野良猫の問題は、地域の悩み事の一つです。問題を解決するために、野良猫を排除するのではなく、地域住民が主体となって適切に管理していく「地域猫活動」が、注目されています。同活動について紹介します。
◆問い合わせ先:動物管理センター(電話243-6058、ファクス243-6276)
地域猫活動とは、地域住民が主体となり、野良猫に不妊去勢手術などの適切な管理をして、野良猫によるトラブルや、不幸な野良猫の数を減らし、住みよい地域をつくるための活動です。
地域猫とは、地域住民の理解と協力を得て、認知され合意を得ている特定の飼い主がいない猫のことをいいます。
地域住民の理解を得る
地域猫活動を行うには、周辺住民の理解が必要です。理解のないまま活動すると、「無責任に餌を与えて猫が増えて困る」、「捕まえて虐待しているのではないか」と、誤解をされ、住民同士のトラブルの原因になります。
餌やりを適切に
餌を与える時間と場所を限定します。食べ残しはすぐに片付け、置き餌は絶対にしません。
ふん尿を始末する
餌場の周辺で地域の合意が得られた場所にトイレを設置。ふん尿の被害が改善され、環境美化が進みます。
不妊去勢手術をして、元の場所に戻す
猫は年に2、3回出産し、1回に4〜6匹の子猫を産みます。産まれた子猫も生後半年で子猫を産むようになるので、どんどん数が増えていきます。野良猫の数を減らすためにも不妊去勢手術をする必要があります。
どんな効果があるの?
不妊去勢手術をすると、野良猫はおとなしくなり、けんかや発情の声が減り、尿の臭いも薄くなります。
どうして元の場所に戻すの?
その地域から猫がいなくなると新しい野良猫がやって来るので、被害が減りません。手術済みの野良猫を元の場所に戻すのは、猫にその地域のテリトリーを守らせ、別の所からの野良猫がやってくるのを防ぐためです。
手術済みの猫は耳をV字にカットしています
(麻酔で眠っている間にカットしています)
終生飼養をする
一度飼い始めたら、一生飼い続けることが飼い主の責任です。猫を捨てることは犯罪行為です。
外に出さず屋内飼育をする
猫は環境を整えれば、屋内で十分に暮らせます。交通事故や感染症から守るため、飼い猫は屋内で飼育しましょう。
首輪をして飼い主の表示をする
飼い猫が迷子になるのを防ぎましょう。
不妊去勢手術をする
不妊去勢手術をしないことは野良猫が増える原因となります。責任の持てない子猫を産ませないようにしましょう。
動物管理センターへご相談ください!
動物管理センターは地域猫活動に興味を持っている町内会・自治会に地域猫活動や支援内容を説明します。
また、町内会、自治会で活動に取り組むことが決定し、同センターに支援の要請があれば不妊去勢手術を実施します。詳しくは同センターまで。
竜王町内会の皆さん
「野良猫の増加に困っている」
町内会で出たその声が、地域ぐるみでの地域猫活動を始めたきっかけです。
まず、動物愛護推進員による同活動の説明会で理解を深めました。地域の皆さんには回覧板を使って、活動内容について周知しました。
野良猫を捕まえるのは難しく、数人で取り組んだり、地域住民の家に捕獲器を置かせてもらったりと、地域で協力して捕獲に努めました。その結果、3年後の今では、野良猫の数は目に見えて減りました。地域からも「野良猫が減った」という声をいただいており、活動にやりがいを感じています。
平成31年度は、町内会役員の協力を受け、地域猫のチャリティーバザーを開き、収益を同活動費に充てました。バザーは、同活動の周知や、地域住民との交流にもつながっています。今年度も開催したいと思っています。
猫が嫌いな人は、野良猫が減ってほしいと思っているでしょう。猫が好きな人も、不幸な目に遭う野良猫を減らしたいと願っています。このように野良猫の減少を願う気持ちはみんな一緒だと思い、よりいっそう同活動に励んでいます。飼えなくなった猫を捨てたり、殺処分をするのではなく、小さな命を大切にするためにも、私たちは地域猫活動で野良猫の数を減らし、うまく共生していきたいと思っています。
同活動の周知のため同町内会で作成したポスター