広報紙「ひろしま市民と市政」へ戻る

広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和3年2月1日号トップページ区版安佐北区 > 区の誇る伝統芸能 あさきた神楽

区の誇る伝統芸能 あさきた神楽

写真
飯室神楽団による「鐘馗(しょうき)」

写真
諸木郷土芸能保存会による「神降ろし」


今に伝わる伝統の舞、神楽

 神楽は、かつては日本全国で盛んに行われていた我が国最古の芸能です。その起源は、一説によると、日本神話の中の「天岩戸(あまのいわと)伝説」にまでさかのぼり、天岩戸と呼ばれる洞窟に隠れた天照大御神(あまてらすおおみかみ)を誘い出すために、天鈿女命(あまのうずめのみこと)が岩戸の前で舞った舞(まい)が始まりだといわれています。
 日本各地の風土や文化を背景にさまざまな地域に伝承され、その土地の氏神様に奉納される神事として執り行われてきましたが、今日では神社の催事にとどまらず、催事や祝い事に欠かせない郷土芸能として人々に親しまれています。
 各地にさまざまな形の神楽がある中、区内には十二神祇神楽(じゅうにじんぎかぐら)と、旧舞(きゅうまい)、新舞(しんまい)と呼ばれる神楽が存在します。
 十二神祇神楽は、広島市・廿日市市・大竹市など瀬戸内沿岸部に伝わるゆっくりとした調子の舞で、江戸時代の終わりごろからの姿を伝えるといわれ、儀式的な性質が強いことが特徴です。
 一方、旧舞、新舞は島根県の石見(いわみ)地方が源流といわれ、新たな筋書きや演出を加えて発展した舞と早い調子、華やかな所作が特徴です。
 区では、広島市8区の中で最も多い14の神楽団体が活動しており、高陽地区の6団体は十二神祇神楽を、白木・可部・安佐地区の8団体は旧舞、新舞を継承しています。古来の伝統を伝える十二神祇神楽と演劇性の高い旧舞、新舞が共存して継承されていることが安佐北区の文化、魅力になっています。

参考:広島県公式観光サイトひろしま観光ナビ

区内の神楽団分布図

イラスト


旧舞・新舞 飯室神楽団

写真
下田団長

 安佐町飯室の青年を中心に昭和57年「飯室神楽保存会」として発足し、現在は10代の若者から70代のベテランまで和気あいあいと楽しく活動しています。神楽の太鼓の音や笛の音を聞くと、「見たい!舞いたい!」と血が騒ぎだします。神楽は豪華絢爛(ごうかけんらん)な衣装と舞手や裏方、そして会場のお客さんがいて初めて成り立つもので、関わる人たちの一体感が神楽の魅力でもあります。
 また、舞う際にはなぜ「拝む」のか、なぜ鬼は「頭(ず)を切る」のか一つ一つの所作の意味、演目の意味をよく理解しながら舞うことを意識するとともに、舞う人も見る人も楽しめるものになるように心がけています。
 今年度は、コロナウイルスにより多くのイベントが中止となりましたが、神楽の文化をもっと表現できるよう、今までやっていなかった演目に取り組むなど、いつ再開してもいいように備えています。これからも後継者の育成に努め、地域に根差し、人々の心の故郷となるよう団員一同取り組んでいきます。


十二神祇神楽 諸木郷土芸能保存会

写真
重本会長

 高陽諸木地区で十二神祇神楽を継承し、地元神社での奉納神楽を中心に活動しています。
 諸木地区では、神楽を通して地域の人同士のつながりが構築されており、神楽は地域コミュニティの一つとして深く生活に関わっています。「楽しい!」という気持ちから始める神楽ですが、年間を通して切れ目なく練習に取り組むうちに、「もっとうまくなりたい!」という気持ちが芽生えてきます。幅広い世代が一緒に取り組むため、多世代のコミュニケーションの場となるとともに、神楽を通じた集まりはその人の居場所となります。神楽を通して地域に居場所をつくることで、故郷づくりができればいいなと思っています。
 神楽は、古来、五穀豊穣(ごこくほうじょう)や無病息災(むびょうそくさい)など、地域の幸せを祈る舞です。例年、10月ごろに市内各地で行われる秋祭りで舞われる奉納神楽を見に来ていただき、地域文化の本来の姿を見て、伝統を感じてほしいと思います。


第15回あさきた神楽発表会中止のお知らせ

 3月14日日曜日に開催を予定していました「第15回あさきた神楽発表会」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため中止します。
 来場を楽しみにされていた皆さんには大変申し訳ありませんが、ご理解くださいますようお願いします。

◆問い合わせ先:地域起こし推進課(電話819-3904、ファクス815-3906)


トピックス