子どもの命と心を守るために
地域みんなで支え、見守り 虐待のない社会に
児童虐待の防止は、児童相談所をはじめ、学校などを含めた地域全体で取り組んでいかなければならない問題です。
虐待の早期発見が子どもの命と心を守ることにつながります。
児童相談所が受けた、昨年度の児童虐待の相談・通告受付件数は2,195件で、過去最多となりました。児童虐待に対する社会的な認識の高まりや、警察などの関係機関との連携強化により、件数は年々増加しています。
通報で救われる子どもが増える一方、重大な事件も後を絶たないなど、児童虐待は依然として深刻な社会問題となっています。子どもへの虐待は、子どもの心身に重大な傷を負わせるだけでなく、将来にわたっても子どもを苦しめ続けます。
子どもの面前での「DV」も心理的な児童虐待
一言で児童虐待といってもさまざまなケースがあり、虐待の理由も多種多様です。児童虐待は、主に身体的虐待、性的虐待、ネグレクト(育児放棄)、心理的虐待の4つに分けられます。中でも心理的虐待の割合は56.1%と、最も高くなっています。
心理的虐待は、
●子どもの面前で暴力行為を見せる
●「お前なんか生まなければよかった」などの暴言で心を傷つける
●子どもが話し掛けてきてもわざと無視する
などが該当します。
虐待は、どの家庭にも起こる可能性がある問題で、過度の育児疲れや不安、養育知識の不足、社会的孤立、健康の問題などのさまざまな要因があり、それらが複雑に絡み合って起きると考えられています。
虐待する人は、それらのストレスのはけ口を、家庭内の弱者である子どもに向けてしまい、一人ではどうにもできずにもがいている可能性があります。
児童虐待を防ぐには
虐待を防ぐには、虐待する人の抱えているストレスを軽減することが大事です。ストレスを一人で抱え込まずに、子育てに関する悩みを、下記の相談窓口で相談してみてください。ささいなことでも結構です。
また、周りの人たちも子育て中の親子を優しく見守ったり、話を聞いてあげたり、相談に行くよう勧めてください。児童虐待の問題は、近所の人や知人、こども家庭相談コーナー、学校、児童相談所、警察などを含めた地域全体でのサポートが大切です。
周りの人は気付いたら児童相談所へご連絡を
虐待が起こったときや、あなたの周りで「虐待かも?」と思ったら迷わず下記へ連絡してください。あなたの気付きが子どもを救います。
親の「体罰禁止」が法律で定められました
親がしつけに際して子どもに体罰を加えることを禁止する法律が定まり、来年4月から施行されます。
「愛の鞭(むち)」をやめて、子どもを健やかに育みましょう。
●叩かない、怒鳴らない
「愛の鞭」と親が思っても、子どもにとって大人から叩かれることはとても怖いことです。叩かれた恐怖による行動は、子どもが自ら考え行った姿ではありません。体罰や暴言は虐待へとエスカレートする可能性もあります。
●親の顔色をうかがう子どもにさせない
親に恐怖を感じる子どもは、気に入られるよう親の顔色を見て行動するようになります。また、心配事などを打ち明けられなくなり、いじめや非行など、より大きな問題に発展してしまう可能性もあります。
子育てに関する相談窓口
●専門家(児童福祉司、心理療法士)による子育て全般の相談
相談窓口 |
電話番号 |
児童相談所(東区光町二丁目15-55) |
電話263-0694 |
●子どものことで困ったり、悩んだりしている人へのアドバイス
相談窓口 |
区 |
電話番号 |
こども家庭相談コーナー(区保健福祉課内) |
中区 |
電話504-2739 |
こども家庭相談コーナー(地域支えあい課内) |
東区 |
電話568-7794 |
こども家庭相談コーナー(区保健福祉課内) |
南区 |
電話250-4160 |
こども家庭相談コーナー(区保健福祉課内) |
西区 |
電話294-6519 |
こども家庭相談コーナー(区保健福祉課内) |
安佐南区 |
電話831-5017 |
こども家庭相談コーナー(区保健福祉課内) |
安佐北区 |
電話819-0639 |
こども家庭相談コーナー(区保健福祉課内) |
安芸区 |
電話821-2827 |
こども家庭相談コーナー(区保健福祉課内) |
佐伯区 |
電話943-9773 |
◆相談日時:月〜金曜日の午前8時半〜午後5時15分。いずれも祝・休日、年末年始、8月6日は除く
虐待かもと思ったら189番(いちはやく)へ
全国共通で、189番に電話をかけると近くの児童相談所につながります。携帯電話、スマートフォンからはコールセンターのオペレーターがつなぎます。
◆問い合わせ先:児童相談所(電話263-0694、ファクス263-0705)