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ページ番号:0000017584更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成30年第9回教育委員会議(7月定例会)議事録

平成30年第9回広島市教育委員会議議事録

 平成30年7月25日(水曜日)、平成30年第9回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前 9時30分
  • 閉会 午前10時44分

2 教育長及び委員の出席者

  • 教育長 糸山 隆
  • 委員 井内 康輝
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員 秋田 智佳子
  • 委員 伊藤 圭子

3 事務局等の出席者

  • 青少年育成部長 長谷 冨美
  • 学校教育部長 山本 直樹
  • 指導担当部長 野間 泰臣
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 山越 重範
  • 育成課長 廣田 稔之
  • 教職員課長 川口 潤
  • 教職員課服務・健康管理担当課長 徳丸 憲之
  • 市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長 片山 和哉

4 傍聴者等

 2人

5 議事日程

  • 議題1 青少年交流事業の開催について(報告)
  • 議題2 広島市指定重要文化財の指定について(議案)
  • 議題3 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長

 ただ今から、平成30年第9回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と鈴木委員にお願いいたします。
 日程に入る前に、広島市教育委員会を代表して一言申し上げます。
 この度の平成30年7月豪雨では、本市を含む西日本の広い範囲で甚大な被害が発生し、本市の市立小学校の児童1名、市立高等学校の生徒1名を含む多くの方々がお亡くなりになりました。
 この度の豪雨によりお亡くなりになられました方々並びにその御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。
 また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、いまだに安否が不明の方々の捜索が一日も早く進みますことをお祈りいたします。
 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙とうをささげたいと思います。全員の御起立をお願いいたします。

総務課長

 黙とう
 (黙とう)
 黙とうを終わります。御着席ください。

糸山教育長

 この度の災害では、深川小学校、矢野小学校及び矢野幼稚園の2校・1園が床上浸水し、三田小学校が河川の氾濫によりグラウンドの一部が流失するなど、学校施設も大きな被害を受けました。
 現在、一日も早く復旧できるよう、全力で取り組んでおり、この22日には、市長が補正予算の専決処分を行い、復旧に必要な当面の予算を確保したところです。
 また、多くの地域で、道路や水道などが被害を受け、公共交通機関の運行見合わせが長引くことの影響などにより、多くの市立学校や幼稚園で、一時、休校・休園し、そのうち幼稚園2園、小学校10校、中学校4校の計16園・校が、夏季休業を前倒しする措置を講じています。
 これに伴い、夏季休業前倒しを行う小学校区における放課後児童クラブについては、朝から開設して受入れを行う長期休業中の対応を、延長利用も含め、前倒しして始めたほか、夏季休業明けの授業再開を早める学校については、給食についても前倒しして実施できるよう、現在、調整を行っているところです。
 さらに、被災した児童生徒の心のケアについては、スクールカウンセラーによる対応を既に進めているところですが、今後、夏季休業期間中においても、登校日等の機会を捉え全児童生徒にアンケートを実施したり、保護者への連絡や家庭訪問等を行ったり、継続的に児童生徒の様子を確認し、その結果を踏まえ、必要に応じ、スクールカウンセラーを積極的に活用することとしております。
 報告は、以上です。
 それでは、これから日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 本日審議予定の議題3につきましては、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第4号「事務局及び教育機関の職員の分限及び懲戒に関すること」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題3については、非公開として審議することに決定いたしました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「青少年交流事業の開催について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、育成課長から説明をお願いします。

育成課長

 育成課長の廣田です。よろしくお願いします。
 「青少年交流事業の開催について」は、三つの事業を一括して御報告いたします。
 まず、資料の3ページを御覧ください。
 「青少年国際平和未来会議2018」の事業概要について御説明いたします。
 この事業は、平成17年に被爆60周年記念事業として本市で開催して以来、本市と姉妹・友好都市等で交互に開催しており、今回で14回目の開催となります。今回は、本市の姉妹都市であるドイツのハノーバー市へ、8月20日から26日までの6泊7日間で、青少年及び指導者を派遣することとしております。
 1の目的、2の主催については、資料に記載のとおりです。また、3の事業期間、4の開催場所についても、ただ今、申し上げたとおりでございます。
 5の参加者ですが、本市からは7名が参加いたします。その内訳としましては、指導者として、この未来会議の議長であります井内委員と事務局職員の合わせて2名。青少年は、高校生が2名と大学生3名の合わせて5名となっております。高校生のうちの1名は、市立基町高等学校の2年生男子となっております。また、現地での参加者としましては、ハノーバー市の青少年及び他都市からハノーバー市へ留学中の青少年など10名程度の参加に向けて、現地の独日友好協会ハノーバー・広島友好会におきまして、調整を行っているところでございます。
 6の主な日程につきましては、記載のとおりでございます。この日程表に従って説明いたしますと、20日に広島を出発しまして、当日の深夜にハノーバー市へ到着予定となっております。その翌日から、開会式、各都市プレゼンテーション等を皮切りに、グループ討議等を行いまして、24日には、そのアピールを発表し、閉会式を行います。25日には戦跡訪問や献花を行った後、ハノーバー市を出発しまして、26日に広島に帰着予定となっております。また、この期間は、ホームステイをして、現地の家庭との交流を深めていく予定にしております。
 7の研修会等につきましては、記載のとおり実施しておりますが、事前研修会の中では、基礎的な知識の共有化を図るため、未来会議の歴史と目的、ドイツの平和主義と平和運動、ハノーバー市の紹介や広島市との交流の歴史などについて講義を行うほか、ハノーバー市で「ヒロシマ・サロン」を運営されている原サチコさんが、ちょうどこの時期に広島に来ておられるということで、お話を頂いたり、本市の参加者が現地で行う予定のプレゼンテーションの準備などを行うことにしています。事後報告会につきましては、11月18日に行います「国際フェスタ2018」の中で行うこととしておりますが、このほかにも、海外参加者とのテレビ会議などの事後交流を行うことを計画しております。
 また、8のその他といたしまして、今年度は、青少年国際平和未来会議をより効果的で持続可能な意義のあるものにしていくために、参加都市と協議を行いながら、今後の未来会議の在り方を検討することとしております。
 「青少年国際平和未来会議2018」については、以上でございます。
 続いて、資料の4ページを御覧ください。
 次に、「2018広島市・大邱広域市青少年交流事業」の事業概要について御説明いたします。
 この事業は、平成14年に「日韓国民交流年」の記念事業としまして、広島市から大韓民国・大邱広域市へ青少年を派遣したことに始まりまして、今年度で17回目となっております。今回は広島市で開催し、大邱広域市から青少年と指導者を受け入れることとしております。
 1の目的、2の主催、3の交流期間については、資料のとおりでございます。明日26日から4泊5日で、大邱広域市の交流団を迎える予定となっております。
 4の開催場所は、先ほど申し上げたとおり広島市でございます。
 5の参加者ですが、本市からは27名が参加いたします。その内訳は、指導者が3名、青少年が、中学生5名、高校生17名の22名。そのうち、1名は市立中学校、8名は市立高等学校の生徒となっております。また、運営・通訳ボランティアとして、過去の本事業への参加者2名に協力していただくことになっております。そのうちの1名は、本事業への参加をきっかけに韓国の大学へ進学されております。大邱広域市からは、指導者が4名、青少年が20名、合計24名の参加が予定されております。
 6の主な日程につきましては、資料に記載されているとおりでございます。
 まず、26日の午前中に交流団が広島空港に到着いたしまして、午後から開会式や平和学習等を行うことにしております。この平和学習の中には、慰霊碑への献花等も含めておりますが、この慰霊碑への献花の際には、原爆死没者慰霊碑と韓国人原爆犠牲者慰霊碑の二つについて、広島の参加者が韓国語で説明するように、練習して準備しております。夜には、広島市長も参加しての夕食会を予定しております。
 次の日、27日は、学校訪問として舟入高等学校へ行きまして、茶道と箏曲(そうきょく)の体験を予定しております。そのほか、文化交流としまして、お好み焼きの体験や、夜には、模擬夏祭りとして留学生会館に手作りの屋台等をしつらえまして、運営ボランティア等にも協力を頂きながら、楽しんでいただこうと予定しております。その中では、浴衣を着ていただくことも予定しております。
 運営ボランティアにつきましては、過去のこの事業への参加者や、今回、応募いただいたのですが、残念ながら選考漏れになってしまった方々にも案内をして、ボランティアとして参加していただくようにしています。
 次の日、28日には、宮島を訪問し、その夜はホームステイを予定しております。このホームステイにつきましては、全て参加者の家庭で行うことができるようになっております。
 翌日、29日は、意見交換、振り返りの会ということで、折り鶴みこしや灯籠を作成し、そこにメッセージを書いてもらいます。作成した灯籠につきましては、8月6日の「とうろう流し」のときに流して、その様子を動画で撮影し、できれば、その動画を同時中継で大邱広域市の参加者に見ていただくことも考えております。
 次の30日は、交流団の見送りということで、全日程を終了いたします。
 7の研修会等につきましては、記載のとおりですが、事前研修会では、韓国語の講座や韓国の習慣などについて学んだほか、夏祭りの準備や歓迎会でのパフォーマンスの練習などを行っております。また、青少年国際平和未来会議と同様に、事後報告会を、11月18日の「国際フェスタ2018」の中で行うこととしています。
 「2018広島市・大邱広域市青少年交流事業」については、以上でございます。
 続いて、資料の5ページを御覧ください。
 「平成30年度広島・長崎市児童生徒平和のつどい」の事業概要について御説明いたします。
 この事業は、広島・長崎「平和文化都市提携」によります記念事業の一環として、昭和52年に長崎市で開催されました「長崎・広島子ども会親善交歓会」に始まりまして、今年度で41回目となっております。今年度は、本市から長崎市へ児童生徒と指導者を派遣することとしております。
 1の目的、2の主催、3の開催期間、4の開催地につきましては、資料のとおりでございます。
 5の参加者ですが、本市からは、指導者として、高校生のシニアリーダー4名を含みます11名、児童生徒は、小学生が21名とジュニアリーダーの中学生7名を合わせました28名、合計39名が参加する予定となっております。長崎市からは、指導者が20名、児童生徒が26名の合計46名の参加が予定されております。
 6の主な日程は、記載のとおりでございます。平和学習やキャンプファイヤーなどを行う予定で、長崎市の方で調整中とのことでございます。
 7の研修会等につきましては、7月29日に、事前研修会ということで、平和学習やグループ作りなどを行う予定となっています。また、9月2日の事後研修では、活動の振り返りなどを行う予定にしております。
 「平成30年度広島・長崎市児童生徒平和のつどい」については、以上でございます。
 以上で、「青少年交流事業の開催について」の報告を終わります。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問等がございましたらお願いいたします。

栗栖委員

 青少年交流事業として三つの事業の報告をしていただいたのですが、小学生から大学生まで参加しているということで、非常にすばらしいと思います。是非、継続して取り組んでいただきたいと思います。また、事前研修会、事後報告会をきちんとされていることは良いことだと思います。事前研修会で参加者の皆さんにあらかじめきちんと情報提供していただくことは、重要だと思いますし、事後報告会で事業後のフォローをしっかり行うことも、非常に重要だと思います。しっかりと計画していただいていると思います。
 先ほど、大邱広域市との交流事業の中で「とうろう流し」の話が出ましたが、御承知とは思うのですが、「とうろう流し」の種火は、適当に火を付けているのではなくて、原爆の残り火が福岡県八女市の星野村で保存され続けており、それを、毎年8月に採火させていただいて種火にしているのですが、「とうろう流し」一つにしても、是非、そういう背景をこういう機会に若い人にお伝えいただければ、行事の意味にも重みが出てくるのではないかと思います。その辺りもよろしくお願いします。

井内委員

 先ほど、育成課長から御説明があったのですが、一つ目の「青少年国際平和未来会議2018」の実行委員長をしておりますので、少し説明させていただきたいと思います。
 お気付きかと思いますが、例年と比べて、参加者が広島市とハノーバー市だけになっており、少ないと思われたのではないかと思います。
 実は、今年は広島市以外の都市で開催するということで、様々な都市と交渉していたのですが、なかなか決まらなくて苦慮しておりました。
 青少年国際平和未来会議が始まったのは、14年前の2005年なのですが、会議を作る母体となったのは、1968年から始まった広島市とハノーバー市の青少年交流です。広島市とハノーバー市は、姉妹都市縁組を結ぶ前から青少年交流を長くやってきております。広島市には「広島ハノーバー友好協会」という団体があるのですが、そこと、ハノーバー市にある「ハノーバー・広島友好会」が、毎年欠かさず相互訪問を行い、青少年交流を続けてきたという経緯があり、その青少年交流が今年で50周年になります。今年は、50周年を記念して、「広島ハノーバー友好協会」の訪問団が4月にハノーバー市を訪問し、また、7月31日からは「ハノーバー・広島友好会」が広島市を訪問する予定になっております。
 以前から、50周年を記念して、青少年国際平和未来会議をハノーバー市で開催してはどうかという思いがありましたので、ハノーバー市にお願いをしてみたのですが、ハノーバー市も財政困難ということがありまして、急には受けられないと言われました。
 そのような中で、これまで50年間、青少年交流を行ってきたハノーバー市の「ハノーバー・広島友好会」が、それでは私たちが引き受けましょうと言ってくださったので、そこにお願いをすることになりました。資料にあるホームステイというのも、全部、「ハノーバー・広島友好会」のメンバーのお宅にお世話になるということです。
 実は、経費の節約ということも念頭にありまして、できるだけ先方の負担を少なくしようということを意図して、基本計画を組んでいます。と言いますのは、特に海外で実施する場合には、力が入って華やかなのですが、これも見てほしい、あれも見てほしいということで、半分くらいは観光になってしまい、どうも本来の意図とずれるなと感じていたところもありましたので、これからの未来会議の在り方みたいなものも、この際、じっくり考える機会を作ってみたいというのが、私たち指導者の考えでもあります。
 そういう事情も踏まえて、この際、原点に返って、これまで14年続けてきたけれども、これから10年、15年と続けていくためにはどうしたらいいかというようなことを、真剣に考えてもらうようにしたいと思っています。
 もちろん、青少年が平和にどう貢献するかというのがメインテーマであることは、間違いないのですが、そういうことを語り続けていく意義や方法というのは、やはり10年、20年たちますと、青少年の意識も変貌してきます。その辺を踏まえて、少し改革を目指したいという気持ちがありまして、今回のプログラムを計画しております。
 このようなことで、これまで隔年で広島市以外の都市で実施してきたときと、内容が多少変わっていることを御理解いただいて、見守ってやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。

鈴木委員

 大邱広域市との交流事業で、選考に漏れた人がボランティアに参加しているというのは、良い試みだなと思いました。
 質問ですが、動画で双方向で「とうろう流し」を見てもらうというシステムは、どのように考えていらっしゃるのかをお聞きしたいです。

育成課長

 今回の大邱広域市からの参加者は、昨年の参加者がほとんどなのです。昨年の参加者とはラインでつながりがありますので、それを使って動画を配信することを考えております。

鈴木委員

 何かシステムを使われるのであれば、他のところでも使えるのかなと思ったのです。「国際フェスタ」で発表しているところを韓国で見てもらうとか、逆に、韓国の子どもたちの映像が映ったりすると、より交流が分かるようになるかなと思って質問しました。
 これがいいアイデアかどうかは分からないのですが、いつも説明を聞いていると、これは何回目、これは何回目と言われているのですが、それが表題には出ませんよね。「2018」と言われると、今年、実施するという感じがするのです。でも、そこに「第17回」と書いてあると、続いてきたということが分かりやすいと思います。先ほどの長崎市との平和のつどいは、41回目ということでしたが、これはすごく長い年数ですが、「平成30年度」とだけ見ると、今年、実施するというイメージになるので、もしも可能であれば、今後、検討していただきたいと思います。第何回というのが入ると、長く続いているということがアピールできていいと思いました。
 いずれにせよ、海外の子どもたちと普通に会話をしたり話をしたりできる機会というのは、若いときにはとても大事な機会だと思いますので、御苦労はあると思いますが、引き続き、継続していただければと思います。
 回数を入れないのは、何か意味があるのですか。特にはないのですか。

育成課長

 はい。

鈴木委員

 回数が続いているものは、よく「2018年第何回」としていますよね。回数を入れてみたら、重みが増すと思います。

育成課長

 はい。

糸山教育長

 その他は、いかがでしょうか。

伊藤委員

 現地で交流を行う事業は、青少年が直接触れ合うことができるので、大変有意義だと思います。
 先ほど、青少年国際平和未来会議に関しては、井内委員の方から、今後の在り方を研究するという課題について御説明いただきましたが、大邱広域市との交流や長崎市との平和のつどいに関しましても、現段階において、今後に向けた課題等がありましたら、お教えいただければと思います。

育成課長

 大邱広域市との交流事業につきましては、大邱広域市では、派遣と受入れをセットにして、2年スパンで参加者を募集しておりますが、広島市では、毎年、参加者を募集しております。前年の参加者が応募してくることもあるのですが、2年間をセットにすると、例えば、中学校3年生や高校3年生は受験の年になりますので、2年生の時点で参加したくても、翌年は参加できないので応募できないというようなこともあります。2年間をセットにすると、応募が難しくなってしまうこともありますので、その辺をどうしていくのがいいかを検討しているところです。できれば、大邱広域市と同じように、2年間をセットにして、2年間同じメンバーで派遣と受入れを行う方が、より深い交流が可能になると思いますので、その辺りは今後の検討課題としております。
 広島・長崎市の平和のつどいは、2年間をセットにして、各区の子ども会に持ち回りで担当していただいております。今年度は、西区の子ども会が長崎市を訪問し、来年度は、同じ西区の子ども会が長崎市の子どもたちを迎え入れることになります。これは広島市の課題というわけではないのですが、昨年、長崎市が広島市を訪問された際に、広島市のジュニアリーダーとシニアリーダーがとてもよく育っていると感じられたようで、長崎市としても、そういったリーダーの育成にもっと力を入れなければならないと考えておられて、これまでの2年スパンではなくて、1年追加して3年スパンにして、追加の1年をリーダー育成のために使いたいというような提案を受けております。これは、まだ非公式な相談なので、どうなるかは分からないのですが、そういった提案を受けております。

伊藤委員

 ありがとうございました。
 大変、有意義で効果的な交流が続いていると思いました。今後とも、継続していただきたいと思います。

青少年育成部長

 課題について、一つ補足させていただきます。
 三つの事業全てに関係するのですが、非常に密度の濃い交流ができておりまして、子どもたちが達成感や友情を感じながら、良いお土産を持って帰っているのですが、その後、その活動で得たものを、どのようにつなげていくか、広げていくかというところが、大きな課題だと思っております。
 例えば、大邱広域市との交流事業でございましたら、この交流事業に参加した人が、フラワーフェスティバル等で韓国のブースをボランティアで手伝ったり、韓国の朝鮮通信使パレードに一緒に参加したりなど、こちらの方からも交流の機会について情報提供しながら進めているところではあるのですが、このような事後活動をする場を広げていくことが必要であると考えております。
 また、同じ学校の中で、交流の良さやそこで学んだことを周りの友達に伝えていく機会をしっかり確保してあげなければならないと思っておりまして、その辺りの働き掛けを今後どのようにしていくかということを、しっかりと考えていく必要があると思っております。

糸山教育長

 その他、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本件については、この程度にしたいと思います。
 次に、議題2、議案第23号「広島市指定重要文化財の指定について」を議題とします。
 本件は審議案件です。内容について、市民局文化振興課文化財担当課長から説明をお願いします。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 文化財担当課長の片山です。
 議案第23号「広島市指定重要文化財の指定について」御説明いたします。
 資料の6ページを御覧ください。
 今回の指定につきましては、広島市文化財保護条例第3条の規定に基づき、「浅野家旧蔵饒津(にぎつ)神社能関係資料」を対象に議案として提出させていただいております。
 これは、所有者である宗教法人饒津神社の指定申請を受けて、事前調査を実施し、本年7月3日に開催しました広島市文化財審議会に諮問したところ、指定が適当であるとの答申を頂いたものです。
 それでは、対象物件について御説明いたします。資料の7ページを御覧ください。
 文化財指定候補概要でございます。これは各項目とも記載のとおりです。
 まず、指定候補の来歴と資料の詳細について御説明させていただきます。
 資料の来歴ですが、指定名称とする「浅野家旧蔵饒津神社能関係資料」とは、大正13年、1924年に、近世大名家で旧広島藩主の浅野家が饒津神社へ寄贈した、江戸期を中心に製作された能装束、能面、小道具類の資料の総称です。
 当該能関係資料を旧蔵していた大名としての浅野家の系譜は、豊臣の五奉行の筆頭として活躍した戦国武将である浅野長政に始まり、その長男の幸長(よしなが)は関ヶ原の戦いで徳川方に付き、その功績により紀伊37万石を拝領。幸長没後は弟の長晟が跡を継ぎ、改易された福島正則に代わって安芸及び備後国8郡42万石を拝領して広島藩主となり、以後、明治維新まで広島藩を治めました。
 浅野家の歴代藩主は、能に親しみ、折々に演能会を開催したり、能役者を召し抱えるなど、能を愛好、保護していました。
 一方、所有者である饒津神社は、広島藩によって建立され、「二葉山御社」又は「饒津大明神」と称していましたが、明治6年、1873年、廃藩置県により広島藩から分離し、神社名を「饒津神社」と改めています。
 大正13年、1924年に浅野家より饒津神社に寄贈された能関係資料は、浅野泉邸内、現在の縮景園内で保管されていましたが、昭和20年、1945年8月6日の被爆の際に、この難を逃れた物が、翌昭和21年、1946年に饒津神社から嚴島神社へ奉納されました。
 その後、平成22年、2010年に饒津神社境内の仮設能舞台で浅野長政400年祭神能が行われたのをきっかけに、嚴島神社に対して当該能関係資料の返還交渉が行われた結果、翌平成23年、2011年に、奉納した物の一部ですが、能装束4領、能面34面、小道具類が返還されました。これらが今回対象となっている物件です。
 ただ今までの流れを簡単に御説明しますと、資料は元々浅野家が持っており、それを饒津神社に寄贈し、饒津神社は一旦それを嚴島神社の方へ奉納し、それが今、饒津神社へまた返還されて戻ってきているというような来歴ですが、はっきりした来歴で、全て記録が残っております。
 次に、資料の内容について御説明いたします。8ページを御覧ください。
 まず、能装束1領についてですが、これは厚板唐織といわれるもので、厚手の地に何種類もの色糸を使って文様を浮き織りにした華麗な装束です。地質が堅い厚地織物の厚板と華やかな文様の唐織の両様を備え、主として武将や公家(くげ)たちが上着の下に着る着付けや女性の上着としても用いられるものです。紅白段替わりの毘沙門(びしゃもん)亀甲(きっこう)の地文に、白地には飛竜と波丸の文様、紅地には唐花と火炎太鼓の文様を、赤、紫、萌黄(もえぎ)、浅葱(あさぎ)、紺、茶などの多彩な色糸で織り出しています。
 続いて能面ですが、小尉(こじょう)、童子、般若(はんにゃ)などの様々な種類の面が計31面あります。いずれも江戸期の作と考えられ、傷みが見られる物もありますが、総じて出来はよく、文化財として高く評価できる物です。
 これらの資料は、江戸期における華麗な特徴を有する能装束を始めとして、広島の能文化の一端を伝える貴重な資料であり、旧大名家である芸州広島藩浅野家において継承されてきた、来歴が明らかな能関係資料として、その価値は高く、広島市指定の文化財として保存・活用することが適当と考えられます。
 12ページを御覧ください。
 ただ今までが、指定候補資料ですが、この指定候補資料には、明治時代以降の作及び小道具類が附属しています。内容は、能装束3領、能面3面、小道具類33点です。以上は、指定候補資料32点と共に、一群として浅野家に伝わったものであり、附(つけたり)とするものです。附とは、それ単独では指定文化財にはならないものの、関連する指定文化財と共に保存・継承することで価値がある資料のことです。したがって、これらは指定文化財ではありませんが、指定候補資料と共に保存・継承していくものです。
 なお、現在、広島市の指定文化財は100件あります。本件が指定されれば101件となり、国指定と県指定を含めると、現在の159件が160件になります。
 以上、本件について、広島市指定重要有形文化財としての指定をお願いしたいと考えておりますので、御審議のほどよろしくお願いいたします。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。
 それでは、審議に入ります。ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

鈴木委員

 単純な質問をさせていただきたいのですが、文化財に指定となったときには、何がどう変わるのですか。指定されたら、どういうメリット、デメリットがあるのかということが1点目です。
 2点目は、指定された後は、市民にオープンにされるものになるのでしょうか。また、市民が見るためには、どうような手続が要るのか、要らないのかということを質問したいと思います。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 まず、指定された場合は、今は個人の所有物でございますから、個人にとっては宝なのですが、これが市民共有の文化財ということになりますので、行政も一緒になって、今後、守り伝えていくことになります。行政としては、補助金等の支援もいたしますが、保存に影響があるようなことについては制限を掛けるということもありますので、両方の面はあるのですが、所有者の方にも、指定してほしい、守っていきたいという意向があるので、今後、指定された場合は、行政と一体になって、共有財産として守っていくことができるようになります。
 それから、市民共有の財産ですので、市民の方が見たいと言えば見せるのが原則です。ただ、文化財をどこにでも持っていって見せるということになると、保存に大変影響がありますので、それなりのきちんとした環境の下で見せるという形になります。事前に、所有者を通じて教育委員会に、このように展示したいなどという内容を申請していただくことになります。文化財の保存に影響があるようであれば、場合によっては見せなかったり、条件付きで見せたりということになります。

鈴木委員

 管理に関わって費用が発生するような場合に、市の費用として出すようなことがあるのでしょうか。
 また、例えば、美術館でよく所蔵展というのを目にしますが、あのような形でオープンになる可能性が出てくるということなのでしょうか。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 最初の御質問ですが、文化財を保存していくために、例えば、修繕が必要であるというようなときには、市から補助金という形で支援が出ます。基準としては、4分の3、75%について、行政から補助金を出しております。
 二つ目の御質問ですが、展示会に出す場合には、こういう目的の展示会に出すということを事前に申請していただいて、その目的を確認し、環境がきちんと整っていれば、出すことになります。長期間になると、かなり保存に影響がありますので、原則、短期間ということになります。文化財は保存と活用の二つの取組となりますが、保存に影響があれば、活用には制限が掛かってくると思います。

鈴木委員

 分かりました。
 指定することによってメリットがあるということであれば、良いと思います。特に、市民の方が見ることができるようになるということが、メリットだと思います。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 はい。現在は個人の物ですから、見ることはできません。

鈴木委員

 分かりました。ありがとうございます。

糸山教育長

 保存はどこで行われるのですか。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 所有者である饒津神社の境内に計画中の収蔵施設になります。今後は、そこで保管していくことになります。

糸山教育長

 今は、徳川美術館に預かっていただいているのですね。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 はい。一時的なものです。

糸山教育長

 戻ってきて、饒津神社で保管するということですね。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 はい。

井内委員

 以前、文化財を所蔵されている方から御相談を受けたことがあるのですが、国指定と県指定と市指定の文化財がありますが、補助金については、国指定になると金額が高くて、県指定になると金額が少ないと聞きました。市指定では4分の3とおっしゃいましたが、補助金の金額が妥当なものなのかということが少し気になりました。
 文化財を大事にしようという気持ちはあっても、維持管理には多額の費用が掛かります。今回、市指定の文化財へ申請されたのも、個人では費用を持ちきれないからというような事情があるように想像するのですが、その辺に関するお考えを、今の現状も含めて、教えていただきたいと思います。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 文化財に指定されますと、補助金が出ます。日常の維持管理にはかなりの費用が掛かることから、それを支援してもらうということは、所有者にとっては大きなメリットだと思います。ただし、その分、先ほど申し上げましたように制限もありますので、ただ費用の面だけで指定を希望されているわけではありません。
 国指定、県指定、市指定の補助金なのですが、国指定の場合は、所有者の経済状況によって補助金が50%から段階的に上がり、最高80%になります。県指定については、50%です。ただし、県指定については、広島市内にあるものは、市指定と同じ75%となります。
 確かに、維持管理が難しいということで御相談を受けることもありますが、維持管理については、あくまで所有者に費用を負担していただき、行政はそれに対して支援するという形になります。主役はあくまで所有者です。我々としては、所有者が今後も保存・継承していくために、行政がお手伝いをするという形を考えております。

井内委員

 文化財を所有している方に維持管理に係る費用を持っていただくというのが、基本的な考え方なのですね。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 はい。

井内委員

 それは、国指定であろうと県指定であろうと変わらないということですね。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 はい。

井内委員

 補助金の出し方というのは、大変難しいと思います。国全体として文化財を大事にしようということであれば、もう少し手厚くあってもいいのかなという気がしたので質問しました。単にここだけで解決する問題ではないのかもしれませんが、今後とも注目をしていきたいと思います。

伊藤委員

 今後、適切な維持管理をしているかどうかは、市として定期的に確認されるのでしょうか。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 はい。

伊藤委員

 どのくらいの頻度でされるのですか。何年に1回くらいはあるのですか。

市民局文化スポーツ部文化振興課文化財担当課長

 直接、見に行くことは不定期ですが、年に1回、状況報告を各所有者に書面で依頼し、その際に修復の意向なども聞いております。その報告の中で、管理上問題があるものについては、直接、見に行って指導しております。

糸山教育長

 その他、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議案第23号「広島市指定重要文化財の指定について」、原案どおり可決することで御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することに決定いたしました。
 次の議題3は、先ほどお諮りしたとおり非公開となりましたので、傍聴人、報道関係の方は、退席していただきますようお願いいたします。

 (非公開部分省略)

糸山教育長

 以上で、議題は全て終了いたしました。
 これをもって、平成30年第9回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。

7 議決事項

議案番号 件名 議決結果
23 広島市指定重要文化財の指定について 原案可決
24 教職員の人事について 原案可決

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