特集/協同労働 地域のお悩み解決に向けて 仲間と共に新しい働き方を
「協同労働」という働き方をご存じですか。市では現在、39団体・500人以上(令和8年5月時点)が、「協同労働の仕組みを活用して働く」という選択をして、さまざまな地域で仲間と共に地域課題の解決に取り組んでいます。
協同労働ってなに? 一人一人が「主役」の働き方
協同労働とは、「やりたいこと」と「地域課題解決」への思いを共にする仲間が集まり、みんなができる範囲で出資し、対等な立場でアイデアを出し合って、経営方針を話し合い、人と地域に役立つ働き方です。地域の活力低下や担い手不足などの地域課題の解決を目指しています。
事業内容はさまざまで、性別、年齢を問わず、多くの人が活躍しています。
【参考】「株式会社」の場合
株式会社は、株主から出資を募って労働者を雇用し、経営者の下で労働者が働く形で、出資・経営・労働の主体が分かれています
協同労働支援センターによる伴走型支援
同センターのコーディネーターが立ち上げ希望者の相談に乗り、アイデアや課題を整理し、事業計画書の作成や補助金申請書の作成を支援。立ち上げ後も、活動が円滑に進むようサポートします。詳しくは、同センターホームページで。
ホームページ立ち上げ費用を最大100万円補助
【内容】補助率 2分の1(上限100万円)
【要件】市内に拠点を置き、立ち上げ時に3人以上で構成する団体が、協同労働の仕組みを活用し、地域課題の解決につながり、3年以上継続できる事業を行うこと など
まずは気軽に相談を
補助金申請は年2回(6月・10月)。必ず事前(申請受付時期の3カ月前まで)に相談を。詳しくは、同センターへお問い合わせを
◆問い合わせ先:電話554-4400、ファクス554-4401
Q&A 市民の皆さんの疑問などに協同労働支援センターのコーディネーターが答えます
Q 経営したことがないから、どうしたらいいのか不安
A 協同労働では、事業の方針、年・月間の収支計画、目標などを全員で話し合って決めます。困ったことがあれば、相談してください。一緒に解決していきましょう
Q 出資ってどういうこと?
A 出資と聞くとハードルが高そうに感じるかもしれませんが、「事業に必要なお金を出し合う」というイメージです。出資金は1口2,000円など少額からスタートする団体もあります
Q 立ち上げ費用ってどれくらいかかるの?
A 事業の内容や規模によってさまざまです。メンバーが既に持っている道具などを使って広報費用だけの場合や、拠点のリフォーム費用がかかる場合などがあります
Q 相談したら、必ず協同労働として立ち上げないといけないの?
A 協同労働で立ち上げるのではなく、途中から別のやり方(NPO法人、社団法人など)に変更しても構いません。その場合、協同労働支援センターの支援は受けられなくなります
こうして立ち上げました!
-地域の子育て支援のため、服の無料交換会を広めたい-だから私は協同労働を選びました
tomo-ni(トモニ)(西区) 構成員16人
プロローグ
tomo-niの代表・今井美香さん(下写真)は、こどもが小さいころは成長に伴い服がすぐに着られなくなり困った経験から、自宅や商業施設で服の無料交換会を始めました。無料ということで必要な資金がなかなか捻出できず活動に限界を感じていたところ、「協同労働」を知り、事業を立ち上げることを決意しました。
立ち上げまでの流れ
相談開始から3カ月〜1年程度で立ち上げ
【●:今井さんの場合】
1 連絡
協同労働支援センターのホームページから気軽にお問い合わせを
●令和6年9月、同センターに問い合わせ(訪問予約)
2 相談
相談内容を聞き、協同労働の概要やサポート内容、立ち上げまでのスケジュールなどを説明
●同センターを訪問し、事業を立ち上げたいと相談したところ、同センターのコーディネーターから、フリーマーケットなどを併せて開催したら収益化を図ることができ、無料交換会も続けられるかもしれないとの助言を得る
3 事業化・計画づくり
話し合いにより、思いや課題、事業のアイデアなどを整理、事業計画の作成を支援
●他の協同労働団体が運営するフリーマーケットを参考にするため見学に行くなど、コーディネーターと共に事業の組み立てを行う。地区社会福祉協議会や町内会に支援の事前相談なども
4 補助金申請
事業計画を基に、「協同労働個別プロジェクト 立ち上げ支援事業補助金」申請書の作成をサポート
●コーディネーターの支援の下、同じ思いを持つ仲間(出資者)集め、活動の拠点探し、立ち上げ費用の工面などを行い、事業計画を完成させ、補助金を申請
5 事業の立ち上げ
事業が開始された後も引き続き持続可能な運営をサポート。センター内に話し合いに利用できる協議スペースも
●令和7年9月、補助金交付が決定し、協同労働団体として、西区大芝地区で試行的に「ふくめぐり(服の無料交換会)とフリマルシェ(フリーマーケット)」を開催
report(リポート)
服の無料交換会とフリーマーケットで「誰かとつながれる場所」をつくりたい-協同労働という働き方を選んでよかった
地元の町内会の会館を借りて開催
「いらっしゃいませ!」「あ、お久しぶり!」。5月の第1日曜日、西区大芝地区にある楠木会館では、明るく元気な声が響きます。「ふくめぐり(服の無料交換会)」と手作り品や野菜の販売、マッサージなど22店舗が出店した「フリマルシェ」が開催され、あいにくの雨にも関わらず、多くのお客さんでにぎわいました。
代表の今井さん(上写真)は「服の交換会に来てもらうことによって、子育て中の人や高齢の人など孤立を感じやすい人たちに一人ではないことを知ってもらいたい、一息つける場所をつくりたい」と話します。「実際に事業を立ち上げられるか心配でしたが、センターのコーディネーターの皆さんが悩みを一つ一つ解決する手段を一緒に考え、行動してくれるので、ここまで来ることができました。活動を始めて10カ月経つ今も、安定した事業のため収益増につながるようサポートしてもらっています。センターの皆さんや出店者、支援者をはじめ、交換会に来てくれた人が仲間になってくれるなど賛同者が増え、皆で意見を交換しながら共に活動できることを心強く思っています」。出店者がわずかだった初期から、今では20店を超え、出店者同士や利用者との絆も深くなっています。「協同労働の働き方に出会って新たな一歩を踏み出せました。人に寄り添う活動を通じて地域に貢献していきたいです」。
コーディネーターの東木陽子(ひがしき ようこ)さん(上写真)は「多くの皆さんに協同労働の働き方を知ってもらいたいですね。気兼ねなくご相談ください」と呼び掛けます。
神石高原町で朝収穫した新鮮な野菜を販売する出店者
手作りの組みひもを販売するこの日最年長90代の出店者(右)
イベントのチラシを見てはじめて訪れた家族
協同労働団体の活動事例
大学との連携により、学生も参加
◆協同労働「まねき広島」(中区) 構成員8人

市内全域で、外国人を支援。言語の壁を超え、多様なつながりを築き、誰もが広島を満喫できる地域づくりに取り組んでいます。市が市立大学と連携して実施した協同労働を活用した起業を体験してもらうプログラムに参加した同大学の学生やOBもこの活動に参加しています。
農業体験から地域の自然と伝統を未来へ
◆河津川(こうつがわ)プロジェクト(安佐北区) 構成員13人

安佐北区白木町河津川地区で、地域住民や広島型地域運営組織「ひろしまLMO(エルモ)」と連携し、地元小学校と都市農業体験に取り組んでいます。耕作放棄地などを活用し「土に触れ」「食の大切さを学ぶ」ため、田植え、稲刈り、餅つき、しめ縄づくりを開催。茶摘み、ホタル・ブッポウソウ鑑賞なども実施しています。
イベントで地域を明るく
◆お祭りワッショイ(南区) 構成員8人

南区を中心に、地域の祭りやイベントをお手伝い。活気と笑顔あふれる地域を目指して活動しています。
今年2月には、小学生を対象としたスポーツイベントにポップコーンなどの屋台を出店し、200人以上のこどもたちや保護者でにぎわいました。
高齢者により良い生活支援サービスを
◆協同労働びしゃもん台 絆くらぶ(安佐南区) 構成員42人

65歳以上が34%を占める毘沙門台団地。住民サービスを学区住民全体で持続的に担えるようにするため、生活支援事業や農業体験などに取り組んでいます。高齢者が生きがいを感じ、より安心した生活ができるよう住民サービスを提供しています。
みんなで集える場と食事提供を
◆みんなのわいわい広場(西区) 構成員5人

西区大宮地区は、高齢化が進み、1人・2人暮らしの高齢者が多い地域。安心して集い、交流できる場をつくるため、高齢者などを対象にした居場所づくりとして食堂やサロンなどを運営しています。
助け合いと絆の心で困りごと支援
◆城山おたすけたい・絆(佐伯区) 構成員52人

佐伯区城山地区で、町内会と連携し、地域住民に寄り添った困りごと支援を行い、助け合いと絆の心で住みよい町づくりを目指しています。日頃から地域に根差した活動に取り組んでおり、町内にある私設の図書館の清掃なども行っています。
協同労働の働き方を体験してみませんか
協同労働の具体的な活動内容や運営の仕組みの理解を深めることを目的として、実際に活動している団体を視察し、協同労働を体験できるプログラムを随時実施しています。

サロン体験

農業体験
体験プログラムについて詳しくは、同センターホームページで
ホームページ◆問い合わせ先:雇用推進課(電話504-2244、ファクス504-2259)