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市長コラム 忙中有閑 第32回

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新たな年度のスタートに向けて

 緑が芽吹き、日に日に暖かくなってきました。厳しい冬を乗り越えて、春の訪れとともにつぼみを膨らませる草木のたくましさに、勇気づけられる人も多いのではないでしょうか。

 昨年末から年始にかけて、新型コロナウイルスの感染者が急増したため、県の感染拡大防止集中対策に沿って、他の都道府県との不要不急の往来の抑制や飲食店の営業時間の短縮などを市民の皆さんに要請するとともに、平和記念資料館をはじめとする市所管施設の休館や主催イベントなどの中止・延期を行いました。

 その間、差し迫った状況の中で奮闘してくださった医療現場や検査機関、相談窓口などの関係者の方々をはじめ、感染対策の重要性を理解し、一緒になって取り組んでいただいた事業者の方々、そして、市民の皆さんに対し、心から感謝を申し上げます。おかげさまで、直近(3月12日現在)の新規感染者数は県の警戒基準値を継続して下回るようになっています。

 コロナ禍が長期にわたる中で、感染拡大防止と社会経済活動の両立なくして問題解決はありえないということが、ますます明らかになってきています。今回、急速な感染拡大に歯止めをかけることができたのは、広島から平和を訴える上で提唱してきた、同じ問題意識をもって方向性を共有して取り組んでいこうという「連帯」が、市民の皆さんによって実践されたものと受け止めています。コロナ禍を乗り越えていく過程で、こうした広島の「連帯」がより一層根付いていくならば、必ずや、市が目指す地域共生社会の基盤を強くすることになると考えています。

 あと数日で新年度が始まります。市としては、時短要請にご協力いただいた飲食店などへの協力金や支援金、保育園や学校などの感染症対策費、市民の皆さんへのワクチン接種を行うための費用などを予算措置し、新型コロナウイルス対策の充実強化に取り組んでいきます。さらに、ワクチン接種に向けた専門チームを立ち上げ、接種会場の確保や接種券の発送準備など、市民の皆さんが円滑に接種を受けられるよう、準備を進めています。

 また、こうした取り組みが広島の明るい未来を共有した市民一丸のものとなるよう、広島のまちづくりビジョンを明らかにしています。例えば平和に関しては、延期されていたNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議や今年1月に発効した核兵器禁止条約の第1回締約国会議などの機会を生かして、ヒロシマの心を世界に向けて発信します。まちのにぎわいに関しては、サッカースタジアム建設を2024年の開業に向けて、本格的に始動します。昨年は中止となったフラワーフェスティバルですが、今年はパレードやステージなどは見送り、感染防止対策を十分に行った上で開催することになりました。

 未だ予断を許さない状況ではありますが、「ピンチをチャンスに変える」という発想に立って、新型コロナウイルスを抑え込むとともに、市民の皆さんと夢や希望のあふれる広島のまちづくりビジョンを共有した上で、「新しい生活様式」が皆さんの日常生活に定着するよう、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えています。

市長コラム