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平成28年第11回教育委員会議(9月定例会)会議録

平成28年第11回広島市教育委員会議会議録

 平成28年9月30日(金曜日)、平成28年第11回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午後1時30分
  • 閉会 午後3時20分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 隅田 一成
  • 青少年育成部長 荒瀬 尚美
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 総務課長 谷 康宣
  • 施設課長 吉川 保
  • 育成課長 蓼原 清道
  • 放課後対策課長 金森 禎士
  • 教職員課長 梶田 英之
  • 教職員課服務・健康管理担当課長 花岡 潔
  • 生徒指導課長 山崎 哲男
  • 生涯学習課長 笹口八恵美

4 傍聴者等

 1名

5 議事日程

  • 議題1 教職員の人事について(議案)【非公開】
  • 議題2 青少年交流事業の開催結果について(報告)
  • 議題3 平成27年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について(報告)
  • 議題4 市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について(代決報告)
  • 議題5 広島市スポーツ推進審議会委員の任命案に対する意見について(議案)【非公開】
  • 議題6 広島市立図書館協議会委員の任命又は委嘱について(議案)【非公開】
  • 議題7 広島市公民館運営審議会委員の任命又は委嘱について(議案)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催いたします。
 本日は、傍聴の方は現時点ではいらっしゃいません。
 本日は、藤本委員と尾形委員が、途中からの出席となりますが、定足数は満たしております。
 また、教育長の職務代行者は、教育長の職務代行者に関する規則第2条の規定により、教育次長となります。よろしくお願いいたします。
 本日の議事録署名者は、溝部委員と栗栖委員にお願いいたします。
 それでは議事に移りたいと思います。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題1、議題5、議題6及び議題7につきましては、広島市教育委員会会議規則の平成27年改正附則によりなお効力を有するとされる改正前の第7条第1項第4号及び第5号の規定に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認めまして、議題1、議題5、議題6及び議題7につきましては、非公開と決定いたしました。
 では、議題1でございますが、ただ今お諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係、及び関係者以外の方は、退席していただきますようお願いいたします。
 なお、議題1の審議終了後に、議題2、議題3及び議題4の審議を公開で行います。

 (関係者以外退席)


 (非公開部分省略)

 それでは、議事を再開します。
 議題2の「青少年交流事業の開催結果について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、育成課長から説明を受けたいと思います。よろしくお願いします。

育成課長

 育成課長でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、7月の定例会で概要を御説明させていただきました、青少年交流事業、3事業の開催について、着座にて御報告させていただきます。
 それでは、資料の2ページを御覧ください。
 3事業の共通点は、参加者が寝食を共にしながら、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた意識を高めることであります。
 1番目の「青少年国際平和未来会議」は、高校生相当年齢から25歳まで、2番目の「広島市・大邱広域市青少年交流事業」は、中学生から高校生相当年齢まで、また、3番目の「広島・長崎市児童生徒平和のつどい」は、小学生、中学生でございます。
 それでは、3ページを御覧ください。
 「青少年国際平和未来会議2016」の開催結果ですが、前回と比べて4番の開催場所までは変更ございません。5番の参加者につきましては、参加都市が8都市から6都市に減り、参加人数は30名から43名に増えました。
 それでは、6の主な日程と7の研修会等をスクリーンで写真を映しながら御説明をさせていただきます。写真は、4ページに掲載してあるものと同じでございます。
 それでは、左の写真は5回実施しました事前研修の様子でございます。事前研修は、実行委員全員からの激励、6回にわたる講義で、この講師は大学の先生でございますが、実行委員の4名の方、ボルゴグラード州立大学の先生、広島平和文化センターの理事長でございました。
 また、現地でのプレゼンテーション、文化紹介のパフォーマンス、これは盆踊りとかけん玉の準備もいたしました。右の写真は、出発当日、8月10日の市長訪問で、参加者5人がそれぞれ抱負を述べ、市長から激励の言葉と世界恒久平和を願う鯉のぼりへの署名をいただきました。左の写真は、8月14日の各都市プレゼンテーションで、広島の参加者が交代で広島の紹介をいたしました。右の写真は、8月15日のボルゴグラード州立工科大学の訪問でございます。
 次の左の写真は、8月17日の文化交流の夕べで、井内団長以下、全員浴衣や甚平姿で「それ行けカープ」の盆踊りとけん玉の紹介をいたしまして、他都市の青少年たちも加わり、すばらしい文化交流ができました。
 右の写真は、同日の公式夕食会で、ボルゴグラード市長に対して、井内団長が松井市長のメッセージと広島市立広島工業高校の生徒が製作した銅板の折り鶴を渡されました。世界恒久平和を祈念しながら、生徒たちが銅板で作り上げたことについて、団長が説明しておられます。高校生の平和への熱い思いがこもった銅板折り鶴を世界に飛び立たせようとの団長の御発案でございます。この銅板折り鶴は認知度が上がり、例年、数羽から50羽の製作注文が来ており、今年は8月末現在で100羽を超えたことが、先日新聞で報道されたところでございます。
 次の左の写真は、8月18日のグループ討議、右の写真は、その成果発表の様子です。広島の青少年も活躍をしております。未来会議の核心であるグループ討議は、8月15日から5グループに分かれ、世界平和の実現に向けて努力すべきこと、目指すべき方向性などについて論議を重ね、18日にグループ討議の成果を発表し、みんなで成果を確認いたしました。
 次の左の写真がちょっと見えにくいのですが、本会議のまとめとして発表された共同コミュニケであります。プログラムを通して学んだことをあらゆる機会を捉えて発信し続けることなど、8項目をうたっております。
 右の写真は、250名以上の来場者を得て、9月11日に開催されました「ボルゴグラードの日」の様子です。事業後の取組として、事業報告のパネル展示とあわせて、来場者の方々に鯉のぼりの署名活動を呼びかけました。
 両方とも同じパネル展の様子ですが、来場者に対して自らの経験を真剣に伝え、右側の写真ですが、来場された松井市長も熱心に視察されました。
 また、写真はございませんが、8月11日から13日までホームステイも経験させていただきました。
 資料の4ページを御覧ください。
 成果の部分でございますが、6カ国7都市から参加した青少年が寝食を共にし、平和の大切さについて考え、世界恒久平和構築のためにディスカッションを行い、共同コミュニケをまとめて発表しました。参加青少年は、それぞれの価値観や立場の違いを認め合い、共に納得できる方向性を導き出しながら、友情と相互理解を深めることができ、グローバル人材育成につながったと考えています。9番の事業後の取組についても力を注いでまいります。
 次に、5ページの「2016広島市・大邱広域市青少年交流事業」の開催結果を御覧ください。5の参加者までは変更ございません。
 それでは、6の主な日程と7の研修会等を、また写真を映しながら御説明をさせていただきます。
 左の写真は、6月12日の結団式で、右の写真は、その後の事前研修会でございます。合計4回の事前研修を行いました。事前研修会では、交流の経緯、広島、大邱両市の学習、平和学習、また、平和公園の碑めぐり、これは1グループが4カ所から5カ所を回るということで、事前学習をしました。また、韓国語の学習、パフォーマンスの準備などを行いました。
 次の左の写真は、7月3日の事前研修会で、交流で行うレクリエーションの企画や準備をしているところです。右の写真は、7月29日の開会式で、交流事業がスタートしたところです。左の写真は、7月29日の交流会で、広島市の参加者が司会進行を務め、準備していた3種類のレクリエーションを行いました。右の写真は、その後の班別活動で、5つの班ごとにテーマを決め、日韓の文化比較をしました。テーマは、歌、ファッション、食文化、学校行事、学校生活でした。
 7月29日に、平和記念資料館を見学、慰霊碑に献花、黙祷を、左の写真でございますが、韓国人原爆犠牲者慰霊碑へ献花をしているところであります。右の写真は、その後、班に分かれて碑めぐりを行い、広島市の参加者が英語や韓国語で説明を行っているところです。左の写真は、7月29日の歓迎夕食会で、来賓や団長の挨拶、記念品贈呈の後に、広島側の参加者が一生懸命練習した韓国のダンスであるKポップダンスを披露しているところでございます。右の写真は、7月30日の宮島のもみじ饅頭手焼き体験の様子です。この左の写真は、8月1日に基町高校を訪問し、弓道と剣道をみんなで体験させていただいたものです。右の写真は、個々の班別活動と、まとめの発表会の様子になっております。また、これに写真はありませんが、ホームステイでは、広島の参加青少年のうちの15家族を含む17家族に協力をしていただきました。韓国の青少年とホストファミリーの両方にとって思い出の多い体験となったようです。
 資料の6ページを御覧ください。
 8番の成果でございますが、参加者は、事前研修での韓国語の学習、平和公園の碑めぐりの事前準備、交流会の企画や韓国ダンスの練習など、相手の文化を知ろうと一生懸命に取り組みました。交流期間中も大邱市の参加者を常に気遣い、声掛けをする場面が多く見られ、平和公園では、班ごとにコースを決めて碑めぐりを行い、英語や韓国語でそれぞれについて熱心に説明しました。班別行動では、テーマを決めて文化を比較し、多くの違いがあることを実感することができました。生活を共にしながら交流を進める中で、お互いの国の文化や歴史、生活習慣や考え方について理解を深め、グローバルな視野を広げる契機となり、今後も日韓友好の懸け橋となりたいという意識を醸成することができました。
 9番の事業後の取組についても力を注いでまいります。
 最後に、7ページを御覧ください。
 「平成28年度広島・長崎市児童生徒平和のつどい」の開催結果でございます。これは4番の開催場所まで変更はございません。5の参加者につきましては、広島側が54人から40人に減り、長崎側は50人から53人に増えておりました。
 それでは、6番の主な日程と7番の研修会等を、また写真を映しながら御説明をさせていただきます。
 左の写真の2枚は、7月31日の事前研修の様子で、自己紹介、アイスブレイクの後、スライドや実物大の原子爆弾のポスター、被爆した瓦などを使用して原爆被害や世界の核兵器の保有数などを学習し、また、長崎市の小学生、中学生の平和学習資料を配付するとともに、この事業のために作りましたワークブックを活用しまして、行動目標を設定いたしました。
 次は8月21日の長崎市での平和学習の様子で、左の写真は平和祈念像への献花、右の写真は、原爆落下中心地碑への折り鶴の奉納の様子でございます。左の写真は長崎原爆資料館の見学で、右の写真が市内の探索の様子でございます。左の写真は、平和のつどいの様子でございます。事前に作製したピースキャンドルを灯して、各班の代表者が平和への思いを1つずつ発表いたしました。
 次は、8月28日の事後研修会の様子でございます。長崎に行く前に各自で設定した行動目標の達成度や、今回の訪問を通じて感じたことなどを各班で振り返った後、平和のために取り組んでいくことを話し合い、画用紙にまとめて発表いたしました。友達をたくさんつくる、人を思いやる心を大切にする、平和についてもっと学んでいくなど、身近なところから取り組んで平和につなげていこうという意見が出ました。
 また、資料の8ページにお戻りください。
 成果でございますが、広島・長崎市の児童生徒が平和学習を通して平和意識を醸成し、世界恒久平和の実現に貢献する意欲と態度を育むことができました。また、参加者は、集団生活や体験学習を通じて自主性や社会性を培い、青少年リーダーは指導力や実践力を養うことができました。今回の訪問では、広島から持参した折り鶴を再生した紙粘土を紹介する機会もあり、広島の平和への思いを形として伝えることができ、改めて平和の大切さを長崎市の子どもたちと一緒に考えることができました。長崎市の皆さんには大変心のこもった対応をしていただきまして、来年は迎える側として、プログラムの充実など子ども会ともしっかり協力して充実した事業にしたいと考えております。これまでもそういった気持ちで両市が取り組んできた結果、この事業が40年も続いてきたのだと思います。これは先ほどの大邱市の交流事業も同様のことだと考えております。9番の事業後の取組についても力を注いでまいります。
 以上で、「青少年交流事業」の報告を終わらせていただきます。

井内委員長

 どうもありがとうございました。
 ただ今の説明につきまして、何か御質問等はございませんでしょうか。

溝部委員

 3つとも、すばらしいなと思って拝見いたしました。
 質問ですが、広島・長崎の交流が40年続いていますが、主な参加団体が子ども会育成協議会と子ども会連合会で、ちょっとはっきりしませんが、昨年よりも広島市の子どもたちの参加が少なくなったとおっしゃられたように思いますが、子ども会はどの学区も子どもたちが集まりにくく、子ども会の運営がなかなか難しい時代になったと聞いています。このように、子ども会を続けていくというのは非常に御苦労でしょうし、すばらしいなと思っています。
 それで、人数が減ってきたということについては、何か難しい事情があって少なくなっているのか、それとも今年はこういう人数でいったのかというところが質問でございます。

育成課長

 先ほどちょっと人数が減りましたと申し上げましたのは、昨年の比較というよりは、7月の教育委員会議で報告したときに予定人数を想定していましたが、募集してみたら、そこまで人数がいかなかったということでございます。確かに子ども会の加入率も減ってきておりますが、この事業につきましては参加者を積極的に募集していただいており、場合によっては、担当区が担当区以外の区と連携しながら頑張っていただいております。もちろん広島市教育委員会もいろいろな区と連携していきながら、これからも、この良い事業が続いていくように頑張っていきたいと思っております。

溝部委員

 そうですね、何か子ども会が難しいという話はよく聞くので、是非、支援の方向を探っていただければうれしいなと思っています。

育成課長

 ありがとうございます。

栗栖委員

 3つとも対象参加者が、大学生、中学生、小学生と、それぞれ非常にすばらしい取組をしておられますので、引き続きお願いしたいと思います。
 1つ参考までに教えてもらいたいのですが、最初の青少年国際平和未来会議というのは、各国の方々の参加者を得られているのですが、最後に共同コミュニケをまとめて発表したと書いてあります。こういう各国の若い方を集められて、どんなコミュニケを発表されたのか、概略というのは分かりますでしょうか。

育成課長

 グループに分かれまして、何日間か討議していって、例えば、会議を通じて学んだこと、感じたことをプレゼンテーション、インターネットなどを通じて発信していくこと、平和がいかに重要で差別がいかに愚かであることを粘り強く訴えていくことなど、8項目について共同声明を発表しました。昨年でいえば、例えばSNS等を使って世界に伝えていくことなどを発表しました。

栗栖委員

 基本的には、平和に関して議論をしたことをまとめられたという、そんなイメージになるのですか。

育成課長

 はい。平和を構築していくために、いろいろなことを含めて、その年によって、青少年が討議をした内容を箇条書きにしていっております。

井内委員長

 ちょっと加えますと、基本的には、やはり世界平和のために、若い人たちが何ができるかという話をしたときに、毎年違った切り口から議論はするのですが、最終的に帰結していくところは、相互理解と寛容の精神ということになります。だから、やはり交流を密にして、お互いの生活等々に触れて学ぶということが大事で、生活習慣が違うことについてお互いに認め合う、そのことから差別をなくすことへつながっていくというところに話が行くわけです。具体的に何をするかということについては、毎回いろいろな提案が出るので、それを挙げて箇条書きにしているというところだと思います。
 今年の場合は、参加の国数がちょっと少なかったのです。やはりアジアからボルゴグラードまで行くというのは大変です。広島でやるとアジアの国になりますし、ヨーロッパでやると、やはりヨーロッパの国が中心という格好にならざるを得ません。昨年は特別で、ちょうど被爆70周年ということもあって、広島市から特別な予算も出ましたので、参加のための旅費を負担してあげると、過去の参加者もかなり協力してくれました。
 それから、現地までの交通費はそれぞれの都市の経費として自己負担で来るわけですが、向こうに滞在している間はその都市の負担になりますので、そういう経費上の問題があります。
 そうした中で、いつもたくさん参加いただいていますが、集まってきた人たちは、それこそ代表ですし、それなりの責任感というものがありますので、十分議論すると同時に、それらのことを持って帰りなさいということを常々言っております。

栗栖委員

 ありがとうございます。

鈴木委員

 質問というより感想になるかと思いますが、子どもたちの写真を見せていただきますと、最初の頃は何をしていいか分からないようなぎこちない態度であったのが、最後のパネルの説明であるとか、発表のところになると、生き生きと顔を上げて言っている姿がよく見えて、主体化が進んだとか、自分たちで友好の懸け橋になろうと考えたとかいったことが分かりました。
 特にいいなと思うのは、資料や感想、子どもの声をホームページで公開されるということで、これが広島の子どもたちの特徴であり、強みであり、いいところだと思いますので、宣伝をしていただきたいなと思いますが、次回からは、開催結果の最後の辺りに、感想を幾つか入れておいていただけると、子どもの声として理解ができますので、私も見ればいいのですが、そういうふうに思いました。子どもたちがグローバル人材育成につながったということを自分の言葉でどういうふうに思っているのか、日韓友好の懸け橋というのが、また韓国に行ってみたいというようなことなのか、自分こそが主体となりたいというような意味なのかみたいなことを、子どもの言葉で理解できるといいのかなと思いました。長く続けるのにはいろいろと御苦労もあると思いますが、続けているということは、その子たちが大人になったときに、その経験を持った大人が増えるということになります。広島市の平和、世界平和の実現という理念にもかなっていくと思いますので、是非、長く続けていただければと思います。

育成課長

 自分の言葉で感想を書いていただくということについて、そのようにしていきたいと思います。

井内委員長

 他はよろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次に進ませていただきます。
 議題3の「平成27年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について」を議題といたします。
 本件は、報告案件でございます。内容につきまして、生徒指導課長から説明を受けます。
 よろしくお願いします。

生徒指導課長

 よろしくお願いします。座って説明をさせていただきます。
 それでは、議題3、「平成27年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況について」、報告させていただきます。
 資料の9ページをお開きください。
 不登校、いじめ、暴力行為の状況は、文部科学省の調査に基づいて取りまとめたものであります。この調査は、各学校から提出されたデータを生徒指導課で集計しまして、広島県教育委員会を経由して文部科学省に提出されたデータでございます。今後、文部科学省は、全校の都道府県のデータを集計して10月下旬に公開する予定となっています。なお、広島県教育委員会は、9月9日に広島県全体の状況について公表しております。
 まず、1の不登校の状況でございますが、平成27年度の不登校児童生徒数は、小学校では268人、これは在校児童生徒数の割合でいいますと0.41%で、およそ243人に1人となっています。中学校では699人で割合は2.39%、およそ42人に1人となります。高等学校では39人で割合は0.66%、およそ152人に1人となっています。小・中・高等学校の不登校児童生徒数の合計は1,006人でございまして、前年度と比較して28人減少した状況となっております。
 続きまして、資料の10ページをお開きください。資料の10ページは、2のいじめの状況、そして3の暴力行為の状況について書いています。
 まず、2のいじめの状況でございますが、いじめとは、そこに書いてありますように、当該児童生徒が、一定の人的関係にある者から、心理的又は物理的な影響を与える行為を受けたことにより、心身の苦痛を感じているものということであります。表のところを見ていただければと思いますが、平成27年度認知件数は、小学校で363件、中学校で201件、高等学校で12件、合計576件でございまして、前年度と比較しまして103件減少しております。
 3の暴力行為の状況でございますが、平成27年度の暴力行為の発生件数は、小学校で201件、中学校で194件、高等学校では5件と合計400件でございまして、小・中・高等学校の暴力行為の発生件数の合計は、前年度と比較しまして155件減少しております。
 これら不登校、いじめ、暴力行為の状況の詳細につきましては、別冊になりますが、基礎資料に示しておりますので、本日は、これから特徴的な部分について別冊の資料を説明させていただきたいと思います。
 基礎資料でございます。まず、不登校から説明させていただきます。
 基礎資料の1ページを御覧ください。
 中段にあります2の不登校児童生徒数の推移ですが、グラフの一番上の合計を御覧ください。平成20年度の不登校児童生徒数の1,221人をピークとしまして、なだらかな減少傾向が見られます。
 2ページを見ていただければと思いますが、3の学年別不登校人数ですが、学年が進むにつれて不登校児童生徒数が増加し、特に小6から中1にかけて増え幅が大きく、中1から中3にかけてさらに増加しております。下の4の欠席日数別人数でございますが、70日以上の児童生徒数は757人で、前年度の723人と比較して34人増加しております。
 資料の3ページから5ページにつきましては、不登校の要因について整理しておりますが、下の段に、それぞれ表に、小学校、中学校、高等学校となっています。まず、不登校の要因の分類別でいいますと、「不安」が最も大きく、次いで「無気力」になっています。高等学校の合計数につきましては、「無気力」が多くて、次いで「不安」になっています。その横に、学校に係る状況とあって、これは複数回答になっていますが、小・中学校ともに「学業の不振」が最も多く、次いで、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が多くなっています。高等学校では、「学業の不振」が最も多く、次いで、「入学、転編入学、進級時の不適応」となっています。また、不登校の要因の家庭の生活環境の急激な変化、親子関係をめぐる問題、家庭内不和等の家庭環境に係る状況を挙げる児童生徒数は、小学校では179人、66.8%、中学校では293人、41.9%、高等学校では10人、25.6%となっております。
 続きまして、6ページの9のところに、「登校する・できるようになった」児童生徒に対して、特に効果のあった学校の措置でございますが、下の表の下から6番目、「電話や迎えなどによる登校支援」が77件で最も多く、次いで、「スクールカウンセラー等による専門的な相談」が70件、「家庭訪問による相談・支援」が64件となっています。
 以上、不登校の状況について説明させていただきましたが、不登校の要因といたしまして、本人が抱える無気力や不安の心理的要素に加えて、友人関係をめぐる問題であるとか、学業の不振、さらに家庭環境に係る要因など、複数の要因が重なり合っているということが考えられます。
 今後の対応、対策でございますが、不登校児童生徒への支援としては、4点の取組を進めてまいりたいと考えています。1点目が、無気力や不安など、本人の心理的要素に対してスクールカウンセラーと一層の連携を図り、早期に適切な支援が行えるよう小学校のスクールカウンセラーの活用強化を検討し、早期支援の充実に努めてまいりたいと思います。また、いじめを除く友人関係をめぐる問題に対しては、子どもの良質な人間関係づくりを促進する「子どもの人間関係推進プログラム」を一層推進してまいりたいと思います。学業の不振に対しては、児童生徒の基礎・基本の学力を確実に定着させるとともに、自ら学び、自ら考えることができるように、授業改善推進校におきまして、「わかる」、「できる」を実感する授業に関する実践研究を進めて、その成果を全校に普及してまいりたいと思います。家庭環境に係る要因に対しましては、スクールソーシャルワーカーを中心として、児童生徒の生活環境などの状況を把握して、関係機関と連携を図りながら、不登校の改善に継続して取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、いじめのことについて説明させていただきます。
 資料の12ページをお開きください。
 1のいじめの認知件数の推移でございますが、平成25年9月に「いじめ防止対策推進法」が施行されまして、いじめの定義が変更になったため、平成25年度と平成24年度の間に破線を入れております。いじめの認知件数としましては、平成27年度、小・中・高等学校を合わせて576件、前年度の679件と比較して103件減少しております。
 13ページはいじめの発見のきっかけでございますが、表の上から7行目にあります「当該児童生徒の保護者からの訴え」が182件と最も多く、次いで、「学級担任が発見」、「本人からの訴え」がいずれも111件となっております。
 次に、14ページの4で、いじめられた児童生徒の相談の状況でございますが、表の一番上の「学級担任に相談」が376件と最も多く、次いで、「保護者や家族等に相談」355件、「学級担任・養護教諭・スクールカウンセラー等の相談員以外に相談」ということが102件、「誰にも相談していない」というのが46件となっております。いじめを受けて、一人で抱え込んでしまっているケースというのも多く見受けられました。
 16ページでございますが、6のいじめの対応状況で(1)のいじめる児童生徒への特別な対応ですが、昨年度までは、いじめる児童生徒への対応ということで調査していましたが、今年度、国が、学級担任や他の教員が状況を聞く、担任が指導するなどの当たり前の部分については削除し、「スクールカウンセラー等の相談員がカウンセリングを行う」、「学級替え」などの特別な対応に限定したものになっています。いじめる児童生徒への特別な対応ですが、「保護者への報告」が465件で最も多く、次いで、「いじめられた児童生徒やその保護者に対する謝罪の指導」が204件、「別室指導」が143件となっております。
 20ページ、7のいじめの現在の状況でございますが、これは平成27年度に認知したいじめについて集計したデータでございます。表の一番上にありますように、「解消しているもの」が、小学校で363件のうち275件、中学校で201件のうち166件となっております。これに表の2番目の「一定の解消が図られたが、継続支援中」のものを含めますと、小学校では275件に74件を加えて合計349件、中学校では、166件に28件を加えた合計194件が解消した状況になっています。「解消に向けて取組中」が、小学校で12件、中学校2件ございますが、これにつきましては、今年度6月時点で各学校から聞き取りを行い、一度は全てのいじめが解消、収束されている状況を確認し、現在も見守りを続けているということを確認しております。
 以上、平成27年度のいじめの状況について説明させていただきました。平成27年度のいじめの認知件数は減少しておりますが、教育委員会といたしましては、認知件数の増減よりも、いじめをいかに早期に発見し、一つ一つのいじめに対して迅速かつ適切に対応していくことが最も重要だと考えております。今回の調査で、いじめを受けた子どもたちが、誰にも相談できず一人で抱え込んでいた子どもが46人いたということを重く受け止めまして、いじめを受けた全ての子どもが相談できるような学校の教育相談体制の充実を図る必要があると考えております。
 こうしたことから、教育委員会としましては、引き続き、次の4点について各学校を指導してまいります。1点目は、いじめの未然防止、早期発見、早期対応を学校全体で一致協力のもとで行うこと、2点目は、児童生徒の主体的ないじめ防止に向けた取組の充実を図ること、3点目は、児童生徒との信頼関係づくりに努めて、子どもが教職員にいつでも相談できる体制を確立する、4点目は、いじめの実態や学校の方針について保護者や地域に積極的に情報を提供し連携を図ること。以上、4点について、今後も各学校において取組の充実を図り、いじめの問題の解決に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
 さらに、平成26年3月に策定しました「広島市いじめ防止等のための基本方針」に基づき、広島市立の学校において、いじめ防止等の対策を総合的かつ効果的に推進して、いじめ対策に万全を期してまいりたいと考えています。
 続きまして、暴力行為について説明させていただきます。
 暴力行為の状況につきましては、23ページからになります。暴力行為の発生件数でございますが、平成27年度、小学校では201件の暴力行為が発生しておりまして、前年度の183件と比較しまして18件増加しております。次に、中学校の暴力行為は、平成27年度に194件発生しておりまして、前年度の367件と比較して173件減少しております。
 25ページの3-2、学年・男女別加害児童生徒数の実人数でございますが、平成27年度の小学生の暴力行為の加害児童生徒数は188人で、前年度の175人と比較して13人増加しています。また、中学生の暴力行為の加害児童生徒数は172人で、前年度の327人と比較して155人減少しております。
 小学校の暴力行為が増加した要因でございますが、今回の調査で、平成26年度と比較して暴力行為が3件以上増加している学校、及び連続して5件以上の暴力行為を計上している学校13校に聞き取りを行い、次のような要因があるとの回答がありました。
 1点目は、ささいなことで感情的になって暴力行為に至る子どもが増加している。2点目は、発達障害又はその疑いがある児童が自分の感情をうまくコントロールできず、暴力行為を起こす、あるいは、繰り返す傾向が見られる。また3点目としては、平成25年度から全ての小学校で生徒指導主事を配置したことによって、生徒指導主事を中心として組織的に対応できるようになって、ささいな暴力行為、今まで担任だけで止まっていたところをきちんと問題視し、管理職まで報告し、組織的に取り組む体制が構築されているという回答がありました。
 また、小学校で暴力行為が平成26年度と比較して3件以上減少した学校9校に、暴力行為の減少に向けた学校の効果的な取組について聞き取りを行いまして、効果的な取組ということで3点の回答がありました。
 1点目は、スクールカウンセラーを交えたケース会議を開催し、個別の支援計画を作成し支援するとともに、本人や保護者にカウンセリングを行った。2点目は、スクールソーシャルワーカーが介入して医療機関等の関係機関と連携する。また3点目として、中学校と連携して、問題行動対応規程等、学校のルールを小学校、中学校で明確にして、教員が統一して指導できるようになったという回答がありました。
 このことから、小学校の暴力行為の対応といたしましては、引き続き、全ての小学校に配置した生徒指導主事を中心とした生徒指導体制の充実を図ることができるように、学校への指導を徹底するとともに、暴力行為を繰り返す児童への支援のため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携して、個に応じた支援の充実、そして中学校と連携などに努めてまいりたいと思います。
 以上で、「平成27年度における不登校、いじめ、暴力行為の状況について」の報告を終わらせていただきます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。

藤本委員

 資料3ページの不登校の要因ですが、学業の不振は、学校において非常に看過できないことであると思うのですが、横軸にある「不安の傾向がある」という、この不安の判断基準はどういったものがあるのですか。

生徒指導課長

 不安の判断基準といたしましては、登校の意思はあるが、漠然とした不安を覚えていて登校しない、できない状況であると、学校が判断すればここに挙げているということになります。

藤本委員

 人間関係というのは、すぐに対応ということは非常に難しいと思われるのですが、学業という視点については、きちんと対応していかなければならないのではないかと思います。
 6ページの9の登校できるようになった児童生徒への特に効果のあった学校の措置の中ほどを見ますと、授業方法の改善や個別指導などが、こういった学業不振に対する直接的な対応なのではないかと思うのですが、それもあまりケースとしてない中で、学業不振に対する対応として何か具体的に考えておられる点があればお聞きしたいというのが1点目です。
 2点目は、暴力行為の関係なのですが、23ページを見ますと、昨年も申し上げましたが、小学校の暴力行為の低年齢化が非常に進んでいる中で、単純計算すると、10年前と比べて10倍となっています。そういった状況にあることの要因として、どういったことを考えておられるか、その点をお聞きしたいと思います。

生徒指導課長

 学業の面につきましては、今、委員からありました御指摘のところでいきますと、まず、「ふれあいひろば」や「適応指導教室」を有効に活用して、勉強面の意欲を高める、子どもに寄り添ってできるところを増やしてあげるというような取組、ふれあいひろば推進員や、適応指導教室の指導員等の声かけがより必要であると思います。今後も勉強面での寄り添いというところを強くやっていくことが必要であると考えます。
 もう1点の小学校における暴力行為についてですが、全国的に同じ傾向で、小学校での暴力行為の増加傾向があります。傾向を分析すると、3年生、4年生の暴力行為が以前より増えてきているようでございます。文科省の分析では、例えば体育の中でゲームをやって、それに負けたから他の子を叩くなど、ちょっとしたことで我慢できず暴力行為を行うことが増えているのではないかと考えます。また、本市の小学校において、暴力行為は増加はしているのですが、全国と比較しますと、3年生、4年生の増加の割合と5年生、6年生の増加の割合は、全国に比べ少し低い状況になっています。
 全国的に見ますと、3年生、4年生から5年生、6年生については倍、さらに1.5倍というような形で増加している中で、広島市は増加が少し抑えられているのかなと思います。その要因については、小学校の3年生、4年生の暴力行為については、学校は保護者と一緒によく話をして、スクールカウンセラーと面談し、子どもをどうやって支援していくか計画をしていくということで、繰り返し暴力行為を起こしていないという特徴があると考えております。そういったところをもう少し分析しながら、スクールカウンセラーの支援の在り方について検討し、個別の支援計画を広めていく必要があると考えております。

藤本委員

 件数に上がってくる前に、予防という観点から見ますと、学業不振についても、不登校になってから、そういった「ふれあいひろば」で対応するというのは、やはり後ろ手の対応になると思います。これは、生徒指導課の所管というよりは、むしろ指導第一課との連携が非常に重要になってくると思いますが、そのようになる前の段階で対応を検討すれば数字として表れてくるのではないかと思います。
 また、暴力行為についても、3、4年生からの対応において、そういう効果があるのであれば、1、2年生の低学年の段階でそういった個別の指導計画などをもう少し充実させるような形で、予防のためにどうすればいいのかという手立ての部分も御検討いただけたらと思いました。以上です。

生徒指導課長

 分かりました。これについては、関係課とともに事前の取組として、検討していきたいと思います。ありがとうございました。

鈴木委員

 全体から見ると、いじめと暴力は減少傾向にあり、今やられていることの効果が出てきているのかなと思いました。
 2ページを見ますと、中学校で不登校の人数が多いのは何とかしなければならない問題であると思います。私の経験からお話をさせていただきますと、適応指導教室の子どもが急激に変わったということがあり、それはキャリア教育といいますか、職業で夢が持てたといいますか、ある職業の場に行って、その職場の人が、自分は親を見て、こういうふうになりたいと思い、勉強したいと思うようになったという話をしてくださって、実際、職業体験をしたのですね。それまで本当に適応指導教室しか行けなかった子どもだったのですが、高校に行こうと思うようになって、受験勉強をし、実際に変わっていったという例が幾つもありまして、職業教育とのタイアップが効果的ではないかという調査結果みたいなものがあります。
 職業教育に直結していなくても、今進めている新しいタイプの学校などで、今までとは違う進路が見えてきました。先ほど言われました、学業の不振があって勉強ができない、学校に行ってもおもしろくないと思っていた子どもたちが、違う進路があると思うと、またやる気も出てくるのではないかという気がします。職業教育、キャリア教育等、キャリアアップを考えてみたらいいのではないかと思ったのですが、それについて何かされているといいますか、そういう考えはおありでしょうか。

生徒指導課長

 正に言われるとおり、是非進めていこうというところがありまして、実際に各学校にありますふれあいひろば、そして進路指導主事に、新しいタイプの高校の構想やいろいろ学べる機会という資料の情報提供はしております。ただ、提供はしているのですが、一人一人の子どもについてきちっと進路指導主事が説明している、保護者に寄り添ってしているかということになりますと、そこまではしっかりできていない、まだ弱いところがあるのかなと思います。その辺りは、指導第二課も進路指導主事等と連携し、本人や保護者に寄り添って、御家庭に担任だけではなく、複数の教員で訪問し、新しいタイプの高校の資料などで進路を選ぶ機会を作るなど、是非行っていきたいと思います。

鈴木委員

 やはり、子どもの視野が狭くなっているのです。学校に行かないことによって出会う人も減っていきますし、暴力やいじめの点に関しても、子どもと触れ合う人が限定されているのです。その人の影響を何度も強く受けていくところがありますので、体験の場とか、もっと違う考えみたいなものに触れ合って、本当によくなろうと思っている、何とかしなきゃいけないと自分では思っていても、なかなか変われない子どもたちに、変わる機会を与えるというのが必要な仕事だろうと思います。難しいことだということは分かりますが、暴力行為やいじめに関わっている友達よりも、別の生き方があるというのをボランティアとか、教育現場、学校とは少し離れた経験なども検討されてみてはどうかと思います。

生徒指導課長

 ありがとうございました。

溝部委員

 質問です。2ページ、不登校のところです。
 私も大学生と関わり始めて、不登校の経験を持って大学に入学している学生がいることを認識しています。その学生たちは、中学校3年間不登校だったとか、高校も通信だったとか、小学校高学年から行けなかったとか、状況や理由はいろいろのようです。そういう状況を経て、大学は単位制ということもあり、入学している学生が少なからずいます。
 私が彼らを見ながら思うことは、大学で学べてよかったと思うとともに、心配しているのは、不登校の時期に学んでおくべき学力が身についていないことや、思春期に人間を学んでいないケースが多いということです。人間関係を学んでいないので、いざ社会に出る、就職活動をするというときに、また難しいというサイクルを繰り返しているなど、もがきながら彼らも努力していますが、そういう意味で、私は不登校というのは本当に根が深く、これは決していいことではなく、早いうちに何とか学校に行ける、集団に戻すという努力をすることが、最終的には社会にちゃんと出れる子になるのではないかと、とても実感してきている状態です。
 2ページで質問と申し上げたのは、高校で顕著に不登校の数字が少ないですが、これは市立の高校のみのデータですよね。だから、中学校で不登校になっている子どもたちが、私立の高校や通信などに行っているのか、そこのところのデータがもう少しあるといいなと思います。中学校の不登校の子どもたちは、この後一体どうしたのかと思っているところです。中学校の子どもたちは本当に多く、毎年入れ替わっているはずなのに、中学校になると数値はそう変わらなく、いつも一定の不登校生徒の数があるということは、やはりここで何か考えないといけないし、何か対策をしなければならないのではないかと希望的に思っています。
 私は、学校は大変努力しておられると思っていて、その意味は何かというと、いろいろな発見をしたり、相談に行っているのは、やはり学級担任がとても多いですよね。それは、先生方が日常の仕事の中で、とても努力しておられる結果であり、大変すごいことだなと思って見ています。不登校の数値が今までと一緒であるというふうに考えないで、何か考えが必要ではないかと思っています。
 6ページですが、その取組の中で成功した例、登校できるようになった、この辺りを見ると、電話や迎えによる登校支援など、非常にシンプルです。これは、担任の先生方や生徒指導主事や校長先生、教頭先生もされているのではないかと、これはありがたいなと思います。もう一つ、スクールカウンセラー等による専門的な相談がとても効果を奏していますが、スクールカウンセラー等による専門的な相談とは何なのか、何をしていただいているのかというところについて、もう少し解明できるとうれしいなと思います。少しでも学校の先生が知ることができれば、また親も端緒が開けるのではないかと思っています。スクールカウンセラーに預けっ放しではなく、何をしてこんなに効果があるのかが見えてくれば、とてもうれしいなと思って、質問をさせていただいたところです。
 それから、いじめのアンケートの件です。いじめの件数がだんだん減ってきていると言えるのではないかと思っているのですが、本当はゼロにしなくてはならないので、引き続き取り組まれていくのだと思うのですが、22ページの学校が直接行った取組の中では、アンケートがトップとなっています。ところが、発見した場面ですが、13ページのいじめの発見のきっかけでは、アンケートがとても少なく、いろいろなところで発見すればいいのですが、アンケートは意外と少ないなと思ったわけです。アンケートをするということが決まって数年経ち、きっと学校も努力しておられると私は信じていますが、形骸化しているところはないだろうか、子どもたちの心にしみるようなアンケートになっていない場合もあるのかもしれないので、その点も少し見直しを図ったり、取り組んでいるのだけれども、どうなのかというところの検証を今一度進めていってくださったらありがたいなと思っております。以上でございます。

生徒指導課長

 先ほどありました、スクールカウンセラーによる専門的な相談ですが、進路面への悩み、友達との悩み等のところで、うまく勉強がいかないときに、例えば、中3でありましたら、今、自分の中で進路について、取り組めない悩みなどについて、スクールカウンセラーが進路指導主事と一緒に家庭訪問することによって、自分の胸の内とか、意欲とか、頑張れる手立てを見つけるというところがあろうかと思います。
 それから、先ほどの2ページのところで、不登校の状況で中3から高1までのお話でありますが、公開等にはなっていないのかもしれませんが、この279名、平成27年度の進路先を追って調査しております。279名のうち全日制の高校に通っている生徒は28名、定時制、通信制、専門学校に通えるようになった生徒が202名、特別支援学校に進学した生徒が2名、就職した生徒が14名、家事手伝いを含めて決まらなかった未定の者が33名という状況になっております。

溝部委員

 ありがとうございます。是非、この辺りで少し深く連携ができるといいなと思いますので、よろしくお願いします。

栗栖委員

 今までの各委員の意見と重なるので、その点については省略させていただくのですが、2点あります。
 まず1点、23ページの暴力行為の状況で、中学校において、平成26年度と平成27年度を比べてみると半減しておりますが、これは何か良い取組があって半減しているのであれば、どういう取組をされたのかを把握し、それが他の中学校に反映できることであれば、反映しながら暴力行為の減少に努めていただきたいと思います。具体的に半減しているのは、中学校でのいろいろな支援や取組によって、中学校そのものが落ち着いてきていると思うのですが、これは非常に良い傾向ではないかと思っております。
 もう1点が、現在、総合教育会議で大綱の策定に関し協議しているところですが、チーム学校というのを検討しております。正に、チーム学校の実効性を上げるためには、こういう不登校やいじめ、暴力行為についてどのようにして対策を練っていくかということになります。それには、きちんと状況を把握することが大事であると思います。学校によって状況が異なると思いますので、これという特効薬のようなものはないとは思いますが、原因についてもっと具体的に細かく分析し、手の打てるような形で明確にしていただいて、手を打っていただきたいと思います。チーム学校という大綱の柱の一つと結びつけていただき、不登校やいじめ、暴力行為が減少していくことが大切になってくると思います。
 また、先ほど藤本委員が言われたように、例えば、いじめを除く友人関係をめぐる問題は、非常に悩ましい問題だと思うのですが、学業の不振というのは割と把握しやすい内容だと思います。それから、学業の不振は、先ほどの意見と重なるのですが、うまい具合に解決にリンクしていないところも見受けられるので、その辺を一回、個別の学校の状況があると思いますが、把握していただいて、是非手を打っていただければと思います。せっかく、広島型のチーム学校をやろうとしているわけですので、その特色を生かすためにも有効に活用していただければと思います。

生徒指導課長

 チーム学校に向けて、学校にスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー等の方に入っていただいておりますが、どういったニーズがあって、どういった効果があって、どういった内容をやっているかというのは、今、委員の御指摘がありましたように、もう一度整備していきたいと思っています。
 また、中学校での暴力行為ですが、これは現象面としてかなり減ったところであります。これにつきましては、学校の聞き取り等々を別に行ったところでありますが、一つは、生徒指導の加配です。教員の加配を行っている学校につきましては、激減しているところがあります。新たに加配として生徒指導主事が中学校に入り、組織的に動けるようになったというところが大きいのではないかと思います。また、ほかには、生徒指導支援員、自立支援相談員、県警と連携したスクールサポーター、これは集中的に問題行動が多い学校、17校に配置したのですが、配置した学校につきましては、147件から66件と半分ぐらいに減少しているという現象があります。生徒指導支援員等の方に子どもや保護者の相談活動をしていただき、警察との連携を進めたことだと考えております。問題行動が発生したときに、しっかりと関係機関と積極的に連携を進め、保護者の理解を得ているということが大きいのではないかと分析しております。

井内委員長

 よろしいですか。
 こういった事案をなくすために改革していただこうという御提言をいただきましたので、そういう人材を配置できるような方向になればと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、議題の4に移りたいと思います。
 議題4の「市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について」、代決報告第4号を議題といたします。
 本件は、代決報告案件でございます。内容につきましては、総務課長から報告を受けた後、質問、意見をお聞きすることといたします。
 よろしくお願いいたします。

総務課長

 それでは、資料の11ページを御覧ください。
 議題4、「市長が作成する議会の議案に対する意見の申出について」、御説明いたします。
 1ページをおめくりいただきまして、12ページでございます。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条では、「地方公共団体の長は、教育に関する事務について定める議会の議決を経るべき事件の議案を作成する場合においては、教育委員会の意見をきかなければならない。」と規定されております。
 9月16日から開会された市議会定例会に教育に関する補正予算案を市長が提出するに当たり、この規定に基づきまして、8月31日に教育委員会に意見の申出の依頼がございました。
 これに対しましては、議案の作成日程が迫り、意見の申出に当たり、教育委員会議を開催する時間的余裕がなかったことから、教育委員会事務決裁規則第6条の規定による教育長代決により、異議がないものと認め、その旨を市長に申し出たものでございます。以下、予算内容につきまして御説明いたします。
 13ページを御覧ください。
 まず、「学校施設の非構造部材の耐震化」についてでございます。
 熊本地震における施設の被災状況を踏まえ、学校施設の安全な利用及び地域の避難所としての機能を確保するため、屋内運動場等の非構造部材の耐震化を行います。
 窓ガラス飛散防止に係るフィルムを設置する経費として1,320万円、照明器具落下防止に係るワイヤーを設置する経費として700万円、バスケットゴール落下防止に係る危険度調査に要する経費として480万円、バトン・放送設備落下防止に係る危険度調査に要する経費といたしまして220万円、合わせて2,720万円を計上しております。
 それでは、14ページをお開きください。
 次に、「新しいタイプの高校整備」についてでございます。
 建築工事の入札不調を受け、工事期間の変更及び全体事業費の増額を行う必要が生じたことから、当初予算を3億7,443万9千円減額するとともに、来年度以降の債務負担行為の期間及び限度額を変更いたします。
 事業費の内訳については、表に記載しているとおりでございます。
 なお、平成30年4月の開校時期には変更ございません。
 次に、「子どもの居場所の確保」についてでございます。
 まず、「放課後児童クラブの増設等」ですが、平成29年度に定員不足が見込まれる学区において、平成29年4月のクラス増設等に向けた開設準備を行うもので、余裕教室利用により増設等を行う経費として785万8千円、プレハブ設置により増設を行う経費として5,740万2千円、合わせて6,526万円を計上しております。
 15ページを御覧ください。
 次に、「民間放課後児童クラブ開設費補助」ですが、平成29年度に定員不足が見込まれる学区のうち、学校施設の活用等によるクラスの増設が困難な学区において、民間事業者が平成29年4月にクラブを開設するための経費を補助する経費といたしまして1,840万円を計上しております。
 これらを合わせまして、「子どもの居場所の確保」に要する経費として8,366万円を計上しております。
 なお、参考といたしまして、下の表に太枠で囲んで表示しておりますとおり、教育費におけるこの度の9月補正予算額は、マイナス2億6,357万9千円であり、その右に示すとおり、9月補正後の予算額は、407億7,714万2千円となります。
 なお、本議案は、本日付で議決されております。
 以上で説明を終わります。よろしくお願い申し上げます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の報告につきまして、質問等はございませんでしょうか。
 新しいタイプの高校の件ですが、これについてマスコミ等で報道されていましたが、今日議決されたということで、これから十分に検討、協議をしていけるということでしょうか。

教育次長

 県議会の議決が10月5日となっています。

井内委員長

 県議会の後ですか。

教育次長

 はい。

井内委員長

 県議会で無事に通って、校舎の建築に遅れが出なければいいなと思うのですが。

教育次長

 これで3カ月ほど遅れが生じています。

井内委員長

 遅れるのですか。

教育次長

 当初9月に契約締結を予定しておりましたが、12月の予定になりました。県議会の議決後、速やかに工事に入るということで財政当局と話はしていますが、業者が決まれば、校舎を先に造るというようなやり方について、いろいろ協議できることになろうかと思います。

井内委員長

 応札がちゃんといくということになればいいですね。

教育次長

 はい。

井内委員長

 よろしいですか、今日議会で承認されたということであります。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題5から議題7は、先ほどお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴者の方がいらっしゃいましたら、退席していただきますようお願いいたします。

 (傍聴者等退席)

 (非公開部分省略)

 以上で、予定の議題は全て終了いたしました。
 これで、本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、10月4日(火曜日)午前9時30分からを予定しています。

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