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広報紙「ひろしま市民と市政」

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市長コラム 忙中有閑 第33回

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心を一つにして平和を願う

 新年度が始まってから、約3カ月が経ちました。この間、サッカースタジアムの建設や、広島駅南口広場の再整備が本格的に動き出すなど、まちづくりは着実に進んでいますが、5月から6月にかけて、新型コロナウイルス感染症で緊急事態宣言が発令される事態となり、多くの皆さんが不安や、やりきれない思いにならざるを得ない日が続いています。ワクチン接種を含め、感染対策に協力していただいている市民の皆さんをはじめ、関係者の皆さんに、心より感謝を申し上げます。

 本市では、ワクチン接種が、同感染症に対する今ある最善の有効な手段であることから、65歳以上の高齢者への接種を4月から順次開始し、今月末をめどに完了できるよう全力で取り組んでいるところです。

 これからは64歳以下の基礎疾患のある人や高齢者施設、障害者施設などで従事する人への優先接種とともに、働く世代や学生への、通勤・通学などに配慮した会場接種を進めることにより、多くの市民の皆さんにワクチン接種を受けていただき、一刻も早くコロナ禍から開放されるようにしていきたいと考えています。これから夏本番を迎え、熱中症にも気を付けなければならない季節になりますが、引き続き、マスクの着用や手洗いの徹底とともに、全ての市民の感染対策のためにワクチン接種をしていただくようお願いします。

 さて、来月6日の平和記念式典は、本年1月の、核兵器禁止条約の発効を機に、核保有国の為政者を核抑止論から解放するための世論がますます重要となっている中で開催することになります。式典はこれまでも、被爆の実相に理解を深め、「ヒロシマの心」を共有することが、核兵器の廃絶を目指す市民社会の総意の形成につながることを信じて開催してきていますが、改めて大変重要な式典になると考えています。感染対策のため、昨年と同じ規模に縮小して開催せざるを得ないことは残念でなりませんが、原爆死没者の慰霊とともに世界恒久平和のメッセージを発信しますので、一人一人がそれぞれの場所で、心の中で式典に参加し、共に平和を祈り、思いを一つにしていただきたいと願っています。

 また、若い世代の皆さんには、日常生活の中で、平和について考え行動する「平和文化」を広く市民社会に根付かせるために何をなすべきかについて考えていただきたいと考えています。 

 現在、新型コロナウイルスという人類の脅威に対し世界中が一丸となって立ち向かっています。核兵器という人類が作り出した自らへの脅威に対しても、同様に世界中が一丸となって立ち向かっていきましょう。

市長コラム