について」、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は原案どおり可決することに決定いたしました。
 ここで休憩とします。
 議事の再開は、午後4時50分からといたします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは、議事を再開します。
 次に、議題3の議案第35号「令和3年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。内容について、特別支援教育課長から説明をお願いします。

特別支援教育課長

 議題3の議案第35号「令和3年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」、説明させていただきます。
 まず、1ページを御覧ください。
 昨年度のこの会議の中で、一つの議案の中に1年間使用する図書と、2年間使用する図書と、4年間使用する図書が混ざっているのにも関わらず、記載が明確になってなかったことから、採択期間が分かりにくいという御指摘をいただいております。そのため本年度は、(資料の)1ページに、採択する教科書の種類と使用期間を整理して記載させていただいております。本年度、採択をしていただきたい図書は、1の広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書につきましては、(1)、令和3年度から4年間使用する「特別の教科 道徳」の検定教科書(中学部用)になります。(2)が、令和3年度から4年間使用する文部科学省著作教科書(中学部、高等部用)、及び(3)、令和3年度に1年間使用する一般図書(小学部、中学部、高等部用)となります。また、2の広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書につきましては、(1)、令和3年間から4年間使用する文部科学省著作教科書(中学校用)及び(2)、令和3年度に1年間使用する一般図書(小学校、中学校用)となります。
 では、2ページの参考を御覧ください。
 特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級に在籍している児童生徒につきましては、一人一人の障害の実態等に応じて特別の教育課程を編成できます。そのため、当該学年の文部科学省検定教科書を使うことが適当でない場合には、それ以外の教科用図書を使用できることが法令で規定されておりまして、いろいろな種類の教科用図書の採択が必要となっております。本議案で採択いただきたい教科用図書につきまして、表の中に網掛けで示しております。また、細い線で囲まれている、網掛けのない白抜きの教科用図書は昨年度採択していただいているものです。なお、下側の表の中ほどに、白抜きの太線枠で示している教科用図書がありますが、これは、先ほど、議案第33号で採択いただいた中学校の教科書でございます。
 では、続きまして、3ページ目を御覧ください。
 一つ目の丸印の「令和3年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針」につきましては、5月の教育委員会議において決定いただいたものでございます。また、下側の丸印の「令和3年度使用広島市立小・中学校特別支援学級及び特別支援学校(小・中学部)における学校教育法附則第9条第1項の規定による教科用図書の採択の手順」につきましても、基本方針を決定していただいた際に説明させていただいたものです。昨年度と変更点はございません。
 この採択の手順を図示しましたのが、次の4ページになります。なお、今の3ページ、4ページは、特別支援学校の小・中学部と、小・中学校の特別支援学級分の採択に関する基本方針と手順を示しております。
 次の5、6ページは、特別支援学校の高等部の(教科用図書の)採択の基本方針と手順を示したものでございます。また、次の7ページからになるのですが、一般図書を選定する際には、文部科学省が作成します一般図書一覧を参考に幅広く調査・研究を行って、選定することとなっていますので、この7ページから9ページ目までの様式を使いまして、学校から申請していただくようになっております。
 それでは、採択していただきたい図書について、具体的に説明いたします。
 1ページを御覧ください。
 1、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書についてです。
 広島市立広島特別支援学校は、知的障害者を対象とする特別支援学校であって、特別支援学校学習指導要領に基づいて教育課程が編成されていることから、(2)の文部科学省著作教科書及び(3)の一般図書を使用することとなります。ただし、(1)の文部科学省検定教科書についてなんですが、「特別の教科 道徳」だけは、特別支援学校の学習指導要領に教科の目標・内容が中学校に準ずるものとなっておりますので、生徒の実態として使用することが望ましい場合には、中学校用の検定教科書を使用することも可能となります。このため、(1)の文部科学省検定教科書も特別支援学校として、この「特別の教科 道徳」だけですけれども、採択する必要がございます。なお、生徒の実態が、検定教科書がふさわしくないという場合には、この「特別な教科 道徳」も他の教科と同様に、(3)の一般図書を使用することとなります。採択していただきたい教科用図書につきましては、10ページ目からなります。
 10ページを御覧ください。
 (広島市立)広島特別支援学校で使用する「特別の教科 道徳」の検定教科書につきましては、広島市立中学校用として採択されました発行者の教科用図書を採択することが望ましいと考えております。この検定教科書につきましては、令和3年度から4年間の使用を考えております。
 次に、11ページを御覧ください。文部科学省著作教科書ですが、これにつきましては次年度からの新学習指導要領の実施に伴いまして、今年度採択が必要となります。また、文部科学省著作教科書は、検定教科書と同じように、原則4年ごとに採択替えを行うこととなっております。文部科学省著作教科書は一般の検定教科書とは異なり、各教科1種類ずつしか発行されておりませんので、発行されたすべての教科書を採択していただきたいと考えております。なお、この度、学習指導要領の改訂に伴いまして、これまで中学部というのは、星が四つついているもの、1種類しかなかったのですけども、小学部や高等部などの段階、段階間の円滑な継続を図っていくために、中学部は2段階構成になりまして、星が四つのものと、星が五つのものの2種類を作成するようになっております。この教科用図書もそのページのタイトルにありますように、令和3年度から4年間の使用を考えております。
 続いて、12ページをお開きください。
 一般図書につきましては、毎年度採択を行うこととなっております。本年度は、小・中・高等部合わせて184点の図書の申請があり、具体的な図書名につきましては、それ以降のページで、小学部のものでしたら13ページから15ページ、中学部が16ページ、17ページ、高等部のものが18ページと19ページに記載しております。この教科用図書は、令和3年度に1年間使用するものです。
 以上が、特別支援学校分になります。
 それでは、1ページにお戻りください。
 続きまして、2、広島市立小中学校特別支援学級で使用する教科用図書について説明いたします。
 小・中学校特別支援学級においては、児童生徒の障害の実態により、その児童生徒に応じて、特別支援学校の教育課程を参考にした特別の教育課程を編成することができるようになっております。そこで、小・中学校の特別支援学級におきましては、個々の児童生徒が取り組む目標や内容に応じて、文部科学省の検定教科書だけでなく、(1)の文部科学省著作教科書や(2)の一般図書を使用することができるようになっております。なお、文部科学省の検定教科書につきましては、特別支援学級も小・中学校の中の学級の一部でございますので、先ほど申し上げましたとおり、中学校分については、議案第33号で採択していただいたこととなっております。採択していただきたい教科用図書につきましは、20ページからになります。
 まず、20ページですが、文部科学省著作教科書(中学校用)につきましては、特別支援学校の場合と同様に、発行された全ての教科書を採択していただきたいと考えております。令和3年度から4年間の使用を考えております。
 続いて、21ページを御覧ください。一般図書(小学校、中学校用)につきましては、本年度は小学校から279点、中学校からは167点、合計で446点の図書の申請がありました。これらの具体的な図書名につきましては、それ以降のページで、小学校から上がったものは、22ページから29ページまでに記載しております。中学校分は30ページから34ページに記載しております。先ほど特別支援学校の件で話しましたが、その特別支援学校と同様にいずれも各学校から使用希望のあった図書となっておりまして、これにつきましては、令和3年度に1年間使用する図書となります。
 先ほど説明しました全ての一般図書につきまして、事務局におきまして、各学校から提出のあった書類の内容を調査検討した結果、その全てが適正であるということを確認しております。
 つきましては、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書として、10ページから19ページにありますとおり、広島市立小中学校特別支援学級で使用する教科用図書としては、20ページから34ページにありますとおり、令和3年度から使用する教科用図書として一括採択することにつきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。以上で終わります。

糸山教育長

 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 個別のいろいろな事情で申請いただいているものなので、内容については、特に異議はございません。二つあります。一つは確認なのですが、先ほどの(特別支援教育)課長の説明は、大変よく分かりました。昨年はいろいろあったのですが、今年は大変分かりやすくなりました。もう一つは質問です。1の(2)の文部科学省著作教科書は、高等部も4年間使用するということになるのですか。

特別支援教育課長

 はい。文部科学省の著作教科書は、高等部も4年間使えます。

栗栖委員

 分かりました。それから、確認に近いのですが、毎年このように申請いただいた一般図書を、基本的には承認という形になっているのですが、実際の運用で、現場で困ることは基本的には無い状態で、特別支援の教育が進んでいるという理解をしてよろしいでしょうか。

特別支援教育課長

 そうですね。学校で子どもの実態に合わせて、本の中身を選ばれております。ただ、最終的に一般図書の発行ができなくなって、図書を変えてくれというのがあります。そういった時には、本当だったら(もともと選んだ図書を)使いたかったと思われる学校もありますが、それでも皆さん、いただいたもので、子どもに合わせて適切に使用をされております。

栗栖委員

 もし、発行ができなくなって断られたときには、教科書を変更することはできないのですか。

特別支援教育課長

 できます。文科省から発行できない旨の通知があれば、すぐに学校の方へ連絡をして、選び直してもらいます。使用に困られた際は、学校から相談されますので、特別支援教育課でも対応しています。

栗栖委員

一人一人状況が違うので、できれば実情に沿う形にしていただければと思います。

井内委員

 文部科学省著作教科書は、星4と星5に分かれたのですね。星5が、レベルがより高度なのですね。中身をざっと見ただけでも、数学だったら折れ線を書けるとか、書かせるとか。そういうことですね。これは、その子どもの状態で選ぶのですか。

特別支援教育課長

 はい。そうです。

井内委員

 選択肢として用意されている。

特別支援教育課長

 はい。小学部と同じように、学年ではなく段階で作ってあるので、お子さんによっては、6年生だけど、星1の教科書を使うこともあります。中学校も今回2種類になったので、お子さんによっては星4を使われるケースもあったり、星5を使われるケースもあったりします。

井内委員

 はい。分かりました。

糸山教育長

 同じような質問なのですが、これを中学校1年で使っても良いし、3年で使っても良いのですか。どういう使い方になるのですか。

特別支援教育課長

 はい。実際、星4、5になりますと、教科の中身が濃くなり、小学校中学年くらいの中身から入ってきます。小・中学校の普通の授業のイメージのような形で、系統立てて指導しながら使うことができます。今日は何ページまでやっていくよ、というように。中学校3年間で星4の段階が終わった子は、次の年の採択のときに星5を選ばれることもありますし、3年間ずっと(同じ教科書を)継続使用するケースも中にはあります。

糸山教育長

 そうすると、今回、採択は中学校用とありますが、中学部の生徒でも、小学校用をそのまま引き続いて使うというケースもありますか。

特別支援教育課長

 あります。昨年度、採択していただきました、小学部用で星1、2、3は、中学部のお子さんも使えるかたちになっています。

糸山教育長

 その子どもに合わせて使うのですね。

特別支援教育課長

 そうです。

糸山教育長

 より良い方を使う。

特別支援教育課長

 はい。

秋田委員

 とても面白い本が多いです。特別支援学校に限らず、参考になると思いました。例えば、『ひとりだちするための国語』など、非常に重要なことだろうと。特別支援教育と関係なく参考にできたら良いと思います。

糸山教育長

 それでは、御意見も出たようですので、お諮りをします。
 議案第35号「令和3年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」、原案通り可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は原案通り可決することに決定をいたしました。
 ここで休憩とします。
 議事の再開は午後5時20分といたします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは、議事を再開します。
 次は、議題4の議案第36号「令和3年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。内容について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 議題4「令和3年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」、御説明します。
 2ページの「令和3年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校高等部用教科用図書採択の基本方針」を御覧ください。こちらは、令和2年5月29日の教育委員会議で決定いただいたものでございます。
 3ページの「令和3年度使用広島市立広島みらい創生高等学校用教科用図書採択の基本方針」を御覧ください。こちらも同様に5月の教育委員会議で決定をいただきました。
 次に、4ページの「広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)における教科用図書採択の手順」を御覧ください。こちらについても、5月の教育委員会議で採択の基本方針を決定していただいた際に説明させていただいたものです。各学校ではこの表に示している手続きに従って、調査員による調査・研究を経て、各学校、「教科用図書選定委員会」における審議をした上で、選定した教科用図書について教育委員会に申請をしています。なお、申請様式は5ページから7ページに添付しております。指導第二課においては、提出された申請書等の内容について、各学校の校長から説明を受け、教科用図書の審査を詳細に行い、適正に申請していると判断し、本日、本教育委員会議に(議案を)上程しています。
 次に、右肩に枠囲みで「別添資料」として記されている「令和3年度使用広島市立高等学校、中等教育学校(後期課程)用教科用図書に係る学校別選定手順、選定資料及び申請書等」の1ページを御覧ください。
 基町高等学校を例に各学校から提出された申請書について説明します。選定手順については、先ほど中等教育学校の前期課程で説明しましたが、各高等学校、中等教育学校の後期課程においても、同様の手順で校内に設置した選定委員会の運営を行っています。選定委員会については、16ページにありますように、各学校で定めた規約は、学校ごとの最後に綴っております。全ての学校において、教科用図書の選定が適正に行われていることを確認をしています。
 それでは、2ページをお開きください。1に学校の特色を、2に生徒の実態を、3に調査の観点及び視点を記載しており、3ページが「令和3年度使用高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書申請書」で、高等学校用教科書目録に登載されている教科書について、先ほどの観点に基づき、比較検討し、ふさわしいものを2点に絞った上で、選定したものを上段にして、それぞれの特徴を二重丸(◎)と丸(〇)で示しており、その右には選定の理由を文章で記載しています。この3ページから15ページまでが基町高等学校の申請書となっています。
 以下、17ページからは各学校から提出されたものです。
 それでは、左肩には枠囲みで議題4と記している資料にお戻りください。
 9ページからが「令和3年度使用高等学校中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択に係る学校別選定一覧」です。各学校において、選定された教科書を教科ごとに一覧にまとめております。11ページからが基町高等学校になっております。
 11ページを御覧ください。
 1に選定の際に特に重点を置いた調査の観点及び視点として、教科ごと特に重点を置いた調査の観点等を三つ示しています。2が教科用図書選定一覧で、教科ごとに選定した教科用図書を記しています。上から3段目の学年に丸3で、現代文Bとあり、学年欄の数字を丸で囲んでおりますけれども、これは表の下の※印の1つ目にありますとおり、既に使用していて、令和3年度も引き続き使用する教科用図書、つまり生徒が購入しないものです。
 それでは、12ページを御覧ください。12ページが地理歴史、13ページが公民、14ページが数学、15ページが理科です。2の教科用図書選定一覧の表の下から2段目の地学基礎は、新規と記載していますが、これは表の下の※印の二つ目にありますように、令和2年度に使用している教科用図書と異なるものを申請したものです。なお、新規の文字を四角で囲んで示しているものは、必履修科目であり、すべての生徒が履修します。空欄になっているものは、本年度使用している教科用図書と同一のものです。「新規の選定」の欄に新規と記載しているものは、3の新規の選定図書及びその理由に選定の理由を記載しています。
 お手元には四角囲みで新規と示されている、必履修科目の教科用図書7点を机上に準備しております。その他のものは壁沿いに学校ごとに展示をしています。
 それでは、続いて、16ページが保健体育、17ページが芸術、18ページが外国語で、コミュニケーション英語2、コミュニケーション英語3、英語表現2の3点が新規の申請です。19ページが家庭、20ページが情報です。基町高等学校は以上です。
 次に、舟入高等学校ですけれども、21ページからが舟入高等学校で、国語になっています。22ページが地理歴史、23ページが公民、24ページが数学、25ページが理科、26ページが保健体育、27ページが芸術、28ページが外国語で、英語表現2が新規の申請です。次の29ページが家庭、30ページが情報です。舟入高等学校は以上です。
 次の31ページから沼田高等学校で、31ページが国語です。次の32ページが地理歴史、33ページが公民、34ページが数学、35ページが理科、36ページが保健体育、37ページが芸術、38ページが外国語で、英語表現2が新規の申請です。次の39ページが家庭、40ページが情報です。沼田高等学校は以上です。
 次の41ページからが美鈴が丘高等学校で、41ページが国語です。次の42ページが地理歴史、43ページが公民、44ページが数学、45ページが理科、46ページが保健体育、47ページが芸術で、美術1、書道1、書道2の3点が新規の申請です。48ページが外国語、49ページが家庭、50ページが情報です。美鈴が丘高等学校は以上です。
 次の51ページからが広島中等教育学校(後期課程)で、51ページが国語です。次の52ページが地理歴史、53ページが公民、54ページが数学、55ページが理科、56ページが保健体育、57ページが芸術、58ページが外国語、59ページが家庭、60ページが情報です。中等教育学校(後期課程)は以上です。
 次の61ページからが広島商業高等学校で、61ページが国語です。次の62ページが地理歴史、63ページが公民、64ページが数学、65ページが理科、66ページが保健体育で、保健が新規の申請です。次の67ページが芸術、68ページが外国語で、コミュニケーション英語3、英語表現2の2点が新規の申請です。次の69ページが家庭、70ページから71ページが商業で、課題研究(全商原価計算)が新規の申請です。広島商業高等学校は以上です。
 次の73ページからが広島工業高等学校で、73ページが国語です。74ページが地理歴史、75ページが公民、76ページが数学で、2の教科用図書選定一覧の表の下から3段目の数学3は、「新規の選定」欄に改訂と示されています。これは令和2年度に使用している教科用図書の改訂版を申請したものです。次の77ページが理科、78ページが保健体育、79ページが芸術、80ページが外国語、81ページが家庭、82ページから84ページまでが工業で、83ページの一番下、コンピュータシステム技術が新規の申請です。広島工業高等学校は以上です。
 次に85ページからが広島みらい創生高等学校(定時制の課程)で、85ページは国語です。86ページが地理歴史、87ページが公民、88ページが数学、89ページが理科、90ページが保健体育、91ページが芸術、92ページが外国語で、英語会話が新規の申請です。次の93ページが家庭で、消費生活、フードデザインが新規の申請です。94ページが情報、95ページが工業で、電力技術が新規の申請です。96ページが商業で、商品開発、原価計算、ビジネス情報が新規の申請です。次の97ページが福祉です。みらい創生高等学校(定時制の課程)の、新規の申請は合計で8点ありますが、全て科目の新設によるものです。広島みらい創生高等学校(定時制の課程)は以上です。
 次の99ページからが広島みらい創生高等学校(通信制の課程)で、99ページが国語です。国語では、国語表現が新規の申請です。次の100ページが地理歴史で、世界史B、日本史Bの2点が新規の申請です。101ページが公民で、倫理、政治・経済の2点が新規の申請です。102ページが数学で、数学Bが新規の申請です。103ページが理科、104ページが保健体育です。それから105ページが芸術、106ページが外国語で、英語表現2が新規の申請です。次の107ページが家庭、108ページが情報、109ページが工業、110ページが商業、111ページが福祉で、介護福祉基礎が新規の申請です。新規の申請は合計で8点あり、このうち日本史Bを除く7点が科目の新設によるものです。広島みらい創生高等学校(通信制の課程)は以上です。
 次の113ページを御覧ください。「令和3年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書総括表」です。令和3年度使用教科用図書の申請は、各学校以下のとおりとなっており、合計で666点となっています。
 説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 まず、各校長が申請されたものなので内容について異議はございません。少し確認したいのですけれど、先ほど中学校用の教科書採択の冒頭で、適正かつ公正な採択の確保のための確認書の話をさせていただきました。高校も毎年、同じように手続きをされているのですか。

指導第二課長

 そうですね。高等学校も同じように、毎年、選定委員及び調査員は、確認書で(特定の教科書)発行者と関係を有しないことの確認をとっています。

栗栖委員

 毎年、きちんと確認されているということですね。

指導第二課長

 はい。確認しています。

栗栖委員

 それから少し細かいことなのですが、(教科用図書選定一覧の)表示の問題なのですが、四角のない新規と四角囲みの新規の違いについて改訂版との御説明があったかと思うのですが、広島工業高等学校(の数学3)にある改訂とはどう違うのでしょうか。

指導第二課長

 四角囲みは、必履修科目です。全ての生徒が学ぶ教科です。改訂は、令和2年度使用教科書図書の改訂版です。

栗栖委員

 新規は、先ほど(広島みらい創生高等学校の)説明の中であった、科目の新設と、令和2年度使用教科書と異なる教科書と、二つの種類があるということですか。

指導第二課長

 そうです。

栗栖委員

 2通りの種類がある。

指導第二課長

 新規につきましては、先ほどみらい創生のところで新しく設定したと申したのですけれども、来年度初めて4年生ができるということで、4年生用の新しく設定される科目は全て新規になります。

栗栖委員

 つまり、同じ新規の表示も二つあるいうことで、新設した新規と、出版会社を変えた新規もある。例えば、英語のコミュニケーションや英語表現に新規があるのですけれど、これは(令和2年度使用教科用図書から)出版会社を変えたということなんですか。

指導第二課長

 はい、そうです。出版社を変えたということです。

栗栖委員

 分かりました。変えた理由は、それぞれの高校の事情ですか。

指導第二課長

 そうです。

糸山教育長

 今の(栗栖委員の)御質問に関連して質問です。新規という表現がいろいろあって、先ほどのように、みらい創生は、学年進行で増えるからという要素もあります。基町高等学校の18ページのコミュニケーション英語のところの新規は四角囲みではないのですが、英語は、必履修じゃないのですか。コミュニケーション英語は、必ずみんなが履修しなくて良いということですか。

指導第二課長

 はい。英語は、コミュニケーション英語の1が必履修科目ということになります。

糸山教育長

 2は、選ばないものもいる。選ばなくても良いということになっている。

指導第二課長

 そうです。

糸山教育長

 はい、四角囲みについては、分かりました。
 コミュニケーション英語2に、新規とあり、コミュニケーション英語1の東京書籍に、新規という表示がないということは、去年入れ替えたから、教科書の連続性として、学年進行分の次の学年で使うコミュニケーション英語2も東京書籍に変えないといけないという意味で理解をしたのですが、コミュニケーション英語3で、啓林館を新規にするというのはどういう意味でしょうか。3年生になって教科書会社を変えるのは。

指導第二課長

 先ほど教育長がおっしゃっていただいたように、3の(新規の選定図書及びその)理由を見ていただきますと、2年生のところで理由が書いてあります。コミュニケーション英語1で、「PROMINENCE English Communication1」を使用していたということで、この2年生は1年生のときに、同じ者の教科書を使っていたという内容です。

糸山教育長

 啓林館を1年、2年生で使ってみたけれども、東京書籍に変えようということですね。ただ、今度の3を履修する子は、啓林館にしないと連続性を保てない。そういう理解をしたら良いですか。

指導第二課長

 はい、これはどの学年もですけど、この新規は、学年進行の新規ということになっています。

糸山教育長

 学年が変わっても教科書が変わらないようにしようとしたときに、こうなるという理解で良いですか。

指導第二課長

 はい。

糸山教育長

 だいたいその理解で良いと思ったのですが、沼田高校の38ページで、英語表現1は大修館で、英語表現2は、新規でいいずな書店となっているのはどういうことですか。

指導第二課長

 はい。これは、先ほどの学年進行とは違いまして、2年生になるときにあえて変えています。その理由としては、沼田高校の英語表現2において、「話すこと」や「書くこと」に係る言語活動を通して、発信力を高めるところに力を入れたいということで、2年生になる段階でこの者の教科書に変更したいということで申請がなされております。

糸山教育長

 そうすると3年生のときに、また新規で上がってくるということですね。

指導第二課長

 そうです。

糸山教育長

 これは、(令和2年度使用教科書)から発行者を変えた例ですね。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 令和3年度の1年生は、英語表現1で大修館の教科書を使うということですよね。これを使った令和4年度の2年生は、英語表現2でいいずな書店の教科書を使うことになるのですね。

指導第二課長

 英語表現2は選択(科目)になりますので、1年生が英語表現Ⅰ、2年生が英語表現2という風に進行していくものではなく、より高度な部分を学習する生徒が英語表現2を選択しています。

栗栖委員

 英語表現2を今回いいずな(書店)に変えるのだったら、英語表現1もいいずな(書店)に変えなければならないと思ったのですが、そういう単純なものではないのですか。

糸山教育長

 英語表現2のレベルに関しては、いいずな書店が良いと考えられたのですね。

指導第二課長

 そうです。

糸山教育長

 教科書の連続性よりも内容で選んでいるのですね。

指導第二課長

 英語表現2を選択することはある意味、レベルが高いと言いますか、そういったもので、学習を進めていくという形で考えています。

糸山教育長

 少し細かいことですが、広島みらい創生高等学校(通信制の課程)で気になったところがあります。100ページの2の日本史Bです。基本的には、4年生のところが全て新規ですね。3年生の日本史Bで新規になっていますが、これは、山川出版の方が良いということで、変わったのでしょうか。

指導第二課長

 はい。3年生が、実際に授業で使用した状況を踏まえています。令和2年度も山川出版の教科書を採択しています。山川出版は二種類作っていて、今は詳説というより詳しい教科書なのですけれども、令和3年度用に採択するものは、少し内容的に易しく、写真などが沢山掲載されているものに変えたいということです。

糸山教育長

 はい、分かりました。数が多いのですが。

井内委員

 十分、検討されたということですね。

糸山教育長

 大部分は、引き続き同じ教科書を使うという中で、どうしてもという必要があれば変えるということです。
 それでは、お諮りします。
 議案第36号「令和3年度使用広島市立高等学校、中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について」、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は原案どおり可決することに決定いたしました。
 次の議題5は、冒頭でお諮りした通り、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係の方がいらっしゃいましたら、退席をお願いいたします。

 (非公開部分省略)

糸山教育長

 以上で、本日の議題は全て終了しました。
 これをもって、令和2年第11回広島市教育委員会議臨時会を閉会いたします。

 

7 議決事項

議案番号

件名

議決結果

33

令和3年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択について

国語:光村図書出版
国語(書写):光村図書出版
社会(地理的分野):東京書籍
社会(歴史的分野):東京書籍
社会(公民的分野):東京書籍
社会(地図):帝国書院
数学:学校図書
理科:新興出版社啓林館
音楽(一般):教育芸術社
音楽(器楽合奏):教育芸術社
美術:光村図書出版
保健体育:大修館書店
技術・家庭(技術分野):開隆堂出版
技術・家庭(家庭分野):開隆堂出版
外国語(英語):教育出版
道徳:日本文教出版

34

令和3年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について

原案可決
35

令和3年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について

原案可決

36 令和3年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について 原案可決

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