市長コラム 忙中有閑 第41回
古き友と新しき友を訪ねて
今年も残すところあと１０日となりました。皆さんは、今年を振り返ってどんな一年であったでしょうか。
市の一年の振り返りは、１ページをご覧いただくとして、今回は、先日訪れたドイツ・ハノーバー市とイタリア・ベネチア市のお話をしたいと思います。
ドイツ・ハノーバー市とは、昭和58（1983）年に姉妹都市提携を行い、これまで青少年交流、平和、経済、文化など幅広い分野で交流を積み重ねてきており、今年は提携40周年記念事業に出席するために訪問しました。
当地で行われたイベントでは、上田流和風堂（西区古江東町）の茶室が再現され、そこで行われた上田宗箇流家元による講演や茶道のデモンストレーションは、多くのハノーバー市民が参加し大盛況でした。上田宗箇流の皆さんは、長年ハノーバー市で茶道文化を広めておられます。その稽古は、本市が友好の証として35年前に寄贈した茶室「洗心亭」で行われていると聞き、ハノーバー市が広島発祥の茶道文化を守り、大切にしてくれていることにとても感銘を受けました。
また、ハノーバー市のオーナイ市長と意見交換を行い、サッカーや音楽の分野でも交流を検討していくことになりました。近い将来、広島とハノーバーの若い世代が、サッカースタジアムで交流試合を行ってくれることを夢見るとともに、ハノーバー市とは、こうした絆を大切にして、これからも未来志向の交流を推進し、より一層の友好関係と相互理解を深めていきたいと思います。
次に、イタリア・ベネチア市ですが、２年前にベネチア市長から姉妹都市提携の申し入れをいただいていました。ベネチア市とは、互いに水の都であることや、世界遺産を有する都市という共通点もあることから、すぐに姉妹都市提携とはいかないものの、平和や文化、観光の分野で交流を検討していくことを合意しました。
今回、ブルニャーロ市長とお会いして、本市と連携していくことへの強い期待感と平和を希求する気持ちを感じました。また本市としても、音楽や絵画など芸術文化が根付いているベネチア市と友好関係を深めていくことができれば、「平和文化」を市民社会に広めていく絶好の機会になると考えています。
コロナ禍が明け、40年来の友、そして新たな友に出会うことができた、そんな旅となりました。
たくさんの友人と再会し、そして新しい友人に出会える、皆さんにとっても来年がそんな一年になるように願って、今回のコラムを終わります。
