未来へつなぐ平和への思い
被爆者の高齢化が進み、自らの被爆体験を語る人が少なくなってきています。そうした中、「平和のために何かをしたい」と決意し、被爆体験伝承者として活躍している人を紹介します。
- 問い合わせ先
区政調整課(電話831-4925、ファクス877-2299)
区内在住の増本(ますもと)夏海(なつみ)さん(23歳)は、令和6年に、最年少の20歳(当時)で被爆体験伝承者として活動を始めました。自らの被爆体験を語る被爆体験証言者である岸田(きしだ)弘子(ひろこ)さんの被爆体験を伝えています。伝承者として活躍する増本さんに、平和への思いなどを聞きました。
ずっと心にあった「平和のために何かしたい」
広島で生まれ育ち、幼い頃から平和教育を受けてきました。
被爆者の話を聞く機会も多く、「お話を聞かせてもらえてとてもありがたい」と感じると同時に、「こうして聞かせてもらったことに対して、私はどうやって恩返しができるのだろう」とずっと考えていました。
高校生になり、自分の将来に悩んだ時、両親からの「あなたは何がしたいの?」という一言に、一番最初に浮かんできたのは「平和のために何かしたい」という気持ちでした。
そこで改めて今の自分にできることはないかと調べ、被爆体験伝承者のことを知り、大学入学後すぐに応募しました。
伝承者になるまでの養成研修期間は、他の研修生の知識の豊富さを感じる機会も多く、自分の知識不足や経験不足を痛感し、落ち込むこともありました。しかし同時に、新たな知識や考え方、さまざまな経験を得ることができた、とても貴重な期間でした。伝承者になってからも、どうしたら興味を持って聞いていただけるか、どのように話したら伝わるのかを、試行錯誤しています。
「平和の種」をまく人として
私は、伝承講話を聞いた人に、「あなたも伝承者になってほしい」「すぐに平和活動をしてほしい」と言いたいわけではありません。講話を聞いた人の心に「平和の種」をまくことができたら、そして平和を望む人が1人でも増えてくれたらいいなと思います。
平和を望む人が増えれば、その中には、平和への思いを周りの人に伝える人や、行動を起こそうとする人が現れるかもしれません。そうした連鎖によって、平和への思いが、1人でも多くの人へ、そして後世へつながってほしいです。
現在、小学校教諭を目指して勉強しています。伝承者の自分だからこそできる、新しい、私なりの平和教育で、「平和の種」をまいていきたいです。
これからも、自分だからこそできることは何かを考えながら、1人でも多くの人に、受け継いだ平和への思いを伝えていきます。
被爆体験伝承者とは
市では、被爆者の高齢化が進む中、被爆体験証言者の被爆体験や平和への思いを受け継ぎ、それを伝える被爆体験伝承者を養成しています。
養成研修修了後は、広島平和文化センターから委嘱を受け、平和記念資料館などで講話をします(令和8年4月1日時点で264人が活動中)。
研修の内容など詳しくは市ホームページで。
- 問い合わせ先
平和推進課(電話504-2900、ファクス504-2986)
被爆体験伝承講話を聞くには
平和記念資料館東館地下1階の特別展示室では、毎日、伝承者(家族伝承者含む)による講話を行っています。同館を訪れた際には、伝承講話を聞いてみませんか。
また、依頼による派遣講話も行っています。詳しくは、同館ホームページで。
- 問い合わせ先
広島平和文化センター平和文化企画課(電話541-5544、ファクス247-2464)