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平和記念式典における議長の式辞
式辞
本日ここに、岸田内閣総理大臣をはじめ、ご来賓各位、被爆者、ご遺族の方々のご臨席と、国内外から多くの皆さまのご参列のもと、広島市原爆死没者慰霊式ならびに平和祈念式を挙行するに当たり、原子爆弾の犠牲となられた多くの御霊(みたま)に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。
78年前の8月6日、人類史上最初の原子爆弾により、広島の街は一瞬にして破壊され、多くの尊い命が失われ、かろうじて生き延びた人々も心身に深い傷を負いました。被爆者をはじめとする広島市民は、こうした悲惨な体験を根底に据え、被爆の実相を伝え、平和の尊さを訴え続けています。
しかしながら、世界では今、ロシアがウクライナへの侵攻に際し核兵器による威嚇を続け、核兵器の使用という現実的な脅威で緊張が高まっています。また、自国の安全保障体制の強化を掲げ核戦力の増強を進める国があるなど、核兵器を巡る情勢が厳しさを増し、国際秩序は大きく揺らいでいます。
そうした中、本年5月に、G7広島サミットが開催され、核兵器保有国を含む各国の首脳が被爆地に集い、平和記念資料館の視察や被爆者との対話を通して被爆の実相に触れるとともに、「核兵器のない世界」を目指すという強い意志を表明しました。
国際社会は、この歴史的な意義をしっかりと受け止め、今後、機を逃すことなく、核兵器廃絶を求める世界的な潮流を加速させ、間断なく具体的な行動を展開していくことがとても重要です。
そのために被爆地ヒロシマが果たすべき役割はますます大きくなるものと考えています。私たちは、これからも平和を希求する人々と手を取り合い、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて全力を尽くすことを、ここに改めてお誓い申し上げます。
本日の式典に当たり、原子爆弾の犠牲となられた御霊(みたま)に対し、謹んでご冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお後遺症に苦しんでおられる被爆者ならびにご遺族の方々への援護のより一層の充実を念願いたしまして、式辞といたします。
令和5年(2023年)8月6日
広島市議会議長 母谷 龍典
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