菊は私たちにとって最もポピュラーな花の一つですが、美しく育てるには工夫と適切な管理が必要な、奥の深い花でもあります。
　秋になると日本各地で菊の展示会が開催されます。出品者は、花の美しさはもちろん、草丈や全体のバランス、葉の傷に至るまで配慮して栽培しなければなりません。開花を迎えた時の株全体の姿が、それまでの管理を物語るというわけです。美しく仕立てられた菊は、“生きた美術品”とも言えるでしょう。
　植物公園でも、毎年秋に「キク展」を開催しています。当園の「キク展」を特徴づけているのは、国内でも当園以外ではほとんど見ることのできない「中国菊」です。中国菊には暗赤色や緑がかったもの、花の中心と外側で色が違うものなど独特の花色があります。これらの株は、市の友好都市・中国の重慶（じゅうけい）市から寄贈されたものです。中国からやってきた菊を眺め、秋風に吹かれながら日中友好に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

色とりどりの中国菊

◆問い合わせ先：植物公園（電話922-3600、ファクス923-6100）