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平成30年第11回教育委員会議(8月臨時会)議事録

平成30年第11回広島市教育委員会議議事録

 平成30年8月29日(水曜日)、平成30年第11回広島市教育委員会議(臨時会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前9時30分
  • 閉会 午後2時16分

2 教育長及び委員の出席者

  • 教育長 糸山 隆
  • 委員 井内 康輝
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員 秋田 智佳子
  • 委員 伊藤 圭子

3 事務局等の出席者

  • 教育次長(総務部長事務取扱) 荒瀬 尚美
  • 青少年育成部長 長谷 冨美
  • 学校教育部長 山本 直樹
  • 指導担当部長 野間 泰臣
  • 総務課長 山越 重範
  • 施設課長 吉川 保
  • 指導第一課長 松浦 宰雄
  • 指導第二課長 松浦 泰博
  • 特別支援教育課長 児玉 安司

4 傍聴者等

 17人

5 議事日程

  • 議題1 平成31年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択について(議案)
  • 議題2 平成31年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択に
  • ついて(議案)
  • 議題3 平成31年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書採択について(議案)
  • 議題4 訴訟について(報告)【非公開】
  • 議題5 平成30年度広島市教育委員会事務点検・評価報告書について(議案)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長

 ただ今から、平成30年第11回広島市教育委員会議臨時会を開会いたします。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と秋田委員にお願いします。
 これから、日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 なお、伊藤委員は議題4から出席の予定ですが、定足数を満たしております。
 本日審議予定の議題4及び議題5につきましては、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第7号「訴訟及び審査請求等に関すること」及び同じく第8号「会議を公開することにより教育行政の公正又は円滑な運営に著しい支障が生ずるおそれがあると認められる事項」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題4及び議題5については非公開として審議することを決定いたしました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「平成31年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択について」を議題とします。
 本件は審議案件が2件となっています。議案第26号「平成31年度に使用する広島市立小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)の採択について」及び議案第27号「平成31年度から使用する広島市立中学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」)の採択について」の2件です。
 最初に、これまでの経過等について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 平成31年度に使用する広島市立小学校用教科用図書の採択(「特別の教科 道徳」を除く)及び平成31年度から使用する広島市立中学校用教科用図書の採択(「特別の教科 道徳」)についての2件を御審議いただきます。
 資料につきましては、資料1と資料2と別紙をお配りしております。
 それでは、まず、これまでの教科書採択の経過を説明いたします。資料1の1ページを御覧ください。
 5月23日の教育委員会議で、平成31年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書の採択について、上段の広島市教育委員会の枠内の、採択基本方針の決定、採択審議会への諮問事項の決定、採択審議会委員の委嘱又は任命を行い、丸2にありますように、採択審議会に諮問しました。
 採択審議会は、6月6日、7月19日、7月27日に開催いたしました。この採択審議会では、資料1の2ページに示してあります小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)及び3ページに示してあります中学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」)の全てについて、調査員による調査研究を踏まえ、審議を行い、各教科用図書の特徴及び「よりふさわしい」、「ふさわしい」の意見を付して、1ページの図の丸6にありますように、教育委員会に答申いたしました。
 なお、小学校用教科用図書の採択につきましては、文部科学省通知及び広島県教育委員会からの通知「平成31年度に使用する教科用図書の採択基本方針について」に、小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)については、4年間の使用実績を踏まえつつ、平成26年度採択における調査研究の内容等を活用するなど適切に採択を行うと示してあり、本市における調査研究においても、平成26年度の調査研究の内容等を活用して実施いたしました。
 次に、教科書展示会について説明いたします。別紙を御覧ください。
 本市では、教育関係者のほか、一般の皆様に教科書に触れていただくための機会として、教科書展示会を開催しております。教科書展示会は、広島市教育センターのほか、全ての中学校及び中学校区ごとに指定した小学校において実施いたしました。展示会場では、教科書採択に関する質問等に対応できるよう、質問等記入用紙を置きました。このつづりは、記入された方が書かれたものを順序不同で転記したものです。
 なお、いくつかの団体から出された要望、請願については、既に委員の皆様に情報提供しているところでございます。
 説明は以上です。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。
 それでは、議案第26号「平成31年度に使用する広島市立小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)の採択について」、指導第一課長から説明をお願いします。

指導第一課長

 最初に、答申の概要について、小学校の国語を例に説明させていただきます。
 資料2を御覧ください。1ページから7ページまでが国語の答申となっております。
 2ページを御覧ください。1に「本市の実態や児童の状況」とありますが、一つ目の丸印(○)に本市の実態を、二つ目の丸印(○)に児童の状況を示しております。また、2に「調査・研究の観点と視点」とありますが、表に示しておりますように、基礎・基本の定着、主体的に学習に取り組む工夫、内容の構成・配列・分量、内容の表現・表記、言語活動の充実の五つの観点について、具体的な視点を定めております。
 続いて、3ページを御覧ください。3に「各教科書の特徴及び意見」とありますが、3ページから7ページにかけて5者全ての教科書について、五つの観点に沿って、その優れた点や特徴をまとめています。さらに、この答申の中の1者について「よりふさわしい」、もう1者について「ふさわしい」との意見が付されております。
 なお、ここに並べております発行者の順は、先ほど説明いたしました(資料1の2ページの)教科書一覧における順によっております。
 この答申に基づいて、どの教科書を採択するかを御審議いただくことになります。
 ここまでは、国語を例に答申の概要を説明させていただきました。
 それでは、御審議いただく小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)について説明いたします。資料1の2ページ、「小学校用教科書目録(平成31年度使用)」(文部科学省)に登載された教科書一覧(「特別の教科 道徳」を除く)を御覧ください。
 表の上段に、番号、種目、発行者の番号・略号、種類数、点数と項目を立てておりますが、この度の採択審議会で扱いました教科用図書は、9教科11種目となります。発行されている教科用図書は、全て合計しますと、48種類、253点となります。
 なお、ここにあります教科用図書の中には、新たに検定を経た教科用図書は無く、前回の平成25年度に検定を受けた教科用図書と同様の物でございます。
 これら253点の教科用図書の調査研究に当たりましては、前回の平成26年度の調査研究報告書を参考にしながら、全ての見本本の調査研究を綿密に行いました。
 その結果、全ての教科、種目の教科用図書の特徴及び意見を記した答申に大きく追加、あるいは修正をすべきところはありませんでした。先ほど、指導第二課長の説明にもありましたが、今回の調査研究と4年間の使用実績を踏まえながら、全ての種目について、前回と同様の教科用図書に、「よりふさわしい」、「ふさわしい」の意見が付されております。
 それでは、国語から順に、資料2の答申に沿って、各種目に付された意見を説明させていただきます。
 まず、国語についてです。国語については、3ページに東京書籍、4ページに学校図書、5ページに三省堂、6ページに教育出版、7ページに光村図書出版の教科書の特徴及び意見がまとめられております。
 3ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されております。理由としては、各単元が「つかむ」、「取り組む」、「振り返る」、「広げる」という構成になっており、問題解決的な学習を実施するための工夫を施している、また、学習内容の活用を促すために「つながる」のコーナーや、他教科や実生活での活用を図るために「ひろがる」のコーナーを設けている、さらに、学校図書館機能の活用を促すページが充実しており、実生活や各教科等の様々な場面に国語科の学習内容を活用する力に課題がある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 次に、7ページの下段を御覧ください。光村図書出版の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、「読むこと」の領域の単元末に特徴的な言葉の用法を取り上げ、言葉の特徴やきまりについての学習内容の定着を図る工夫をしている、また、各学年に図書館の活用の仕方を学ぶ小単元を設けており、言葉の特徴やきまりに関する事項の定着に課題がある本市児童の状況や言語活動の充実を図る必要がある本市の実態に対応することができるものであると示されています。
 続いて、書写についてです。書写については、10ページに東京書籍、11ページに学校図書、12ページに三省堂、13ページに教育出版、14ページに光村図書出版、15ページに日本文教出版の教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 10ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、観察などの際に座って書く姿勢や、左手で筆を持つ児童のための用具の置き方を示し、書く姿勢を整えるための「しょしゃたいそう」を掲載している、また、毛筆の学習は硬筆との関連を図るため、硬筆から導入し、毛筆教材の後で同じねらいを持つ硬筆教材を取り上げており、入学前に誤った筆記具の持ち方や姿勢を習得していることから学習内容を各教科や日常生活に生かすことが難しい本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 13ページの下段を御覧ください。教育出版の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、毛筆の学習は硬筆との関連を図るため、硬筆から導入し、毛筆教材の後、同じねらいを持つ硬筆教材を取り上げる構成になっている、また、年賀状の書き方を扱っている学年が複数あり、書写の学習内容を各教科や日常生活に生かすことが難しい本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 続いて、社会についてです。社会については、18ページに東京書籍、19ページに教育出版、20ページに光村図書出版、21ページに日本文教出版の教科書の特徴及び意見がまとめられております。
 18ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されております。理由としては、広島に投下された原子爆弾や平和に関する文章記述や写真資料を多く掲載している、また、「つかむ、調べる、まとめる、いかす」という学習過程を示すことにより、問題解決的な学習を充実させるための工夫が施されている、調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成することができるよう、まとめ方の例を多く掲載しており、自ら課題を見付け、見通しを持って課題解決を図る力や、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力、社会参画しようとする力に課題がある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 20ページの下段を御覧ください。光村図書出版の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、広島に投下された原子爆弾や平和に関する文章記述や写真資料を多く掲載している、また、「見付ける(ホップ)、調べる・話し合う(ステップ)、まとめる・広げる(ジャンプ)」という学習過程を示すことにより、問題解決的な学習を充実させるための工夫が施されている、調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成することができるよう、まとめ方の例を多く掲載しており、自ら課題を見付け、見通しを持って課題解決を図る力や、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力に課題がある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 続いて、地図についてです。地図については、24ページに東京書籍、25ページに帝国書院の教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 25ページの下段を御覧ください。帝国書院の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、中国地方のページに「広島市のようす」という主題図を掲載し、爆心地からの距離や原子爆弾の被害状況を示したり、広島県内の主な産業を29の記号で示したりしている、また、「~をしょうかいしよう」、「~をさがしてみよう」、「~を調べよう」等、活動を促す記述を掲載しており、問題解決的な学習を実施するための工夫が施されている、調べたことや考えたことを表現する力を育成するための工夫として、自分の住んでいる都道府県や知っている都道府県の紹介文を書く活動や防災マップを作成する活動を例示しており、社会の学習において有効に活用できるものであるとともに、自ら課題を見付け、見通しを持って課題解決を図る力や、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力に課題のある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 24ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」の意見が付されております。理由としては、中国地方のページに、広島県内の主な産業を21の記号で示している、「~をさがしてみよう」、「~を調べよう」、「~をはかってみよう」等、活動を促す記述を掲載しており、問題解決的な学習を実施するための工夫が施されている、調べたことや考えたことを表現する力を育成するための工夫として、自分が住んでいる所の気温や降水量を調べて、グラフを描く活動や、行ったことのある所や行ってみたい所を記入して、自分だけの索引を作る活動を例示しており、自ら課題を見付け、見通しを持って課題解決を図る力や、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力に課題のある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 続いて、算数についてです。算数については、28ページに東京書籍、29ページに大日本図書、30ページに学校図書、31ページに教育出版、32ページに新興出版社啓林館、33ページに日本文教出版の教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 28ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、問題解決的な学習を実施するための工夫として、45分の授業の進め方を一つの単元を例に詳しく示している、また、量感覚を養うために、作業的・体験的な活動を促す構成になっていたり、図形の理解を図るために、細かく段階を経て図形や立体を示したりしている、さらに、自分の考えを分かりやすく説明・表現することができるように、言葉・式・図等を用いた説明や表現を例示しており、量感覚の定着や、課題解決に向けて筋道を立てて考え、表現し、説明することに課題がある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 続いて、30ページの下段を御覧ください。学校図書の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、単元末にある評価問題とは別に練習問題があり、繰り返し練習できるようにチェック欄がある、さらに、巻末には、自学自習するための答えも付いている、問題解決的な学習を実施するための工夫として、45分の授業の進め方を一つの単元を例に示している、また、自分の考えを分かりやすく説明・表現することができるように、複数の考えを言葉・式・図等を用いて例示しており、これらは、課題解決に向けて筋道を立てて考え、表現し、説明することに課題がある本市児童の状況や、基礎的・基本的な知識及び技能の定着を図る必要がある本市の実態に対応することができるものであると示されています。
 続いて、理科についてです。理科については、36ページに東京書籍、37ページに大日本図書、38ページに学校図書、39ページに教育出版、40ページに信州教育出版社、41ページに新興出版社啓林館の教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 39ページの下段を御覧ください。教育出版の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、本市の小学校の春夏秋冬の様子を写真で掲載するとともに、森林公園こんちゅう館、こども文化科学館、江波山気象館、健康科学館等の写真を掲載し、本市児童の興味を引く工夫を施している、また、問題解決の過程において、考察する学習活動を充実させるために、観察・実験の結果から考察へ進む際に「結果から考えよう」という項目を立てて考察する際の手立てを示しており、本市の四季の様子や本市内の施設についての活用方法を紹介することで本市児童の理科に対する興味や関心を喚起するとともに、観察・実験の結果について、その要因や根拠を考察し、説明することに課題のある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 続いて、36ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」の意見が付されています。理由としては、本市内の施設である森林公園こんちゅう館、江波山気象館などの写真を掲載し、本市児童の興味を引く工夫を施している、また、問題解決の過程において、考察する学習活動を充実させるために、結果から考察へ進む際に「考えよう」という項目を立てて考察する際の手立てを示しており、本市内の施設についての活用方法を紹介することで本市児童の理科に対する興味や関心を喚起するとともに、観察・実験の結果について、その要因や根拠を考察し、説明することに課題のある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 続いて、生活についてです。生活については、44ページに東京書籍、45ページに大日本図書、46ページに学校図書、47ページに教育出版、48ページに信州教育出版社、49ページに光村図書出版、50ページに新興出版社啓林館、51ページに日本文教出版の教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 44ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、スタートカリキュラムを特設し、学校生活の様子を多く写真で示し、さらに、保護者向けの説明文を示している、また、身近な人々や社会及び自然との関わりを深める町探検の学習において、探検活動を3回設定し、同じ場所、人に繰り返し関わる活動を示しており、地域や自然と関わるなどの体験する活動や繰り返し関わる活動が少ない傾向にある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 47ページの下段を御覧ください。教育出版の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、身近な人々や社会及び自然との関わりを深める町探検の学習において、探検活動を3回設定し、同じ場所、人と繰り返し関わる活動を示しており、地域や自然と関わるなどの体験する活動や繰り返し関わる活動が少ない傾向にある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 音楽についてです。音楽については、54ページに教育出版、55ページに教育芸術社の教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 54ページの下段を御覧ください。教育出版の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、共通教材における情景が思い浮かべやすいよう、ページ全体を1枚の写真のようなレイアウトにしたり、鑑賞の資料として両開きの大きな写真を用いたりしている、また、「音楽を表すいろいろな言葉」のページや感じ取ったことを書き込む欄を設け、鑑賞における言語活動の充実を図る工夫を施している、器楽の技能の定着を促すために、楽器の造りを示し、基本的な演奏方法について写真やイラストと言葉で示すとともに、「楽器図鑑」のページを設け、児童が様々な楽器に関心を広げることができるようにしている、さらに、国歌は2ページ扱いで細石(さざれいし)の写真や歌詞の大意を掲載しており、感じたことを豊かに表現することができにくく、音楽活動の基礎的な能力に課題のある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 次に、55ページの下段を御覧ください。教育芸術社の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、共通教材において歌の説明や活動のポイントを示している、また、鑑賞する際のポイントや児童の発言の例を示し、鑑賞における言語活動充実の工夫を図っている、器楽の技能の定着を促すために、基本的な演奏方法について写真とイラスト、言葉で示しており、感じたことを豊かに表現することができにくく、音楽活動の基礎的な能力に課題のある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 続いて、図画工作についてです。図画工作は、58ページに開隆堂出版、59ページに日本文教出版の教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 59ページの下段を御覧ください。日本文教出版の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」の意見が付されています。理由としては、学習指導要領に沿った四つの観点による目標を題材ごとに短い文で示している、また、巻末に材料・用具の扱い方を詳細に掲載し、各題材でも材料・用具の解説や安全面に配慮すべきことを説明しているほか、必要な材料や用具をマークで示している、表現活動では、活動の始まりから終末の振り返り及び片付けまでの流れに沿った写真や解説の配置がなされている、鑑賞活動では、鑑賞題材にアートカードを用いた活動を取り上げており、活動への見通しが持てず、粘り強く表現活動に取り組めないという本市児童の状況に対応することができるものであり、美術館の有無など児童の学習環境に大きな違いがある本市の実態にも対応することができるものであると示されています。
 58ページの下段を御覧ください。開隆堂出版の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、巻末に材料・用具の扱い方を掲載し、各題材でも材料・用具の解説や安全面に配慮すべきことを説明している、また、題材の最後に「ふり返って話し合おう」の自己評価コーナーを設け、言語活動の充実のための工夫を施しており、活動への見通しが持てず、粘り強く表現活動に取り組めないという本市児童の状況に対し、自己評価のたびに目標や自分の達成度を確認できる点で、対応することができるものであると示されています。
 続いて、家庭についてです。家庭については、62ページに東京書籍、63ページに開隆堂出版の特徴及び意見がまとめられています。
 63ページの下段を御覧ください。開隆堂出版の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、活動内容の見通しを持たせるため、実習の計画や手順を見開きで写真とともに一列に示したり、実践的・体験的な事例や作品事例を多く示したりするなどの工夫を施している、また、学習内容を生活に生かすための「チャレンジコーナー」が充実しており、さらに、家庭科の基礎・基本として、家庭科で使う用語を「ひと口メモ」で解説し、巻末に一覧を設けており、縫い物や買い物等の生活体験が乏しく、児童自身が発信者となり生活をよりよく工夫しようとする実践意欲が乏しい本市児童の状況に対応するものであると示されています。
 62ページの下段を御覧ください。東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、巻末に拡大版の実物大写真を掲載し、左利きや個に応じた方法等を説明し、見やすく、まねしやすい工夫を施している、また、学習内容を生活に生かすため、各題材の最後の小題材が「生活に生かそう」となっていたり、「自由研究」を設定したりしており、縫い物や買い物等の生活体験が乏しく、児童自身が発信者となり生活をよりよく工夫しようとする実践意欲が乏しい本市児童の状況に対応するものであると示されています。
 最後は、保健についてです。保健については、66ページに東京書籍、67ページに大日本図書、68ページに文教社、69ページに光文書院、70ページに学研教育みらいの教科書の特徴及び意見がまとめられています。
 67ページの下段を御覧ください。大日本図書の教科書は、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されています。理由としては、健康に過ごすための食事や運動、休養・睡眠の取り方についての記述が充実している、また、シールを使用する学習活動を設定しており、児童が自分の生活習慣について興味・関心を持つとともに、自分の生活を振り返り、これからどのようなことに気を付けて生活していけばよいかを考えることができるよう工夫しており、生活習慣の中で、睡眠時間に課題がある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 70ページの下段を御覧ください。学研教育みらいの教科書は、本市で使用する教科書として「ふさわしい」との意見が付されています。理由としては、健康に過ごすための食事や運動、休養・睡眠の取り方について、児童の実態に応じて学習を深めることができ、児童が自分の生活を振り返り、これからどのようなことに気を付けて生活していけばよいかを考えることができるよう工夫しており、生活習慣の中で、睡眠時間に課題がある本市児童の状況に対応することができるものであると示されています。
 以上、9教科11種目の説明をさせていただきました。
 92ページを御覧ください。これまで説明してまいりました、種目ごとに意見が付された2点を一覧としてまとめております。全ての種目について、前回と同様の教科用図書に、「よりふさわしい」、「ふさわしい」との意見が付されております。
 以上で、議案第26号「平成31年度に使用する広島市立小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)の採択について」の説明を終わります。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 確認ですが、平成31年度に使用する教科書というのは、新学習指導要領実施までの1年間の使用ということでよろしいですか。

指導第一課長

 はい。なお、道徳の教科書は、本年度、初めての使用となっております。

栗栖委員

 各教科書について、私も事前に見せていただきました。全ての発行者の教科書が文部科学省の検定を受けて合格しているわけなので、それぞれの教科書でいろいろな工夫がされていると思いました。その中で、どの教科書を採択するかということになりますと、やはり、広島市の実態や児童の状況に係る課題を解決するという観点が必要だろうと思いました。そういう観点から、今回の答申を見せていただいたのですが、「調査・研究の観点と視点」について丁寧に検討されていると判断しました。
 もう一つ確認なのですが、この調査員と採択審議会のメンバーは、平成26年度のメンバー構成と比べてどうなっているのでしょうか。

指導第一課長

 御存じのとおり、採択審議会は20名の委員で構成されております。

栗栖委員

 前回と同じメンバーなのですか。

指導第一課長

 重なっておりません。

栗栖委員

 重なっていないのですね。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 平成26年度とは異なる新しいメンバーの視点から、もう一度見直しをされたということでよろしいですね。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 「調査・研究の観点と視点」について丁寧に検討されて、最終的な意見として「よりふさわしい」と「ふさわしい」の意見を付されたということなのですが、その理由の中で、具体的な項目を示された上で、広島市の課題に対して結論付けをされており、最終的な答申の意見には、私も同意見と考えます。

指導担当部長

 最初の御質問でございますが、今、御審議いただいている小学校の道徳を除く教科書については、来年度1年間使用するものでございまして、平成32年度から使用する教科書については、来年度、新たに、また、採択していただくことになります。

栗栖委員

 新学習指導要領に基づいてですね。

指導第一課長

 道徳については、昨年度採択いただいたものを、来年度も使用することになります。

鈴木委員

 4年間使ってこられて、もう一回、観点を明確にして調査したところ、やはり同じ教科書がふさわしいという結論だったということで、分かりました。
 具体的に説明をお願いしたいところがあります。資料2の28ページの算数のところですが、今、(大学)新卒者(の採用教員)が増えている中で、教科書の使いやすさというのはとても大事なことだと思いますし、この教科書を使うことで、子どもたちが主体的に学習に取り組むような工夫があるということが大事だと思っています。その点で、ここの「よりふさわしい」の理由の中に書かれてありますように、45分の授業の進め方が分かりやすいということが評価されていると思うのですが、これについて審議会の方では、例えばこの辺が分かりやすいといった具体的な議論はなされているのですか。

指導第一課長

 答申の中に3年生の重さを扱った単元についての記載があるのですが、実際には、提示された物を重い順に並べる問題なのですが、写真を見るだけでは判断できないようになっていて、これは、子どもたちが、調べてみなくては分からないと考えるような構成になっています。実際に調べる中で、量感覚を味わうことができる。正に、先ほど鈴木委員がおっしゃったような、子どもたちが主体的に学習に取り組むような構成になっているのですが、それが結果として、45分の授業の中で問題を解決していくための活動内容となっているという評価、御意見がありました。

鈴木委員

 分かりました。大分、詳しく研究されているということがよく分かりました。

井内委員

 審議会の方で、大変丁寧に各者の教科書を調べていただいて、大変細かい分析がしてあり、感心しているのですが、最終的な結論として「よりふさわしい」、「ふさわしい」という意見が付されるわけですね。その理由付けというのが書いてあるのですが、例えば、社会のところですと、18ページにあります東京書籍の教科書に対する意見と、20ページにあります光村図書出版の教科書に対する意見が、ほとんど同じなのです。ほとんど違っていない。東京書籍の方が「よりふさわしい」で、光村図書の方が「ふさわしい」ですよね。一応、差が付いているわけですが。説明責任という立場から言っても、やはり、どこが違ったのか、結局、どのポイントが「よりふさわしい」、「ふさわしい」なのかが分かりにくい。これについて、説明をお願いします。

指導第一課長

 「よりふさわしい」という意見を付された者と「ふさわしい」と付された者というのは、甲乙付け難いということもあったのですが、審議の中で一番大きかったのは、東京書籍の平和に関する学習内容の中に、広島の子どもたちが作り、発信している「平和への誓い」が掲載されているということです。社会の学習であることを踏まえて、それぞれの学校が平和学習を実施することの成果が現れるものだと、この違いはやはり大きいのではないかという意見が挙がりました。そこだけでもって比べるということはないのですが、そこが決定的になりました。記録の中には、そういったことも書く必要があるのかなと思いました。

井内委員

 やはり、理由の中に、少しの差でも分かりやすいように記載する方がいいのではないかという気がしました。その点で言うと、理科なのですが、36ページの東京書籍が「ふさわしい」で、39ページの教育出版が「よりふさわしい」なのですが、この二つもほぼ同じなのです。ただ、39ページの「よりふさわしい」の1行目に書いてある「本市の小学校の春夏秋冬の様子を写真で掲載する」、ここだけが違うのです。私もこの教科書を見ましたが、春夏秋冬の写真があるだけで随分印象が違うなと思っていますが、社会に関して言えば、理科のこういうような説明でも加わっていると、その違いというのを説明するときに、説得力があるのではないかと私は感じています。
 全体的に「ふさわしい」、「よりふさわしい」の決定について異議はないのですが、やはり第三者が見てきちんと評価できたという審議会の御努力を形に残すのがこの答申ですから、この書き方については、もう少し丁寧であってもいいのではないかと思います。以上です。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 今の書き方については、次回以降で検討してください。文部科学省の検定を通った教科書から選んでいく中で、どういうことに着目して選んだ、ここに差が出た、我々はここを採ったというところが、より分かりやすくなるような表現にしていただくと、採択の議論がしやすいと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。議案第26号「平成31年度に使用する広島市立小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)の採択について」は、各教科の答申において「よりふさわしい」とされた、国語は東京書籍、書写は東京書籍、社会は東京書籍、地図は帝国書院、算数は東京書籍、理科は教育出版、生活は東京書籍、音楽は教育出版、図画工作は日本文教出版、家庭は開隆堂出版、保健は大日本図書を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、先ほどのとおり決定いたしました。
 事務局から何かありましたらお願いします。

指導第一課長

 今後、速やかに採択結果の公開に向けて手続を行ってまいります。先ほど見ていただきました答申を含めて準備をいたしまして、公開したいと思います。また、採択された教科書を適正に、適切に活用し、各学校において授業を充実させ、一人一人の子どもの学力の向上に取り組むよう、指導に努めてまいりたいと思います。ありがとうございました。

糸山教育長

 続いて、議案第27号「平成31年度から使用する広島市立中学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」)の採択について」、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 それでは、道徳の答申について御説明させていただきます。
 資料2の72ページを御覧ください。
 まず、「本市の実態や生徒の状況」について御説明いたします。
 本市は、「国際平和文化都市」を都市像とし、被爆者の願いや世界恒久平和を願う市民の心を基底として、人間の尊厳や生命の尊さを自覚し、自他共に大切にし、正義感や公正さを重んじ、人と自然の共生する平和な社会を築いていく心を育て、自立して行動する力を養うことを教育の原点とし、広島の子どもたちが「心身ともにたくましく思いやりのある人」としてその可能性を最大限に発揮する教育を推進しています。道徳教育においては、平成22年に策定した「規範性をはぐくむための教材・活動プログラム」を活用して、指導方法を工夫し、学校教育全体を通じた道徳教育の充実を図るとともに、平成27年度には「広島市道徳教育プログラム」として改訂し、より一層の充実を図る取組を進めてきました。
 生徒の状況については、平成29年度の全国学力・学習状況調査や「基礎・基本」定着状況調査の質問紙調査において、例えば、学校の決まりを守っている、自分には良いところがあると思っている、役に立つ人間になりたいと思うといった項目の肯定的な回答が全国平均と比べても高く、自分を大切にする気持ちや規則を守ろうとする態度が身に付いていることが伺えます。一方、今、住んでいる地域の行事に参加している、地域や社会を維持するために何をすべきか考えることがあるといった項目では、肯定的な回答が40%に満たないことから、集団の中で人を思いやって動くなど、コミュニケーション能力の定着に課題が見られます。また、いじめの認知件数は、学年を追うごとに増加しており、依然として憂慮する状況にあります。生徒が当事者として道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性のある力の育成に取り組むことが重要だと考えられます。
 道徳の時間の指導については、教育委員会が指定校において実施する「道徳の授業力パワーアップ研修」等を通して授業改善に努めてきているところですが、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる「考える道徳」、「議論する道徳」の実現は十分ではないとまとめられております。
 「調査・研究の観点と視点」については、72ページの下段に示しております。
 それでは、答申の内容につきまして、審議会で出された意見を基に、観点ごとに各者の特徴的なところを抜粋して御説明させていただきます。
 始めに、観点1の「基礎・基本の定着」の(1)道徳科の学び方の示し方において意見が出された点や特徴的な点を御紹介します。
 答申は73ページ、東京書籍、1(1)の丸(○)を御覧ください。お手元の教科書は、東京書籍の1年生の巻頭と、見開きの3ページから6ページをお開きください。見開き1ページで、「話し合いの手引き」として、「話し合いのときの約束」を示しております。また、見開き3ページで、道徳科の学習の流れをイラスト等を用いて分かりやすく示してあります。各学年とも、巻頭で学び方がしっかりと示されていて分かりやすいという意見が出されました。
 続いて、答申は76ページ、学校図書、1(1)の丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、学校図書の1年生の4ページ、5ページをお開きください。「道徳科の指導は、よりよい生き方について生徒が互いに語り合うなど学級での温かな心の交流があって効果を発揮する」と学習指導要領解説に示されております。「学級づくり」として、学級集団の構築を狙ったグループワークの進め方などを示していることが、他者にはない工夫だという意見が出されました。
 続いて、答申は80ページ、光村図書、1(1)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、光村図書の1年生及び3年生の4ページ、5ページをお開きください。このページは、1年生と2年生は同じ内容になっております。1年生と2年生は、「『対話』で広がる、道徳の時間」として、対話の意義を示し、3年生では四つの視点及び内容項目について、イラスト等を用いて示しております。各学年、道徳を学ぶ意義を、内容項目やイラストで示していることが、道徳で学んだことを日常生活の行動につなげる上で分かりやすいという意見が出されました。
 続いて、答申は90ページ、日本教科書、1(1)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、日本教科書の1年生の4ページ、5ページをお開きください。「道徳科って何を学ぶの」として、四つの視点ごとに内容項目を示すとともに、多様な考えを知るための方法を六つ示しているといった特徴があります。
 次に、観点1の「基礎・基本の定着」の(2)主題名等の示し方において議論になった点や、特徴的な点を御紹介します。
 答申は73ページ、東京書籍、1(2)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書の方は、東京書籍の1年生の目次をお開きください。主題名と教材名を示し、四つの視点を色とマークで示しています。次に、10ページをお開きください。教材ごとに、教材名の横に主題名が示されています。また、主題名が書かれた部分には、四つの視点を色とマークで示しております。どのページを見ても、何を学ぶのかがはっきりと示してあり、分かりやすく、学習の見通しを持ちやすいという意見が出されました。
 続いて、答申は78ページ、教育出版、1(2)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、教育出版の1年生の12ページをお開きください。各学年、教材ごとに、教材の冒頭に問いの形で学習のねらいを示しております。教材の冒頭に問いを示すことで、教材の内容に引き付けさせる工夫になっているという意見が出されました。
 続いて、答申は83ページ、日本文教出版、1(2)の丸(○)の四つ目を御覧ください。教科書は、日本文教出版の1年生の4ページ、5ページをお開きください。「この教科書で学ぶテーマ」として11のテーマを設け、いじめの問題、情報モラル等、現代的な課題を教材名とともにはっきりと示しております。テーマが細かく設定されているという点だけでなく、テーマの切り口が現代の倫理・哲学的諸課題の切り口になっており、分かりやすく整理されているという意見が出されました。
 続いて、答申は88ページ、廣済堂あかつき、1(2)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、廣済堂あかつきの1年生の9ページをお開きください。各学年、各教材の終わりに、目当てと問いで構成された「学習のてがかり」を示しております。道徳の指導において、主題名等を示すことで、生徒が分かりきったことを書くのではないかという意見も出されました。一方、主題名等を示すことで、生徒が学習に対する見通しを持つことができるのではないかという意見も出されました。
 以上、観点1の「基礎・基本の定着」について御説明させていただきました。
 この観点において、「よりふさわしい」は東京書籍、「ふさわしい」は光村図書、日本文教出版という意見が出されました。
 次に、観点2の「主体的に学習に取り組む工夫」において議論になった点や特徴的な点を御紹介します。
 答申は73ページ、東京書籍、2(1)の丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、東京書籍の1年生の24ページから34ページです。いじめや命の大切さに関わる教材について2教材を連続で扱うとともに、その問題解決に向けて、学級全体で話し合うことができるページを設けています。主体的に学習に取り組む工夫として、問題解決的な学習を教材として掲載していることが良いという意見が出されました。
 続いて、答申は78ページ、教育出版、2(2)丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、教育出版の1年生の27ページをお開きください。「やってみよう」のページに、直前の教材に関連した体験的な学習を促す教材を掲載するとともに、該当するページを目次の下の部分に示しているといった特徴があります。
 続いて、答申は80ページ、光村図書、2(3)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、光村図書の1年生の11ページをお開きください。教材の終わりに、「学びのテーマ」として、何を学ぶのかを示すとともに、「考える観点」、「つなげよう」に、見方を変えた発問、自己の生き方につながる発問を示しています。答えが一つではない発問を示すことで、生徒が多面的、多角的に考える議論をすることにつながり、評価にも生かすことができるという意見が出されました。
 続いて、答申は83ページ、日本文教出版、2(2)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、日本文教出版の1年生の目次をお開きください。ページの下の部分、「この教科書の使い方」に動作や演技に関するマークを設定していることについて示されております。また、目次では、教材名の下に動作や演技に関するマークを示し、体験的な学習を促すページを設けていることが示されております。
 続いて、答申は86ページ、学研教育みらい、2(1)の丸(○)を御覧ください。教科書は、学研教育みらいの1年生の41ページをお開きください。「クローズアップ」に、問題解決的な発問を示しているといった特徴があります。続いて、答申は同じく86ページ、2(2)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、同じく1年生の37ページをお開きください。「深めよう」のページに、直前の教材と関連した体験的な学習を促すページを設けております。
 続いて、答申は88ページ、廣済堂あかつき、2(3)丸(○)の五つ目を御覧ください。教科書は、廣済堂あかつきの1年生の41ページをお開きください。教材で学習した内容を広げるためのコラム「thinking」のページを設けております。なお、41ページでは、いじめに関連した内容を「thinking」で扱っております。
 続いて、答申は90ページ、日本教科書、2(2)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、日本教科書の3年生の56ページをお開きください。分かりやすい場面絵を掲載した上で、発問を示し、体験的な学習を促すページを設けています。続いて、答申は同じく90ページ、2(3)の丸(○)の四つ目を御覧ください。教科書は、同じく3年生の99ページをお開きください。教材で学習した内容を広げるためのコラム「もっと知りたい」等のページを設けております。
 以上、観点2の「主体的に学習に取り組む工夫」について御説明させていただきました。
 この観点において、「よりふさわしい」は光村図書、「ふさわしい」は東京書籍という意見が出されました。
 次に、観点3の「内容の構成・配列・分量」の(1)取り扱う内容項目数について、御説明します。総ページ数や内容項目数等について、詳細に調査しております。
 答申は74ページ、東京書籍、3(1)を御覧ください。総ページ数、内容項目数、判型を示しております。内容項目数はAからD、四つの視点の合計で35項目となっております。
 続いて、答申の77ページ、学校図書、3(1)を御覧ください。内容項目数の合計は35項目となっております。
 続いて、答申79ページ、教育出版、3(1)を御覧ください。内容項目数の合計は35項目となっております。
 続いて、答申の81ページ、光村図書、3(1)を御覧ください。内容項目数の合計は35項目となっております。
 続いて、答申84ページ、日本文教出版、3(1)を御覧ください。内容項目数の合計は35項目となっております。
 続いて、答申87ページ、学研教育みらい、3(1)を御覧ください。内容項目数の合計は35項目となっております。
 続いて、答申は89ページ、廣済堂あかつき、3(1)を御覧ください。内容項目数の合計は35項目となっております。
 そして、答申91ページ、日本教科書、3(1)を御覧ください。内容項目数の合計は37項目となっております。
 ここまで見ていただきましたように、内容項目数の合計につきましては、多くの者が35項目となっておりますが、日本教科書については37項目となっております。また、視点ごとの内容項目数には多少の差はありますが、どの者もバランス良く構成しております。
 総ページ数については各者に大きな差はありませんが、別冊を除くページ数が最も多いのは光村図書で、最も少ないのが廣済堂あかつきとなっておりました。また、日本文教出版と廣済堂あかつきは、別冊を設けております。日本文教出版の別冊は、教科書と同じ形態の配列で、学習過程においての活動とそれに対する考えを記入する欄を設けております。また、廣済堂あかつきの別冊は、内容項目ごとの配列で、学習内容を基に実生活を見直す内容となっております。
 次に、観点3の「内容の構成・配列・分量」の(2)いじめの問題や現代的な課題等を踏まえた内容の示し方についてですが、本市の実態や生徒の状況から、いじめの問題に対応するためのより実効性のある力を身に付けさせることが課題であることを踏まえ、特に時間を掛けて審議が行われました。
 答申は74ページ、東京書籍、3(2)の丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、東京書籍の1年生の30ページをお開きください。いじめの問題について、読み物教材に加え、漫画の教材を掲載しています。読み物教材だけでなく、漫画を教材として掲載することで、いじめの問題をより身近な自分の問題として捉えることができるという意見が出されました。
 続いて、答申は79ページ、教育出版、3(2)丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、教育出版の1年生の3ページをお開きください。各学年、いじめの問題について二つから三つの教材で構成し、「いじめや差別のない社会に」と巻頭に示しております。
 続いて、答申は81ページ、光村図書、3(2)の丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、光村図書の1年生の2ページと3ページをお開きください。目次に、いじめ問題を扱ったコラムであることを「いじめについて考える」として示しております。同じ教科書の220ページと221ページをお開きください。「テーマ別教材一覧」に「いじめを許さないために」として教材文を示しております。
 続いて、答申は84ページ、日本文教出版、3(2)の丸(○)の一つ目と二つ目を御覧ください。教科書は、日本文教出版の1年生の目次をお開きください。目次に、「いじめと向き合う1」、「いじめと向き合う2」、「いじめと向き合う3」と示してあり、教材数も他者と比較して多く掲載しております。また、いじめ問題を扱った教材に、問題解決的な学習や体験的な学習を取り入れるなど、生徒がいじめの問題を身近な問題として捉えることができるようになっております。なお、問題解決的な学習や体験的な学習は、目次にマークで示しております。同じ教科書の42ページ、43ページをお開きください。いじめの問題について、読み物教材に加え、イラストが中心の教材を掲載しています。いじめの問題について教材数が多く、イラスト等を用いて、いじめについてしっかり学習することができるという意見が出されました。
 続いて、答申は87ページ、学研教育みらい、3(2)の丸(○)の三つ目を御覧ください。教科書は、学研教育みらいの2年生の8ページをお開きください。「様々なテーマで学ぼう」に、教材と関連する現代的な課題を、六つのテーマで示しています。なお、情報モラルを扱った教材は目次にマークで示しています。熊本地震の際にSNSが役立ったことを取り上げる教材と、匿名でネットに書き込みを行う教材等を取り扱っており、SNSについて良い面と悪い面と両方から考えることができて良いという意見が出されました。
 続いて、答申は89ページ、廣済堂あかつき、3(2)の丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、廣済堂あかつきの1年生の別冊「中学生の道徳ノート」の26ページをお開きください。「正義と公正さを重んじ、公平な社会をつくる」として、いじめ撲滅宣言を教材として扱っています。別冊には、各学年、いじめについて考えるページが設けてあります。
 先ほども申し上げましたが、審議会の中では、いじめの問題等については、時間を掛けて丁寧に審議が行われており、先ほど御紹介しました以外の意見としましても、例えば、東京書籍、学校図書、教育出版、光村図書、日本文教出版、学研教育みらいの6者は、目次等に「いじめ」として教材名とともにはっきり示してあることが、生徒や保護者にとっても分かりやすいという意見も出されました。なお、目次等に示されていなくても、各者とも、いじめについては取り扱っていることが、審議会の中で確認されております。
 また、いじめの問題を考える際、学校の実態に鑑みると、「いじり」について扱っているかという評価も重要であるという意見もありました。例えば、教育出版の1年生では、あってもよい「いじり」があるかどうかについて、漫画の教材を参考にしながら考えて話し合う学習が設けられています。また、光村図書の2年生では、コラム「いじめについて考える」で、「いじめ」と「いじり」について考える学習が設けられています。
 その他の意見としましては、学年が上がるにつれて、スマホやインターネットなどSNSを使ったいじめが増えてくるので、情報モラルについて扱っているかどうかも重要であるという意見も出されました。
 以上のことから、観点3の「内容の構成・配列・分量」において、「よりふさわしい」は日本文教出版、「ふさわしい」は東京書籍という意見が出されました。
 次に、観点4の「内容の表現・表記」において議論された点や特徴的な点を御紹介します。
 答申は74ページ、東京書籍、4(1)丸(○)の五つ目を御覧ください。教科書は、東京書籍の1年生の巻頭の折り込みをお開きください。キャラクターとして「考えタイガー」を設定しています。各学年の教科書に登場し、学習の進め方を示しているため、生徒にとって学習の内容を理解しやすいという意見が出されました。
 続いて、答申は77ページ、学校図書、4(1)丸(○)の三つ目を御覧ください。教科書は、学校図書の1年生の3ページをお開きください。「心の扉」を四つの視点ごとに色とマークで示しています。同じ教科書の19ページと25ページをお開きください。学習が終わった後に書き込みをする欄や、自分のことについてチェックをする欄が設けてあります。自分について振り返りを行うとともに、学習に関する理解を深めることができるという意見が出されました。
 続いて、答申は84ページ、日本文教出版、4(1)の丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、日本文教出版の1年生の11ページをお開きください。ページの左上に「参考」のマークを示し、学習した内容を理解する助けになるコラムを掲載しています。続いて、同じ教科書の12ページ、13ページをお開きください。「プラットホーム」のマークを示し、学習した内容を広げ、考えや視野を広げるコラムを掲載しているという特徴があります。
 以上のことから、観点4の「内容の表現・表記」において、「よりふさわしい」は日本文教出版、「ふさわしい」は東京書籍、学校図書という意見が出されました。
 最後に、観点5の「言語活動の充実」について議論された点や特徴的な点を御紹介します。
 本市の実態や生徒の状況を踏まえ、「考える道徳」、「議論する道徳」を実現するため、よりふさわしい教科書はどれかということについて、特に時間を掛けて審議が行われました。
 答申は74ページ、東京書籍、5(1)丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、東京書籍の1年生の最後の2ページをお開きください。切取り式の付録として、話合いの内容を提示するためのホワイトボード用紙や「心情円」を設けています。ホワイトボードや「心情円」といった道具を活用することで、話合いが苦手な生徒も、話合いを活発に行うことができるという意見が出されました。続いて、答申は75ページ、5(2)丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、同じく1年生の177ページをお開きください。「自分の学びを振り返ろう」に、学期ごとに、授業の取組を振り返って4段階で記入する欄、心に残った教材や授業で学んでよかったこと、来期に取り組みたいこと等を記入する欄を設けています。他者においても振り返りの欄を設けているものがありますが、考えをまとめたり振り返ったりする活動においては、東京書籍の「振り返りシート」が使いやすいのではないかという意見が出されました。
 続いて、答申は77ページ、学校図書、5(2)丸(○)の一つ目と二つ目を御覧ください。教科書は、学校図書の1年生の80ページと81ページをお開きください。学習した内容や友達の考えなどを記入する「学びの記録」という欄を設けることで、学期ごとに振り返りを行うことができます。なお、同様のページが173ページと175ページ、220ページと221ページにもあります。続いて、同じ教科書の222ページをお開きください。「1年間の振り返り」に、自分の考えや行動の変化、これから伸ばしたいと思うことを記入する欄を設けています。自分の変化や成長したところを記入することで、生徒が振り返りを行うだけでなく、教師が生徒の変化を見取りやすく、評価に生かすことができるという意見が出されました。
 続いて、答申は79ページ、教育出版、5(1)丸(○)の一つ目を御覧ください。教科書は、教育出版の1年生の4ページ、5ページをお開きください。「道徳って、どんなふうに学習したらいいの」において、イラストを用いて話合いの意義やポイントを分かりやすく示しているという特徴があります。
 続いて、答申は82ページ、光村図書、5(2)丸(○)の一つ目と二つ目を御覧ください。教科書は、光村図書の1年生の11ページをお開きください。教材ごとに、自分の考えなどを記入する「私の気付き」という空白欄を設けています。続いて、同じ教科書の巻末の折り込みページをお開きください。シーズンごとに自分の学びを振り返り、自分の考えを書き留めておくことができる「学びの記録」の欄を設けております。教材ごとに自分の考えを書き留めておくことで、考えの変容を見て自己を振り返ったり、シーズンごとの大きなくくりで自分の学びを振り返ったりすることができ、評価にもつなげることができるという意見が出されました。
 続いて、答申は85ページ、日本文教出版、5(2)の丸(○)を御覧ください。教科書は、日本文教出版の1年生の別冊「道徳ノート」の36ページをお開きください。ページの下の部分に、「自分への振り返り」について4項目5段階で記入する欄を設けています。また、「道徳ノート」の37ページから39ページには、話合いの内容をメモするページを設けています。さらに、40ページには、道徳の学習で印象に残ったことなどを生徒が記入する欄だけでなく、保護者記入欄が設けてあります。毎回の授業で別冊を使って振り返りができるので、生徒の成長が捉えやすく、評価にも生かしやすいという意見が出されました。
 続いて、答申は87ページ、学研教育みらい、5(2)の丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、学研教育みらいの3年生の182ページ、183ページをお開きください。「心の四季」に、心の成長を書き留めておく欄を設けています。また、3年生には、「未来への扉」として、未来の自分への手紙を書く欄を設けています。「マイプロフィール」、「深めよう」にも自分の振り返りを記入する欄を設けております。
 続いて、答申は89ページ、廣済堂あかつき、5(1)の丸(○)の二つ目を御覧ください。教科書は、廣済堂あかつきの1年生の別冊「中学生の道徳ノート」の54ページ、55ページをお開きください。別冊に話合いの内容を整理する欄を4回分設けております。
 以上のことから、観点5の「言語活動の充実」において、「よりふさわしい」は日本文教出版、光村図書、「ふさわしい」は東京書籍という意見が出されました。
 ここまで、五つの観点ごとに議論された点や特徴的な点について御説明いたしました。以上のことを踏まえて、審議会で出された結論について御説明いたします。
 審議会では、観点ごとの結果を踏まえ、本市の実態と生徒の状況に鑑みて、どの教科書が「よりふさわしい」のかという意見により話し合いました。本市の課題に対応するためには、「いじめの問題や現代的な課題等を踏まえた内容の示し方」及び「考えることや議論することが活発に行われるための工夫」が必要であるとの理由から、その視点が含まれる観点3及び観点5をより重視するべきではないかとの意見が複数の委員から出されました。
 こうしたことから、各観点の結果等を総合的に検討した結果、日本文教出版を「よりふさわしい」、東京書籍と光村図書を「ふさわしい」として答申することとなりました。
 それでは、まず、「よりふさわしい」として答申された教科書について御説明します。
 答申の85ページ、日本文教出版の下の欄を御覧ください。日本文教出版の教科書の特徴である、各学年二つから七つのいじめ問題を扱った教材とコラムを掲載していることや、目次に「いじめと向き合う」と示していることは、いじめの問題などに主体的に対処することができるより実効性のある力を育成するという、本市の生徒の課題に対応することができるものである、また、巻頭に、教材と関連する現代的・社会的課題を11のテーマで示していることや、各教材の終わりに問題解決的な学習を促す発問を示していることは、教材を様々な切り口から捉えるとともに、答えが定まっていない問題を、多面的・多角的な視点から考え、他者と協働して問題を解決しようとする実践意欲・態度を育てる手掛かりとなる、さらに、別冊「道徳ノート」に、話合いの内容を整理する特設の欄を設けていること、「自分への振り返り」について4項目5段階で記入する欄を設けていることは、「考える道徳」、「議論する道徳」の実現を目指す本市の課題に対応したものであり、道徳科の目標である、自己を見詰め、物事を広い視野から多面的・多角的に考え、人間としての生き方についての考えを深めることにつながるものであるという理由から、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」という意見が付されました。
 次に、「ふさわしい」として答申された2者について御説明いたします。
 答申の75ページ、東京書籍の下の欄を御覧ください。東京書籍の教科書の特徴である、巻頭において道徳科の学び方及び内容を分かりやすく示していることや、巻末に学期ごとの振り返りを設けていることは、生徒が学習への見通しを持つとともに、道徳的価値を自分のこととして捉え、今後の生き方につなげる上での手掛かりとなっている、また、いじめや命の大切さに関わる教材を連続で扱い、その問題解決に向けて学級で話し合う活動を設定していることは、生徒がいじめの問題などに主体的に対処することができる、より実効性のある力を育成するという本市の生徒の課題に対応することができるものである、さらに、巻頭に話合いの意義やポイントを示すとともに、巻末に話合いの内容を整理するためのホワイトボードや切取り式の「心情円」を設けていることは、「考える道徳」、「議論する道徳」の実現を目指す本市の実態に対応することができるものであるという理由から、本市で使用する教科書として「ふさわしい」という意見が付されました。
 次に、答申の82ページ、光村図書の下の欄を御覧ください。光村図書の教科書の特徴である、巻頭・巻末で「対話」や道徳を学ぶ意義を示していること、各教科の終わりに「学びのテーマ」として、何を学ぶのかを示していることは、生徒が道徳科の学習に見通しを持つことや、「考える道徳」、「議論する道徳」の実現を目指すことに対応することができるものである、また、各教材の終わりに設けた複数の発問に、「見方を変えて」、「つなげよう」として、生徒が多面的・多角的に考えることができる発問を示していることや、教材ごとの振り返りの欄及び年間の学習を四つのまとまりで分けた振り返りの欄を設けていることは、活発な議論を促すとともに、自己の学びを振り返り、今後の生き方につなげることの手掛かりとなる、さらに、いじめ問題や現代的な課題等を踏まえた内容の示し方について、巻頭の目次にいじめ問題を扱ったコラムを示していることや、巻末「テーマ別教材一覧」に「いじめを許さないために」と示していることは、いじめの問題などに主体的に対処することができる、より実効性のある力を育成するという本市の生徒の課題に対応することができるものであるという理由から、本市で使用する教科書として「ふさわしい」という意見が付されました。
 以上で、議案第27号「平成31年度から使用する広島市立中学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」)の採択について」の説明を終わります。
 御審議のほど、よろしくお願いします。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。
 それでは、ただ今の説明について、御質問、御意見等がございましたらお願いします。

栗栖委員

 まず、72ページの「本市の実態や生徒の状況」について確認させていただきたいのですが、いじめの問題については、本市のみならず、全国的に大きな課題だということは、当然、認識しているのですが、三つ目の丸(○)に、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる「考える道徳」、「議論する道徳」の実現は十分ではないと、本市生徒の状況として表されているのですが、これは何か具体的な事象があるのでしょうか。

指導第二課長

 ここにつきましては、調査あるいは審議の中で、子どもたちの実態を踏まえたときに、発問に対して、しっかりと話し合って自分の考えを広げたり、他者の意見を参考にして自分の考えを広げたりといったことが十分ではない、そういった子どもたちの様子を捉えての意見でございます。

栗栖委員

 道徳の教科書についても、事前に見せていただきまして、各者とも、イラストや漫画などを用いて、非常に工夫を凝らしていると思います。その中で、どれを選ぶかということになりますと、やはり、広島市の実態に応じて、広島市の課題にどれが一番ふさわしいかという観点になろうかと思います。その点に関しまして、審議会が、いじめの問題、「考える道徳」、「議論する道徳」の実現に対応するため、「調査・研究の観点と視点」の中で、いじめの問題や言語活動の充実に力点を置かれて審議をされたというのは、妥当な検討の仕方だと思います。
 私もいろいろ見させていただく中で、最終的に「よりふさわしい」と意見が付されました日本文教出版の教科書は、非常に読みやすく、取り組みやすいですし、特に、いじめ問題に対しては非常に分かりやすく、また、テーマの中でいじめと向き合うことをきちんと表現されておりますので、良い教科書だと思いました。
 1点、確認をさせていただきたいのは、別冊の「道徳ノート」について、日本文教出版と廣済堂あかつきが別冊を設けているのですが、この別冊に関しては、生徒に書かせることになるのですが、これに対して、実際にはどのような取扱いになるのかということは、何か審議会の方で意見は出されたのでしょうか。

指導第二課長

 先ほど栗栖委員からおっしゃっていただきましたように、別冊が付いているのは、日本文教出版と廣済堂あかつきの2者となります。
 別冊があることの長所や短所については、特に沢山の意見が出たわけではありませんが、例えば、日本文教出版の別冊「道徳ノート」については、ページの下に自分への振り返りがあり、生徒が自分の変容について振り返りが行いやすく、教師も生徒の変容を基に評価に生かすことができるといった意見が出されております。また、廣済堂あかつきの別冊「中学生の道徳ノート」についても、ページごとに学習過程で思ったことや考えたことを整理する欄を設けており、さらに、巻末には、心に残った授業や話合い活動を記録するページが設けてあります。また、各学年にいじめ問題について考えるページがあって、この部分がよく構成されているといった意見が出されました。

栗栖委員

 別冊は、うまく活用すれば実効性があると思います。一方で、別冊の活用方法については、いろいろと苦労があるような気がします。

鈴木委員

 2点、質問なのですが、1点目は、先ほど御説明があったのですが、思春期の子どもたちですので、話合いをするとか意見を言うということが、クラスの中でなかなか難しい時期だと思うのですが、そういう子どもたちが、この教科書を使うことで、意見が出しやすくなるのではないかとか、話合いが進むのではないかといった議論が、審議会の中であったのかどうかについて、お聞きしたいと思います。
 2点目は、今、現場で話題になっているのは、道徳科という教科となりますので、評価の問題が入ってくるということです。これは授業評価だといわれているのですが、この評価の観点から、何か審議会の中で議論があったのかどうかについて、お聞きしたいと思います。

指導第二課長

 1点目の、思春期の子どもたちが話合いをできるかどうかということについてですが、例えば、先ほどの東京書籍の教科書の最後のところには、「ホワイトボード」でありますとか、あるいは「心情円」といった道具があることで、より活発な議論ができるのではないかといったことが意見としてはございました。また、授業を構成するに当たっては、例えば光村図書ですと、「見方を変えて」とか「自分につなげて」といったところで、授業の流れが非常にしっかり示されており、見通しを持ちやすいと、子どもたちは議論がしっかりできるのではないか、さらに、発問があまりにも狭い、閉じた発問だと、話合いが活発になりにくいので、答えが一つにならない、広がりがあるような発問がある方が有効だと、そういった意見が審議会では出されております。
 それから、2点目の評価についてですが、道徳の評価につきましては、生徒が道徳的な成長を感じて、意欲の向上につなげること、あるいは授業改善につなげていくことが大事になろうかと思います。そして、実際の評価に当たりましては、年間や学期といった一定の時間的なまとまりの中で、生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を、授業中の言動や記述等から評価していくことになります。そういった評価につきまして、審議会で出た意見で申しますと、例えば、東京書籍の方では「つぶやき」という欄があります。これは、授業の中である程度自由に記述できるものなのですが、その後、対話、議論して考えを述べたことを、また、最後にまとめて記述するのですが、そうすることで、自分の変容が見られて、振り返りがより効果的になるのではないかといった意見も出ています。また、日本文教出版の別冊では、ページの下に「自分への振り返り」があって、友達の意見や話合いから新しい発見や気付きがあったか、また、自分の考えを深めることができたかという質問があります。こういった質問が毎回同じ形で出ているのですが、毎時間そういった振り返りをすることで、成長過程が捉えやすく、評価しやすいのではないかといった意見も審議会では出ております。

鈴木委員

 最後に言われた「自分への振り返り」というのは、別冊の方ですか。

指導第二課長

 はい、別冊の方です。

鈴木委員

 日本文教出版の別冊をうまく使うことで、子ども自身も自分の成長を見取ることができるし、教師の方もそれを参考にして捉えることができるということですね。

指導第二課長

 そうです。しっかり繰り返させることで、教師の方の評価も見取りやすいといった意見だったと思います。

鈴木委員

 分かりました。ありがとうございます。

井内委員

 今、審議している教科書は、平成31年度から使うのですよね。1年生の場合は、例えば、この日本文教出版をもしも選んだとすれば、3年間ずっと日本文教出版の、この教科書を使うということになるのですか。

指導第二課長

 この教科書につきましては、平成31年度と平成32年度の2年間使うことになります。

井内委員

 2年間ですか。

指導第二課長

 はい。平成33年度から変わりますので。

井内委員

 もう1回、審議し直すのですね。

指導第二課長

 はい。平成32年度に、新たな採択を、他の教科と一緒に行います。

井内委員

 この質問をしたのは、例えば、日本文教出版でいじめの問題をどう扱っているのかと見てみると、1年生、2年生、3年生で、目次のところに、これはいじめと向き合う問題ですということをマークで示してありますよね。この分量が、3年生になるに連れて、だんだん少なくなっています。

指導第二課長

 そうですね。

井内委員

 3か所、2か所、1か所と減っていくわけです。
 私自身は、結論めいたというか、これが主題ですとは言わないで、いろいろなテーマが隠れているような文章があって、そこから、これは何が言いたいのか、何が一番問題なのか、ということを抽出することから始めてほしいと思うのです。それが議論のスタートであって、今日のこれはこうやるのですよというのではなくてね。私自身は、そういう進め方が好ましいと思っているので、これがいじめだというよりは、むしろ、これはいじめかどうか分からないけれど、どうしたらいいのだろうかという問題を、自ら考えていくというような、話題を提供するような教科書であってほしいというイメージを持っていました。
 日本文教出版のような作り方をしていると、1年生、2年生、3年生のつながりがあるなと思ったこと、そして、3年生のところでは新しく、例えば、生命倫理のようなことが入ってきたり、つまり、その学年の知識・能力に合わせたポイントというのが、自分たちが探せるポイントというのが、幅広くなれば、こういうものを見付けてくるだろうというような印象を持ったので、そういう学年進行上のことも意識した編集の仕方がある教科書が望ましいというのが印象です。その意味では、今、見せていただいた中では、この日本文教出版の教科書は、正にふさわしいものかなという印象を受けました。
 この答申にお書きになっていらっしゃること、沢山の視点を細かく分析していただいて、ありがたいと思います。答申は妥当であるという気がいたしました。その他の教科書には、ちょっと気になることがいくつかあるような気もするのですが、それは、今回の場で言うのは適切ではないので。
 道徳の教科書というのは、これからどんどん工夫して良い物を作っていく責務があると思うのです。発行者だけでなく、それを使っていく我々、教師側も、それを使いながら、どう考え、どう変えていったらいいのかということについて、これからも議論していかないといけない問題だと思います。初年度から2年間使う教科書としてのスタートは、うまく切れそうなのではないでしょうか。以上です。

指導第二課長

 今、井内委員がおっしゃったように、最初のところに主題とか内容を示してあるのがいいのかどうかということについては、今回、審議会の中でも、両方の意見がございました。初めから示していると、こんなことを書けばいいと思って、子どもがその方向に進んでいってしまうのではないかという意見も、正直ございました。一方で、主題等が示してあることで、子どもたちが議論をしやすい、何を学んでいるのかが分かりやすいという意見もございました。審議全体を通しての意見でいうと、やはり、子どもたちが何を学んでいるのかが分かりやすい方がいいのではないかという意見の方が多数であったように思います。
 それから、先ほどおっしゃっていただきました、道徳の教科書を踏まえ、道徳の授業をどのように進めていくかという我々の研究の部分が大事になろうかと思いますので、今も取り組んでおります道徳教育の研究校などで、より良い授業になるように、研究については進めていきたいと考えております。

井内委員

 審議会にもあった議論だとおっしゃった前半の方について、私が持っている感覚というのは、クラスの子どもたちの感性というのは、30人居ても、みんな違うわけです。例えば、一つの文章を読んで、そこから何を引っ張り出すかというのは、先ほども言いましたけれども、いろいろなことを考えることができる子と、そうではない子と、人が言ったら、そうだなと単に気付く子もいれば、何を言っているのか全く分からないという子もいたりします。つまり、どこのクラスの中の、どの部分の子どもたちにフォーカスを合わせてやっていくかということに関して言えば、審議会がおっしゃるように、主題を示した方が分かりやすい。今日はこの勉強だよと言ってやるというのも分からなくはない。
 ただ、本当はそうではなくて、先ほども言ったように、何かから自分たちで問題点が抽出できるような、そういう子どもたちであってほしい。そうでないと、ここに書いてあること以外のことに対して、どうやって対処するのかという話になったときに、何も対応できなくなる。「考える道徳」だというならば、与えられたテーマについて考えるというのではなくて、もっと広い、今の社会の在り方であるとか、人間関係の在り方について、いつでもそういう視点で問題点がピックアップできるような人になってほしいということを目指すのであれば、最初に私が言ったような、感性の鋭い子たちが議論できるような環境というのを、早く作りたいという気がします。意見です。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 今、井内委員が言われたような観点から見ると、例えば、学研教育みらいの教科書は、1年生の教科書の「よりよく生きるための22の鍵」など、割とテーマを幅広に設定されていて、具体的なテーマを絞り込んでいないような造りになっている印象を受けるのですが、その辺りは、具体的に審議会の方で何か意見などはなかったのですか。

指導第二課長

 今、栗栖委員がおっしゃったのは、学研教育みらいの1年生の教科書の6ページのところですね。

栗栖委員

 そうです。学研教育みらいのこの造りは、そういう意味では割と大きなテーマになっていますね。

指導第二課長

 6ページ、7ページにつきましては、例えば、「自分を見詰め、伸ばす」などですが、内容を四つの視点に分けたものでございますので、そういう意味では比較的大きなテーマになっていると思います。

栗栖委員

 大きなテーマになっていますよね。いろいろな意見が出やすいといえば、出やすいかと思います。

指導第二課長

 そうですね。

栗栖委員

 逆に、絞りにくいということもあるのでしょうかね。

秋田委員

 日本文教出版の45ページに、「怒りの感情と上手に付き合おう」とあって、これは非常に良い項目だなと思います。中学生になったら、心の感情をコントロールする能力を身に付けていってほしいと思いますので。
 また、86ページの「心の様子をチェックしよう」というコラムも、広島市では健康福祉局が自殺問題などで年間を通して取り組まれているのですが、何が自分のストレスになっているのかを見詰めるということで、これについても中学生の時から身に付けてほしいなと思います。コピーして、机に貼っておいてほしいくらいのものだと思います。そういう意味では、道徳という場で、自分の心の様子を見詰めてもらうというのは良いと思います。以上です。

指導第二課長

 今、おっしゃっていただいた二つのうち、一つ目の怒りの感情のところにつきましては、審議会でも意見が出ておりまして、特に中学生の時期というのは、いじめの問題とか人間関係の悩みなどが非常に増える時期でありますので、そういった中で、怒りの感情をどのように処理していくのか、どのように向き合っていけばいいのかといったことに触れるというのは、大事なことだという意見も出ておりました。

秋田委員

 そうですね。何か困ったら相談しようという趣旨で、電話番号が書かれた小さなカードなどを配られていると思うのですが、やはり一番大事なのは、悩んでいることを外に出すことですので、その大切さを学ぶという意味でも、こういった項目を学ぶときに、併せてこういうところに相談ができるよということを、このタイミングを使って伝えていただくのが良いと思います。

指導第二課長

 はい。

糸山教育長

 そのほか、よろしいですか。
 それでは、お諮りをします。議案第27号「平成31年度から使用する広島市立中学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」)の採択について」は、日本文教出版が「よりふさわしい」と考えられますので、日本文教出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、日本文教出版を採択することに決定いたしました。
 事務局から何かありましたらお願いします。

指導第二課長

 今後、速やかに採択結果の公開に向けた手続を行ってまいります。また、各学校において、採択された教科書を、道徳の主たる教材として適切、適正に活用し、道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性のある力の育成はもとより、「考える道徳」、「議論する道徳」へ授業が転換されるよう、より一層、学校教育指導に努めてまいりたいと思います。ありがとうございました。

糸山教育長

 本日は、平成31年度に使用する広島市立小学校用の教科用図書、道徳を除きますが、これと、平成31年度から使用する広島市立中学校用教科用図書、道徳の採択をいたしました。
 小学校用の方は、学習指導要領の改訂がありますので、1年間ということになりますが、新たな気持ちでしっかりと取り組んでまいります。
 それから、中学校用の道徳の方は、昨年、小学校の道徳の教科書の採択をしていただきまして、今回は中学校ということです。
 今回、採択をした教科書を用いまして、各教科の指導を、また、道徳の指導については、今後も、「考え、議論する道徳」ということで進めていくことにしておりますので、より一層、児童生徒の学力、道徳性が向上していくように取り組んでいただきますようお願いいたします。
 それでは、ここで昼休憩とします。
 議事の再開は午後1時からといたします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは、議事を再開します。
 傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 それでは、議題2の議案第28号「平成31年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について」を議題といたします。
 本件は審議案件です。内容について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 議題2、議案第28号「平成31年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について」は、学校から申請されたとおり採択することとしたいと考え、上程しております。
 2ページの「平成31年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針」を御覧ください。こちらは、平成30年5月23日に教育委員会議で決定していただいたものでございます。
 続いて、3ページの「広島市立中等教育学校(前期課程)における教科用図書採択の手順」を御覧ください。中等教育学校(前期課程)は、このページの下の段に示しておりますが、他の公立中学校とは異なり、中高一貫教育校として、その特質を生かした特色のある教育課程の編成が可能となるよう、教育課程の基準の特例が適用されておりまして、教科書の採択についても、他の公立中学校とは別に、学校ごとで行うものと法令上定められております。このため、学校で教科用図書選定委員会を設置し、図に示してあります手順で選定した教科用図書について、教育委員会に申請をしております。
 教育委員会事務局では、学校に対して説明会を開催し、採択に係る手続や留意事項についての説明をいたしました。申請を受けた後は、提出された申請書等の内容について校長から説明を受け、学校の特色や生徒の実態を踏まえた評価及び選定の理由になっているかということについて、教科用図書の審査を詳細に行った上で、本教育委員会議に上程をしています。
 次に、学校から提示された申請書等について御説明いたします。
 5ページを御覧ください。「平成31年度使用中等教育学校(前期課程)用教科用図書選定手順」は、選定手順の内容をお伝えしています。まず、5月31日に説明会を受け、6月1日に選定委員会を開催しております。
 8ページを御覧ください。こちらは学校で定めた規約ですが、選定委員会の運営はこの規約に基づいて行っております。
 5ページにお戻りください。この表にあります手順を経まして、8月3日に教育委員会に申請書が提出されております。
 続いて、6ページの「平成31年度使用中等教育学校(前期課程)用教科用図書選定資料」を御覧ください。1に学校の特色、2に生徒の実態、3に調査の観点及び視点を記載しています。これらの学校の特色及び生徒の実態を踏まえて、調査の観点及び視点を丸1から丸5まで設定しております。なお、調査の観点及び視点については、他の公立中学校における観点及び視点と同じものでございます。
 続いて、7ページを御覧ください。「平成31年度使用中等教育学校(前期課程)用教科用図書申請書」です。教科用図書につきまして、観点の評価を比較検討し、生徒実態に照らし、まずは教科用図書としてふさわしいものを8種の教科用図書の中から2点選び、二重丸(◎)が「よりふさわしい」、丸(○)が「ふさわしい」、三角(△)が「問題なし」という表記をし、選定の理由を記載しております。
 日本文教出版と東京書籍の2種を選び、さらに、その中で比較検討した結果、日本文教出版を選定しております。
 申し訳ございませんが、枠の右側にございます「選定の理由」につきまして、1か所訂正をお願いいたします。「選定の理由」の最後の段落に、「巻頭に、教材を関連する」とあるのですが、この「を」を「と」に訂正してください。「教材と関連する」に、一文字訂正をお願いします。
 選定の理由につきましては、教材ごとに、考えたり議論したりする上で、「自分にプラス1」として、自分にどう生かすか考える問いを設定し、マークを付して示す構成となっている、また、より議論を深めるための方法や、動作や演技を通した体験的な学習を行う方法を適宜示している、一年間の学習が主体的、計画的に行えるよう、自分の考えや話合いの内容をまとめたり、学習の振り返りを記入したりすることのできる別冊ノートを用意し、活用できるよう工夫している、より広く、より深く考え合うことができるよう、巻頭に、教材と関連する現代的・社会的な11のテーマを示しているとしております。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。
 結果については、午前中の審議で決定いたしました、広島市立中学校用教科用図書と同じ結果であるということでよろしいですか。

指導第二課長

 はい。

糸山教育長

 ただ今の説明について、何か御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

井内委員

 形式的なことですが、「選定の理由」に、日本文教出版と東京書籍が一緒に書かれています。日本文教出版は「よりふさわしい」、東京書籍は「ふさわしい」ということですが、選定の理由が一緒でいいのですか。

指導第二課長

 これは、日本文教出版を選定した理由です。

井内委員

 日本文教出版の選定の理由なのですか。東京書籍には関係ないわけですね。

指導第二課長

 はい。

糸山教育長

 線の引き方が分かりにくいですね。

井内委員

 線の引き方を分かりやすくしていただかないと。

指導第二課長

 はい。

井内委員

 選定の理由が共通なのかと思いました。はい、分かりました。

鈴木委員

 やはり、評価のことが、今後、中等教育学校においても課題となると思うのですが、この選定の理由には余り書かれていないのですが、評価するという観点での話合いがあったかどうかについて教えてください。

指導第二課長

 学校長から聞き取っている範囲で申し上げますと、中等教育学校においても、どういった評価を提出するかということは大切なことであり、難しいとは聞いております。その中で、先ほどの中学校用教科用図書の説明と重なるところもあるのですが、やはり、子どもたちにしっかりと議論させている、そういった点で日本文教出版の教科書を選定したと聞き取っております。

鈴木委員

 いろいろな観点を出しながら評価するという点でも、この別冊ノートを評価の面で活用することもできるので、日本文教出版の教科書を選定したということでよろしいでしょうか。

指導第二課長

 はい、そういうことです。議論としては、別冊がある方がいいとか無い方がいいというよりも、結果として、別冊に振り返りを記入することができるということが、選定の理由であると認識しております。

鈴木委員

 分かりました。

糸山教育長

 それでは、お諮りいたします。議案第28号「平成31年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について」、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、原案どおり可決することに決定いたしました。
 次に、議題3の議案第29号「平成31年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書採択について」を議題とします。
 本件も審議案件です。内容について、特別支援教育課長から説明をお願いします。

特別支援教育課長

 まず、資料の31ページを御覧ください。今年度採択していただきたい図書について太枠で囲んでおります。
 特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級に在籍している児童生徒につきましては、一人一人の障害の実態等に応じて特別の教育課程を編成するなどし、当該学年の文部科学省の検定教科書を使うことが適当でない場合には、それ以外の教科用図書を使用することが法令で規定されていることから、いろいろな種類の教科用図書の採択が必要となっております。
 それでは、まず、1の広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書について御説明いたします。
 広島市立広島特別支援学校は、知的障害者を対象とする特別支援学校であり、特別支援学校学習指導要領に基づいて教育課程が編成されていることから、文部科学省著作教科書及び一般図書を使用することとしております。
 表の3段目になりますが、文部科学省著作教科書につきましては、検定教科書と同じく、原則4年ごとに採択を行うこととなっており、今年度は、小学部用の採択の年となっております。
 一番下の段にございます一般図書につきましては、毎年採択を行うこととなっておりますので、今年度も採択が必要となります。
 2段目にございます、文部科学省検定教科書(中学校用 道徳)について説明いたします。特別支援学校の教科用図書は、先ほども少し述べましたが、特別支援学校学習指導要領に示されている教科ごとに採択することになっておりますが、平成31年度から、特別支援学校中学部におきましても、中学校と同様に「特別の教科 道徳」が実施されることになりました。そこで、新たに「特別の教科 道徳」の教科用図書の採択が必要となります。「特別の教科 道徳」以外の教科につきましては、学習指導要領の中で特別支援学校と中学校で教科の目標や内容が異なるため、検定教科書の使用は望ましくありません。しかしながら、「特別の教科 道徳」につきましては、教科の目標や内容が中学校に準じることになっておりますので、中学部の生徒の実態によりましては、中学校用の検定教科書を使用することも考えられます。なお、来年度につきましては、中学部の生徒は小学校の検定教科書も使用することとして申請が上がっております。
 広島市立広島特別支援学校中学部で使用いたします「特別の教科 道徳」の検定教科書につきましては、3ページに記載してありますように、広島市立中学校用として採択された発行者の教科用図書を採択したいと考えております。
 続きまして、2の広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書について御説明いたします。31ページを御覧ください。
 小・中学校の特別支援学級におきましては、児童生徒の障害の実態により、その児童生徒に応じて特別支援学校の教育課程を参考にした特別の教育課程を編成することができます。そこで、小・中学校の特別支援学級におきましては、個々の児童生徒が取り組む目標や内容に応じて、文部科学省検定教科書だけではなく、文部科学省著作教科書や一般図書を使用することができることになっております。このうち、文部科学省検定教科書につきましては、「特別の教科 道徳」を含め、小学校用又は中学校用として採択した教科書を通常の学級と同様に使用することとなっております。文部科学省著作教科書及び一般図書につきましては、特別支援学校と同様に採択を行う必要がございます。
 今、申し上げたことをまとめますと、広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校の特別支援学級で使用する一般図書と、文部科学省著作教科書のうち小学部用の図書、広島市立広島特別支援学校中学部で使用する文部科学省検定教科書の中学校用の道徳について、採択していただくことになります。
 続きまして、33ページを御覧ください。採択の基本方針につきましては、5月の教育委員会議におきまして御審議いただいたものでございます。採択の手順につきましては、採択の基本方針を基に、教育長決裁により決定しておりまして、昨年度と変更点はございません。
 34ページを御覧ください。採択の手順を図示したものです。
 特別支援学校及び特別支援学級に在籍している児童生徒につきましては、その障害の実態が様々であるため、各学校において児童生徒一人一人の実態を踏まえた教育課程を編成しており、その教育課程に応じた適切な教科用図書を選定することとしております。そのため、毎年、各学校から申請のありました教科用図書について、教育委員会議におきまして審議し、採択することとしております。
 具体的な流れといたしましては、まず、図の一番上の「広島市教育委員会」の枠に示しておりますように、教育委員会で決定した採択の基本方針及び教育長が決裁した手順に基づきまして、各学校に対して採択に係る手続や留意事項について通知いたします。それを受けた各学校長は、教科用図書選定委員会を設置し、委員及び調査員を委嘱又は任命し、教科用図書選定委員会に教科用図書の選定を諮問いたします。教科用図書選定委員会が定めた観点及び視点に基づいて、調査員が各教科の教科用図書について調査・研究し、教科用図書選定委員会に報告いたします。教科用図書選定委員会では、調査員の報告を基に審議し、校長に答申いたします。各学校長は、選定した教科用図書につきまして、教育委員会に申請しております。
 今年度につきましては、7月13日までに申請書等を提出することとなっており、教育委員会事務局におきましては、7月13日以降、提出されました申請書等の内容について確認をし、疑義がある場合には学校長から説明を受け、その詳細について調査・研究し、本教育委員会議に上程しております。
 なお、この一般図書を選定する際には、文部科学省が作成しております一般図書一覧を参考にしつつ、幅広く調査・研究を行い、選定することとなっております。
 35ページ、36ページには、広島市立特別支援学校(高等部)用教科用図書の採択の基本方針と採択の手順を載せておりますが、内容につきましては同様となっております。
 次に、39ページを御覧ください。ここからは、各学校から提出されました平成31年度使用希望教科用図書選定手順及び申請書の例を載せております。在籍する児童生徒数によりましては、児童生徒が特定される、又は特定される可能性があることから、学校名等は伏せております。
39ページには特別支援学校の選定手順の報告を掲載しており、47ページには小学校、49ページには中学校の例を掲載しております。いずれも、先ほど御説明いたしました手順にのっとり、適正に手続が行われております。また、申請書につきましては、40ページから45ページに特別支援学校、48ページに小学校、50ページに中学校を掲載しております。
 それでは、7ページを御覧ください。申請がございました一般図書をまとめますと、1の広島市立広島特別支援学校につきましては、各学部合計で174点となります。また、2の広島市立小・中学校特別支援学級につきましては、小・中学校合わせまして150校から436点となります。これらの申請のありました一般図書の具体につきましては、9ページから載せております。9ページから15ページまでは特別支援学校から申請のありました一般図書でございます。16ページから23ページは小学校、24ページから28ページは中学校から申請のあった一般図書となっております。
 これら全ての一般図書につきまして、教育委員会事務局において各学校から提出がありました書類と内容を調査、検討した結果、この全てが適正であることを確認いたしました。
 つきましては、広島特別支援学校で使用する検定教科書につきましては3ページにありますように、そして、一般図書につきましては9ページから28ページにありますように、各学校から申請されたとおりの図書を、平成31年度に使用いたします教科用図書として一括採択することにつきまして、御審議をお願いいたします。
 最後に、文部科学省著作教科書について説明いたします。資料5ページを御覧ください。
 文部科学省著作教科書につきましては、文部科学省が著作の名義を有する図書であること、また、1種類しか発行されていない教科書であること、前回採択した平成26年から変更がないことから、引き続き、この表にあります10点の採択をお願いするところでございます。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。
 それでは、ただ今の説明について御意見、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 この件につきましては、児童生徒の皆さんの実態に応じて選定されているということなので、異議はございません。
 相当な御努力をされて選定されているのだろうと思うのですが、それに関して、教育委員会事務局として何かフォローされているようなことがあるのでしょうか。

特別支援教育課長

 教育委員会事務局といたしましては、教育センターに教科書を展示している期間のうち4日間ほど指導主事を派遣して、学校から来られる先生方の相談を受けます。どうしたらいいのかといったような相談がありますので、子どもさんの実態をお聞きして、このようなものがいいのではないかといったようなアドバイスをしております。

栗栖委員

 このような実態の児童生徒がいるのですがどのような図書がありますか、といったような相談に対して、このような図書がありますよといったアドバイスをすることで、フォローされているということですか。

特別支援教育課長

 はい。

栗栖委員

 はい、分かりました。

鈴木委員

 手続についてなのですが、特別支援学校は特別支援学校で決定されるというのは分かるのですが、特別支援学級がある学校というのは、1校1校が申請されるという考え方でいいのでしょうか。

特別支援教育課長

 はい。

鈴木委員

 そうした場合、一般図書を選ぶときには、大分研究されないとできないと思うのですが、例えば、このような図書を使ってみたら効果があったとか、何学年のこのような子どもにはこういう図書が良かったとか、最近こういう新しい図書が出ていてそれが良いという情報があるといったような情報提供というのは、何か勉強会のようなことをされていらっしゃるのでしょうか。それとも、特にそういうわけではなく、先生方が日頃から、図書館に行ったり、いろいろ調べられたりして、こういうものを教えたいというようなものを探していらっしゃるのでしょうか。

特別支援教育課長

 先ほども申し上げましたように、展示会の時には指導主事もおりますし、また、この期間については、各学校の方から指導主事に対して相談が頻繁にございますので、先ほど鈴木委員が言われましたようなことを、指導主事が個別に相談を受けて助言しているということでございます。

鈴木委員

 それはやはり、個に応じたということになるのですか。

特別支援教育課長

 そうですね。全体的にこれが良いということは、なかなか言い難いものがございますので。

鈴木委員

 より個に応じているということですね。

特別支援教育課長

 はい。

鈴木委員

 分かりました。

糸山教育長

 それでは、お諮りいたします。議案第29号「平成31年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書採択について」は、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することに決定いたしました。
 次の議題4、議題5は、冒頭でお諮りしましたとおり非公開となりましたので、傍聴人、報道関係者の方は御退席いただきますようお願いいたします。

 (非公開部分省略)

糸山教育長

 本日の議題は、以上で全て終了いたしました。
 これをもって、平成30年第11回広島市教育委員会議臨時会を閉会いたします。

7 議決事項

議案番号 件名 議決結果
26

平成31年度に使用する広島市立小学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」を除く)の採択について

国語:東京書籍
書写:東京書籍
社会:東京書籍
地図:帝国書院
算数:東京書籍
理科:教育出版
生活:東京書籍
音楽:教育出版
図画工作:日本文教出版
家庭:開隆堂出版
保健:大日本図書
27 平成31年度から使用する広島市立中学校用教科用図書(「特別の教科 道徳」)の採択について 日本文教出版
28 平成31年度から使用する広島市立中等教育学校(前期課程)用教科用図書の採択について 原案可決
29 平成31年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書採択について 原案可決
30 平成30年度広島市教育委員会事務点検・評価報告書について 原案可決

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