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市長コラム 忙中有閑 第34回

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スポーツ、文化・芸術は、平和をつくる力になる

 本市で昨年2月に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置してから、1年半余りが過ぎますが、この夏には感染力の強いデルタ株の全国的な流行により急激に患者数が増加し、広島県も緊急事態宣言の対象地域となりました。皆さん「一体いつまで続くのか」と不安な気持ちで日々生活されてきたのではないかと思います。

 こうした中、本市は県と連携して、感染拡大を抑え込むために、イベントの中止や各種施設の休館などに取り組んできたほか、引き続き、積極的疫学調査や、患者の搬送などに全力を尽くしているところです。特に、感染の収束に向けては、ワクチン接種を行うことが極めて重要であり、ワクチンを確保し、若者専用会場を設けるなどして、希望する市民の多くが早期に2回の接種を終えることができるようにしていきたいと考えています。とはいえ、新たな変異株も確認されるなど、予断を許さない状況が続いており、乾燥する季節を迎え、インフルエンザの流行も懸念されますので、引き続き、皆さんのご協力を頂きながら感染症対策を進めてまいります。

 ところで、開催の是非が議論となる中で開催された、東京2020オリンピック・パラリンピックですが、アスリートの躍動には心を打たれた人も多いと思います。スポーツや文化・芸術に関連するさまざまな活動については、アフターコロナも見据えながら、その在り方を整理しておかなければならないと考えていますが、スポーツや文化・芸術そのものは私たちの暮らしを豊かにする必要不可欠なものであり、苦境にあって、感動を生み、時には生きる原動力にもなり得ます。その力は、国や地域の垣根を越えるものであり、きっと、世界中の人々が平和を願う気持ちにも通じるものではないかと思っています。

 そのような考えの下、本市では今年から11月を「平和文化月間」と位置付け、さまざまな取り組みを行っていくこととしました。この「平和文化月間」は皆さん一人一人が日常生活で平和について考え、行動する「平和文化」を醸成するためのものであり、市民の平和への思いが広島広域都市圏を経て日本中にさらには世界中に広がり「核兵器のない世界」の実現につながるものと信じています。コロナ禍の今、できることは限られているかもしれませんが、スポーツや文化・芸術を通じて、市民の「平和」への思いを共有する「文化」を育み、未来に向けて「平和文化」が花開くようにしていきたいと思います。

 また、来月には、昨年と同様に若者が主体となって平和のメッセージを発信するイベント「Peace(ピース)Night(ナイト)Hiroshima(ヒロシマ)」を開催する予定です。被爆者から若者にしっかりと平和への思いがつながっていくことを強く願っています。

市長コラム