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令和6年3月13日(水曜日) 午後6時00分から午後7時30分まで
広島市役所 本庁舎 14階第7会議室
榎野委員、川崎委員、北原委員、重藤委員、高蔵委員、篁委員、田中委員、谷迫委員、畑田委員、福田委員、細原委員、元廣委員、渡邊委員、渡部委員
(欠席:松井会長、榎木委員、加納委員、小畠委員、迫本委員、三好委員)
健康福祉局保健医療担当局長、保健部長、参与(事)健康推進課長、医務監(事)保健指導担当課長、市民局生涯学習課、こども未来局こども未来調整課長、保育指導課保育園運営指導担当課長、こども・家庭支援課母子保健担当課長、環境局環境政策課、経済観光局農政課長、水産課、教育委員会健康教育課長、指導第一課長
広島県健康福祉局健康づくり推進課
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資料1 令和5年度 食育に関する調査結果報告書(案)
資料2 令和5年度 第4次広島市食育推進計画に係る主な取組 (本市関係分)
資料3 令和5年度 第4次広島市食育推進計画に係る主な取組 及び令和6年度計画(広島市食育推進会議 委員推薦団体分)
資料4 令和6年度 食育に関する取組について
広島市食育推進会議条例第4条第3項の規定に基づき、委員の互選により、渡部委員を副会長として選任した。
資料1により、事務局から説明を行った。
(ア) 資料2により事務局から説明、資料3により下記(2)のとおり各委員から説明の上、意見交換を行った。
(イ) 資料4により事務局から説明を行った。
【以下、◎は副会長、○は委員の発言】
◎資料3を基に、重点プログラムごとに数団体ずつ、各委員から今年度の取組状況、特に新たな取組や力を入れた取組について、また、来年度新たに取り組みたい内容について、御報告いただきたい。
あわせて、今後の取組にあたってのアイデアなどがあれば御提案いただきたい。
○歯科医師会と一緒にお口の健康展に参加し、チェック表やゲームを通して栄養バランスのとれた食事について学ぶ取組を行ってきた。
日本栄養士会では、8月4日(えい よー)を「栄養の日」と定めているが、今年度初めて広島県栄養士会でも「栄養の日」の取組を行い、間食についての話を2か所で実施した。令和6年度は、県内6か所で事業展開する予定である。
また、なかなか摂取が難しい朝食について、3つの時短レシピと朝食の大切さの5分の講義を合わせ、簡単に見ることのできる動画を作成し、希望のある保育園や団体等へ送っている。令和6年度も引き続き実施予定である。
○65歳以上の高齢者の実態調査を行い、コロナ禍前とコロナ禍後で食生活が変わり、体力を落としている高齢者が多く見受けられるため、アドバイスをしながら、訪問などを行った。
各地にこども食堂があるが、2016年は319か所だったが、2023年は9,131か所と、7年間の間に29倍に増加しており、時代が求めていると実感している。こども食堂の成り立ちや目的は時代と共に変わっていて、今では、人が安心して集まれる場所になっている。食事の提供や孤食の解消はもとより、食育の推進の場、地域交流の場になっている。私の住む佐伯区では、民生委員や各種団体、個人等で運営しているこども食堂が、ほぼ各地にある。月に1回の開催で、最初は手軽で誰でも好きなカレーライスとサラダ、デザートからスタートし、最近では、寄附が届くようになり、材料を有効に使ってメニューを加えたり、レパートリーも増えてきた。
食事の提供は、地域の交流の場、安心して集える場所になり、みんなで食べておしゃべりをし、苦手な食べ物もみんなと一緒だったら食べられるなどのメリットもあり、家族で来て食べ物の会話をしている様子も見られた。
また、提供する側も楽しくおしゃべりしながら、それぞれの家のレシピの交換をしたり、あるこども食堂では、寄附されたほうれん草が100人分のお浸しには足りないため、こんにゃくとゴマを加えて100人分にするなど、家庭の食卓の雰囲気を感じることがあった。ボランティアで高校生が来てくれるが、年齢を超えての交流の場となっている。
最近、こども食堂では、欲しい材料をリストアップして、買い物客に買ってもらい、寄附してもらう「フードドライブ」も試みられている。より息の長い、温かく楽しい場所が、地域に根付いていってくれたらいいと思っている。
○令和6年度計画として、フードバンクポストの設置を挙げている。フードドライブとの違いは、フードバンクポストは常設のポストで、そちらに家庭で食べないと判断したものを寄附してもらうもので、回収できる量も期待できるが、フードドライブは、実施日を決めて、食品の提供を依頼するものである。
こども食堂への食材提供についても、青果などを提供している。青果は消費期限がないため、葉先が黄色くなり販売できないが、一部カットしたら食べられる物などを提供している。
てまえどり運動では、陳列棚の手前が賞味期限・消費期限が来る商品で、奥の方が新しい商品になっている。奥から取りたい心理はあるが、食品ロスの削減を考えた際には、手前から取ってほしいと、農林水産省がPOPを作り配布しており、それをアピールしている。
○当協会では、食品ロスの削減に向けて毎年取り組んでいる。市環境局が事務局をしている「ゴミ減量リサイクル実行委員会」のメンバーとして、6月から2月の毎月第一月曜日に、ごみ減らそうデーとして、スーパー等での店頭キャンペーンに参加している。その際、啓発チラシとともにアンケートを実施し、令和5年度は計8回で783件のアンケートを回収した。
また、広島市の令和5年度の取組にもあったが、10月にあった食品ロス削減イベント「スマイル!ひろしま広場」への参加や、中国四国農政局との意見交換などもしている。
○飲食店等を営業する場合に、施設に必要な食品衛生責任者の資格を取得するための講習会を令和5年度では年間26回開催しており、その受講者全員に、食育推進会議事務局から提供された「わ食の日」のチラシを配付している。このチラシには食育の基本的な考え方である3つのわ食の事が書いてあり、これによって食品衛生責任者になる方に少しでも理解してもらうことは非常に効果があると思い、継続して配付している。また、協会のホームページに簡単な「わ食の日」の紹介コーナーを作り、市ホームページにリンクしている。
◎中食や外食において栄養バランスや減塩に配慮した料理などが入手しやすい環境づくりを行うもので、第4次計画から新たに加わった重点プログラムである。
欠席委員の団体では、管理栄養士監修の総菜の拡充や減塩タイプ商品の導入のほか、店頭の啓発物やディスプレイで、栄養バランスや野菜摂取などに関する啓発を行い、市民が食品を手に取るタイミングでの情報発信を行っている。また、店頭で栄養バランスのとれた食事のための買い合わせの促進を行っている。
○幼稚園では、年齢に応じた内容で食育に興味関心を持たせるというところで、口に入る食べ物がどのようなところで作られているのか、畑に実際に取りに行って食材を理解する、また取れたものがどのように調理をされて実際に口に入るようになっているか、そういったところからまず食べ物に興味を持つことを重点に考えている。
また、食事のマナーや食べ物の大切さを知るということで、自分の体が元気に育っていくためには、食べ物・食べることがとても大切であるということを理解してもらうために、どういった食べ物がどういった体の部分に影響するのか、また食べることが体にとって良い、食べることの大切さを低年齢児に知ってもらうことに重きを置いて活動している。
○保育園、認定こども園で給食を実施しているが、給食の実施にあたっては、3つの「わ食」を意識して給食に取り組んでいる。また、保護者への啓発が大切だが、子どもに食べることの興味・関心を持ってもらうことはとても大切なことで、同時に保護者への食事の大切さを伝えていきたいと思っている。
◎欠席委員の団体では、学校における取組を行っている。
◎欠席委員の団体では、会員である保護者や教職員への研修を行っている。また、子ども向けの配布物などを作成している。
○ファイブ・ア・デイの取組を行っている。これまでコロナ禍で中断していたが令和5年秋から再開している。一皿70gの野菜を一日に5皿分350g以上の野菜と、200gの果物を食べようと啓発する活動で、幼稚園・保育園から小学生を対象にしている。栄養士からの勉強の時間の後、店舗で、地元の野菜、外と中の色が違う野菜・果物など、チームに分かれて買い物ゲームをし、食に関する知識を学んでもらうイベントである。令和6年度はこうした取組を重点的に行っていく予定である。
○噛ミング30運動について、乳幼児から高齢者まで各世代に応じて活動を行っている。保育園での噛ミング30教室では、保育園の求めに応じて、歯科医師の園医が園児や保護者、職員を対象に、乳幼児期の咀嚼や食形態に関する講話を行っている。
広島市学校保健大会は、令和5年8月5日に開催されたが、その中のよい歯の集いにおいて、小児歯科教授に、子ども達の歯の健康のために噛むことの大切さを講演してもらった。
市民を対象とした講演活動では、各保健センターからの依頼を受けた育児講座や健康づくりサポートセミナーなどにおいて、嚥下や口腔機能の成長・発達について、地域包括支援センターからの依頼で、介護予防教室などにおいて、高齢者に対し摂食嚥下機能の低下に伴う様々な障害について解説している。
また、マスコミを活用した広報活動として、ローカルラジオ局の健康番組において、歯科的な視点に立った食育に関する話題を取り上げている。
健康科学館の企画展でのパネルの展示や歯科医師の講演を行っている。また、「おくちの健康展」を開催した。来年度も同様の事業を計画している。
○令和5年度の取組状況として、広島かき子ども探検隊を開催した。広島では牡蠣が特産であることは多くの人が知っているが、ほとんどの方が島しょ部だと思い込んでいる。実は、市町村合併前は、県内で広島市が一番多く牡蠣を生産をしていた。現在でも約40件近くの方が牡蠣養殖事業に携わっている。このような実態を知らない方が多いということで、市内在住の小学校3~5年生とその保護者を対象に、実際に船に乗って沖まで行き、牡蠣の養殖がどのような形で行われているかを体験してもらっている。
まず、9月に実際に沖に行って、牡蠣の卵、幼生を牡蠣いかだに吊るし、3月にその牡蠣を実際に収穫し、牡蠣打ち体験をしている。
広島湾七大海の幸普及推進実行委員会で地産地消ツアーを行っている。「広島湾七大海の幸」とは、広島湾でよくとれる魚種、メバル、コイワシ、オニオコゼ、アサリ、クロダイ、カキ、アナゴの7種類を言っている。地産地消ツアーでは、牡蠣養殖の作業現場、実際にどのような人がどのような作業をしているのかを見てもらっている。こうした体験により、牡蠣に対する愛着を持ってもらい、食の大切さや地産地消に対する理解を深めることを目的に実施をしている。
○主にはひろしまそだち産品のPRということで、学校給食に、こまつな、だいこん、ラディッシュ、特に地域別の特別献立として、地域独自の食材を提供している。
そのほか、生産者の顔が見える消費者との結びつき強化として、広島市農業振興協議会内の各地区の農事研究会が主催する朝市、可部のよがんす、沼田のアムケット、白木のダリア館などで広島近郊7大葉物野菜レシピを野菜と一緒に販売をしている。
またフードフェスティバルにおいて、祇園パセリや広島菜のPRを行ったほか、祇園パセリのスムージーや春巻きなどを作って販売した。
他には、ひろしまそだち産品を使ったどんぶりコンテストを開催した。一般消費者の方から、ひろしまそだちレシピを公募し、全86組の応募があり、2月に最終5組の試食、審査を行った。観音ネギや小松菜、祇園パセリなど工夫を凝らしたレシピで非常においしかった。フードフェスティバルやイベントなどで広めていける期待が持てるイベントであった。
ひろしまそだちのPRは長年現場主体で続けており、継続は力なりということで、今後も頑張っていきたいと思っている。
◎各団体の取組状況や来年度の計画についてお話いただいた。追加の御意見や御提案があれば お願いしたい。
○各関係団体の様々な取組を聞き、大変心強く思った。特にフードバンクポストの設置については、食品ロスの削減に大きな効果があると思っている。ポストが多くの場所に設置されることでより多くの方がフードドライブに参加できるようになるため、こうした取組が他団体に広がればよいと思った。昨年、JR新神戸駅のすぐそばにある食品スーパーマーケットで、レジを出たとこにオレンジ色の大きな段ボール箱があり「フードドライブ投入ボックス」と表示され、後ろの壁には「KOBEストップthe食品ロス」と書かれた説明があり、フードドライブの趣旨や実施店舗の紹介、寄附してほしい食品や受け取れない食品の例示などが記載されていた。神戸市では、食品スーパー以外にも、行政機関や金融機関、サッカースタジアムや分譲マンションなど、多種多様な施設に設置されていた。フードドライブを1団体で実施するだけでなく、地域全体で取り組んでいくことが効果的な食育推進の観点からも重要ではないかと感じた。
○アンケート結果を見ていて、大学生と一人暮らしが始まる時期に、食生活が変わるので、一番大変な時期だと感じた。また、「わ食の日」の認知度が15~19歳が一番高いので、広島市の子どもたちが育っていけば改善させるのではないかと感じた。
こども食堂をしている地域の栄養士の方から、高齢で大変になったので手伝ってくれないかと言われた。規模が大きく、食事の提供だけでなく、来た人への絵本の読み聞かせや遊ぶスペース、リサイクル品コーナーなど、大きなイベントになっていた。70歳代のスタッフが次の担い手を探していた。こども食堂も目的は様々だが、学校が休みの期間中に子どもが一人で来てご飯を食べられたり、年配の人が孤食にならないよう共食ができたり、フードロスの取組ができたり、若い担い手を育てつつ広がればよいと思った。
◎学識経験者の立場で御意見いただきたい。
○それぞれの団体が強みを生かしながら工夫して携わっている様子がよく分かった。
附属学校で栄養教諭と食育の研究授業をしているが、子ども達に大量調理を見せることで、感謝の意識と食べ残しをなくすことを目的とした。調理中の動画を見せたところ子どもの反応はとてもよく、例えば卵を300個割るなど、家庭と違うところに感動しており、そういう場面を見せることも大事ではないかと感じた。
アンケート結果から、食品販売店での情報提供を充実してほしいということがあがっていたので、食品販売店での情報提供は大きいと感じた。また、保護者もこどもを通して学校から情報を得ていることが分かった。
また、機会を上手に捉えて周知する活動をされており、それぞれの得意なところで活動されていることが伝わってきた。
ボランティアの次の世代の育成は大変難しく、NPOなどでも、初期の熱量の高い人たちが高齢化した後、どう次につなぐか苦慮されていると聞く。うまくいった事例では、そこでお世話になった人達が定着し、次のボランティア側になっている。また、事業が大きくなりすぎると続かないので、5年から7年で一旦事業整理をし、持続できるように選択するのが重要だと思う。
◎色々な活動を聞かせていただいた。「継続は力」という言葉は先ほども出ていたが、継続するための対応を考えながらやっていくことも、活動の中で大切であると感じた。
各団体の取組の情報を共有する機会となったので、各団体が頑張る部分と、横に繋がりながら情報共有して進めていく部分とを両輪として、広島市の食育が推進していきたいため、今後とも情報共有をよろしくお願いしたい。