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広島市ホームページ令和3年8月1日号トップページ区版中区 >平和を願う希望の花

平和を願う希望の花

 市内の小・中学校は、平和について考える学習を行っています。今回は基町小学校の、次世代を担う子どもたちによる平和への思いをつないでいく取り組みを紹介します。

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◆問い合わせ先:区政調整課(電話504-2543、ファクス541-3835)

焦土に咲いたカンナの花

創立50周年を迎える市立基町小学校。今年6月、初めての取り組みとして同校と市営基町高層アパートの間の歩道に、地域の皆さんと児童が共同でカンナを植えました。
 昭和20年9月、被爆からわずか1カ月後に、焦土と化した基町地区の現在の同校南門付近にカンナが咲き、人々に勇気と希望を与えたと言われており、同校ではカンナは平和の象徴として親しまれています。
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被爆直後の基町
(撮影者:川本俊雄 提供者:川本祥雄)

カンナから学ぶ命と平和

 カンナの植栽の日、「子ども平和集会」を校内テレビ放送で行い、その中で2年生が「なぜ同校でカンナが大切にされてきたのか」を全校児童に向けて発表しました(メイン写真中段左)。発表を聞いた4年生の赤部蓮人君と丸山菜々美さん(下写真)は「75年は草木も生えないといわれていたのに、爆心地からとても近いこの場所にカンナが咲いていたことに驚きました。力強くカンナが咲いたおかげで広島の人も頑張られたんだと思います」と真剣な表情で話します。
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平和への思いをカンナに託して

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 創立50周年を記念し、地域の皆さんに支えられてきた恩返しと平和への思いを込めて歩道に植えられたカンナ。同校の神原久美子校長(上写真)は「本校では、被爆樹木を軸にした平和教育を進めていますが、今年の『子ども平和集会』では、カンナを通して平和について考えました。これまで、たくさんの人に支えられてきた感謝の気持ちや命の大切さを、子どもたちに考えてもらえればと思います。また、生命力のある美しいカンナを見て、地域の皆さんの心が和み、明るい気持ちになっていただければうれしいです」と笑顔で語ります。

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 地域で児童の見守り活動を行っている中村和正さん(上写真)も「花が咲いたとき、地域の皆さんも喜んでくれると思います。非常に感謝しています。子どもたちの思いが込もったカンナをみんなで見守って地域がつながり、次の世代へ平和の願いを受け継いでいってもらいたいです」と話します。
 被爆から76年、被爆の記憶や、命と平和の大切さは、子どもたちに着実に引き継がれています。

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