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令和6年1月1日、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。広島市では、この「認知症基本法」等を踏まえ、認知症の人が自分らしく住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる地域共生社会の実現を目指しています。
認知症とは、病気の名前ではなく、状態のことです。脳の病気や脳に影響を及ぼす体の病気により、これまで培ってきた知識や技術が失われ、社会生活に支障をきたすようになった状態をいいます。誰もが経験することとなる脳の老化現象が正常の加齢過程よりも早く出現し、年齢に比して強く現れ、また促進された状態ともいえます。
広島市における認知症高齢者の方 ※約3万7,500人(令和5年9月末時点)
※日常生活自立度Ⅱa以上の方
【アルツハイマー型認知症】
認知症の種類の中で最も多いとされている。
症状は物忘れから始まることが多く、段取りが苦手になったり、薬の管理ができないなどの特徴がある。
【脳血管性認知症】
脳出血や脳梗塞など脳血管疾患が原因で発症する認知症。片麻痺や言語障害など身体症状が多くみられ、脳梗塞を繰り返すことで段階的に進む。
【レビー小体型認知症】
手足のふるえ、筋肉のこわばりなどの症状や、物忘れとともに幻視(その場にないものがあるように見える)が現れるのが特徴。
【前頭側頭型認知症】
脳の前頭葉や側頭葉が委縮することが原因で起こる認知症。
人との会話中に突然立ち去る、同じ行動を繰り返す、興奮しやすく性格変化がみられるなどの特徴がある。
※以上の4つのが代表的な認知症の種類ですが、他にも、別の疾患等が原因で認知症の症状が出現することがあります。
直接起こる症状(中核症状)としては、1.記憶障害、2.見当識障害、3.理解・判断力の障害、4.実行機能障害などがあります。
1.記憶障害
さっき聞いたことを忘れる、今まで覚えていたことを忘れる など
2.見当識障害
時間が分からない、季節感のない服を着る、道に迷う、周囲の人との関係が分からなくなる など
3.理解・判断力の障害
考えるスピードが遅くなる、いつもと違うことで混乱しやすくなる、
目に見えない仕組みが理解できなくなる(ATM,自動販売機) など
4.実行機能障害
計画を立て、段取りをすることができなくなる など
また、中核症状がもとになり、本人の性格、周囲の環境、人間関係などさまざまな原因が絡み合って、うつ状態、幻覚・妄想のような精神症状や、日常生活への適応が難しくなるなどの行動上の問題が起こってきます(行動・心理症状)。
加齢による物忘れ | 認知症の記憶障害 |
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経験したことが部分的に思い出せない | 経験したこと全体を忘れている |
目の前の人の名前が思い出せない | 目の前の人が誰なのか分からない |
物の置き場所を思い出せないことがある | 置き忘れ・紛失が頻繁になる |
何を食べたか思い出せない | 食べたこと自体を忘れている |
物覚えが悪くなったように感じる | 数分前の記憶が残らないなど |
曜日や日付を間違えることがある | 月や季節を間違えることがある |
約束をうっかり忘れてしまった | 約束したこと自体を忘れている |
市は、認知症についての正しい知識を身に付け、日常生活や仕事の中で認知症の人やその家族等の尊厳を損なうことなく、適切な対応ができる「認知症サポーター」を増やしています。サポーターには特別な職務はありません。令和5年3月末現在、市内で延べ約13万8千人が「認知症サポーター養成講座」を受講しています。
認知症の人やその家族等に対して、適切な対応や手助けなどができるよう、認知症についての正しい知識・理解を身に付けるための講座を、町内会や地域住民グループ、企業等へ、希望に応じて開催します。
「認知症サポーター養成講座」の詳細については、『地域で見守るための「認知症サポーター養成講座」』をご覧ください。