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ページ番号:0000017498更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成30年第2回教育委員会議(2月定例会)議事録

平成30年第2回広島市教育委員会議議事録

 平成30年2月9日(金曜日)、平成30年第2回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前 9時30分
  • 閉会 午前10時48分

2 教育長及び委員の出席者

  • 教育長 糸山 隆
  • 委員 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員 秋田 智佳子

3 事務局等の出席者

  • 教育次長(総務部長事務取扱) 政氏 昭夫
  • 青少年育成部長 荒瀬 尚美
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 総務課長 山越 重範
  • 教職員課長 野間 泰臣
  • 生徒指導課長 山崎 哲男
  • 生徒指導課学校問題解決支援チーム主幹 横山 善規

4 傍聴者等

 8人

5 議事日程

  • 議題1 広島市いじめ防止対策推進審議会の調査状況について(報告)
  • 議題2 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長

 ただ今から、平成30年第2回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日の議事録署名者は井内委員と秋田委員にお願いします。
 それでは、日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 本日審議予定の議題2につきましては、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第3号「教育次長、理事、部長、参事、課長、担当課長、校長、園長及びその他の課長相当職以上の職位の任免に関すること」に該当することから、会議を非公開にしたいと思いますが、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題2については非公開として審議することに決定いたしました。
 それでは、議題に入ります。
 まず、議題1「広島市いじめ防止対策推進審議会の調査状況について」を議題といたします。
 本件は報告案件です。内容について、生徒指導課長から説明をお願いします。

生徒指導課長

 生徒指導課長です。よろしくお願いします。
 それでは、平成29年9月6日付けで広島市いじめ防止対策推進審議会に諮問いたしました、いじめ防止対策推進法第28条第1項の調査の状況について報告させていただきます。
 別紙を御覧ください。
 この「いじめの事実の全容について(概要)」の資料については、事前に委員の皆様にお伝えしているところですが、本日は審議会の林会長が2月5日(月曜日)に報道機関に対して説明いたしましたのと同じように、私の方から資料を説明させていただきます。
 始めに、1の調査の概要を御覧ください。調査の概要といたしましては、平成29年9月19日から30日までの期間に、質問紙による調査を実施し、当該中学校の生徒451名及び関係教職員88名から得た回答を基に、同年11月10日から12月15日までの期間に、生徒25名及び関係教職員9名から個別の聴取を行いました。それとともに、同年10月2日には御遺族との面会もさせていただきました。
 なお、この個別聴取等で得た証言については、その客観性、一貫性等を重視して取り扱い、事案の事実認定の可否については、生徒が加害行為を自認したもの、教職員や複数の生徒が加害行為を現認したもの、御遺族より被害生徒から聞いたこととして当時から学校等に申し立てていたものなどについて、一定の基準に沿って審議いたしました。その上で、いじめの対応、時期、場所、加害生徒の違いや加害行為の連続性を考慮して、同一の事案とするか、異なる事案とするかを判断しました。
 なお、中学校から報告があった7件の事案については、調査によって判明した事実と合わせて再整理し、事案の同一性を判断しました。
 次に、2の調査によって判明した「いじめの事実の全容について(概要)」でございますが、そこに示されておりますのは、審議会がこれまでの調査結果に基づいて推認するもの、いじめの事実の全容について小学校時代を含め各年の状況を整理したものでございます。
 それでは読みますが、小学校在籍時には、低学年のころから、主に複数の児童から頻繁に悪口を言われる、時には物でたたかれるなどの実態があったことを示唆する複数の情報を得ましたが、小学校において問題行動に係る指導としては記録されておらず、定かではありません。しかし、被害生徒がいじめられていると認識していることが伺えるような特定の児童間のやり取りもあったという情報もあることから、少なくとも被害生徒が精神的苦痛を感じる言動や関わり方など、中学校での人間関係に引き継がれていくような素地は、小学校在籍時からあったと推認できます。なお、小学校在籍時の状況については、今後、教職員を対象とした調査を行います。
 中学校1年時には、年度当初から、年間を通じて、何人かの生徒から頻繁にからかわれたり、悪口・暴言を言われたりしていたと推認します。その場面は、休憩時間や授業中など様々であったと考えられます。また、掃除時間には、掃除の手順の一つである机の移動の際、被害生徒の机を誰も触ろうとせず、結果、被害生徒の机の列だけ定位置に在り続けるといった阻害的な扱いを受けることもあったと推認します。
 中学校2年時には、1年のときに見られた何人かの生徒によるからかいや悪口・暴言が、より多数の生徒によるものへと変化したと推認します。1年生の頃のことに関する情報よりも2年生の頃のことに関する情報の方が相当多かったことや、1年生の頃のこととして挙げられていなかった、消しゴム片を投げるという行為や、被害生徒がいないときにその机を蹴るという行為、他の生徒の筆箱等を机に置いて筆箱等の持ち主が嫌がるのを面白がるという行為が、情報の中に加わっていることを考慮すると、いじめと考えられる行為は、より頻繁かつ多様になっていったと推認します。
 最後に、中学校3年時にも、1年生から2年生にかけて続いていたからかいや悪口・暴言が、同様に継続していたと推認します。今年度のことで、まだ生徒たちの記憶に新しいこともあり、3年生になってからのからかいや悪口・暴言に関する情報は、2年生のころのものよりも更に多くなっております。「死ね」に代表される脅し文句もより頻繁に言われるようになったことに加えて、始業前や下校時にたたかれるなどしたことも新たに確認されていることから、2年生から3年生へと学年が進んでいじめがより深刻になったと推認します。
 いじめの事実の全容の説明は以上です。
 会長は続けて、今後の審議会の取組については、教育委員会からの諮問事項に沿って、前述のいじめの事実の全容を踏まえ、学校等の対応について調査を進めてまいりたい、そして、調査の中でこれまでの調査で得られなかった新たないじめの事実に係る情報が得られた場合は、今回報告した内容を一部修正することがある、その場合には、年度末を目途に御遺族に報告したいと考えている中間的な報告の中で、修正等について、併せて御遺族に報告したいと考えている、ということを言われました。
 ここまでが審議会の会長が記者説明で説明された内容であります。
 また、亡くなった女子生徒の御遺族は、審議会における調査結果の公表を受けて、生前の女子生徒の輝いている様子とともに、原文の一部を読み上げますが、「娘が学校でいじめを受けていたことを思うと、大変つらい気持ちになりますし」、「何度も学校に伝えていたのにどうして止められなかったのだろうか、という思いもあります。学校に対しては、今回のいじめの事実を正面から受け止めていただきたいと願うばかりです。学校の対応の問題点につきましては、現在審議会の方で調査中と伺っていますので、その調査を待ちたいと思います。真実が明らかになり、二度とこのようなことの起きないことを願います。」と弁護士を通じてコメントを公表されました。
 以上で、調査状況についての報告を終わります。よろしくお願いします。

糸山教育長

 それでは、ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 いじめの事実の全容について審議会から公表されましたが、委員として非常に重く受け止めています。二度とこのようなことがあってはいけないと思います。今後、学校の対応や因果関係等については審議会において引き続き調査、検討がされるということですので、結果はまだ出ていないのですが、私としては、いじめの事実があった以上、対応については、すぐにでも手を打てることは打っていく必要があると考えます。現在も仕組みはあるのですが、本事案に関して言えば、機能しなかったと考えます。
 これだけ全国的にいじめの問題が発生しており、社会的な問題になっている中で、また、いじめの定義もきちんとされている中で、恐らくほとんどの教職員は、頭の中ではいじめにはきちんと対応しなければいけないと認識されていると思うのですが、自分の学校で、自分の目の前で、実際に自分が悪口や嫌がらせに気付いていながら、なぜいじめと捉えたくないという意識が起こったのか、その背景は一体何なのかということが問題です。
 また、女子生徒は実際にいじめを受けていながら、直前のアンケートでは被害の事実を書いていなかったということなのですが、私は、これは相当に根が深い問題だと思っております。
 審議会におかれましては、是非、この辺りの背景とか、アンケートの課題や問題点などを着眼点として、引き続き調査していただきたいと思います。
 今後は当然、いじめをなくすという対策を考えていく必要があるのですが、いじめが起きた場合に、もちろん現在もきちんといじめに向き合っている先生方もいらっしゃると思うのですが、どうすれば一人一人の先生方が、早くいじめに気付いて、早くいじめに向き合う、全員がいじめに向き合うようになるのかということを、また、どうすれば実際にそういう児童生徒が声を出せるようになるのか、声を聴き取れるようになるのかといったことを、実効性のある具体的な対応について深掘りしていきたいと思います。
 いずれにしても、審議会の答申が出ると学校の実態も分かってくると思いますので、調査の全容を受けて、我々としてもきちんと対応していき、今後こういったことが二度と起きないように万全を期していきたいと思います。以上でございます。

糸山教育長

 はい、ありがとうございます。
 思いを言われたということですね。特に質問はありませんか。

栗栖委員

 特にありません。審議会の着眼点について、御検討いただければと思います。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。

溝部委員

 この度、事実の全容を知りました。にわかに信じ難いと思っています。大変、悲しみとともに憤りを覚えています。また、亡くなった生徒、それから保護者の方を思うと、教育委員として大変つらく、重く受け止めています。
 特に、このいじめは長い間、継続的に、多数の生徒から行われていたという点、休み時間、掃除時間、そして授業時間という教師の目の届くところでもあったという点に、当該学校の体制、指導の状況は一体どうだったのかということに、強い疑念を抱いています。今後、解明されることを信じております。
 一つ質問をしたいと思います。今回の調査結果は小学校にも及んでいまして、小学校に素地があったと発表がありました。素地があったというのは、具体的にはどういうことで素地があったと言われているのでしょうか。そして、この素地があった小学校の状況について、今後どのような形で調査を進めていかれるのかということを質問したいと思います。

生徒指導課学校問題解決支援チーム主幹

 小学校時代のいじめの状況については、質問紙による調査の中から、小学校のときにいじめがあった、あるいは低学年のころから悪口やからかいを言われていたというような複数の証言を得ております。ただ、時間が随分たっているということもありまして、個別の聴き取りでも確認はさせていただいているのですが、具体的にどの学年でどのようなといったところまでは、情報としては非常にあやふやなものがあります。小学校の方の記録を確認しておりますが、そういったところが生徒指導記録の中にも残っていないということもありまして、そういうあやふやな状況の中で、あくまで審議会としては、小学校時代の人間関係がそのまま中学校の中に引き継がれていったのではないかと、そういった面での素地というように推認しております。ただ、この点につきましては、今回の調査対象の中に小学校が入っておりませんでしたので、現在、小学校の当時の教職員を中心に、どういう状態だったのかということの聴き取りを行いながら、その辺りを明らかにしていきたいと考えております。以上でございます。

溝部委員

 今から調査をされるということで、是非、お願いしたいと思うのですが、これもお願いできたらと思っていることがあります。
 まず、今、非常に曖昧な状態だとおっしゃいましたが、推論だけではなくて、できるだけ具体的にどういうことがあったのかを明らかにすることが必要だと思っております。そして、その一つ一つの出来事に対して、担任の先生を中心に支援や指導が行われていたであろうと思うのですが、事例だけではなく、周りがどういう支援を行ったのか、あるいは友達がどういう状況でこの子を囲んでいたのか、その周りの子どもたちへの働き掛けも含め、さらには、保護者とはどういう連携を取っていたのか、学校内の子どもに対する共通理解はどう行っていたのか、さらには、こういった状況を踏まえて、学校はどのように取組や指導を行っていたのかというように、事実のみならずその周辺部分のことも、是非、調査をお願いしたいと思います。
 それから、小学校の卒業時には全ての子どもたちがスムーズに中学校に入学できるために、小学校と中学校の先生方は連絡会を持つようになっています。この連絡会での情報共有は、この度の場合はどうだったのかということを調べていただければと思っています。以上です。

生徒指導課長

 今の御意見につきましては、審議会の方に伝えて、調査の視点の中に入っているかということをしっかり確認しながら、進めていきたいと考えております。

井内委員

 審議会からどのようなことが起こったのかという詳細を報告していただいて、この女子生徒が亡くなったときに受けた衝撃が、私たちの心の中に大きな傷を作っているとしみじみ感じます。
 これから学校の先生方にも聴き取りが続くと聞いているのですが、そのときに是非、明らかにしていただきたいと思う点は、これだけの事実がありながら、なぜ学校はいじめと認定しなかったのかという、その理由です。単なるからかいなのか、いじめなのか、その線引きというのは大変難しいと思いますし、学校ですから、あえて加害者、被害者というような言い方をしないで、誰もが楽しく学校生活を送るために傷付けたくないという思いは、先生方の気持ちとしては大変よく分かるし、そうあるべきだとは思っているのですが、しかし、いじめの問題について、今回の事案のように結果的に最悪の事態になったということは、これは大変な問題だと思うのです。それを防止できなかったのは、やはり先生方のいじめだという感覚がどうだったのかというところに原点があるのではないかと感じるのです。それが、我々にとっても納得できるものなのか。考え方はいろいろあってもいいと思いますが、やはり共通認識としては、こうあるべきではないかというものを、我々がもう一回作っていかないといけないと思うのです。
 学校内のいじめ防止委員会は、我々のいじめ対策の中で最初に対応を行う組織と位置付けて、教育委員会議で審議をし、これでいけるだろうと思って議決したのですが、それが何ら機能していなかったというのが事実です。ここは、私自身も含めて教育委員全員だと思うのですが、すごく反省しているというか、自戒しているところです。なぜ、それを有効に使えなかったのかということを検証しない限りは、ここから先へ進めないと思っています。
 それから、もう一度子どもたちに聴き取りをするということはかなり難しいとは思うのですが、約30人のクラスの中で、例えば、掃除をしているときに、亡くなった生徒の列だけが掃除されないということは、みんな分かるわけです。見ているわけです。そういうときには、誰かが「これ、おかしいんじゃないか」と「これ、やろうよ」と、呼び掛ける子どもが一人くらいいてもいいと思うのです。それがなぜこのクラスの中にはいなかったのか。別にヒーローを求めているわけではありませんが、そういう自浄作用というのは、子どもたちの中にあってしかるべきだと思うのです。それは淡い期待かもしれないですが、すごく思っています。みんな学校で一緒に生活している仲間じゃないかという。きれいごとだけではなくて、そういうことがあったときに、お互いにかばい合う、助け合うということがあってしかるべきだと思っているのですが、それが全く働いていないというのが、私自身にとっては極めて不可解であり、なぜそういうことになるのだろうか、子どもたちが自分たちの世界の中で、お互い同士に何があったのか。その子に対して、クラスの子どもたちがみんな同じ思いで接していたとは思わないのです。その子側に随分と寄っていた子もいるだろうし、いじめを主だってやっていた子もいるだろうし。その振れの中で、どうして悪い方向だけに振れたのだろうかということを、すごく疑問に思うのです。そのことを理解しないと、今後、我々が学校の先生に対して、こういう指導をしてください、こういうことがあったときにこうしましょう、というようなことを話し合うとしても、そのことを抜きにして、単なる表面的な文章だけでは言えないのではないかと、我々はここのところが分かっていないと、理解していないのではないかということをすごく感じました。
 もし、審議会でそういうことが可能であれば、是非、その辺を次の報告までに明らかにしていただければと思います。我々はますますつらくなるかもしれませんが、やはりこの際、言いにくいことも言い、お互いに問題があるところは十分指摘し合わないと、これだけの犠牲を出してしらっと終わるわけにはいかないと私自身は思っていますので、その辺を、審議会の方にお伝えいただければと思います。以上でございます。

鈴木委員

 この度の審議会の報告をお聴きしまして、亡くなった生徒さんが、どれほどつらい思いを長く持たれていたのかと思うと、胸が張り裂ける思いがしております。御遺族の皆さんの悲しみを思うと、私どもの責任というのも感じているところです。
 起こってからの対応をしなければならない状況にあると思っておりますけれども、やはりそうならないようにするというときに、私たちも先生方も、目の前の一人一人の子どもに対して、我が子のように、親身になって寄り添い、悩んで、一緒に考え、そういった姿勢が大事なのではないかと思っています。そう思っていますし、先生方もそうであるだろうと思いますのに、この子どもに寄り添って悩みを聴き、一緒に考えてやるということができなかったのだとしたら、それを妨げていたものは一体何だったのであろうかということを、是非、審議会の学校等の対応に関するところで、議論していただきたいと思います。先生方は、どの子どもたちにも楽しい学校生活を送ってほしいと思っていると思いますし、幸せであってほしいと思っている。それにもかかわらず、できなかった。それはなぜか。妨げているものは何かということを明らかにしていただきたいと思います。
 また、子どもたちの方の苦しい思い、周りの子どもたちも、何かしなきゃいけないと思っていながらできないでいた。そこに言えない雰囲気があったとしたら、それは何なのか。言いにくい雰囲気、先生に言えないような雰囲気ですね、そういうものは何だったのか。それが何か分かれば、二度と起きないように何ができるのかということも分かると思いますので、解明していただきたいと思います。
 私からの質問としましては、恐らく学校もこの事案を大変深刻に受け止められて、何らかの取組をされているのではないかと思いますので、当該校でのいじめなどについての取組、何らかの取組をされておられましたら、お聞きしたいということと、このようなことが他の学校でも起きないようにしなければならないということから、今、教育委員会としてどのような取組や指導を行っておられるのかということについて、お聞きしたいと思います。

生徒指導課長

 まず、当該校におきましては、この度の事案を受けて、すぐに教職員の中でできる限りの反省をし、子どもたちの悩みや声を聴こうという取組を始めております。まずは、急きょ2人ほど教職員を派遣し、子どもたちの声が少しでも多く聴けるような体制を取っております。日ごろの子どもたちの様子に目を配り、悩みについてもより深く聴けるような体制の中で、子どもの目線に沿った取組というのが、今、始まっており、今後もそれが続いていくと見ております。これが当該校の取組になろうかと思います。
 教育委員会の取組としましては、8月の下旬に教育長より全市の校長等に対して、まずは教職員のいじめに対する感度を高めようということを伝え、感度を高めていく中で、先生が一人で抱えないように、いかに校内のいじめ防止委員会を機能させるか、しっかり委員会を開いていくように、ということを中心に話をされました。これについては、校長会が開催される度に、私からも毎回お話をして、お願いをしているところであります。
 また、どういうものがいじめなのかということについては、校長先生から教員に伝えていただきたいと考えておりますので、こういった事例がありましたというのを、実例を挙げて校長会で伝えるようにしています。いじめの見逃しがゼロになるようにということで、その辺りを中心に、今、やっております。
 これだけの状況が分かってまいりましたので、本当に学校の状況はどうだったのかということがあります。校内のいじめ防止委員会の様子はどうだったのかということについては、審議会の調査結果を待つのではなく、調査を始めておりまして、改めて自分たちが何をするべきだったのかということをしっかり見詰め直して、教育委員会としても進めているところでございます。
 お答えになっていないかもしれませんが、今、やっていることについていくつかお話をさせていただきました。

鈴木委員

 やはり、人の心の痛みが分かるということが大事だろうと思います。それは子ども同士もそうですが、先生から子どもに対してもそうですし、先生同士もそうだと思いますので、いろいろな状況の中で、人の心の痛みを感じられるような子どもを育てる、あるいは学校の体制を作るということをしていただきたいと思います。以上です。

秋田委員

 小学校のときからそういう素地があって、中学1年、2年、3年と続いていたということですね。小学校から中学校に変わったときに、他の小学校からもその中学校に行ったということで、環境が多少変わったと思うのに、小学校での素地がそのまま中学校でも引き継がれてしまったという点が、本当に不幸だと思いますし、中学校になっても3年間の間にクラス替えがあったのに、それも環境が変わっても、より深刻化していったという点があり、どうして止められなかったのかというところを、是非、確認していただきたいと思います。
 小・中学校の教員の連絡会の話もありましたが、やはり小学校のときは担任の先生がじっくり見ることができるけれども、中学校になると担任の先生というのは教科制になるので、見る時間が少ない。だからこそ、小・中学校の連携と、中学校の担任と教科の先生との連携というのが、非常に重要になると思います。そこら辺りをどのようにされていたのかをじっくり見ていただきたいと思います。
 保護者の方が学校に伝えていたのに、どうして止められなかったのかという点については、非常に重要だと思います。今後、学校の対応や因果関係については調査されるということですので、その結果を待ちたいと思いますけれども、ただ、やはり「死ね」に代表される脅し文句とか、机を引き離されるとか、そういったことは、される側からしたら本当に苦痛以外の何ものでもない。それが段々ましになるのではなくて、深刻化してしまったというところが、本当に悲しい思いでいっぱいです。授業中もあったということが書かれているのですが、授業中にそういうことがあって教員がそれを見たときに、どういう顔をしているかというのは、子どもたちはよく見ていると思うのです。そこで対応されないと、教員の方もそれを黙認したようになります。加害者側からするとそれは、何か認めてもらったような気持ちになるかもしれないし、被害者側からすると、もう誰に頼っていいのか分からないというような状況だろうと思うので、学校側のその時々の対応というものを、本当に細かく確認していただきたいと思います。以上です。

溝部委員

 学校、そして教育委員会の在り方のようなところで、4点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目ですが、新聞報道によると、当該学校がコメントの中で、いじめを見抜くことができなかった、あるいは認識の甘さがあったと述べている点です。私は、ここにいじめ対策の重要なポイントがあると思っています。亡くなった生徒も保護者も何度も伝えたとありますし、からかいや悪口・暴言があったとあります。それでいじめを見抜けないというのは、一体どういうことなのか理解ができません。もちろん、教師はからかいや悪口・暴言がいじめの一つであることは理解しているはずだと思っています。したがって、認識に甘さがあったというようなコメントは非常に不思議に思っていまして、そうではなくて、なぜ認識が甘くなったのかということです。認識が甘くなったのは事実ですので、なぜ認識が甘くなってしまったのか、その背景とか学校全体の様子とか、人的や物的な環境を含めて、なぜ甘くなったのか、そこを説明し、解明していく必要があると思います。これは恐らく審議会で解明されると思いますが、当該学校と教育委員会は当事者なので、なぜ認識が甘くなったのかというところを自ら明らかにしていくことが、今後、広島市全体のいじめの早期発見、早期対策のポイントになると考えています。
 2点目は、いじめの早期発見のためにこれまで学校が実施していましたアンケートについてです。いじめの早期発見のために、学校によって頻度は違うと思いますが、大体月1回程度実施していたアンケートは、当該学校の場合は一体どのようなものだったのかと思っています。新聞報道なので事実かどうか分かりませんが、7月の直前のアンケートでは、本人からいじめについては記されていなかったとありました。中学校3年間ずっとアンケートを取っていたと思いますので、その間、周りの生徒からも、このようなアンケートからも、あるいはアンケートだけではなく生徒指導上のいろいろな出来事の中でも、このいじめというのは上がってこなかったのだろうかというところです。とても不思議に思っています。もし、この3年間やり続けてきたアンケートの中で、早期発見のためにやってきたアンケートの中で、いじめの発見ができなかったというのであれば、こういうアンケートをすることが逆に問題を見えにくくしていたということがあるのではないかと思います。というのは、教育委員会議でも何回もこのアンケートについては話し合ったような気がするのですが、アンケートを実施した結果、いじめが出てこなかったということになると、教師の側は、他にもすることが沢山あるので、少し安心してしまう。いじめはまだ無いね、今のところ無いね、と安心してしまうというような懸念もあるのではないかと思います。したがって、いじめの早期発見のために全学校が取り組んでいるアンケートについて、もう一度、その内容や取り方、タイミング、書かれていることの読取り方について、今すぐにでも見直しや検討が必要なのではないかと思っています。是非、教育委員会が学校と一緒に取り組んでいただければと思っています。
 3点目は、いじめがあった場合は学校から教育委員会へ報告をするように指示が出ている点についてです。当該学校からは、この3年間、教育委員会へいじめの報告は行われていないと聞いています。教育委員会は各学校へ、いじめがあった場合はその報告をするようにと指示をしているのですが、ここにも何か課題があるのではないかと思っています。つまり、各学校からのいじめの報告、報告すべき内容とか、報告の在り方とか、報告のさせ方とか、そういうことを、教育委員会としてはしっかり見直していく必要があるのではないかと思っています。
 以上の3点が、学校と教育委員会に関する意見なのですが、最後に、当該学校の生徒たちのことを心配しています。こんなにマスコミに出ていますし、ずっと続いていることでもありますし、大変落ち着かない状況であろうということを心配しています。ここから先は、本当にお願いというか、私の思いなのですが、学校の果たす役割ということを今一度考えてほしい。学校というところは、何が正しいのか、何がいけないのかを教えて導くところなのです。学校、あるいは教師というのは、この中学生という多感な成長期の子どもたちに、どのように正しく生きていくのか、どういう人間を目指していくのかという、命の種ですね、そういうものをしっかりまいてほしいと願っています。そのことで、中学生自身が自分の生き方を考えて、未来に希望を持って学んでいけるような授業や取組を、学校だけではなくて、教育委員会と学校が一体となって、今後、進めていきたいと願っているところです。以上、意見です。

井内委員

 先ほど申し上げたことに続けて言うならば、当該校だけを責めるつもりはないのですが、やはり先生方が、今、どのように受け止めて、自分たちの何が間違っていたのか、何を怠っていたのか、まずはそういうことに対する反省をきちんとしていただいて、その上で制度上何に問題点があるのか、単にスクールカウンセラーを増やしましたとか、何々を増やしましたとか、そういうことではない問題の方が大きいのではないかと感じるので、それは正にいじめ対策の本質に関わってくるのだろうと思うのですが、そこのところを、今回の事件に関わられた先生方にまずはきちんとした報告をしていただきたいと思うのです。我々も一緒に考えます。我々も責任なしとは言いません。ものすごく責任があると思っていますので、本当に何が抜けていたのかということを、お互いの立場で率直に意見交換をして、今後、我々自身も検討していきたいと思っています。
 正に、溝部委員が言われたことでそうだなと思うのは、学校の役割というのをもう一度考えるべきですよね。いかに子どものことだ、中学生だと言っても、他人に対して「死ね」だとか、そういう言葉が言えますか。面と向かってそういうことが平気で言える子がいるということ自身がすごく怖いなと私自身は感じます。だが、そうなった理由というのが一体何なのか、それはただ単に学校の責任だけではないかもしれないですが、家庭も社会も、全ての方に警鐘を鳴らせるような、きちんとした原因の深掘りを、是非、これを機会にやらないと、単に制度を作りました、単に学校にこういう人員を配置しましたということでは解決できない問題が、今回、我々に突き付けられているのではないかと感じています。意見です。

秋田委員

 子どものSOSの出し方についてですが、東京都足立区ではSOSの出し方の特別授業を実施していると聞いていますので、今後、そういう授業を実施することも考えていくべきではないかと思います。広島弁護士会でも、いじめの出前授業を実施していますので、いじめのいろいろな兆候が現れたときに、早めにそういう出前授業を実施するなどの対応を、今後、是非考えていただきたいと思います。

糸山教育長

 最後に私の方からも、一言申し上げさせていただきたいと思います。
 まずは、多くの委員からも出ましたが、亡くなられたお子さんの心を本当に深く傷付けるいじめがあった、しかもこれは長期的、継続的に行われていたということで、本当に胸が苦しくなる思いで、これは皆さん同じだと思います。
 また、御遺族のコメントも事務局から紹介いたしました。コメントに接して、我々としても本当に重く受け止めなければならない。また、こういういじめを防ぐことができなかったというのは、教育長としてもそうですし、委員の皆さん方としても、やはりそこがもう少しできていればという思いをお持ちだと思います。防げなかったということについては、私は率直におわびしたいと思います。
 既にいろいろとお話が出ました。いじめ対策を局面で分ければ、よく言われる早期発見、早期対応ということがあります。その点で言えば、まずは早期発見の前の段階で、学校のいじめの認識はどうだったのだろうか、教員のいじめに対する感度であるとか反応の仕方ということはどうだったのだろうかということも当然ありますし、もう一つはやはりいじめられている子どもへの寄り添い方としてどうだったかということもあります。また、見つけた後の組織的な対応はどうだったのかということもありますが、これもまた皆さんから御指摘のありましたとおり、仕組みとしては提示をしている、一応こういう格好でやりましょうということはやっているのですが、それが機能していない。それはなぜだろうか明らかにしてほしいということも、皆さんおっしゃいました。その中には、教育委員会事務局として制度を作っていった側と実際に運用する学校現場との何らかのずれがあるということがあります。そういったこともきちんと明らかにしていく必要があります。
 そして、早期発見、早期対応以外に皆さんから出ました御意見として、いじめの未然防止と言いますか、いじめを生まない風土ということがあります。私もやはり皆さんと同じで、子どもたちには痛みが分かるというか、思いやりの心を育んでほしい。そして何かあったときには先生に相談してみようと思う、そういう生徒と教員との信頼関係の構築というような、基本に立ち返った取組も、是非、進めていかなければならないと思います。
 学校の個別の詳細な調査はまだ続きますので、その調査結果を待たなければ対応できないものもありますが、私とすれば、可能なものから速やかに取り組んでいくという姿勢で臨んでいきたいと思っております。
 また、先ほど事務局から説明がありましたように、年度末くらいを目途に学校等の対応について中間的な報告をまとめたいという審議会会長の思いがあります。そうした中間的な報告の取りまとめ結果であるとか、さらにはその次の段階の答申を受けて、万全な対策を講じていくという姿勢で臨んでいきたいと思いますので、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、この件については、以上といたします。
 次の、議題2は、先ほどお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係の方は退席をお願いいたします。

 (非公開部分省略)

糸山教育長

 本日の議題は、全て終了いたしました。
 これをもって、平成30年第2回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。

7 議決事項

議案番号 件名 議決結果
4 教職員の人事について 原案可決

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