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平成27年第3回教育委員会議(3月定例会)会議録

平成27年第3回広島市教育委員会議会議録

 平成27年3月6日(金曜日)、平成27年第3回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午後1時30分
  • 閉会 午後3時40分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 川添 泰宏
  • 青少年育成部長 熊田 一雄
  • 学校教育部長 隅田 一成
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 橋場 忠陽
  • 教職員課長 梶田 英之
  • 健康教育課長 長谷 冨美
  • 指導第一課長 島筒 篤
  • 指導第二課長 登 民夫
  • 生徒指導課長 開 英治

4 傍聴者等

 2名

5 議事日程

  • 議題1 五日市地区学校給食センターの建替えについて(報告)
  • 議題2 平成26年度「広島市児童生徒の体力・運動能力調査」結果について(報告)
  • 議題3 博物館の登録に関する規則の制定について(議案)
  • 議題4 事務局職員の人事について(代決報告)
  • 議題5 訴訟について(報告)【非公開】
  • 議題6 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日の議事録署名者は、溝部委員と鈴木委員にお願いします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題5及び議題6につきましては、広島市教育委員会会議規則第7条第1項第3号及び第7号の規定に該当することから、審議を非公開としたいと思いますが、御異議ありませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、議題5及び議題6については、非公開と決定しました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1の「五日市地区学校給食センターの建替えについて」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、健康教育課長から説明を受けます。

健康教育課長

 「五日市地区学校給食センター建替えについて」御説明させていただきます。着席して説明させていただきます。
 この件につきましては、昨日行われました文教委員会におきまして報告させていただきました。
 それでは資料の2ページをお開きください。
 まず、1の「五日市地区の学校給食センターの概要」については、表のとおりです。
 次に、2の「建替えの手法等に係る検討結果について」ですが、まず「(1) 集約化及び施設規模」については、施設の耐用年数を超えている北地区センター及び中央地区センターの2つの学校給食センターを集約して建替え、南地区センターについては、耐用年数に達していないことなどから、当面は引き続き稼働させますが、今後の南地区センターの建替えも視野に入れまして、建替え後の施設は、1日当たり12,000食の調理が可能な施設規模とします。
 次に、「(2) 建替手法について」ですが、公設公営、公設民営、PFI及び民設民営の4つの事業手法について、別紙のとおり比較検討いたしました。
 資料を一枚めくっていただき、4ページの別紙「学校給食センター建替手法の比較」を御覧ください。
 左側にお示しする区分に従って、4つの方式を比較しました。
 まず、安全・安心の担保ですが、「安全でおいしい給食」の確保については、いずれの手法でも、「献立及び調理指示書は教育委員会が提示する。」、「文部科学省の『学校給食衛生管理基準』、厚生労働省の『大量調理施設衛生管理マニュアル』や本市が定める衛生管理基準や食物アレルギー対応方針に則った施設整備・管理及び市のチェック体制のもとで給食調理を行う。」ことにより確保します。
 また、計画着手から事業開始までに要する期間は、公設の場合は2年6か月、PFIでは3年8か月、民設民営では1年6か月が見込まれます。
 次に、費用負担軽減の可能性ですが、公設民営では、民間事業者の工夫により、ランニングコストの削減が期待できます。またPFIの場合は、民間事業者が建設、維持管理、運営等を一括して請け負うことでイニシャルコストとランニングコストの削減効果が期待できます。
 民設民営では、PFIのメリットに加え、民間事業者が施設や人材を有効活用し、付帯事業を実施することにより、施設等の活用割合に応じ、市と民間事業者でイニシャルコストとランニングコストの按分が可能となり、給食提供に係るコストの削減が期待できます。
 さらに、税収につきましては、土地、建物の所有権等の違いから、民設民営の場合は法人市民税の外、固定資産税も納付されます。
 最後に、他都市事例ですが、これはお示ししているとおりでございます。
 資料2ページにお戻りください。こうした比較検討の結果、「3 結論」ですが、新たな給食センターの建替えの手法については、安全・安心が担保できることを前提に、計画の着手から事業開始までに要する期間の短縮や、費用負担の軽減が期待できることなどの理由から、民設民営が最も優れている可能性があります。
 このため、民設民営による事業者の公募に取り組み、民間事業者の選定は、公募型プロポーザル方式により行いたいと考えています。
 続きまして3ページです。「4 プロポーザルの実施について」を御覧ください。
 「(1) 主な公募要件等」ですが、衛生管理や食物アレルギー対応にかかる施設能力及び体制を有すること、調理能力として、1日あたり12,000食以上の給食を、市が提示する献立及び調理指示書に従って調理可能であること、現在の北地区と中央地区センターの受配校に調理完了後1時間以内に配送できること、災害時等、長期の調理不能への対応能力を有すること、以上の体制能力を維持するため、必要な人員を確保するとともに、雇用環境を整備し処遇に配慮することなどを要件とします。
 加えて、本市の児童生徒や市民のメリットとなる付加価値等の提案も求めます。
 続きまして、「(2) 選定方法」ですが、学校関係者、行政職員を構成員とする委員会において、有識者等からの意見を参考にして事業候補者を選定します。
 最後に、「5 今後の予定」ですが、平成27年3月末に事業者の公募を開始し、平成27年8月に事業候補者を選定します。その後、9月議会に委託契約に係る債務負担行為設定の議案を上程し、議決の上は10月に正式に契約を行い、平成28年度秋の稼働を目指したいと考えています。
 説明は以上でございますが、昨日の文教委員会で出た意見としましては、「しっかりと民間のノウハウを活用していただきたい。」というようなことや、「今後の要件で、必要な人員を確保するとともに、雇用環境を整備することは大切なことである。」ということ、「安全でおいしい給食の提供に向けて、出来る限りのことを行ってもらいたい。」というようなことがありました。また、「学校給食に市長の責任が及ばなくなるのではないか。」という御意見も一部ありました。なお、この件につきましては、本日、中国新聞の朝刊にも掲載されております。
 説明は以上でございます。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。

栗栖委員

 民設民営ということですが、4ページの他都市の事例ということで、3つほど事例が書いてありますが、実際に既に運営がされている他都市においては、狙い通りの運営がなされているのでしょうか。

健康教育課長

 こちらの方で聞き取ったところですが、民設民営ということで非常にうまくいっていると聞いています。
 実際に、付帯事業といいますか、給食調理をしない時間を活用して、民家の方への弁当の調理もされているということです。

栗栖委員

 今日の新聞にも出ていましたが、給食に対する責任というものは、当然、市の教育委員会で担保していただくとして、給食以外に地産地消とか地域の雇用確保とか地域の活性化に結びつくような方向で進めていただければと思います。

鈴木委員

 今、北地区と中央地区で出している1日の給食数よりも多くなりますが、それは何か見込みがあって多くされているのですか。それとも余裕を持たせるために、大きい能力を持ったセンターを作ろうとしているのですか。

健康教育課長

 北と中央を合せると概ね9,000食、さらに南まで入れると12,000食、これも今の実数では切れていますが、ギリギリでは心もとないということが、まず一つあります。余力を残しておくことで、児童生徒数は将来的に減少傾向にあるわけですが、佐伯区以外の近隣の中学校はデリバリー給食にしていますが、将来的にもし余力が生じれば、そういったところに供給して、その学校に対してセンター方式で対応するなどの考える道を残すということで、12,000食ということにしております。

溝部委員

 質問ですが、付加価値というのは具体的にどういうことを求めていかれるのかというのが一点目です。
 二点目は、主な公募要件の中の災害時とありますが、これは非常に大事なことだと思っていますが、この災害時にどこまでの対応能力を求めようと思っているのですか。

健康教育課長

 まず、付加価値ですが、これは業者の方からどのような提案が出てくるかによるということになりますが、今、想定される例としては、食育の推進に寄与すること、他都市でもありますが、調理場の工程を見学できるような通路を設定することもあるでしょうし、先ほど栗栖委員がおっしゃられたように地産地消の推進ということで、地元の野菜を直接卸して、カット野菜として提供するということもあるでしょうし、また、省エネルギー化を図った施設整備ということも事業として、広くとらえれば市民としてのメリットとなる付加価値ではないかと考えています。この辺りのアイデアを民間の方から出していただければと期待しています。
 それから、災害等で長期に調理不能というような状況が発生した時の対応ですが、例えば今年の例で申し上げますと、自分の会社の別な工場で作って学校に提供するようなシステムをとるというところもあるでしょうし、備蓄を結構していて、備蓄で対応するというところもあるでしょうし、また、代行保証をとりまして、別の業者と契約を交わしておいて、自分のところで作れない場合には別な業者が引き継ぐという形で作るというような体制をとるところもあると思います。そういったことについて、業者の方から提案があるものと思っています。

溝部委員

 給食というのは安全で安心で、さらにおいしくて温かいといいと思っていますが、そういう給食を民間委託するということですが、民間のノウハウの素晴らしいところはあると思いますが、一方、広島市に栄養職員とか行政を担う職員がたくさんおられますが、今後になるかと思いますが、その方々とどのような連携をしていくのかということがあると思います。是非、献立の作成や食材の購入、検食といった具体的なところでは、行政の方や栄養士の目が届くというか、声が伝わるような民間との契約であってほしいと思います。

健康教育課長

 献立の作成、調理指示書の作成につきましては、市の責任の下で行いますし、食材の調達等におきましても、もしかしたら民間の方がより良い姿勢を提案してくるかもしれませんが、本市では、食品の規格等について細かく定めた基準がありまして、そういったものに適合しているかどうかの検査検証を含めて、これは市の責任でもって行っていくつもりでおります。
 それから職員の配置についてですが、今検討しておりますのは、一応国にも確認したところ、民設民営であっても、栄養教員若しくは学校栄養職員が定数の基準の中に入っていくということを聞いておりますので、市として、栄養教員若しくは学校栄養職員の方を配置しようと考えています。

井内委員長

 文教委員会でも、市の影響力とかがどのくらい及ぶのかを心配する声があったということでしたが、まさに今溝部委員が言われたことだろうと思います。それは明文化されたものを契約の段階で取り交わされると理解していいということですね。

健康教育課長

 はい。

井内委員長

 今回ノロウィルスの感染というのがありましたが、その時は広島市というよりは保健所の関わりが強くなると思いますが、改善指導ということも責任がかかってくると思います。そのような衛生管理ということについても、また、献立、栄養、単価、経費ということもあると思いますが、安心・安全な給食を担保できるように、そういうことも契約の中に入れていただきたいと思います。
 次に、議題2の「平成26年度『広島市児童生徒の体力・運動能力調査』結果について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、指導第一課長から説明を受けます。

指導第一課長

 「平成26年度『広島市児童生徒の体力・運動能力調査』結果について」御報告します。
 資料5ページを御覧ください。
 この度の報告は、二つの調査結果について報告いたします。
 まず、一つ目ですが、「『全国体力・運動能力、運動習慣等調査』の概要」についてです。
 本調査は、「⑴ 調査目的」の「ア」にありますように、子どもの体力が低下している状況に鑑み、国が全国的な子どもの体力の状況を把握・分析することにより、子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図ること等を目的に実施している調査でありまして、平成20年度から全国で実施されています。
 調査目的につきましては、今申し上げたことを含め、資料にあります、ア、イ、ウの三つとなっています。
 「(2) 調査校数等」についてですが、調査対象は、本市では、市立小学校第5学年児童、特別支援学校小学部第5学年児童、市立中学校第2学年生徒、特別支援学校中学部第2学年生徒で、調査校数は表にありますように、合計207校、調査人数は1万9,855人となっています。
 「(3) 調査実施期間」ですが、平成26年4月から7月の間としておりまして、「(4) 調査事項」につきましては、「ア 児童生徒に対する調査」、これは、(ア)の実技調査と、次のページにあります(イ)の質問紙調査が行われました。また、「イ 学校に対する質問紙調査」と「ウ 教育委員会に対する質問紙調査」も行われています。
 本日は時間の関係上、「ア 児童生徒に対する調査」を中心に、その概要を御説明いたします。
 続いて7ページを御覧ください。
 「(5) 実技調査の結果」ですが、まず「ア」として、体力合計点平均の推移をグラフで示しています。
 この体力合計点ですが、グラフの上側の注釈でお示ししていますように、テストの種目ごとに調査結果を1点から10点に得点化して合計したものです。テストは8種目ありますので、80点満点となっています。ここでは、本調査が開始された平成20年度から26年度までの推移を示しています。
 なお、平成23年度は東日本大震災の影響により、本調査は実施されていません。
 それぞれのグラフですが、上の段の左側のグラフが小学校第5学年の男子、その右側が小学校第5学年の女子、下の段は、左側が中学校第2学年男子、右側が女子となっています。
 緑色の棒グラフが本市の結果で、黄色のグラフが全国の結果となっています。本年度は小・中学校、男女とも、本市の結果は全国を上回っています。
 また、本市では小・中学校、男女とも、体力合計点は20年度から向上傾向が見られます。
 続いて、「イ」の種目別結果ですが、8ページに小学校、特別支援学校小学部の第5学年の結果を、次の9ページに中学校、特別支援学校中学部の第2学年の結果について、種目ごとにグラフで示しています。
 8ページを御覧ください。
 この種目ごとの結果の見方ですが、4本の棒グラフのうち、左半分の2本の棒グラフが本市平均値、右半分の2本の棒グラフが全国平均値となっています。
 そして、左から2番目の黒で示したものが平成26年度の本市平均値で、その左側に平成21年度本市平均値、右半分の全国平均値についても、同様の並びです。
 本年度の結果を21年度のものと比較している理由ですが、本市では21年度に、児童生徒の体力向上に向けた「運動プログラム」を作成し、全小・中学校へ配布しました。また、この年から新たに「体力つくり講演会」を実施するなど、体力向上に向けた施策の拡充を図った年であることから、この度は21年度と26年度の比較ということで整理しています。
 それでは、具体的に調査結果について説明いたします。
 まず、「小学校第5学年、小学部第5学年男子」の結果についてです。
 26年度本市平均値は、左側の21年度本市平均値と比べて、「握力」、「立ち幅跳び」、「ソフトボール投げ」において下回っていますが、その他の5種目については上回っているという結果が出ています。上回っている種目の割合は、62.5%ということになります。
 次に、全国と比べてみますと、26年度本市平均値は、「握力」「長座体前屈」において下回っていますが、その他は上回っており、上回っている種目の割合は75%となっています。
 続いて、右のページですが、「小学校第5学年、小学部第5学年女子」の結果ですが、26年度本市平均値は、21年度本市平均値と比べて、「握力」、「立ち幅跳び」、「ソフトボール投げ」において下回っていますが、その他は上回っており、男子と同じく、上回っている種目の割合は62.5%となっています。
 全国の平均との比較では、「握力」「長座体前屈」「20mシャトルラン」「立ち幅跳び」において下回っていますが、その他の4種目は上回っていますので、上回っている種目の割合は50%となっています。
 続いて、9ページを御覧ください。
 「中学校第2学年、中学部第2学年男子」の結果ですが、26年度本市平均値は、21年度本市平均値と比べて、「握力」「立ち幅跳び」「ハンドボール投げ」において下回っていますが、その他の6種目は上回っています。上回っている種目の割合は66.7%となっています。
 全国との比較では、「持久走」「20mシャトルラン」「立ち幅跳び」「ハンドボール投げ」において下回っていますが、その他の5種目は上回っています。上回っている種目の割合は55.6%となっています。
 次に右の女子の方ですが、26年度本市平均値は、「ハンドボール投げ」において下回っていますが、その他の8種目は上回っており、上回っている種目の割合は88.9%となっています。
 また、全国との比較では、「握力」「持久走」「20mシャトルラン」において下回っていますが、その他の6種目は上回っており、上回っている種目の割合は66.7%となっています。
 以上が体力テストの結果です。
 続きまして10ページを御覧ください。
 「(6) 児童生徒に対する質問紙調査の結果」について御説明します。
 この質問紙の調査項目は、小学校では26項目、中学校では27項目となっていますが、ここでは特徴的なものだけを取り上げています。
 まず、「ア 1週間の総運動時間の分布」ですが、体育・保健体育の授業以外で、運動やスポーツをどれぐらいしているか調査したもので、体を動かす遊びについても、この時間に含まれています。
 左上のグラフ、小学校第5学年男子のグラフを御覧ください。
 グラフの見方ですが、縦軸が児童の割合、横軸が1週間の総運動時間で、1つの目盛りが60分となっています。
 ここで、吹き出しに示してありますように、グラフの一番左側の部分にあたる、1週間の総運動時間が60分未満の男子の児童の割合は5%となっています。
 同様に見ていきますと、小学校第5学年女子では12%、中学校男子では6.6%、中学校女子では21.9%となっており、小・中学校とも、女子の割合が高くなっています。
 続きまして、「イ 体育・保健体育の授業は楽しい」という項目から、次のページの「カ」の項目までは、体育・保健体育の授業に関することとしています。
 まず、「イ 体育・保健体育の授業は楽しい」についてですが、「体育・保健体育の授業は楽しいですか。」という質問に対して、「楽しい」と回答をした割合は、小・中学校の男女とも、本市の方が全国よりも高くなっています。
 次に、「ウ 体育・保健体育の授業でできなかったことができるようになったきっかけ」ですが、「授業中に先生に個別にコツやポイントを教えてもらった」「授業中に自分で工夫して練習した」など、10の選択肢から複数回答を可能として回答しています。
 回答の割合が最も高かったのは、小・中学校の男女とも、「友達に教えてもらった」というもので、特に中学校第2学年の女子において高くなっています。
 続いて、「先生や友達のまねをした」「授業中先生に教えてもらった」という回答の割合が高くなっており、できなかったことができるようになったきっかけは、先生に教えてもらうよりも、友達に教えてもらう方が多いことが分かりました。
 この結果から、体育・保健体育の授業では、教師が一方的に教え込み、ひたすら個人で活動するような授業ではなく、児童生徒が友達とお互いの動きを見合い、教え合ったり励まし合ったりする場面を設定した授業を行う必要があることが分かります。
 続きまして11ページを御覧ください。
 「エ 体育・保健体育の授業で努力を要する児童生徒がいる場合の教員の取組」ですが、これは、教員に対する学校質問紙調査で、「体育・保健体育の授業で努力を要する児童生徒がいる場合に、どのような取組をしていますか。」という質問に対する回答となっています。
 その結果、「個別にコツやポイントを教える」とか「友達同士で教え合いを促す」など、本市は、小・中学校とも全ての項目において国を上回っており、先生方が努力を要する児童生徒への支援に努めていることが分かります。
 続いて、「オ 体育・保健体育の授業におけるめあて(目標)の提示と体力合計点との関連」です。
 左上の小学校第5学年男子のグラフを御覧ください。
 「そう思う」と回答した児童の体力合計点の平均は56.1点で、「ややそう思う」では53.5点、「あまりそう思わない」では51.4点、「そう思わない」では50点となっており、「そう思う」と回答した児童の体力合計点は、他の3つの回答群の体力合計点を上回り、最も高くなっています。
 また、小学校女子、中学校男女とも同様の結果となっており、めあてをきちんと提示している授業を受けている児童生徒の体力が高いことがうかがえます。
 最後に、「カ 体育・保健体育の授業における学んだ内容をふり返る活動と体力合計点との関連です
 ここでも、小・中学校、男女とも、「そう思う」と回答した児童の体力合計点は、他の3つの回答群の体力合計点を上回り、最も高くなっています。
 児童生徒質問紙には、その他、先生方が日々の授業に活かしていくべき視点が盛り込まれていますので、今後、授業改善の中で活かしていきたいと考えています。
 続いて、12ページを御覧ください。
 ここでは、二つ目の調査である「『広島市児童生徒の体力・運動能力調査』の概要」についてです。
 「(1) 調査目的」につきましては、本市児童生徒の体力・運動能力の現状を明らかにし、その調査結果の分析をもとに体育・健康に関する指導の充実に努め、児童生徒の健康の増進と体力の向上を図ることとしています。
 「(2) 調査校数等」ですが、広島市立小・中・高等学校、中等教育学校及び特別支援学校の児童生徒を対象としており、調査校数は、216校、調査対象は10万936人となっています。
 「(3) 調査実施期間」は、平成26年4月から7月の間としており、「⑷ 調査事項」につきましては、実技調査である「ア 新体力テスト」と「イ」の生活状況調査となっています。
 次の13ページを御覧ください。
 ここでも結果を種目ごとに表しています。
 表の中の二重丸(◎)は、平成26年度本市平均値が平成21年度本市平均値と比べて、同じか上回っている種目を示しています。
 一番下の四角囲みの中に示していますが、小・中学校全体をこの表から見てみますと、26年度本市平均値は、21年度のそれと比べて、全150種目のうち112種目が同じか上回っています。74.7%となっています。
 小学校については、全96種目中70種目、72.9%が、同じか上回っています。
 中学校については、全54種目中42種目、77.8%が、同じか上回っているという結果が出ています。
 最後に、14ページを御覧ください。
 3の「調査結果の考察」についてですが、そこに記載しているように、本市の児童生徒の体力の状況は、全体的に改善の傾向が見られています。その要因としては、本市教育委員会が作成した「運動事例集」等が各学校の体育・保健体育の授業で活用され、授業改善が図られていることが考えられます。
 今年度は、平成21年度に作成・配布した「運動プログラム」に加え、「運動事例集」及び事例集に掲載している運動の動画を収録したDVDを全小・中学校に配布するとともに、その活用についての研修会を開催し、活用を促しています。
 また、体力向上に効果的な指導方法に関する実技研修会等の開催や、各学校が「体力つくり推進計画書」を作成し、体力向上の取組が学校体制で進められるようになったことなどが考えられます。
 さらには、児童生徒が自ら進んで運動を実践する習慣を形成し、生涯を通じて運動に親しむための基礎が培われるよう、運動への意欲を高めることを目的として、「体力アップハンドブック」や、体力テストにおいて一定の基準に達した児童生徒に「体力アップ認定証」、「体力優秀賞」を交付したことも要因の一つと考えられます。
 「体力アップハンドブック」には、自己の体力テストの結果を記入する欄や、日々の運動量を記録する欄を設けており、自己の体力の課題に応じて授業や休憩時間等に意欲的に運動に取り組むことにつながっていると思われます。
 一方、小学校では「ソフトボール投げ」、中学校では「握力」において改善が図られていない状況があり、今後、改善に向けた取組を重点的に推進する必要性があります。
 それでは、御手元にお配りしています「体力アップハンドブック」について御説明します。
 これは、小学校第5・6学年で使用しているものですが、体力テストの目標記録を書く欄があり、3ページには自分の記録を書き込めるようになっていて、体力のバランスを確認できるようになっています。
 また、15ページからは、「体力銀行」ということとして、日々の運動量を記録するコーナーとなっており、1万点を越えたらステッカーを交付し、27ページにそれを貼ることができるようにし、運動への意欲を高めるようにしています。
 続いて、表紙が赤い資料ですが、これは実際の小学校の指導資料に当たります。
 「主運動につながる運動事例集」の17ページですが、ここでは、投げる動作を含む運動を紹介しています。
 また、20ページ、24ページでも、投げるということを紹介しており、児童に投げる経験をさせることが必要であると考えています。
 もう一つ表紙が青い資料ですが、中学校の指導資料です。
 「主運動との接続を図った運動事例集」で、ここでは、7ページ、8ページに、握力の向上につながる運動を示していますが、鉄棒の授業の時だけではなく、他の授業のはじめの5分から10分間、このような運動を行うことで握力の向上につながっていきます。
 最後に、資料14ページにお戻りください。
 「今後の対応」をまとめておりますが、体育・保健体育の授業改善を図る取組として、「運動事例集」を活用した研修会を開催し、課題となっている「ソフトボール投げ」「握力」の向上に向けた取組を進めます。また、体力向上推進校を指定し、調査で明らかになった課題を踏まえた授業改善を行い、その成果を公開研究会や実践発表会等を通じて、他の小・中学校へ普及・啓発します。
 また、各学校において、体力向上に向けた組織的・計画的な実践をより一層推進するための取組として、自校の新体力テストの結果分析をもとに、重点的に取り組む課題を明らかにし、改善策等をまとめた「体力つくり推進計画書」を引き続き作成するとともに、その計画に基づいて、学校全体で体力向上に向けた取組が実施されるようにします。
 また、児童生徒が自ら進んで運動を実践する習慣を形成し、生涯を通じて運動に親しむための基礎が培われるよう、引き続き「体力アップハンドブック」や賞状等の交付を行うとともに、その一層の活用について促し、児童生徒が体を動かすことを楽しいと感じたり,体を動かすことへの励みになったりするような動機付けを行います。
 こうした取組を通して、今後も本市児童生徒の体力の一層の向上を図っていきたいと思います。
 以上で、「平成26年度『広島市児童生徒の体力・運動能力調査』結果について」の報告を終わります。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。
 この「握力」や「ソフトボール投げ」の成績が悪いというのは、原因の分析は出来ているのですか。

指導第一課長

 これは全国的にもこういう傾向があるということで、これだというように確定できるものはありませんが、握力の低下につきましては、日常生活で握力を使う機会が減ったこと、例えば鉄棒、うんてい、のぼり棒など、子どもたちが公園などでしている場面が減ったことなどが挙げられます。
 次に投力の低下については、これは調査に関わった大学の先生の分析ですが、投げる行為の上達は経験に左右されるということで、子どもたちの投げる機会が年々少なくなっているという分析であるとか、野球系よりもサッカーをやる子が増えたので、それによって低下したのではないかという分析が行われています。

鈴木委員

 私は、先日、幼稚園の研究報告に参加したのですが、そこで報告された二つの幼稚園が、なわとびとドッジボールを1年間通して行って、それを中心として体力向上をしてきたという報告でした。今年、体育の全国大会を引き受けられ、幼、小、中が連携して取り組んでおられるということで、なわとびとかドッジボールというものも、皆で励まし合って、途中で発表会をしたりしています。なわとびをしてどこが上手に出来たかということを話し合ったり、ドッジボールも途中で話し合いを入れて、話し合って良くしようという考えでやっているようです。そこが低いからやろうとすると無理が生じると思いますので、なわとびも賞状を出したりされている事例もあります。そのような幼稚園の取組などを小学校で継続されるとか、あるいは中学校と幼稚園が連携する授業があると思いますが、幼小連携とか、中幼連携とか、家庭科の授業であると思いますので、そういったところで、子どもたちが運動をコアにしながら関わるということに取り組まれると良いのではないかと思いました。中学生になってみてドッジボールをしているのを見るとやってみたくなったりします。いずれにしても続けるということが大事で、ここで体力が高かったから終わりというのではなくて、もう一回やってみたいなとか、なわとびだったら年をとっても出来るなとかいう経験を積み上げていくことだろうと思いました。2園の幼稚園の発表も、ただの発表ではなくて、ちゃんとめあてを作って、計画を立てられて取組をされていましたので、今後全国大会に向けて、各学校でされている良いところをまねしていかれると良いのではないかと思いました。自分が関心を持ったことは、11ページのグラフがありますが、「めあてが示されているかどうか」とか「ふり返る活動をしているかどうか」というのは、授業改善で効果が出ていると見たのですが、中2の男子だけあまり差がないというのが見れました。小5と中2の女子は「そう思う」がかなり高いけれども、中2の男子だけそこにあまり変化がないのは、それよりも違う要因があるのかなと思ったのですが、どうでしょうか。分かれば教えてください。

指導第二課長

 詳細な分析はもう少しというところはありますが、確かに中学校の男子の「そう思う」の数字はやや低いかなと思います。

教育次長

 中学校2年の男子は、この時期、一番体が大きくなる時期だと、経験則で思います。それだけ身体能力がガラッと変わる時期に当たるから、これに影響するのかとも思います。

鈴木委員

 授業改善以外の要因ということですね。

井内委員長

 授業でやっていることではなくて、他のことに興味が出てくる時期ということですか。

教育次長

 自己の身体そのものの能力や体格が成長していくことの方が大きい要素として働くのかとも思います。

溝部委員

 全体の結果を見ましたが、21年度に比べて26年度が相対的に伸びているということで、大変大きく評価できることだと思います。それはなぜそのように伸びたのかということもきっと分析されていると思いますが、こういう手立てを全市的に一つずつ取り組んでいくことは非常に大事だと思います。今ここにあります「体力アップハンドブック」の5、6年生のものはかわいらしい素敵だと思いますが、中学生のものはないのですか。

指導第二課長

 作成しておりません。

溝部委員

 これをずっと中学校3年生まで一貫して持てるような結果があれば、すごく伸びていることが分かるのではなかろうかと思います。小学校だけで完結するのはもったいないなと思います。
 それから大きく効果があると思ったのは、10ページの先生方の体育・保健体育の授業は楽しいかどうかということの全国比較ですが、小学校も中学校も全国よりも大変上回っている、さらに先ほど鈴木委員が言われた授業のめあて、ふり返りの活動は、すごく大事なところだと思います。このめあては一つめあてを出すのではなくて、そのめあてに対して一人一人はどういうめあてを持ったかということだと思います。そういうことが大きな効果を出しているのだと思いました。
 10ページの上の方の、1週間の総運動量、運動時間の分布を見ますと、全国的にも言われていますが、子どもたちの体力低下や運動能力の課題は二つあると、一つは低年齢化であり、乳幼児の頃から運動能力が難しくなっているということと、もう一つは二極化であると言われています。この中学校のグラフを見ても、明らかに二極化であるなと思います。そうであれば、平均値は全国よりも上回っているけれども、大きく二極化した運動をしていない子どもたちの生活習慣はどうなっているのかと思います。SNSに浸っているということもあって、10オフ運動も今やっていますが、生活習慣全体を見直して、運動という習慣をどう位置付けるかということからも少し指導を見ていく必要があると思います。PTAの方も一緒に考えたいことと感じました。
 この二極化のところで、女の子についてはたくさんの子どもたちが運動をほとんどしていないけれども、これにはいろんな理由があると思います。運動をする環境も整っていないのかもしれませんし、そこら辺りについて今後分析をされれば、また教えていただきたいと思います。

指導第一課長

 体育の時間以外で、休憩時間等があるはずです。小学校では大休憩と昼休憩があって、合せて30分は時間があります。その時間に読書をしたりとか、運動をしていない子どもも結構います。学校によっては、皆外に出ましょうとやっているところもあります。将来的な生涯体育の観点からいえば、この時期にしっかり体を動かすということが大事だと思います。学校での取組、それから溝部委員が言われた家庭でどうするかというところで、なかなか難しい面はあると思いますが、外遊びということもあると思います。

溝部委員

 体力、運動能力というのは、自分の身を危険から守るということに大きく影響してきます。転んだ時に手をつくとか、翻って身をかわすとかというものにも直結するし、精神的なストレスへの耐性にも大きく関わるので、子どもたちの体力、運動能力の育成については、今後とも非常に大事なことかなと思います。

井内委員長

 中学校2年生の女子は、20%以上はほとんど運動をしていないというわけですよね。これは全市的に体制を立ててみて、昼休み時間には外に出るようにするとか、注意喚起していく必要があるのではないかと思います。少しでも休み時間には体を動かそうとか、そういう日々の積み重ねが大事だと思います。小学生の時はそのようなことはないのに、中学校になったら、特に女子は、急にこのようになるということは、ちょうど生活習慣が変わってくる時期なのかもしれませんね。是非よろしく御検討ください。

栗栖委員

 種目によって多少の違いはあるにしても、改善方向に進んでいるということで、学校現場での努力による効果が表れているのだと思います。
 その中で、昨年の8月にあった事務点検・評価報告書の中の項目で、「体力の向上」というのがありますが、このデータは、この「体力の向上」の一つのデータとなるというように理解してよいのでしょうか。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 項目の中で、「学力の向上」は重点項目になっていますが、「体力の向上」は重点項目になっていません。場合によっては「体力・学力の向上」と一括りにして重点項目とすることを検討されるのも良いのではないかと思いました。
 この事務点検・評価報告書の中の課題への対応ということに書いていることとの関連でお聞きしたいのですが、8月の報告書ではこの体力アップ認定証の中学校への交付を検討すると書かれていますが、この検討はどうなっていますか。

指導第二課長

 検討中です。

栗栖委員

 昨年の8月で、課題として認識しているのですから、これをどうするのかもきちんと整理された方が良いのではないでしょうか。
 小学校で大きな効果が上がっているのであれば、課題として検討されているのですから、中学校でも交付されれば、中学生の体力向上にも役立つのではないかと思います。
 また、前回の課題では、小学校のソフトボール投げと中学校の持久走の改善が記載されています。今回のデータを見ると、持久走については、21年度に比べると向上はしているけれども、全国的にはまだ低い。今後の対応として、今回は、種目としてはソフトボール投げと握力の二つが掲げられていますが、持久走についても、引き続き改善を図っていただきたいと思います。
 それから、昨年の8月では「Doスポーツ体育指導者招聘事業の推進」ということで、児童や生徒のスポーツへの興味や関心を高めるということでレベルアップを図ろうとされていますが、この辺りは順調に進んでいるのでしょうか。

指導第一課長

 計画的に進めております。

栗栖委員

 このことについても個別の体力測定ということではなくて、側面から、運動そのものに関心を持っていくような形で進めていただくことにより、体力の向上につながるのだと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

指導第二課長

 先ほどありましたように、中学校の女子が二極化しているという中で、当然、体育の授業改善を行っていく必要があるかと思います。一つの事例として、戸坂中学校の事例ですが、「夕スポ」という時間を月に1回は設けまして、そこで教職員も一緒に全員でグラウンドに出てなわとびをやるということをずっと続けています。それがきっかけになって、全体的に体力が向上してきたということがあります。当然体育の授業はあるのですが、そういった取組を広げていければなと思います。
 それから持久走についても課題だと考えております。国の協働学習を取り入れた長距離走、駅伝を活用して、生徒が楽しみながら、お互いの声掛けや話し合いにより、学習意欲が喚起され、全体的な新体力テストの全国平均を持久走以外は上回っていたが、持久走だけは難しかった学校が、駅伝の活用により改善を見ております。そのように一つそういった取組を入れるということが、改善に向かうものであると考えておりまして、こういった事例を今後各学校に普及していきたいと考えています。

指導第一課長

 先ほど鈴木委員から御意見のありました今年11月に行われる「全国学校体育研究大会」ですが、ここで素晴らしいと思ったのは、幼・小・中・高・特別支援学校の校長先生や先生方が、常に協議会を持ちながら、どうしたらよいかということを考えていることがあります。先日も、校長先生に聞くと、「とてもよかった」、「校種を越えてこういう大会が出来るのは素晴らしいことだ」と言われていました。そのような意見も参考にさせてもらいながら、全市でどのように取り組んでいくかを考えていきたいと思います。

鈴木委員

 今、DVDに関心を持って見ていたのですが、せっかく作られているので、普段流しているだけでも、リズム運動のところは体操になっていましたので、朝の15分か10分くらい、皆で運動をするというようなことも取組としては良いのではないかと思いました。中学の方の最後にダンスがありまして、コミュニケーションタッチなどは動画で入っていますのでおもしろいかなと思います。DVDの活用というのが一つです。
 また、先ほど長なわとびと言われましたが、とても良い取組だと思います。団結心が生まれるのです。人へのいたわりといいますか、一人がひっかかってもいいよということもありますし、同じようにジャンプしないとうまくいかないということもあります。そういった副次的効果もありますので、長なわとびはいいと思います。
 ともかくDVDをもっと活用して、1日5分くらいでも運動の積み重ねが出来ればなと思います。

藤本委員

 うちの息子も、昨年この体力アップ認定証を学校からもらって帰りまして、喜んでいたのですが、やはり体力や運動能力というのは社会のあり方の反映だと思います。握力とボール投げですが、おそらく握力は大人が測ってみても昔より低下しているのではないかと思います。また、ボール投げについても、今、子どもが気兼ねなくボール投げをできる場所がありません。そんな広いスペースもないし、公園でもそういったことが禁止されているという状態の中で、子どもが伸び伸びと外を走り回って、外遊びができる環境を作るということも、一面ではとても大事なことだと思います。先ほど言われた幼・小・中連携ということですが、小・中だけではなくて、乳幼児からの運動量という部分がとても大きいのだと思います。保育園・幼稚園の時から、たくさん歩いたり、たくさん動いたり、危険な遊びもしたりという環境が失われていると思いますので、幼児期からの運動量、運動の内容というものも考慮に入れて、連続的に捉えていく必要があると思います。幼児教育の部分でも、そういった視点を連続的に入れていっていただきたいと思います。
 それと、外遊びの環境ですが、子どもたちの放課後は、昔に比べて安全なものではなくなっている、自由に外を遊び回っていることがはばかられるような状況になっている中で、安全面という部分もあるのですけれども、公園にいる子どもたちも、皆集まってDSをそれぞれ持って来てやっているのが現状ですから、非常に嘆かわしく思います。そういった意味で、地域の方に協力していただいて、子どもが放課後、公園で体を動かして伸び伸び遊べるような環境を見守ってもらいながら作るということもとても大事ではないかと思います。学童保育の子どもたちが増えているのですが、そういった子どもたちは、今は室内で過ごしている状況ですが、広い校庭があるわけですから、外遊びを学童保育の時間にできる状況を作るということも大事なことではないかと思います。今の社会情勢からいって、何か問題が起きると先生が責められる、学校が責められるという状況の中で、あまり危険な責任問題になるようなことは避けざるを得ないような状況の中で、やはり教育委員会がそういったこともできるような後押しの仕組みを考える必要があると思います。
 授業改善というのも非常に実行的な方法で、22年度以降からの効果が出ているということは重要なことだと思いますが、もう一つの視点として、子どもが外で思い切り遊べるような環境を作っていくという部分も、もう一歩伸ばしていくためには必要な視点ではないかと思います。

指導第一課長

 国が24年に策定した幼児期の運動の指針で、「毎日合計60分以上楽しく体を動かすのが望ましい。」と示されています。小学校ではどうかというのは出てはいませんが、幼児期の60分というのは大いに参考になるのではないかと思います。

尾形委員(教育長)

 幼児期が非常に大事だということで、幼児期の子どもの歩く歩数が数年前と比べて全然違います。それと鬼ごっこがなくなった。鬼ごっこをしたら走り始めたりストップしたりと調整力が身に付くけれども、調整力が身に付いていないと、顔から落ちて怪我をするということになります。幼児期というのは大切な時期ですので、目標を定めて各園で取り組んでいます。環境の部分については、公園の所管課と連携を取りながら行っていきます。

井内委員長

 ボール投げで言いますと、家の近所で投げられるところはないですね。我々の時代には、投げる、打つ、走るというのは当たり前の遊びでしたが、今やろうとしたら、河原でもなければどこにも投げるところがありません。それは我々が課題として取り上げて、そういう場所を提供していかなければいけないのかと思います。環境を整える、子どもの遊び場を確保するということはなかなか容易なことではありません。学校の校庭を開放すれば良いのかといえば、それも問題でしょうから、それをどうクリアするかは、知恵の出しどころだと思います。場所があれば、今の子どもだって、ソフトボールや野球をやるでしょう。今の子どもも決して嫌いではないのですから。場所がないからできないだけでしょう。これは是非課題にしましょう。
 次に、議題3 議案第8号の「博物館の登録に関する規則の制定について」を議題といたします。
 本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、総務課長から説明を受けます。

総務課長

 議題3 議案第8号の「博物館の登録に関する規則の制定について」、御説明します。
 資料15ページを御覧ください。
 制定理由ですが、博物館法の改正により、博物館の登録事務等が広島県教育委員会から本市教育委員会に移譲されることに伴い、博物館の登録に関する規則を定める必要があるものです。
 まず、博物館法について御説明いたしますので、資料18ページの「博物館法の改正に伴う規則の制定について」を御覧ください。
 まず、「1 博物館法の概要」についてですが、博物館法では、概ね次のことが定められています。
 「(1) 博物館の定義」ですが、博物館法において「博物館」とは、「歴史、芸術、民俗等に関する資料を収集、保管、展示することにより利用者の教養の向上や資料の調査研究等を行う施設のうち、地方公共団体等が設置するもので、登録を受けたものをいう。」とされています。本市域内では、ひろしま美術館、こども文化科学館、郷土資料館、現代美術館など8つの施設が登録されています。
 「(2) 博物館の事業」ですが、「ア 実物、標本、模型等の博物館資料を豊富に収集、保管、展示すること。」、「イ 博物館資料に関する専門的、技術的な調査研究を行うこと。」、「ウ 博物館資料に関する講演会等を主催すること。」などが挙げられています。
 「(3) 学芸員の資格」ですが、学士の学位を有する者で、博物館に関する科目の単位を修得したもの等が定められています。
 「(4) 登録」についてですが、登録の申請、登録要件の審査、登録の取消し等が定められています。
 「2 法改正による事務・権限の移譲」についてですが、博物館法の改正に伴い、これまで都道府県の教育委員会が行ってきた指定都市の区域内に所在する博物館のうち、都道府県が設置するもの以外のものの登録等に関する事務・権限について、当該指定都市の教育委員会へ移譲されることとなったものです。
 「3 博物館の分類」についてですが、博物館法の規定により登録を受けた施設を「登録博物館」といい、設置主体は、地方公共団体、一般社団法人等とされ、設置要件は、館長・学芸員の必置、年間150日以上の開館等とされ、登録は教育委員会が行います。
 また、博物館法に相当するとして指定された施設を「博物館に相当する施設」と言い、設置主体に制限はなく、設置要件は、学芸員相当職員の必置、年間100日以上の開館等とされ、指定は教育委員会が行います。
 「4 教育委員会規則の制定」についてですが、この度移譲される博物館の登録等に関し、必要な事項については、博物館法第16条の規定により教育委員会規則で定めることとされているため、本市教育委員会において、教育委員会規則を制定する必要があるものです。
 「5 施行期日」は、権限が移譲される平成27年4月1日です。
 19ページに博物館法の新旧対照表を、20ページ以下に改正後の博物館法を載せています。
 それでは、引き続き制定する規則の内容を御説明しますので、戻りまして16ページを御覧ください。
 規則の題名は「博物館の登録に関する規則」です。
 第1条(趣旨)で、「この規則は、博物館法第16条の規定に基づき、博物館の登録に関し必要な事項を定めるものとする。」とします。
 第2条(登録の申請)で、「法第10条の規定による登録を受けようとする者は、次の各号に掲げる書類を添付した博物館登録申請書を広島市教育委員会に提出しなければならない。」ということで、次の各号とは、(1) 地方公共団体が設置するものにあっては設置条例の写し、一般社団法人又は一般財団法人が設置するものにあってはその定款の写し、宗教法人が設置するものにあってはその規則の写し、(2) 館則の写し、(3) 直接、博物館の用に供する建物及び土地の面積を記載した書面及びその図面、(4) 当該年度における事業計画及び当該事業に係る予算を記載した書面、(5) 博物館資料の目録及び学芸員の氏名を記載した書面とします。
 第3条(登録要件の審査等)で、「教育委員会は、法第12条の規定による登録要件の審査に当たっては、実施調査及び学識経験者の意見を聴く等、審査の適正を期さなければならない。」、「2 教育委員会は、前項の審査の結果、法第12条の登録要件を備えていると認めたときは、遅滞なく、博物館登録簿に登録しなければならない。」とします。
 第4条(登録の取消し)で、「法第14条第1項の規定による登録の取消しをしようとする場合は、前条の規定に準じ、審査の適正を期するとともに、あらかじめ、当該博物館の設置者に対し、教育委員会の指定する場所において、口頭及び書面による陳述の機会を与えなければならない。」、「2 前項の口頭及び書面による陳述は、博物館がその要件を欠くに至ったと認めた日から、30日以内にしなければならない。」とします。
 第5条(登録事項等の変更の届出)で、「博物館の設置者は、第2条の規定による博物館登録申請書の記載事項について変更があったときは、速やかに、博物館変更届により、教育委員会に届け出なければならない。ただし、博物館資料目録の軽微な変更については、毎年9月30日及び3月31日までに、届け出るものとする。」とします。
 第6条(廃止の届出)で、「博物館の設置者は、博物館を廃止したときは、その事由の生じた日から20日以内に、博物館廃止届により、教育委員会に届け出なければならない。」とします。
 第7条(登録等の公示)で、「教育委員会は、次に掲げる事項について、その都度公示しなければならない。(1) 法第10条の規定による登録をしたとき。(2) 法第13条第2項の規定による変更登録をしたとき。(3) 法第14条第1項の規定による登録の取消しをしたとき。(4) 法第15条第2項の規定による登録の抹消をしたとき。」とします。
 第8条(その他)で、「この規則に定めるもののほか、博物館の登録に関し必要な事項は、教育長が定める。」とします。
 「附則」として、この規則は、平成27年4月1日から施行します。
 制定する規則の内容は以上のとおりです。
 なお、博物館の登録に関する具体的な事務の執行については、既に市民局の補助執行としています「社会教育に関する事務」として市民局文化スポーツ部文化振興課で取り行うことになります。
 説明は以上です。御審議のほどお願いします。

井内委員長

 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明について、御質問・御意見等はございませんか。
 この規則は教育委員会で作るけれども、執行は市民局で行うということですね。

総務課長

 市長への補助執行としております「社会教育に関する事務」の一貫ですから、公民館等と同じ扱いで、市民局文化スポーツ部文化振興課で取り行うことになります。
 なお、この規則については、現在広島県が作っております規則に準じて作っておりますので、内容的には問題ないかと思います。

井内委員長

 県の内容と市の内容が全然違っているとおかしいことになりますが、それはないということですね。

総務課長

 ありません。

井内委員長

 それでは、議案第8号の「博物館の登録に関する規則の制定について」、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することといたします。
 次に、議題4 代決報告第6号の「事務局職員の人事について」を議題といたします。
 本件は、代決報告案件でございます。内容につきまして、総務課長から説明を受けます。

総務課長

 それでは、「事務局職員の人事について」御説明をいたします。
 平成27年2月28日付けで、市長事務部局の各区役所建築課長を教育委員会の技術職員に併任する人事異動を行うこととし、2月27日に教育長が代決しましたので、その内容を報告します。
 資料24ページが議題4、代決報告第6号です。
 1枚めくっていただいて、25ページを御覧ください。
 中区役所建築部建築担当部長建築課長事務取扱の井上雅夫をはじめとする各区役所、8区の建築課長合計8名、西区につきましては部長ですが、8名について教育委員会事務局施設課の整備担当課長として併任を発令しました。
 これにつきましては、福山市や本市で発生しました、小中学校の天井材の落下事故を受け、本市の全幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の校舎の最上階にあります全ての教室・廊下などについて、天井裏の鉄筋コンクリート部分の剥落状態を調査することとしました。
 調査に当たりましては、教育委員会施設課の建築技師は4名しかおりませんので、都市整備局及び区役所の応援を受けることとし、応援を受けます職員130名に対して、教育委員会事務局職員の併任発令を行いました。130名のうち、25ページに示しております担当課長8名に対しては、広島市教育委員会事務決裁規則第1条の規定により、教育委員会の決裁を要することとされています。本調査につきましては、園児、児童、生徒の安全を早急に確保する必要があるということから、担当課長の併任の発令を、同規則第6条の規定に基づき、教育長が代決したものです。
 報告は以上です。

井内委員長

 ただ今の説明について、御質問等はございませんか。

鈴木委員

 大切な問題で、早急に手当てされていることだと思いますが、3月31日までというのは、ここで終わるということですか。

総務課長

 通常、役所の場合、年度末で任期を切りまして、必要に応じまして、また発令をしていくということになります。この8名の中にも、人事異動で異動になる場合もありますので、130名全て3月31日までとしております。それ以降必要であれば、併任の発令を行うことを考えています。

井内委員長

 どのくらいかかる見通しですか。

総務課長

 平日は授業を行っていますので、調査は、土曜日、日曜日、祝日のみ、小学校につきましては、木曜日午後で対応して、年度いっぱいで行われる方向でやっているところです。やはり、学校によりまして、天井の裏に行くのが簡単だったり難しかったりして、かかる時間が違いますので、年度末いっぱいを目標にしています。

尾形委員(教育長)

 最上階全部、教室が何教室もある天井全部ですからね。1日1校くらいです。もし何かあれば1日に1校で済まない場合もあります。

教育次長

 とりあえず点検です。そういう点検結果を受けて、補修したり手当てをする必要がある場合が出てきますので、それはまた業者に発注をかけなければならない場合もありますし、直営でやっていくなどいろんな対応が出てきますので、それは引き続きやっていくことになります。

尾形委員(教育長)

 落下を受けてから、すぐに学校に目視で調査はかけています。それを出してもらって、心配なものは施設の職員がすぐに行って、天井裏に上がって、必要なことは対応しています。それだけでは足りないだろうということで、全てをやろうということになったら、施設課の建築技師は4名しかいないので、全庁、区役所総がかりで対応するということになりました。

総務課長

 見て、剥落しているところがあれば、ハンマーでとりあえず落としてという作業もありますので、そういった事例に当たりますと、時間がかかったりするということになります。

井内委員長

 可及的速やかにやらないといけないことです。幸いにも学校ではありませんが、トンネルの天井崩落事故のようなことがあるのだな、我々の周りのいろんな建物が老朽化の時期ですから、気が付いた時にすぐにやるということが大事だと思います。是非、迅速に対応していただきたいと思います。
 次の議題5及び議題6は、先ほどお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係、及び関係者以外の方は、退席していただきますようお願いします。

 (傍聴人等退席)

 (非公開部分省略)

総務課長

 委員長、発言を求めます。

井内委員長

 発言を許します。

総務課長

 先ほど議決いただきました議題3の「博物館の登録に関する規則の制定について」の第3条第1項の「実施調査及び学識経験者の意見を聴く等」の部分ですが、「実施調査」という記述は「実地調査」の誤記述でしたので、修正した後、再度議決していただきたいのですがいかがでしょうか。

井内委員長

 ただ今、総務課長から議案の記述に誤りがあり、「実施調査」を「実地調査」に修正して議決してほしいとの申出がありましたが、いかがでしょうか。
 (意見等なし)
 御意見がないようですので、総務課長からの申出のとおり、修正して議決することとしてよいでしょうか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、議題3については、「実施調査」を「実地調査」に修正することといたします。
 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、3月26日(木曜日)午後1時30分からです。

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