山菜の王様 タラノメ
湯来町で精力的に生産・出荷されている「タラノメ」。地元の山菜を食べて、春を楽しみませんか。
◆問い合わせ先:農林課(電話943-9767、ファクス943-9765)
タラノメと湯来町
タラノキは日本各地に分布し、高さは最大5〜6メートルまで成長する樹木です。タラノキの葉の新芽であるタラノメは、独特のほろ苦さやもっちりとした食感から、春を伝える代表的な山菜として「山菜の王様」とも呼ばれています。
湯来町では昭和62年から冬の農閑期の作物として生産・販売を始めました。現在は、5軒の農家が中心となっています。芽ごとに切り分け、ハウス内で温度を調整しながら管理するふかし促成栽培(下記の方法)で、春の山菜シーズンより一足早い2月上旬から市場へ出荷しています。
タラノメの生産のポイントはタラノキを太く育てること。そのために雑草対策や水管理を丁寧に行います。穂木を太く育てることで、太くしっかりとしたタラノメになります。湯来町で生産されたタラノメは特に品質が良いと評判です。町内の産直市や市内のスーパーなどで販売されています。
タラノメの出荷まで
タラノメの出荷までの過程を紹介します。
1.約9カ月かけてタラノキを成長させます
2.株元から切り取ります
3.芽のふくらみごとに細かくカットします
4.発泡スチロールの箱に並べ萌芽させます
5.30〜40日で成長した芽を収穫します
6.パックに詰めて完成です
インタビュー
タラノメを育てている農家の2人に話を聞きました。
【タラノメ栽培を次世代へ】

湯来農事研究会会長 木元千鶴(きもとちづる)さん(77)
湯来町でタラノメを育てて25年。毎年約3,500パックを出荷しています。今の品種は、同研究会が徳島へ視察に行って持ち帰ったもの。タラノキのとげの少なさが特徴の品種で、以前のとげの多いものと比べ扱いやすくなりました。
同研究会で出荷を始めたころは20軒くらいで育てていましたが、高齢化とともに減少し今は5軒になりました。湯来町もタラノメも、若い人にどんどん後を盛り上げてもらえたら嬉しいです。
【思いを受け継ぎ質を大切に】

市の就農支援をきっかけに広島へ移住 宮崎光太(みやざきこうた)さん(34)
市の“ひろしま活力農業”経営者育成研修を受けて、3年前から湯来町で農業を始めました。農事研究会にも参加しています。
タラノメの栽培を始めたのは2年前に農業仲間に誘われたことがきっかけです。試行錯誤を重ね、去年から出荷できるようになりました。地域のつながりを大事にしたいし、タラノメを継承していきたい。これからはタラノメを育てる面積を拡大しながら、今以上に質を大事にして一つ一つの長さと太さにこだわっていきたいです。
お薦めの食べ方
定番は天ぷら。ほのかな苦みを楽しんで
さっと湯がいておひたしで。しょうゆをかけて
主な販売場所
湯来特産品市場館

湯来町多田2563-1
電話090-3176-6102
ファクス0829-85-0203
JA交流ひろば とれたて元気市広島店

安佐南区大町東二丁目14-12
電話831-1831
ファクス831-1888