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市長コラム 忙中有閑 第38回

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広島の豊かな自然・文化を次の世代に

 猛暑と大雨が例年のこととなった夏が終わり、山粧(よそお)う秋となりました。この号が発行される頃には、平和大通りの街路樹も、鮮やかな黄や赤に色づいているでしょうか。

 平成26年、30年、そして昨年と、想定を超えた自然災害を経験している本市は、防災施設などのハード対策だけでなく、ハザードマップの作成・周知や避難誘導アプリの運用、地域の防災リーダーの養成といったソフト対策にも力を入れているところであり、引き続き、災害復旧、防災・減災の取り組みを一層推進することで「災害に強いまちづくり」を目指していきたいと考えています。
 また、温室効果ガス排出による地球温暖化の進行が、想定を超えた自然災害の発生リスクを高めるだけでなく、人類の生存基盤をも破壊しかねない危機的な状況となっているという意識を、市民や事業者の皆さんと共有した上で、広島広域都市圏の自治体とも一体となって地球温暖化対策に取り組んでいこうと考え、今年7月に「広島市気候非常事態宣言」を行ったところです。
 この地域の豊かな自然を次の世代に引き継いでいくためにも、温室効果ガスの排出抑制につながる取り組みを、身の回りのできることから始めて、社会全体の大きなうねりにしていきたいと考えています。

 さて、来月はいよいよ「平和文化月間」です。「平和文化月間」は、芸術文化活動やスポーツなどさまざまなイベントを集中的に実施することにより、多くの出会いや交流の場において、「平和」への思いの共有が進み、その実現につながる「文化」の醸成が図られることを願って設定したものです。今年はロゴマークも決定し、イベントも質・量ともに充実したものとなっていますので、ぜひ多くの人にご参加いただきたいと思っています。

 NPТ再検討会議で、核軍縮不拡散につながる最終文書が採択されず、ロシアのウクライナ侵攻も終わりが見通せない世界情勢の中で、皆さんは「平和」のありがたさと「平和」への脅威のどちらを強く感じておられるでしょうか。
 脅威へと向かう流れを押しとどめ、ありがたさを実感できる世界を次の世代に引き継げるようにするためには、核兵器廃絶に向けた平和意識の醸成がますます重要になってきています。
 文化の秋、広島の豊かな自然・文化を次の世代に確実に引き継げるようにするために、改めて思いを巡らせてみましょう。イベント会場で皆さんとお会いできるのを、楽しみにしています。

市長コラム