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平成28年度第1回太田川産アユ・シジミの資源再生懇談会(第1回水管理部会 同時開催)(会議資料・会議録)

ページ番号:0000018817 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

平成28年度第1回太田川産アユ・シジミの資源再生懇談会(第1回水管理部会 同時開催) 次第

日時 平成29年3月24日(金曜日)午後1時30分~3時30分
場所 広島市水産振興センター(広島市西区商工センタ―八丁目5番1号)

議事次第

  1. 開会
  2. 議題
    1. 太田川再生方針に基づく取組状況について
    2. 太田川再生方針に基づく取組の効果検証調査・解析業務の概要(アユ関連調査)について
    3. アユにとって望ましい利水運用の実施に向けて
      1. 祇園水門の流量調整について
      2. 高瀬堰の流量調整について
    4. ヤマトシジミ資源増殖に関する試験について
    5. 今後の取組方針について
  3. 閉会

配布資料

懇談会構成員名簿・水管理部会構成員名簿・出席者名簿・配席図
資料1 太田川再生方針に基づく取組状況について
資料2 太田川再生方針に基づく取組の効果検証調査・解析業務の概要について
資料3 アユにとって望ましい利水運用の実施に向けて
資料4 平成28年度 高瀬堰流向・流速調査結果
資料5 ヤマトシジミ資源増殖に関する試験について
資料6 平成29年度太田川再生の推進について
追加資料 たかはし河川生物調査事務所 提供資料

平成28年度第1回太田川産アユ・シジミの資源再生懇談会(第1回水管理部会 同時開催) 出席者名簿

名簿

平成28年度第1回太田川産アユ・シジミの資源再生懇談会(第1回水管理部会 同時開催) 配席図

配席図

平成28年度第1回太田川産アユ・シジミの資源再生懇談会(第1回水管理部会 同時開催) 議事

水産課長

  • 定刻より早いのですが、会の進行上開始させていただきます。
  • なお、鈴木組合長さん(内水面漁業協同組合)は、5分程、遅れて到着されるとのことです。
  • それでは、お待たせしました。ただ今から、平成28年度第1回太田川産アユ・シジミの資源再生懇談会を開会いたします。本日は、年度末のお忙しい中、当懇談会にご出席くださり、誠にありがとうございます。
  • さて、今回の会議につきましては、当初より本会議とは分けて開催しておりました水管理部会も同時開催とさせていただくことにしております。
  • 水管理部会の検討内容が概ね固まっていること、また、議題が重複することがございますので、今回に限りこのように進めさせていただきたいと存じます。
  • 今年度から、当懇談会・部会は年1回の開催となり、議論の回数が減る分、今まで以上に内容の濃いご検討を賜りたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  • なお、本日は「懇談会」と「水管理部会」の議題が入り混じっており、関係者の皆様方におかれましては、原則としてそれぞれの構成員の立場でご発言いただきたいと思います。
  • しかしながら、今回、せっかく懇談会と部会を同時開催しておりますので、これまでの検討に則った、前向きなご意見であれば、立場を越えて積極的なご意見をいただければと存じます。
  • それでは、会議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。懇談会次第、懇談会構成員名簿、水管理部会構成員名簿、出席者名簿、配席図、資料1~6を配布させていただいております。なお、資料1~6に加え、高橋委員から追加資料があります。過不足等、ございませんでしょうか。
  • 本日、ご参加いただいている方はお手元の表のとおりです。広島県土木建築局河川課 箱田課長がご欠席でございます。
  • 水管理部会 オブザーバーの広島県企業局水道課さんにおかれましては、中村参事さんに代理でご出席をいただいております。
  • 今回の懇談会のスケジュールとしては、まず太田川再生方針に基づく枠組と取組状況を再確認いただきます。
  • そして、それらの取組についての28年度の効果検証調査結果、検討状況、今後の取組方針について、アユ、シジミの順にご説明させていただきますので、特に、今後の取組方針につきまして、皆様の活発な意見交換をお願いしたいと存じます。
  • 本日は長時間にわたりますが、どうかよろしくお願いいたします。
  • それでは、松田座長、本日は部会長も併任となりますが、進行をよろしくお願い致します。

座長

  • 松田でございます。
  • 本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
  • 昨年度に引き続き、ご指名を受けましたので座長・部会長を務めさせていただきまので、どうかよろしくお願いします。
  • 本日、集まりいただいた趣旨は、ただいま石津課長からご説明いただいたとおりです。開催時間は、2時間を予定しています。
  • また、議事は次第のとおり5つあります。
  • 1年ぶりの開催となりますので、議事1により全体的な説明を行なった後、議事2~4までそれぞれの議題を検討し、最後に議事5でそこまでの議論を受けて、今後の方針についてご議論いただきたいと思います。
  • それでは、議題1「太田川再生方針に基づく取組状況について」事務局より説明をお願いします。

議題1

「太田川再生方針に基づく取組状況について」
(説明者:事務局)

座長

  • ありがとうございました。
  • ただ今、事務局からこれまでの経緯と取組の全体状況を今回の議題と兼ねて説明いただきました。
  • ここまでの説明で、何かご質問等があればお願いします。

高橋氏

 アユの漁獲量について資料2枚目のスライドで示していますが、農林統計の数値を基にしたものですか。

事務

 農林統計を基にして作成したものです。

高橋氏

  • 以前からお伝えしていますが、農林統計は、2006年から統計手法が変更になっております。(2006年より遊漁分を除外している。)
  • 2006年以降とそれ以前を同列に見てしまうと、2006年頃から(アユの漁獲量)が急に減少しているため、2006年頃に影響因子があるように見えてしまいます。しかし、それは、単に統計手法を変更したことによって減少しているだけなので一律に繋いでしまうと問題が判りにくくなってしまいます。
  • 本当は、90年代後半に何か原因があり、(アユの漁獲量)が減少していると思うのですが、このグラフをみると2006年に大きな問題があるように見えるため、良くないと思います。

事務局

 補正したデータを作る必要はありますか。

座長

 少なくとも今後、このグラフを使用する場合は、「2006年から統計手法が変更になったので、一概には、比較できない」と記しておく必要がありますね。

高橋氏

 事前に見た資料の中には、その説明が書いてある資料もあったため、今後、統一するようにしてください。

座長

 (統計手法を)どちらかに統一的にするという補正は、具体的には可能なのですか。

高橋氏

 難しいですね。条件がかなり変わっています。

座長

 少なくともこのグラフで示されているように2006年に(アユの漁獲量)が急激に減少したというわけでもないのですか。

事務局

 (統計手法の変更を考慮すると)もう少し、減少が緩い傾向を示すかもしれません。

高橋氏

  • (アユの漁獲量は、)現在も緩やかに減少し続けているのか、又は、2000年代前半のレベルで推移し続けているのかはわかりません。
  • ただ、(統計手法の変更があった前後でも) 漁獲量は、減少傾向にあるので、減少していることは間違いないとは思いますね。

事務局

 (統計手法の変更については、)誤解のない表現で示す必要がありますね。

座長

  • その他、意見はありますか。
  • 他に意見がないようでしたら、次の議題をお願いします。
  • 議題(2)「太田川再生方針に基づく取組の効果検証調査・解析業務の概要について」をお願いしたいと思います。
  • 今回、広島市が発注している委託業務は、アユに関連するもののみであり、シジミについては、別途(公財)広島市農林水産振興センターが効果検証しているということで、シジミについては後ほどご報告いただきます。
  • 冒頭にも話がありましたように、本日の検討は、アユ、シジミの順で進めさせていただきます。
  • それでは、当該業務を広島市より受託されている「(株)建設技術研究所」の担当者の方にご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

議題2

「太田川再生方針に基づく取組の効果検証調査・解析業務の概要について」
(説明者:(株)建設技術研究所)

座長

  • ありがとうございました。
  • 様々な取組の効果検証をモデルを使用し、かなり定量的に示していただきました。
  • また、後半の議題について関わる内容についてもご説明いただきましたので、少し時間を取って議論したいと思います。
  • ここまでの説明で、何かご質問等があればお願いします。

高橋氏

  • 話が長くなるため、失礼します。
  • モデルを使った効果検証は非常に重要な作業だと考えています。
  • 太田川の場合、普通の河川でアユを増やす場合と比べ、マイナス要素が多く、相当に複雑です。
  • 何をインプットするとどのような反応が得られるかをある程度、このようなモデルを使って検討した後、効果的なものについて優先順位をつけていくことがすごく重要な作業であると考えています。
  • しかし、各パラメーターの精度が現時点では、どのくらいの精度があるのかと。
  • 補足として追加書類を用意しているので資料をご覧ください。

追加資料説明

(説明者:高橋氏)

 おそらく、このモデルでは、ある年に良い条件が重なって、(アユの)資源が回復した場合、それが、契機となって(アユの)資源が安定化に向かっていくということが表現できていないのではないのではないですか。

(株)建設技術研究所

  • (アユ資源安定化の)契機になるのですが、(良い条件が重なった年の)その翌年も良い条件が続けば増えるということになります。
  • あくまで、パラメーター変数は、乱数をとっています。
  • 乱数には、0.5~1.5位の幅を持たせて変動させているので、1.5,1.5,1.5と3年間続くと大幅にアユの資源量は増加します。
  • 仮に乱数が1.5になっても翌年が0.5だとアユの資源量は大幅に減少するので、結局は、ある程度の幅で収束する結果となります。
  • 高いパラメーターが出やすいように調整するとアユの資源量は増加します。
  • 例えば、別途計算したものですが、計算期間50年の当初の25年は低い変数で設定し、それ以降の変数を高めに設定すると次の25年以降は、大幅に高くなると計算も出ています。
  • 現状では、何が要因となってアユの資源量が増加するかが判っていないので、判断が難しい状況です。

高橋氏

 生物資源は、ある一定の資源レベルを超えると比較的増加安定傾向に向かう事例が多いですが、どのくらいまで(資源レベル)が回復すれば安全圏になるかということはこのモデルからは予測できないのですか。

(株)建設技術研究所

 このモデルは、いわゆる人口学的減少を無視して構築されていますが、親魚を40万匹と設定し、その40万匹が増えもしない減りもしないという風にパラメーター設定していますので、そのような予測は難しいと思います。

高橋氏

 わかりました。パラメーターの精度は今後上がっていくのですか。

(株)建設技術研究所

  • 流下率は流下仔魚調査の結果を反映することができますが、海域での(アユの)生存率に関するデータがほとんどない状況なので、そこをどのように反映させるかという問題があります。
  • 海域での(アユの)生存率は、何が要因となって変動するかはわからない状況です。
  • 例えば、気温の変動によって海域の(アユの)生存率が変動するのであれば、気温データを基にして反映させることはできますが、今度は気温を予測する必要性が出てきて、現実的ではありません。
  • 反対に(具体的な要因が)わからない状態で何を行ったら良いかといえば、パラメーターを一定に設定し、意図的に項目の数値を変えることで(海域のアユの生存率が)どのようなに変動するかを見ることができます。
  • そうすることで、祇園水門の放流量を調整するということが有効かを判断することが判断できます。
  • このモデルは、将来の資源量がどのように変動するかを予測するためのモデルではなく、あくまで今後実施しようとする政策が有効かという意思決定をするものです。

座長

 漁獲圧を(アユの)生存率に反映させていますか。

(株)建設技術研究所

  • そうです。
  • 漁獲圧をなくす設定にすれば、(アユの)生存率をあげることはできます。

座長

  • モデルなので、様々な検証ができますね。
  • 漁獲圧をなくした場合の設定で(アユの生存率)がどうなるかやってみてはどうですか。

(株)建設技術研究所

 そうですね。そうすれば、(アユの資源量は、)大幅に増加します。

座長

 確か(乱数は、)0.5~0.6くらいしか変わらないですね。

(株)建設技術研究所

  • ちなみに高橋さんの資料にある(アユの)回帰率と現在設定しているモデルの値は、概ね同じなので、モデルのパラメーター自体はそんなにずれていないと思っています。
  • (乱数の)変動幅を0.5~1.5の幅で変動させるので、それが大きすぎるのか、小さすぎるのかは、今後検証する必要があるかもしれません。

座長

 感度分析のように文献の最大値と最小値で設定していますが思い切って、より実験的に(アユの)生残率がこの位であれば、(アユの資源量が)このくらいになるとう検証をやってみてもおもしろいかもしれませんね。

(株)建設技術研究所

 そうですね。その部分については、自由に設定できます。

高橋氏

 どの部分に力をいれると反応が大きくなるかということがわかると今後の対策を絞りやすいですね。

(株)建設技術研究所

  • そうですね。そのため(今後の対策を意思決定するため)のモデルです。
  • 高橋さんの資料に(アユの)流下率と海域での生存率がポイントになると示されています。つまり長期的方策(流量調整)には、高い効果があると思います。
  • ただ、パラメーターがどのくらい正確かはわかりません。

座長

  • その他に意見はありますか。
  • 1つよろしいですか。
  • 余剰種苗(の放流効果)についてすっきりしない部分がありますね。
  • まず、余剰種苗という名称ですが、以前から適切な使い方であるかどうかはわかりませんでした。

(株)建設技術研究所

  • (余剰種苗は、)天然種苗か人工種苗かで区別すると人工種苗です。
  • 余剰種苗という名称は、生産履歴に基づくものなので、生物学的にいうと放流稚魚と大きく変わりません。

座長

  • 余剰種苗が役に立たないということになると、(放流稚魚も含め)放流時期などのその他のことも考えないと議論がつきません。
  • 単に人工種苗と余剰種苗を比べても意味があまりないと思います。

(株)建設技術研究所

 余剰種苗の(放流)効果を上げるならば、河口(海)ではなく、(河川の)上流で放流すれば効果があると思います。

座長

  • その他の意見は、いかかがですか。
  • この議題では、意外とおもしろい話題を提供していただきましたが、時間の都合上、次の議題に移りましょう。

事務局

  • 続きまして、議題(3)「アユにとって望ましい利水運用の実施に向けて」です。
  • 太田川再生方針に掲げる長期的方策の実現に向けて、議題2で(株)建設技術研究所から説明いただきましたが、実際の検討事項を踏まえ、今後どのように進めていくかを一旦整理させていただきたいと思います。
  • 取組は、「高瀬堰の流用調整」と「祇園水門の流量調整」に取組についてです。
  • まずは、「祇園水門の流量調整」に取組について、事務局から。
  • 次に国交省さんから「高瀬堰の流量調整」の取組については、検討いただいた内容をご説明いただきたいと思います。
  • その後、改めまして、事務局から今後の方針について取りまとめたものを説明させていただき、取組の実施について皆様にご議論いただければと思います。

議題3

「祇園水門の流量調整について」
(説明者:事務局)

事務局

 では、続きまして、「高瀬堰の流量調整」の取組について、ご説明いただきたいと思いますので、国交省さん、ご報告をお願いします。

議題4

「高瀬堰の流量調整」
(説明者:国交省)

座長

  • ありがとうございました。
  • ただいま、事務局から(祇園水門の)流入量を変える取組、国交省から高瀬堰の流量調整の調査結果と今後の具体的な方針について提案をいただきました。
  • では、事務局から取りまとめをお願いします。

事務局

  • 国交省さんの説明を受けまして、今までの話をまとめさせていただきます。
  • 国交省さんからは、高瀬堰の流量調整について、運用規則の範囲内で昼間の放流量を絞り、その間に貯水した水を夜間に放流することは可能であり、また、流量調査の結果より、貯水した水を上乗せして放流することで、下流へ押し流す力が増すことから、流下仔魚をいち早く海へ運ぶことで生き残る可能性が高くなるとご説明いただきました。
  • これを受けまして平成29年度のアユの産卵期には、この取組を実施していただきたいと考えております。
  • なお、取組の効果検証については、高瀬堰直下での流下仔魚調査を国交省さんが実施し、その下流の安芸大橋、祇園水門、大芝水門周辺の流下仔魚調査は広島市で実施したいと考えています。
  • 実施期間としては、3年から5年とし、その効果を評価したいと考えております。
  • 取組の実施については、まだいくらか課題も残っており、水道局からご提案いただいた課題(取水地点への海水遡上)もありますので、来年度5月頃に改めて関係者の皆様(事務局、国交省、水道事業者、広島市内水面漁業協同組合)にお集まりいただいて、作業部会のようなものを開催できればと考えております。
  • 以前、座長から提案がありましたが、必要があればアクションプログラムのようなものも策定できればと考えております。
  • 時間が差し迫って恐縮ですが、取組の概要については、このようなかたちで理解いただければと思います。
  • また、水道局さんが危惧されている部分は、非常時の連絡体制についてだと思われますがこの点についても先ほど述べた作業部会で改めて調整できればと思います。
  • 取組の位置づけのうち、高瀬堰の流量調整については、(国交省の)事業として実施していただく見込みが立っておりますが、祇園水門の流量調整については、試験として行いたいと考えております。
  • 数日程度、試験を実施したいと考えておりますが、この件についても水道局さんとの最終的な調整ができておりませんので、作業部会の開催までには水面下で調整させていただければと思います。
  • 最後に高瀬堰の放流時間についてですが、20時~4時(8時間)で放流するのが良いか、20時~24時(4時間)で放流するのが良いかという点は、この議題でご検討いただければと思います。

座長

  • ありがとうございます。
  • (事務局から)大芝水門及び祇園水門の放流、(国交省から)高瀬堰の放流についてご説明いただきました。
  • この議題について、ご質問やご意見をいただきたいと思います。
  • まずは大芝水門及び祇園水門の放流についてです。これはかなり具体的な提案が5枚目のスライドに出ていました。平成29年度の予定と平成30年度の予定ですね。
  • このあたりについてどうですか。

川村氏

  • 補足説明させていただきます。
  • 昨年もご案内しましたが、大芝水門は24時間開放しているため、流量を調整するのは、祇園水門となります。
  • 現状、祇園水門は、3門あるうちの1門を30cm開けています。
  • 今回は、それを60cm位(2倍)に開けることで流量を増やそうと考えています。
  • なお、別の方法として3門中2門を30cmあけるという方法も考えられますが、今回の取組には、流速(を上げること)が重要であると考えられますので、1門を60cm開放する方が良いと考えています。
  • また、海水遡上についても1門を60cm開放するほうが、2門を30cm開けるよりも抑えられるのではないかと考えられますので、そのように対応させていただければと思います。

座長

  • ありがとうございました。
  • かなり具体的なご提案をいただきました。
  • 何か質問はありませんか。

浜口氏

  • よろしいですか。
  • 質問ではありませんが、非常に画期的な取り組みだと思いますので、これを機会にいかに(取組が)効果があるのかを検証していただきたいと思います。
  • より実効性を持たせるためにも高橋さん、先ほどの放流時間についてご意見いただければと思います。

高橋氏

  • 正直、(放流時間4時間又は8時間の)どちらが良いのか2パターンでやってみないとわかりません。
  • アユの遊泳力と体比重も時間によって違うため、どちらが良いかわかりませんね。
  • ちなみに高瀬堰の門は、下が開くのですか。

国土交通省

  • 高瀬堰は(門の)下側が開きます。
  • 高瀬堰は、祇園水門と違い自動制御が可能なので、最高水位、最低水位の時間を設定ですれば調整可能です。事前に登録することで柔軟に対応できます。
  • 但し、放流量については、放流の原則に基づいて行うため、下流域へ放流した際に30分で30cm以上の水位変動がないようにする必要があります。
  • 例えば、20時から22時の2時間で(短時間で)放流するというのは難しいです。

高橋氏

  • アユの孵化は、18時~20時位に起こるということが判っています。
  • (高瀬堰の)流入点に(アユの仔魚)が流れてくるピークが何時頃か判れば、そのピークに併せてある程度、検討できると思います。
  • ピークがなだらかなパターンで流入するのであれば、朝まで一定量、放流し続けるほうが、救えるアユの仔魚は多くなると思います。
  • 一方でピークがパルス状に尖ったピークで流入するのであれば、短時間に水塊ごと放流するほうが良いと思います。
  • (高瀬堰の)流入点への詳細な流下データがあれば検討できると思います。

国交通

  • 本日は、アユの流下仔魚の調査データは添付していませんが、先ほどご説明した流速の調査結果をご覧いただくと、4ページ目の左下に貯水池内の流下時間に関するデータがあります。
  • 資料では、貯水池上流端から堰下流までの流下時間は、概ね2.5時間~4.5時間程度であると示していますが、貯水池上流端及び堰下流で流下仔魚を補足した場合でも流量によりますが概ねピークが一致していると考えられます。

座長

  • 今回、国交省の調査で分かったことは、試験放流とは別に可部発電所の放流があると(河川の)流動が盛んになるということです。
  • 試験放流とは別に、可部発電所の放流が、どのくらいの頻度・時期・量があるのかを押さえておく必要があると思います。

国交通

  • 一般的な場合ですが、中国電力さんの放流パターンとしては、10月や11月の晴れた日であれば、放流時間は、14時から20時です。
  • なお、上流の土師ダムの状況や流量によって放流パターンはいくつかあります。
  • 例えば、可部発電所の放流が20時で終わった後に(高瀬関を)放流することで、(河川の流量を)補足できるのではないかと考えれます。

座長

  • ありがとうございます。
  • そこ(高瀬堰の流量調整と可部発電所の放流)をつなげて考えることも重要ですね。

事務局

 その点については、今後、国交省さんと調整させていただければと思います。

座長

  • その他はいかがでしょうか。
  • 色々と新しい提案があり、議論する点はたくさんあるとおもいますが、時間の都合もありますので、必要であれば、また後で検討していただくこととして、次の議題に移りたいと思います。
  • それでは、次の議題をお願いします。

議題5

「ヤマトシジミ資源増殖に関する試験について」
(説明者:広島市水産振興センター)

座長

  • ありがとうございます。
  • では、ご質問や意見をお願いします。

浜口氏

  • 河川で(シジミを)保護した事例はないので、いろいろな物を使ってみて良い物を見つけていくというのが現実的だと考えます。
  • 今回の場合は、塩ビ管を使っていますが、(かぐや方式を参考にした手法であると説明していますが)実は、「かぐや方式」ではありません。
  • なお、「かぐや方式」は、特許を取得されています。
  • しかし、塩ビ管による(中間育成)方法は効果的だと思います。
  • 塩ビは何センチ埋めていますか。

広島市水産振興センター

 約70cm埋めています。

浜口氏

  • そこがいい点ですね。
  • 塩ビを深く埋めることでシジミの自由度があがり、それが高い生存率に繋がっているのだと思います。
  • 今後は、「かぐや方式」をという名前を止めて、「塩ビ方式」などとして使用すれば良いと思います。
  • 本格的に使用する場合は、「かぐや方式」の特許内容を調べる必要がありますね。
  • 中間育成の方法に困っていましたが、(シジミ人工)種苗を最初に設置した際に6,000個入れることができるのであれば、十分だと思います。
  • 但し、殻長3mmを超えてくると密度効果が発生するので、この段階で少しずつ(収容)密度を減らしていくと良いと思います。
  • 生残率が極めて高いので、可能な限り塩ビ管を設置すれば良いと思います。
  • ただし、塩ビ管が流失した場合の対応が心配ですが、生残率と飼育密度をみると塩ビ管で中間育成を実施していくのが良いと思います。

座長

  • ありがとうございます。
  • かなり明確な結果が出ましたね。
  • 1年の期間があるとずいぶん新しいデータが出てきますね。
  • 今日は、新しいデータが多く、進行が遅れてしまい、申し訳ありません。
  • では、事務局から取りまとめをお願いします。

事務局

  • 時間が押しておりすいません。
  • では、資料6をご覧ください。

資料6

「平成29年度太田川再生の推進について」
(説明者:事務局)

  • 平成29年度も引き続き、この体制により、今後の取組や効果検証について検討していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  • 平成25年度に太田川再生方針を策定後、取組を平成26,27,28年度と3ヶ年実施してきました。
  • 今後は、平成29年、30年度と2ヶ年(計5ヶ年)実施した後、最終的にこの取組を継続するかどうか判断を行っていきたいと思います。
  • つきましては、平成29年、30年度と引き続き懇談会を開催していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  • 長期的方策(流量調整)については、来年度から国交省さんの取組が開始されますが、祇園水門の取組についても実施できる可能性があると思いますので、引き続きよろしくお願いします。
  • こちらの取組についても最低3年~5年は、実施し、またフォローアップを行う必要があるのではないかと思います。
  • 平成31年以降にフォローアップの場をここで言う水管理部会に設ける予定です。
  • また、懇談会の開催がどうなるかという点についても、事務局で調整させていただきたいと思います。

座長

  • ありがとうございます。
  • (事務局から)今後の方針についてお話いただきました。
  • 本日は、各議題の中でかなり具体的な提案をいただいたのですが、これを含めて今後の方針について意見はありませんか。

浜口氏

  • 本日は、広島市水産振興センターをはじめ、とても良いデータをたくさん出されていますが、時間がなかったので、あまり質問できませんでした。
  • 年1回の開催ならばもう少し時間を長くする。できれば、年2回の開催にしないとせっかく良い成果がでているのに質問できません。
  • 本日は言いたいことの10分の1位しか発言できませんでした。

座長

  • 時間が少なかったですね。議論する時間が少なくなってしまいました。
  • せっかく良いデータなので。

事務局

 申し訳ありません。

座長

  • では、よろしいですか。
  • 最後に、全体的なことですが、瀬戸内法が改正され、それに基づく国の基本計画、さらには国の基本計画に基づく、府県の基本計画が昨年10月、11月末に出そろいました。
  • また、広島県でも「瀬戸内海の環境の保全に関わる広島県計画」が新しく取まとまり、数か月経過したところです。
  • その中には、湾灘協議会や広島湾について国土交通省中国地方整備局が中心となる広島湾再生推進会議という国の各省庁や県・市と言ったような官のグループも10年前からあります。
  • 湾灘協議会と広島湾再生推進会議には、共通点が多く、広島湾再生推進会議では、次年度より官民連携組織を組織し、そこ(湾灘協議会と広島湾再生推進会議)を関連づけていこうという動きがあります。
  • この太田川再生のプロジェクトも陸と川と海を繋げるという点では、重要なテーマであり、すでに広島市は(広島湾再生推進会議と西部湾灘協議会の)メンバーには加入しているため、このプロジェクトも広島湾再生推進会議などへ積極的にアプローチするのはどうでしょうか。
  • そのような形で事務局に検討してもらっても良いですかね。

事務局

  • そうですね。
  • その方針で調整したいと思います。

座長

  • では、時間も迫ってまいりました。
  • 全体の内容について質問、意見等ないでしょうか。
  • (質問・意見が)ないようでしたら事務局にお返しいたしますので、連絡事項があればお願いします。

事務局

  • 皆様、大変長い間お疲れ様でした。
  • 今回の議事録については、事務局でとりまとめて皆様にお送りいたします。
  • 次回の開催は来年度になりますが、開催時期等につきましてはまた事前に調整をさせていただき、決定させていただきたいと存じます。
  • なお、流量調整の取組実施に向けた水管理部会の調整会議につきましては、先ほどお話しがありましたように、5~6月頃開催したいと思いますので、関係機関の皆様方におかれましてはどうぞよろしくお願いいたします。
  • それでは、以上を持ちまして、平成28年度第1回太田川産アユ・シジミの資源再生懇談会・水管理部会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。

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