神楽とは、日本古来の伝統芸能で、神の前で行う鎮魂・五穀豊穣(ごこくほうじょう)・災厄の払拭・豊作のお礼のための歌や舞がその発祥と言われています。今でも秋祭りでは、地域の幸せを祈る舞として神楽が奉納されています。
神楽は、日本各地に伝承されていますが、その形はさまざまです。区内では、高陽地区の6団体が儀式的な性格の強い「十二神祇(じんぎ)神楽」を、白木・可部・安佐地区の8団体が演劇性の高い「旧舞、新舞」と呼ばれる神楽を継承しています。あさきた神楽発表会では、令和4年度からこの2種類の神楽を隔年で上演しており、今回は「旧舞、新舞」が披露されます。
旧舞、新舞は、どちらも芸北神楽と呼ばれるもので、島根県の石見(いわみ)地方が源流と言われています。新舞は、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)により神楽が規制される中で創作されたもので、神道色を薄めた娯楽性の高い神楽です。これに対し、戦前の芸北神楽が旧舞と呼ばれるようになりました。
演劇性が高いことから人気を集め、定期公演や大会が開かれるほか、各種イベントでも上演されています。
飯室(いむろ)神楽団は、昭和57年、「飯室神楽保存会」として発足し、今年で創立42年。現在は、地元飯室の青年を中心に16人の団員が週2回ほど、活動しています。
コロナ禍では、約2年間活動休止を余儀なくされました。その間練習もできず、基礎体力が低下したため、体力を取り戻すところから始まりました。コロナ禍が明けて、各団員が一生懸命日々の練習に取り組むことで、今までの勘や体力を取り戻してきました。
今回の発表会で、飯室神楽団は「天岩戸(あまのいわと)」を披露します。この演目は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸にお隠(かく)れになり、暗くなった世の中で八百万(やおよろず)の神々が岩戸の前で神楽を舞うことで、この世は再び明るくなるというあらすじです。
時間 | 演目 | 出演団体 |
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午前9時半〜9時45分 | (開会あいさつ) | ― |
午前9時45分〜10時 | 神降し(かみおろし) | 鈴張神楽団 |
午前10時5分〜10時45分 | 戻り橋(もどりばし) | 亀山子供神楽 |
午前10時50分〜11時25分 | 天岩戸(あまのいわと) | 飯室神楽団 |
午前11時半〜午後0時10分 | 土蜘蛛(つちぐも) | 鈴張神楽団 |
午後1時〜午後1時35分 | 大森彦七(おおもりひこしち) | 綾西神楽團 |
午後1時40分〜2時25分 | 牛御前(うしごぜん) | あさひが丘神楽団 |
午後2時半〜3時15分 | 紅葉狩(もみじがり) | 宮崎神楽団 |
午後3時20分〜4時10分 | 大江山(おおえやま) | 亀山神楽団 |
午後4時15分〜5時15分 | 寿永の乱(じゅえいのらん) | 宮乃木神楽団 |
午後5時15分〜5時25分 | (閉会あいさつ) | ― |
元日には、能登半島地震が発生し、今もなお被災地の方々は大変な状況であることと思いますが、被災地の再生と復興を願い上演させていただきます。
5年ぶりに、安佐北区民文化センターであさきた神楽発表会を開催できることを大変喜ばしく思います。
旧舞、新舞系神楽団体一同、日頃の練習の成果を十分に発揮し、来場された皆さんの明日からの活力になるべく頑張ります。