近年、野生動物が市街地や住宅地へ頻繁に出没するようになり、区内の相談件数も年々増加しています(下表参照)。特に西区では、山際の地域を中心にイノシシによる農作物や生活環境への被害が問題になっています。こうしたトラブルが生じることもありますが、野生動物も私たち人間と同様に生きています。
そこで今回は、野生動物と人の暮らしを守っていくための環境づくりについて考えてみましょう。
◆問い合わせ先:地域起こし推進課(電話532-1023、ファクス232-9783)
野生動物が住宅地などへ出没するのは、「エサがある」からです。実は、知らず知らずのうちに「餌付けをしている」という実態や「近づきやすい立地」になっていることがあります。お住まいの地域をチェックしてみてください。
1つでも該当項目があれば鳥獣に狙われやすい「エサ場」です!
ゴミ捨て場に生ゴミが散らかっている | |
ゴミを収集時間外(夜間)に出している | |
ペットの餌を屋外に放置している | |
家庭菜園や畑などの作物を放置している | |
収穫しないままの果実(柿・栗など)を放置している | |
お墓のお供え物を回収していない | |
栽培農地(菜園)を柵で囲っていない | |
野菜くずや生ゴミなどを田んぼや畑に放置している | |
作物が柵の外にはみ出している | |
放置した竹林でタケノコが未収穫になっている | |
収穫後の田んぼに落穂や2番穂を残している |
1つでも該当項目があれば鳥獣が住みやすい「すみか」です!
背丈の高いヤブや草むらが茂っている場所がある | |
耕作放棄地を放置し、雑草が茂っている | |
見通しの悪い雑木林や放棄竹林がある | |
柵(金網柵やトタン柵など)の周りに雑草が茂っている | |
鳥獣を見かけても誰も追い払わない |
これらの該当項目がある地域は、できるところから環境の改善をしていく必要があります。
まずは自ら対処し、その輪を広げ、野生動物が近づきにくい環境づくりにみんなで取り組んでいきましょう! 皆さん一人一人のご協力をお願いします。
参考文献「知ってからやる 鳥獣被害対策の手引き」(一般社団法人 農山漁村文化協会)
柵などで隙間を空けずしっかり囲んで侵入を防ぐことで、動物などが近づきにくい環境となります。それぞれの立地にあった柵を設置しましょう!
ワイヤーメッシュ柵
ネット柵
電気柵
トタン柵
上記の柵などの資材費のおおむね半額(補助限度額あり。柵の長さ70m以上が対象)を助成しています。詳しくは地域起こし推進課(電話ファクス上記)まで、お問い合わせください。
本来イノシシは臆病で注意深いので、めったに人間の前に姿を現しません。しかし、人の動きを観察するなど学習能力が高いため、いったん慣れると大胆不敵になります。基本的におとなしい性格で、人や他の動物を襲うことはありませんが、危険を感じたりパニックになって逆上したときは、突進してくる恐れがあるため、注意が必要です。
1.イノシシには近づかない
遠くでイノシシを見つけたときは、そのままイノシシから見えないところに離れてください。
2.落ち着いて、ゆっくり行動
慌てて走り出したりせず、なるべく背中を見せないよう、ゆっくりと後退するように静かにその場を離れてください。また、イノシシの通り道は、ふさがないでください。
3.イノシシを刺激しない
大声を出したり、棒を振り上げたり、石を投げたりしてイノシシを挑発するのは大変危険です。逆上したイノシシが向かってくることがあります。興奮しているイノシシを見つけたら速やかに安全な場所(ブロック塀の裏や家の中など、イノシシから見えないところ)へ避難してください。
突然、野生動物に出会うとびっくりしますが、人間が驚かせたり刺激を与えたりしなければ、多くの場合、動物は危害を加えてきません。万が一、野生動物に出会ったり、トラブルが生じたときなどには、下表へご連絡ください。
動物 | 対応・連絡先 |
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シカ・イノシシ・クマ、カラスなどの野生の哺乳類および鳥類 | 地域起こし推進課(電話532-1023) 危険性がある場合は、「110番」通報してください。 |
ハチ・家ネズミなどの不快・衛生害虫 | 環境衛生課(電話241-7408) 区保健所分室※(電話532-1017) |
ヘビなどの爬虫(はちゅう)類 | 当事者において処置 (民間業者に依頼) |
犬・猫などの愛玩動物 | 動物管理センター(電話243-6058) |
※ハチを駆除するための防具の貸し出しを区保健所分室で行っています(現在は新型コロナウイルス感染症対策のため休止しています)
区では、野生動物からの被害を軽減するため、地元猟友会にお願いして「有害鳥獣駆除班」を編成し、住宅地などへの緊急出動や銃猟・箱わななどによる駆除を行っています。
駆除班員は、活動時にオレンジベストと帽子を着用し、事故防止に細心の注意を払って活動しています。
野生動物の駆除活動にご理解とご協力をお願いします。
◆さらに詳しく知りたい場合は県ホームページをご覧ください