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平成28年第10回教育委員会議(8月定例会)会議録

平成28年第10回広島市教育委員会議会議録

 平成28年8月25日(木曜日)、平成28年第10回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前9時30分
  • 閉会 午前11時10分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 隅田 一成
  • 青少年育成部長 荒瀬 尚美
  • 学校教育部長 山本 直樹
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 谷 康宣
  • 指導第一課長 松浦 宰雄
  • 指導第二課長 野間 泰臣
  • 特別支援教育課長 児玉 安司

4 傍聴者等

 3名

5 議事日程

  • 議題1 平和教育について(報告)
  • 議題2 平成29年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)
    用教科用図書の採択について(議案)
  • 議題3 平成29年度広島市立高等学校の入学定員について(報告)【非公開】
  • 議題4 平成28年度広島市教育委員会事務点検・評価報告書について(議案)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日の議事録署名者は、藤本委員と鈴木委員にお願いをいたします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題3及び議題4につきましては、広島市教育委員会会議規則の平成27年改正附則によりなお効力を有するとされる改正前の第7条第1項第8号の規定に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ありませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認めまして、議題3及び議題4につきましては、非公開と決定いたしました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1の「平和教育について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、指導第一課長及び指導第二課長から説明を受けます。
 よろしくお願いします。

指導第一課長

 それでは、本年度行っております、特に夏を中心に行っておりました平和教育について、指導第一課から最初に報告をさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。
 小学校においては、「こどもピースサミット」ということで、ずっと続けてきておりますが、これについて報告をさせていただきます。
 1の目的ですが、「こどもピースサミット」は、各学校における平和ノートを活用した平和教育の取組等をもとに、平和についての作文募集や、「平和の歌声・意見発表会」等の開催、そして、8月6日の「平和への誓い」の発信を通じ、次代を担う子どもたちに、平和についての意識の高揚を図ることを目指して行っているものです。
 2の経緯ですが、「こどもピースサミット」は、平成7年の被爆50周年記念事業「こども平和のつどい」の成果を引き継ぎながら平成8年から実施しているもので、今年は21回目ということになります。
 3の取組内容ですが、これまでの学校や家庭での学習、また体験等を通して、平和の大切さについて感じたことや考えたこと、また、誰もが一人の人間として大切にされる学校や社会をつくっていくこと、国内外の人々と支え合い、つながりを広げ深めながら、平和な社会の実現を目指し共に生きていくことなどについて考え、自分の思いや願いをまとめた意見文の募集をしております。
 この度は、私立を含めました広島市内の小学校6年生の児童に、平和についての思いや願いを求めた意見文を4月7日に募集をしております。そうしたところ、今年度は市立の小学校全校141校から1万622点の応募がございました。その後、各学校の校内審査を経て、教育委員会へ提出をされました意見文390点から事務局内で20点を選定いたしまして、こども代表20名を決定しております。
 6月11日には、「こどもピースサミット2016『平和の歌声・意見発表会』」を開催し、審査で選定された20名の児童による意見発表会を実施し、ピースサミット大賞2名を選出いたしました。また、このほかにも幟町小学校、吉島東小学校児童による平和の歌声発表や、会場での感想、意見交流も行っております。
 6月25日には、「平和への誓い」検討会議を開催し、こども代表20名が各学校での取組や発表した意見等をもとに、8月6日に発信する「平和への誓い」の内容について話し合いを行い、それをもとに原案を作成しました。
 もう少し具体的に申しますと、この検討会議では、子ども20名が意見発表会の中での発表内容、また、事前の課題から、今年度は、平和について考えるきっかけや学んだこと、また戦後からこれまでの広島、平和のために大切なこと、どうしたら実現するのか、世界へつなげたいこと、私たちにできること、こういった5つの視点について指導主事と共にグループで考えてまいりました。
 それぞれのグループのまとめ方は、付箋を使いながらカテゴリーごとにまとめたり、言葉と言葉を合わせて何人かのグループでつないだりしながら、言葉を作っていきました。それをもとに検討会議の最後にグループが発表を行ったという流れになりました。
 平和記念式典では、こども代表の竹屋小学校の中奥さんと亀山小学校の青木君が、広島市内の小学校6年生の代表として、平和への誓いを世界へ発信いたしました。
 これらの取組については、テレビ放送では、広島テレビが「伝える ヒロシマ」というコーナーで、また、新聞は4社が報道を行っております。
 今後の予定としましては、こども代表20名の意見文集を作成し、全小学校へ配布をします。また、意見文を書いてくれた子どもたち、6年生全員になりますが、参加賞として「平和への誓い」を印刷したクリアファイル、現在作成中ですが、毎年こういったその年の「平和への誓い」を印字しまして、クリアファイルを子どもたちに送っています。
 本年度の小学生の「こどもピースサミットについて」の取組でございました。以上です。

指導第二課長

 続いて、「中学生による『伝える HIROSHIMA プロジェクト』」について、指導第二課から御説明をさせていただきます。
 6ページをお開きください。
 まず、1の目的ですが、平和ノートを活用した平和教育や英語教育の成果を生かして、中学生が広島を訪れる海外の人々に対して英語でメッセージを伝えるという活動でございます。
 2の経緯ですが、被爆70周年記念事業として、昨年度から実施しております。本年度は2回目で、市内の中学校に通学する3年生20名が8月6日を中心に、広島を訪れた海外の人々に対して英語で平和メッセージを伝えました。
 3の取組内容ですが、まず、(1)の中学校2年生を対象に平和メッセージを募集しました。メッセージの要件は、丸1の被爆の実相等に関する内容を述べたものなど、3点でございます。
 次に、募集期間は、平成27年6月16日から平成28年2月29日までです。
 応募数ですが、メッセージ提出校数は46校で、作品総数は2,831点でございました。これを各学校において校内審査を行い、各校2点以内の平和メッセージを教育委員会に提出していただきました。
 次に、(2)のメッセージ発信者、メッセンジャーの決定ですが、提出作品数74点から教育委員会内で審査し、20点を選定いたしました。
 次に、(3)のメッセンジャー事前研修の実施ですが、計5回実施しました。研修の内容としては、メッセンジャーの平和への認識を高めるとともに、英語によるコミュニケーション能力の育成を図るため、計20時間の事前研修を実施しました。当日の活動を合わせると約30時間の活動ということになります。写真とともに示しておりますが、被爆体験伝承者からの講話、日本語メッセージの交流、海外の人へのインタビューなどの活動をしております。
 次に、(4)のメッセージの発信ですが、8月5日、平和記念式典に参列する駐日大使等42名に、英語で平和メッセージを伝えました。8月6日当日は、平和記念公園において、海外の人々に、英語で平和メッセージを伝えるとともに、「ひろしま子ども平和の集い」において、英語と日本語で平和メッセージを伝えました。
 次のページをお開きください。
 駐日大使等へのメッセージ発信など、8月5日、8月6日の活動の様子でございます。最後は、教育長から修了書を1人ずつ手渡していただきました。
 4の報道実績ですが、新聞記事が3社、テレビ、ラジオの報道もございました。
 今後の予定ですが、メッセージ集を作成して、各校に配布していきます。それから、メッセージを応募した生徒60名に参加賞を配布したいと思っております。また、平成29年度の募集期間は、平成28年5月24日から平成29年2月28日までとしており、現在募集中です。平成29年3月に次年度の20名を決定したいと考えております。
 参考にありますように、当日20名からアンケートを取りました。20名全てが、「よかった」、「平和への意識が高まった」、「英語で伝える力が身についた」との感想をもっております。丸2にメッセンジャーの感想の一部を載せておりますが、「戦争のことを他人事だと捉えずに、戦争のことを知って、二度と繰り返してはいけないと伝えること、周りの人のギャップを認め合い、思いやりを持って接して身近な平和を作っていくことの大切さを学びました」などの感想がありました。
 次のページがメッセージの一部でございます。英語のメッセージを表側にして、裏に日本語訳を載せております。報告は、以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の御説明につきまして、何か御質問等はございませんでしょうか。

指導第二課長

 一部訂正がございます。
 7ページの5の今後の予定の2つ目の丸ですが、応募した生徒60名は間違えておりまして、正しくは74名でございます。失礼いたしました。

溝部委員

 小学校はもう21年を迎えるということで、大変充実しているというふうに思っています。中学校は昨年から行って、こちらも今年は随分と広がっているのではないかと思っているのですが、今年2回目で、何か新たに付け加えたものとか、昨年と違う成果があったというようなことがあれば教えてください。

指導第二課長

 昨年度の応募校数は34校、作品数2,522点だったのですが、本年度は、応募校数・作品数とも増えています。
 それから、6ページの写真に被爆伝承者の講話を新たに実施しました。昨年度は被爆を体験された方から話をうかがいましたが、今年度は、広島市で被爆体験伝承者の活動をしておられる30代前半の若い方から話をうかがいました。参加者からは、年齢が自分たちに近く、良かったというような感想がありました。ここでは記しておりませんが、高校生の留学生が海外から来ており、この留学生に英語の指導補助をしてもらい、英語を伝えていく意欲が高まったということがございました。
 最後に、教育長から修了書を渡していただいた後に、1人ずつ感想を述べたのですが、実にすばらしい成就感が伝わってくるような感想でしたので、大変成果が上がっているのではないかと思っております。

鈴木委員

 1点目は、小学生のこどもピースサミットについてですが、今年はオバマ大統領がおいでになられたということで、子どもたちにも影響があったかと思います。そうした中で、小学校の子どもたちはどんな感想を持たれていたか教えてください。
 2点目は、中学校はなかなか授業が多い中で、こういう活動をされていると思うのですが、例えば(3)にある事前研修も含めて、全部で30時間の時間を設けられたということで、充実した研修だったと思うのですが、そのための時間はどのように捻出されたのか教えてください。

指導第一課長

 小学校ですが、意見発表会や検討会議のときに、大統領が来られたことの意義について、自分の考えを述べる子が数名おりました。今年は大統領の広島来訪だけでなく、4月の初旬にございましたG7の会議に、何校かの学校の子どもたちが参加してくれておりまして、その中から選ばれた子の中には、外相とコミュニケーションを図った、世界はつながっていることを実感したと述べている子もいました。世界は動いている、つながっていると実感したと述べた子もおりました。

指導第二課長

 中学校の事前研修の時間ですが、4月から毎月1回ずつ土曜日の午後を使って実施をしました。

鈴木委員

 それはどこか学校に集まられたのですか。それとも場所を決めて、そこに集まられたのですか。

指導第二課長

 市民球場跡地の近くにございます、青少年センターの研修室に集まって研修をして、海外の人へのインタビューの練習を、平和公園で行いました。

鈴木委員

 学校を離れてそういうところに行くことで、いろいろな方が関わっていらっしゃるわけですね。中学生についてもそうですが、小学生が身近に世界を感じられたということで、今回はとても良い経験であったと思います。「平和への誓い」を見ていましても、自分たちは何ができるかという内容となっていますので、実感されたと思います。

栗栖委員

 小学生と中学生のこういった活動は、広島ならではの活動ということで、大変すばらしいことだと思います。是非継続していただければと思っています。
 私も「こどもピースサミット」については、意見発表会に出席し、実際に聞かせていただきました。ピースサミット大賞2名が選出されたのですが、ほかの意見発表も甲乙を付け難い内容で、大変すばらしいと感じました。特に、平和という大きなテーマに関して、いろいろな人の話を聞いたりして、自分たちができることから始めようと発表されるということは、非常に大事なことだなと思います。
 また、全小学校が応募されているというのも非常にすばらしいことです。広島の小学生が平和について考える機会があり、これも非常にすばらしいことだと思います。
 ちょっと残念なのが、せっかく全小学校が応募されているわけですので、当日、もっと全体で盛り上げることができたらすばらしいですし、市全体で取り組んでいるということがアピールできたら、もっとすばらしい意見発表会になったのではないかという印象を持ちました。

溝部委員

 中学校という青少年期の時期に、このように平和について深く考えていくというのは大変重要なことだと認識しています。こういう取組を是非一部の子どもだけではなく、裾野を広げてもらって、単発ではなく、継続的に平和教育をできるような計画を今後も取り組んでいただければと思います。中学校がこれだけ取り組まれたということは大変評価できると思いますし、是非つないでいってほしいと思います。

尾形委員(教育長)

 私は、小学校の取組と中学校の取組について、実際に子どもたちに話を聞いたりしたわけですが、4ページにある「平和への誓い」の中に、「知りたい」という言葉があります。この発表会でもそうですが、子どもたちの中に、今までよりも強く、きちっと出ています。被爆者自体が高齢化し、それを伝えることがだんだんできなくなってきています。そういう危機感を子ども自身がすごく感じているのです。だから、被爆の実相を知りたい、そして想像して、そこから自分で大切さを実感しています。中学生も同じことなのですが、「知ることから始めませんか」いう言葉ですが、オバマ大統領の訪問を機に実相を知るということの大切さを考えているのです。
 中学生のメッセージの発信をした子の一人一人の感想の中でも、そういう部分が心に残ったのですが、自分たちは、伝えるということをこれほど大切なことだと感じたことがなかった。文化が違う、言語が違う、通常伝えることはできないのです。だからこそ、どう伝えるかということで、自分たちは30時間かけて大変な努力をしたということがありました。それだけに、相手がうなずいてくれたとか、あるいはハグしてくれた、そういう伝わったときの喜び、成就感というのは、何といっても忘れられないことと思います。
 伝える、伝わる、そういったことに対して自分たちはもっともっと大切にしたい。ということは、身近で考え方の違う友達に対しても、そういう態度で接していかないといけないということもコメントの中にもありました。非常に良い取組だなと感じました。
 小学校は、全校のいわゆる教育課程の日々の授業の中で、平和ノートを活用した平和教育に取り組んでいます。
 中学校では、英語科の授業とのタイアップで取組が広がってきていますが、今、溝部委員からも御指摘があったように、それを日常化して授業の中でつなげていくことが、今後取り組んでいくべきことではないかと思いますので、補足させていただきました。

井内委員長

 中学生のプロジェクトに関して、駐日大使の人にメッセージを伝えたり、そのほか、海外の方々に話をしていると思うのですが、聞かれた方から何か感想なり返信なりが来ていますか。つまり、本当に伝わったのかということについての何か評価があれば、今後の励みになるのではないかと感じたのですが、いかがでしょうか。

指導第二課長

 昨年もありましたが、駐日大使から名刺をいただいて、住所を教えてほしいということで、住所を伝えると手紙をいただいたり、学校にメッセージをいただいたりということが、今年もありましたので、それがまた励みになっています。

井内委員長

 そういうことを少しオープンにして、今後の中学生の励みにしてあげると、自分たちが本当に勉強して伝えようとしたことが伝わったという実感がすごく得られるのではないかと思うので、是非そういったことを考えていってください。

指導第二課長

 はい。

藤本委員

 非常にすばらしい取組で、本市の平和教育プログラム、平和ノートの活用ということから出てくる最終的な成果の一つだと思います。やはり中学校でこういうことができるのも、小学校でのそういった教育の成果であると思いますし、中学校も参加者がだんだん増えていって、こういう形になっていくのだろうと予測するのですが、そうしますと、今度は高等学校の生徒が小・中の成果を踏まえてどういった取組ができるのかという点、すぐにではないかもしれませんが、その辺りのことは何か考えていらっしゃいますか。

指導第一課長

 将来にどうつながるかといったところまでは、まだ不十分なところがあるかもしれませんが、この度、小学校でピースサミットを行った際に、基町高等学校の創造表現コースの生徒たちが、実際に被爆体験者から話を聞きながら、それを絵画で表すという取組をしておられました。そのタイミングがちょうど合いましたので、その作品をお借りして会場に展示をさせていただき、私たちの先輩、高校生が同じように人から話を聞きながら、伝え方は違うけれども、こういった表現をしているというところを紹介させていただいております。

藤本委員

 是非、将来的に広島市の高校生として世界に発信できるような、何かあれば非常にすばらしいことだと思います。6・3・3で一貫して広島市が教育をし、そして、世界の平和を牽引できる人材の育成ということで、リーダーをきちんと6・3・3で通して構築していくということも、とても良いことではないかと思いますので、御検討をお願いできればと思います。

溝部委員

 ちょっと付け加えたいのですが、人材育成のところで、小学生の「平和への誓い」と、中学生の「平和メッセージ」を比較しながら見ているのですが、小学校の場合は、平和記念式典での誓いということもありますが、過去から学ぶという視点で、平和の原点であるという言い方です。中学校は、過去から学んだことのみならず、現実から学ぶというのですか、難民キャンプのことも触れていたりします。是非、この中高生に、過去から学びながら現実をどのように自分たちが考えていくかというところですよね、現実を知る、過去を知るということを、アクティブラーニングを通しながら、そういう人材を育てていっていただければと願っています。

井内委員長

 よろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、次に移ります。
 議題2でございます。議案第36号、「平成29年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」を議題といたします。
 本件は、審議案件でございます。議案の内容につきまして、特別支援教育課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

特別支援教育課長

 それでは、よろしくお願いいたします。
 議題2、議案第36号、「平成29年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級用)教科用図書の採択について」の説明をさせていただきます。
 その前に、まず、平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択につきまして、説明させていただきたいと思います。
 5月の教育委員会議におきまして、平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校(高等部)用教科用図書採択の基本方針を決定していただいた際に、8月に各校種の採択をいただくようお願いをしておりました。その後、7月6日付けで文部科学省から「教科書の発行に関する臨時措置法施行規則の一部を改正する省令の公布、施行について」の通知があり、平成29年度に高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校(高等部)で使用する検定済教科書及び著作教科書の需要数の報告期限につきまして、これまで9月16日としておりましたものを、10月31日に期限を延期するので、各教育委員会においてより一層慎重に教科書採択に係る審議を行うよう指示がございました。
 こうしたことを踏まえまして、平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択につきまして、8月に予定しておりましたが、10月の教育委員会議において御審議をお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、平成29年度使用広島市立広島特別支援学校の小学部・中学部・高等部及び広島市立小学校・中学校(特別支援学級)用教科用図書につきましては、後ほど御説明いたしますとおり、一般図書のみの採択となりますので、例年どおりこの度の教育委員会議で採択をお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料の24ページをお開きください。
 特別支援学校及び小・中学校特別支援学級に在籍しております児童生徒につきましては、一人一人の障害の実態等に応じて特別の教育課程を編成するなど、当該学年の文部科学省検定教科書を使うことが適当でない場合には、それ以外の教科用図書を使用できることとなっており、このことについては法令で規定されております。
 まず、1「広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書」について御説明をいたします。
 広島市立広島特別支援学校は、知的障害者を対象とする特別支援学校であり、特別支援学校学習指導要領に基づいて教育課程が編成されているため、「文部科学省著作教科書」及び「一般図書」を使用しております。このうち、この度採択いただきます教科用図書は太枠で示しております。「文部科学省著作教科書」につきましては、原則4年ごとに採択替えを行うことになっており、平成26年度及び平成27年度に採択しておりますことから、本年度の採択は必要ございません。一方、「一般図書」につきましては、毎年採択を行うこととなっており、本年度も採択が必要となります。
 続きまして、2「広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書」について御説明いたします。
 小・中学校の特別支援学級におきましては、児童生徒の障害の実態により、その児童生徒に応じ、特別の教育課程を編成することができます。そこで、小・中学校の特別支援学級におきましては、個々の児童生徒が取り組む目標や内容に応じて、「文部科学省検定教科書」だけではなく、「文部科学省著作教科書」や「一般図書」を使用することができることとなっております。このうち、「文部科学省検定教科書」及び「文部科学省著作教科書」につきましては、原則4年ごとに採択替えを行うこととなっており、平成26年度及び平成27年度に採択していることから、本年度の採択は必要ございません。一方、「一般図書」につきましては、毎年採択を行うこととなっており、特別支援学校と同様に本年度も採択を行う必要がございます。
 それでは、資料の25ページを御覧ください。25ページの上側にございます、採択の基本方針につきましては、5月の教育委員会議におきまして御審議いただいております。昨年度と変わっている点でございますが、2の「適正かつ公正な採択の確保」を項目として起こし、「特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないようにする」と明記したことでございます。
 下側にございます、採択の手順につきましては、採択の基本方針を受けまして、教育長決裁により決定しております。本年度から、1及び3にございますように、平成29年度使用教科用図書選定委員会の選定委員及び調査員を委嘱又は任命する際に、各校の校長が特定の教科書発行者と関係を有する者でないことを確認することとしておりますが、その他の点について変更はございません。
 それでは、26ページをお開きください。
 広島市立の小学校・中学校特別支援学級及び特別支援学校(小学部・中学部)用教科用図書の「採択の手順」を図示したものでございます。
 特別支援学校及び特別支援学級に在籍しております児童生徒につきましては、その障害等の実態が様々であるため、各学校におきまして児童生徒一人一人の実態を踏まえた教育課程を編成しており、その教育課程に応じた適切な教科用図書を選定することとしております。そのため、例年、各学校から申請のありました教科用図書について教育委員会議におきまして審議し、採択することとしております。
 具体的な流れといたしましては、まず、図の一番上の広島市教育委員会の枠に示しておりますように、教育委員会で決定いたしました「採択の基本方針」及び教育長が決定いたしました「手順」に基づきまして、各学校に対して、採択に係る手続きや留意事項について通知をいたします。
 それを受けた各学校長は、教科用図書選定委員会を設置し、選定委員及び調査員を委嘱又は任命するとともに、教科用図書選定委員会に教科用図書の選定を諮問いたします。教科用図書選定委員会が定めた観点及び視点に基づいて、調査員が各教科の教科用図書について調査研究し、教科用図書選定委員会に報告いたします。教科用図書選定委員会では、調査員の項目をもとに審議し、校長に答申いたします。各学校長は、選定した教科用図書につきまして、教育委員会に申請いたします。
 本年度は、7月15日までに申請書等を提出することとなっており、教育委員会事務局におきましては、7月15日以降、提出されました申請書等の内容について確認し、疑義がある場合には学校長から説明を受けまして、その詳細について調査・研究し、本教育委員会議に上程しております。
 なお、この一般図書を選定する際には、文部科学省が作成します一般図書一覧を参考にしつつ、幅広く調査・研究を行い選定することとなっております。
 資料の27ページ及び28ページには、広島市立特別支援学校(高等部)用教科用図書の「採択の基本方針」と「採択の手順」を載せておりますが、内容につきましては同様となっております。
 次に、資料の30ページを御覧ください。ここからは、学校から提出されました平成29年度の教科用図書選定手順及び申請書の例を載せております。在籍する児童生徒数によりましては、児童生徒が特定される、又は、特定され得る可能性があることから、学校名等は伏せております。
 30ページには特別支援学校の選定手順の報告を掲載しており、以下、37ページに小学校、40ページに中学校の選定手順の例を掲載しております。いずれも先ほど御説明いたしました手順にのっとり、適正に手続が行われております。また、申請者の例につきましては、順番が戻りますが、31ページから36ページに特別支援学校、38ページと39ページに小学校、41ページに中学校のものをそれぞれ掲載しております。
 皆様のお手元に、各学校から申請が多かった一般図書を用意しておりますので、御覧いただければと思います。申し訳ございませんが、それぞれ各1冊しか御用意できておりませんので、他の委員さんと交換しながら御覧いただければと思います。
 それでは、2ページにお戻りください。特別支援学校の他の学部や他の小・中学校も同様に選定及び申請を行っており、特別支援学校及び各小・中学校から申請がございました「一般図書」をまとめますと、1の広島市立広島特別支援学校につきましては、各学部合計で202点となります。また、2の広島市立小・中学校特別支援学級につきましては、小・中学校合わせて153校から410点となります。
 これら申請のありました「一般図書」の内容につきましては、3ページから載せております。
 3ページから9ページは特別支援学校から申請のありました「一般図書」でございます。
 また、10ページから16ページが小学校、17ページから22ページが中学校から申請のあった「一般図書」となっております。
 これら全ての一般図書につきまして、各学校から提出のあった書類について、事務局においてその内容を調査・検討した結果、その全てが適正であるということを確認いたしました。
 つきましては、特別支援学校及び各小・中学校から申請されました「一般図書」を平成29年度に使用する教科用図書として、一括採択することにつきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 それでは、審議に入ります。
 ただ今の説明につきまして、何か御質問、御意見等はございませんでしょうか。

栗栖委員

 3点ほどございます。
 1点目は、25ページの先ほど御説明いただいた中で、昨年と違うということで、教科書採択に関与することがないようにすることを受けて、校長先生が確認した上でと書いてあるのですが、具体的にどのように確認されたのかということです。
 2点目は、次の26ページの手順において、教育委員会が最初に各学校長に説明するとあるのですが、その段階で、例えば教科書の選定に対して説明するほかに、指導やアドバイスをされているのかということです。
 3点目は、各学校が申請してきた教科書に関して、不適格なものがあるのかどうか、一般図書に対して教育委員会でこれはどうも望ましくないというような例があるのか教えてください。

特別支援教育課長

 まず1点目、教科書会社や出版社等と関与がないようにするということで、どのような方法で確認しているかという点についてでございます。皆様の資料にはお付けしていないのですが、各学校に対して確認書というものを配布しておりまして、「下記の要件について確認しました。」というふうに、4点ほど各学校長に対して確認していただく項目があります。
 例えば、「私は顧問、参与、嘱託等いかなる名称にかかわらず、事実上、発行者の事業の運営に重要な影響力を有している者ではありません。」、あるいは、「私は教科用図書、一般用図書を含みますが、事実上、著作に参加、協力した者ではございません。」などについて、各学校長に確認していただいているところでございます。
 2点目、手順等について学校に通知した後、どういうふうにしていくかということでございます。そのときには具体的なアドバイスをしておりませんが、教科書につきましては、毎年でございますが、教科書の展示会というものを実施しております。今年度につきましても、6月17日(金曜日)から7月6日(水曜日)まで開催しておりまして、その間、毎日というわけにはいかないので、その間の4日間ほど指導主事を展示会に常駐させまして、実際に先生方が教科書を選びに来られるときに、具体的にお子さんの状態、「うちの子どもはこういう子どもなんですよ。」とか、「こういうふうな状態なんです。」というような実態をお聞かせいただきながら、実際どういうものを選んだらいいのかということを指導主事にアドバイスを求めに来られます。この度4日間ほど指導主事を常駐させたところ、100人以上の先生方が来られたと聞いております。そういったところで、実際に今後の実態ときちんと合うように、指導主事が行っているところでございます。
 3点目の、申請で不適格なものがあったのかということですが、1つは価格が余りにも高過ぎたということがございます。また、教科書ですから本でないといけない、体裁を整えないといけないのですが、例えば、かるたのようなものがあったぐらいで、内容的に不適切であるというような図書はございませんでした。

栗栖委員

 現場の先生方が一番よく理解されているので、基本的には児童生徒の実情に応じたものをきちんと選定されているという理解でよろしいですか。

特別支援教育課長

 はい、そのとおりでございます。

溝部委員

 検定教科書、著作教科書、一般図書と、教科書が3種類ありますが、児童のどういう実態に合わせて使い分けられているのかというのが1点目の質問です。
 2点目ですが、一般図書に関して、ほかの教科書は4年に1回の採択ですが、一般図書は1年で採択があって、毎年ということだと思うのですが、なぜ1年なのかということと、日本全体で、毎年採択しなくてはいけないものなのでしょうか。

特別支援教育課長

 まず、1点目、教科書が3種類あるが、子どもの実態に合わせて使っているかということについて御説明いたします。
 先ほども御説明いたしましたが、児童生徒の実態に即して、一人一人に合わせて教育課程、編成をしてございます。そうした上で、例えば知的な遅れを伴わないお子さん、あるいは自閉症・情緒障害学級等に在籍しているお子さんにつきましては、基本的には所属しておられる当該学年の検定済教科書を使うこととなっております。また、例えば比較的軽度な知的の遅れを伴うお子さんにつきましては、在籍している学年よりも少し学年を下げて、なおかつ、検定済教科書を使っていらっしゃる場合もございます。
 知的障害の重いお子さんにつきましては、やはり特別支援学校の教育課程に準ずることが適切だと考えれば、文科省が著作を有しております、いわゆる星本を使いますし、それでも子どもの実態に合わないということになりますと、絵本等で構成されております一般図書というふうな感じになっております。1人のお子さんにありましても、ある教科は検定済を使うが、ある教科については星本を使うというように、1人の中にあっても同一ではないというような実態がございます。
 それと、もう1点、一般図書はなぜ1年ごとに採択をするのかということでございますが、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」及びその施行令により、検定教科書及び著作教科書につきましては、4年ごとに採択替えを行うこととなっておりますが、一般図書につきましてはこの規定からはずされております。そこで、一般図書については児童生徒の個別の実態に応じて適切な図書を採択することが必要であることから、1年ごとの採択を行っております。

溝部委員

 分かりました。

藤本委員

 まず、先ほどの質問と関連しますが、1年ごとの採択ということですので、内容自体はそこまで前年と変わりがないのかなと思います。ただし、新しく出版された本などがまた加わると思いますが、どのぐらいの割合で前年と違うものが入るのかということが、もし分かれば大体のところを教えてください。
 また、各校で採択をされるということなのですが、それぞれ採択を担当される方、各校のそういった方同士の情報共有の場があるのか教えてください。

特別支援教育課長

 まず1点目の、1年ごとの採択で新しいものが加わるのではないか、どれぐらいで変わるのかということですが、基本的に1年ごとに採択をいたしますが、子どもによっては一般図書を継続して使うこともございます。一般図書というのは、基本的に発行者からすれば教科書として出しているわけではございませんので、そういった意味で新たに追加されるものが毎年出ておりますが、冊数がどれぐらいなのかということにつきましては、申し訳ございませんが、把握できておりません。
 2点目の、各校で採決するが、先生、調査員がどういうふうに情報共有しているかという点でございますが、各学校というか、校種におきましては教科研究会というものがございますので、そういった機会等を踏まえまして、担任同士で情報を共有することもございますし、また、先ほどの教科書の展示会以外に、教育委員会の指導主事を尋ねて来られたり、電話を架けて来られて相談に乗ってほしいというようなことがございまして、その都度助言を行っているところでございます。

鈴木委員

 それと関連するのですが、大事なことは一人一人の児童生徒の障害の程度に合っているということと、その子が持っている力を伸ばすために教科書を使うということなのですが、使った結果、子どもの力が伸びたとか、もう少し高度でもできるのではないかとか、もう少し分かりやすいものに変えたほうがいいのではないかといった検討があると思うのですが、これについてはいかがですか。

特別支援教育課長

 今、御指摘がありましたとおり、本当に子どもたちの実態に合っているのか、そして力を伸ばすために有効に働いているのかということにつきましては、学校で選定委員会を開きまして、採択する際に、昨年度使っていた教科書、今使っている教科書が本当に子どもたちの実態に即しているのか、そしてやってきたことがちゃんと力になっているのかということを評価いたします。委員が言われましたように、もっと高度でもできるのではないか、あるいは、採択したけど実はそこまでいってなくて、もっと下げなくてはいけないのではないかということにつきましては、選定をする際にきちんとした評価、反省を踏まえて、次年度、教科書をどういうふうにしていくか、各校とも対応しております。

鈴木委員

 やってみると割と難しかったり、その子にとっては簡単であったりすることもあり得ますし、年齢等でもそういうことがいろいろあると思いますが、子どもたちに合っているということをやはり前提にしていただければなと思います。

井内委員長

 障害がある子どもたちの教科書選びは、とにかく現場の指導される先生と子どもたちにとって良いものをというのが基本であって、実態が十分把握できていない人がなかなか意見を挟みにくいというのがあるのではないかと思います。先生たちの相互の情報交換でありますとか、そういうことを大いに進められて、適切な教科書が選ばれるということが一番大切なことではないかと感じております。
 今回の提案については、ここで審議をさせていただきました。適切かどうかという点については、今のようなことが重要であろうと思いますので、御判断に任せるということにしたいと思っております。
 他に御質問等はございませんか。
 それでは、議案第36号、「平成29年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」、原案どおり可決することに、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、御異議なしと認めまして、本件は原案どおり可決することに決定いたしました。どうもありがとうございました。
 次の議題3及び議題4は、先ほど決定したとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係の方は退席していただきますようお願いします。

 (傍聴人等退席)

 (非公開部分省略)

井内委員長

 以上で、予定の議題は全て終了いたしました。
 これで本日の教育委員会議は終了いたします。

 次回の教育委員会議は、9月30日(金曜日)午後1時30分からを予定しています。

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