調査特別委員長報告

 3月13日の本会議において、調査特別委員会(大都市税財政・地方創生対策特別委員会、都市活性化対策特別委員会、平和推進・安心社会づくり対策特別委員会)の各委員長から、これまでの調査・研究の概要について報告がありました。
 なお、紙面の都合上、委員の意見を中心に掲載しています。

大都市税財政・地方創生対策特別委員長報告

 本特別委員会において調査・研究を行った各調査項目に対する委員の意見は次の通りです。

1 大都市税財政制度の充実強化

●指定都市の国の施策及び予算に関する提案

▼教育分野で、国においては子どもが減るから教員も減らそうという動きがあるが、子どもが減っても、子どもたちのメンタルな部分や貧困の問題など教育環境は複雑になっていることから、これを受け止める体制を充実すべきである。
▼道州制について、200万人広島都市圏構想も含め、広島市としても方向付けを考えていかなければならないのではないか。 など

●大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望

▼財源をこのようにすると、国の形がこう変わりますといった提案も同時にしていかないと、対応してもらえないのではないか。
▼地方交付税と臨時財政対策債が同額ぐらいになってきていることから、臨時財政対策債の廃止については力を入れていただきたい。 など

●主要事業に関する国への要望

▼放射線影響研究所の移転と併せ、同研究所から核兵器が人体に及ぼす影響の資料も出してもらうよう要望書に記載していただきたい。 など

●党派別要望に係る広島市個別要望事項

 本特別委員会の委員による国会の各党派への「財源の拡充についての要望」に併せて、本市の個別要望を行う機会が持たれているため、本市の主要事業に関する国への要望事項を次の通り選定しました。
保健・医療・福祉サービスの充実/道路整備事業の推進/都市再生・都市基盤整備の推進/都市災害への対応/2020年までの核兵器廃絶に向けた取り組みの推進

2 地方分権の推進
▼国に提案している全国ひとり親世帯等調査における住民基本台帳データの利用が実現した場合は、慎重なデータ管理に努めていただきたい。
▼国に対して規制緩和を提案する前に、まず広島市が知恵を出して、市民のためにできることを行っていくようにしないといけない。
▼職員が国勢調査の調査員として従事する場合の基準を緩和する際は、業務への支障や職員の休暇など、よく考えて行っていただきたい。 など

3 地方創生への取り組み

▼中四国地方のリーダーとして、札仙広福の競争を繰り広げていくことが東京一極集中を弱め、地方の再生につながると思う。
▼まちに魅力がなかったら、大学生はそのまちに就職しないと思うので、魅力的なまちにしてほしい。
▼若い世代の東京圏・関西圏への転出超過を減らすためには、転入・転出の要因を分析して、若い世代を引き留めるにはどうすればいいのかということを、PDCAサイクルを行うのであれば、検証してほしい。
▼バスの再編は、市内中心部だけにとどめず、地域の実情を踏まえた取り組みにしていただきたい。
▼公共交通の利便性を上げるため、路面電車やJRの定時性や速達性について事業者と協議していただきたい。 
▼広島の拠点性強化に向けた懇話会から出た意見については、市民の意見も聞き、広島市にとって何が大事かということを検討した上で実施していただきたい。
▼計画の実行に当たっては、最初に行政が仕掛けて民間へ広げていく仕組みを考えていただきたい。 など

4 行政改革の推進

▼これ以上の人員削減は考えられないので、質の向上を図ると同時に、必要な人数を確保し、大きな災害があっても通常業務を行いながら対応できる職員数を確保していただきたい。
▼経営は大変重要な観点であるが、成果ばかり求めると必ずしわ寄せが来るところがあるので、事務・事業を成果主義が導入できる事業とそうでない事業に分けて、計画を持続可能なものにしていただきたい。
▼計画期間を平成32年度から平成35年度とする、新たな行政改革計画と財政運営方針を平成31年度中に取りまとめるとしているが、市民や企業の意見も十分聞いて進めていただきたい。 など

 本特別委員会で調査・研究した項目は、人口減少がもたらす地域社会の課題に的確に対応し、真の分権型社会の実現や地方創生の取り組みを推進していくために、非常に重要な課題であります。
 委員各位の貴重な意見を真摯に受け止め、これらの課題に対する取り組みを推進していただくよう、強く要望します。

委 員 長 元田 賢治
副委員長 竹田 康律
     森畠 秀治
委  員 海徳 裕志
     三宅 正明
     大野 耕平
     碓氷 芳雄
     八軒 幹夫
     星谷 鉄正
     中原 洋美
     今田 良治
     若林 新三
     佐々木 壽吉
     土井 哲男
     碓井 法明
     種清 和夫
     中本  弘

都市活性化対策特別委員長報告

 本特別委員会において調査・研究を行った各調査項目に対する委員の意見は次の通りです。

1 当面する都市活性化に関する課題

●広島西飛行場跡地の活用

▼「新たな産業(にぎわい)」ゾーンや多目的スポーツ広場、陸揚げスロープについては、1年という休止期間の重みを意識し、県としっかり議論していただきたい。
▼MICE施設の実現可能性について、アクセスのことを中心に捉えて検討していただくとともに、市としてもしっかり意見を言っていただきたい。 など

●サッカースタジアムの建設

▼中央公園辺りに大規模な防災機能施設があれば、広島市の防災機能も大きく向上するため、防災機能を備えたスタジアムにしていただきたい。
▼広島市が事業主体となるのであれば、市民球場が移転するときと同様に、市民の代表である市議会の意見を反映する場や関係団体等を含めた議論の場が必要であり、やり方があるのではないか。
▼広島市が事業主体となった以上は、リーダーシップを発揮し、誰もが納得するメンバーによる組織を作り進めていただきたい。
▼費用負担については、県と折半にしていただきたい。
▼多額の費用が掛かる事業であり、国の交付金や県、商工会議所の費用負担の額により市民の負担は変わってくるので、資金確保について早く示していただきたい。
▼サッカースタジアムの魅力づくりということで複合施設は必要であり、民間事業者等から様々なアイデアの提案を受けて、人が集まるような仕掛けをし、収支が合うよう努力していただきたい。
▼サッカースタジアムを使用しない日は、市民が広場を使用できる方法をしっかり考えていただきたい。
▼基町のまちづくりについては、サッカースタジアムの建設とは別にして、基町地区の住民からの要望もきちんと受け止め、着実に進めていただきたい。
▼基町のショッピングセンターは、基町地区以外の方々も訪れるような活性化対策を考えていく必要があり、また、新たに入居している学生等とも一緒になってまちづくりをしていくという機運も作っていただきたい。
▼サッカースタジアムの年間試合数は限られており、他の活用策が大きな課題であり、また広域公園の利用や旧市民球場跡地の活用とも連携をとって進めていただきたい。 など

●比治山公園「平和の丘」構想の取り組み

▼眺望の確保のための間伐やせん定に、早急に取り組んでいただきたい。 など

2 集約型都市構造の実現

●立地適正化計画の策定

▼安佐南区の団地群に地域拠点型の都市機能誘導区域の設定がされていないが、若者が住み続けるためにも、区域の設定について検討していただきたい。
▼広島市の目指すまちづくりの全体像を分かりやすく市民に周知していただきたい。
▼立地適正化計画の対象区域外の方々の意見も聞いて進めていただきたい。 など

●地域公共交通再編実施計画の策定

▼共同運行で実施する循環線の導入を機に、他の路線の共同運行も進めていただきたい。
▼共通定期券は、バス便を減らすのに大きな効果があると思うので、早めに実施していただきたい。
▼バスの再編により、大幅減便となる地域については、代替案や激変緩和策を提示するなど、丁寧な説明を行っていただきたい。 
▼郊外線のフィーダー化に伴い事業者負担が増えれば赤字路線の減便や撤退に拍車が掛かる可能性もあるので、国に支援を求めてほしい。 など

●東部地区連続立体交差事業

▼向洋駅周辺については、当初設計から変更がなく、周辺住民から早く進めてほしいという要望が強いことから、第T期工事を早く始めていただきたい。
▼今回の見直しは工事費を安くするために始まったが、この見直しを行うと将来的に変更できないので、財政のバランスをとって好転するまで工期を延期し、将来的に当初計画に近づいていけるような運び方で努力していただきたい。
▼全体の工期だけでなく、着工までの期間も短縮し、早期に着手できるようにしていただきたい。 など

●新交通西風新都線の整備

▼利用見込数は、10年前の交通実態調査に基づき推計されたものであり、高速4号線の利用状況も含め、調査をやり直すべきである。
▼約570億円という多額の経費を要する事業であり、費用対効果や全体の交通網をどう考えるかなど、一度立ち止まって再考し、緻密に議論していただきたい。
▼人口が減少していく中で拡大路線をとるのなら、慎重に財源の計画を立てた上で、事業の採算性を示していただきたい。
▼五月が丘団地のルートは、断面図だけでなく高架橋や駅の構造などを具体的に示し、住民の理解が得られるよう説明を行う必要がある。 など

●都市計画道路の整備方針の策定

▼見直しで整備することに決めた路線については、早期に事業着手していただきたい。
▼具体的に路線名を方針決定した際は、地元の意見をしっかり聞いて、円滑な事業推進に取り組んでいただきたい。 など

 本特別委員会で、調査・研究した項目は、人口減少に歯止めを掛け、持続的に都市の活力を維持・向上させ、にぎわいと魅力あるまちづくりを進めていく上で、非常に重要な課題であります。
 委員各位の貴重な意見について、真摯に受け止め、これらの課題に対する取り組みを推進していただくよう、強く要望します。また、旧広島市民球場跡地については、都心の活性化を図る上で大変重要な空間であるにもかかわらず、サッカースタジアムの建設候補地となっていたことから、十分な活用が図られていない状態が続いていましたが、この度、サッカースタジアムの建設候補地が中央公園広場に絞り込まれたことから、中央公園全体の在り方も含めて、その活用の具体化に向け、早急に取り組むことを強く要望します。


委 員 長 宮崎 誠克
副委員長 石橋 竜史
     森野 貴雅
委  員 定野 和広
     平野 太祐
     山路 英男
     森本 健治
     桑田 恭子
     藤井 敏子
     西田  浩
     渡辺 好造
     中森 辰一
     太田 憲二
     山田 春男
     木山 コ和
     酒入 忠昭
     藤田 博之
     木島  丘

平和推進・安心社会づくり対策特別委員長報告

 本特別委員会において調査・研究を行った調査項目は、災害に強いまちづくり、障害者福祉の推進、高齢者福祉の推進、少子化対策及び平和の推進です。ここでは、委員会として提言を取りまとめた「少子化対策」及び「平和の推進」について掲載しています。提言は次の通りです。

1 少子化対策

●結婚支援の推進

 少子化の大きな要因として未婚化がある。本市における生涯未婚率は、男女とも増加し続けている。
 結婚に対する希望があるにもかかわらず、「適当な相手にめぐり会わない」ということを主な理由として、結婚が実現できていないというギャップが生じており、結婚からの切れ目のない支援が求められる。
 このため、非営利目的の婚活支援団体等との連携・支援や、市民に市は結婚を応援してくれていることが伝わるような、例えば、婚姻届提出時における記念写真撮影コーナーの全区展開や、市オリジナルデザインの婚姻届の作成など、結婚を応援する機運の醸成を図るための取り組みを検討されたい。
 また、若い世代が婚姻に伴う新生活を始めるに当たり、住宅の問題は大きいことから、住宅確保への支援として、居住コスト等の軽減を図るため、家賃等の補助や市営住宅の優先入居枠の導入などを検討されたい。

●多子世帯等への支援の充実(経済的負担の軽減)

「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」ということを主な理由として、夫婦が理想とする子どもの数に対し予定している子どもの数が下回るというギャップが生じている。
 このギャップをなくし、理想の数の子どもを持ちたいとの希望がかなうよう、幅広い子育て世代に対して、経済的負担への支援の拡充が求められる。
 特に、多子世帯や若者子育て世帯において、子どもの数による傾斜配分に意を用いながら、子育て、保育、教育、住宅など多方面にわたり、更なる負担軽減に向けた取り組みを検討されたい。

●きめ細かな幅広い支援メニューの拡充・推進 

 少子化対策は、結婚、妊娠・出産、子育てや、さらには教育、仕事など各段階に応じた切れ目のない支援を、きめ細かな幅広いメニューにより取り組んでいくことが重要である。
 特に、子育ての不安や負担、孤立感を軽減するため、助産師等専門職や先輩ママを活用した育児相談・産後ケア、ひとり親や育児と介護を同時期に行うダブルケアなど配慮を要する家庭への支援、育児サロン等子育て親子の交流等の促進、また父親へのアプローチとして、家事・育児参加を促す機会の提供・介護への参加促進、子どもや若者へのアプローチとして、妊娠・出産に関する医学的知識等を習得する機会の提供や、子育て等の理解を深めるための乳幼児との触れ合い体験の取り組みなどを拡充し、推進されたい。
 さらに、子育てサービス等の支援情報をより分かりやすく届けられるよう、利用者の視点に立ちながら、情報提供の充実を図られたい。

2 平和の推進

●議会としての推進組織の設置と具体的な活動展開に向けて

 改選後の議会において、議会の活動をより一層推進するべく、核兵器廃絶に向けた公の推進組織を設置し、長崎市議会と連携して、世界の為政者を始め、より多くの関係者に被爆地訪問を働き掛けるとともに、被爆の実相を伝えていくため、次の取り組みの実施について、必要経費の予算化なども含めて検討されたい。
 取り組みとしては、国際会議への議員派遣、他の自治体議会への核兵器禁止条約早期発効を求める決議・意見書提出の要請、長崎市議会との交流事業の実施など7項目を挙げている。

●平和の推進に関する条例案の策定に向けて

 被爆者の高齢化も一段と進み、被爆者自身から被爆体験を直接聞けなくなるという現実を迎えようとしている中で、被爆者の願いを次の世代へ継承していくため、平和の推進に関する条例について、改選後に取り組みを進めることとしている議会による政策立案を行うための仕組みの中で、条例案策定に向けて検討されたい。

 本特別委員会の提言や、これまでの委員会を通じて発言のありました委員各位の貴重な意見について、真摯に受け止め、これらの取り組みを推進していただくよう、強く要望します。


委 員 長 平木 典道
副委員長 伊藤 昭善
     山内 正晃
委  員 中石  仁
     山本 昌宏
     木戸 経康
     近松 里子
     豊島 岩白
     八條 範彦
     原  裕治
     米津 欣子
     馬庭 恭子
     安達 千代美
     村上 厚子
     谷口  修
     沖宗 正明
     金子 和彦
     児玉 光禎