市長コラム 忙中有閑/第48回

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広島市長 松井一實

市長コラム 忙中有閑(ぼうちゅうゆうかん)

こども・若者と子育てに優しいまち“ひろしま”

 新しい年度を迎え、進級や進学などで期待と不安を胸にしたこどもたちの笑顔がまちに溢れる時期となり、街の表情も明るさを増してきたように思います。私が進学のために広島を離れた頃は、河川敷には多くのバラックが残っており、道路整備も行き届いていない景色を見るにつけ、「ここで長く暮らし続けることは自分にとってプラスになるのだろうか」という思いを抱いた記憶があります。そうした思いが、まずはハード面での取り組みとして都市基盤の整備に力を注いでいくという、今のまちづくりの根底にあります。そしてソフト面の取り組みとしては、ハード面での成果が市民の皆さんにも見えるようになった段階で、地域コミュニティの活性化を重視していこうという思いで、広島型地域運営組織「ひろしまLMO(エルモ)」の設立などに取り組んできたところです。
 こうした中、国においては、少子化の進行や人口減少に歯止めがかからず、深刻化するこどもを取り巻く状況の改善を図るために、令和5年度に「こども家庭庁」が創設され、「こども基本法」に基づく「こどもまんなか社会」の実現に向けたさまざまな取り組みが始まりました。
 出生数が平成30年に1万人を割って以降、減少が加速して令和6年には7,484人となった本市においても、広島の発展の礎となる次代のこどもを大切に育てることは、市が将来にわたり持続的に発展するまちであるために不可欠な取り組みであり、国のこうした動向を踏まえるならば今こそ力を注ぐ絶好のタイミングであると考えたところです。そこで昨年3月に、これから生まれるこどもを含め、全てのこども・若者が広島に愛着を持って、健やかに成長することができるよう、また、保護者も子育ての喜びを実感できるよう、「こども・若者と子育てに優しいまち“ひろしま”」の実現を目指して、「広島市こども・若者計画」を策定したところです。
 今年度は、この計画の下、こども医療費補助の拡充を始めとした子育て世帯の経済的負担の軽減のほか、子育て環境や教育環境の充実、さらには、妊娠・出産期からの切れ目のないきめ細やかな支援の充実など、多くの新規・拡充事業を実施していきます。また、こども・若者・子育て施策全体をけん引し、総合的に推進するため、こども未来局に「こども・子育て政策室」を新設するとともに、全庁的な連携・協力体制の下で、施策の企画・立案から実行までを迅速かつ円滑に推進できるよう、私を本部長とする「広島市こども・若者・子育て政策推進本部」を設置することとしています。
 今後もこの計画に沿って、こうした全庁横断的な組織体制の下で、施策の充実・強化に取り組み、未来を担うこども・若者や子育て家庭を社会全体でしっかりと支える「こども・若者と子育てに優しいまち“ひろしま”」の実現に向けた取り組みを加速していきたいと考えています。

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