障害を理由とする差別の解消に向けた意見交換会(8/21開催)発言要旨 ○障害ごとの差別又は合理的配慮を受けた経験 【肢体不自由】 ・地域でのことだが、肢体障害者はこの行事には参加できないので、回覧板を回さなくていいと言われた。 ・ボランティアに参加した際、あなたは足が悪いので、荷物は持たなくてもいいと言われた。地域で社会参加をしたくてもできない。 【下肢障害(車イス)】 ・ノンステップバスの運転手から、スロープが壊れているからと言う理由で乗車拒否された。 ・飲食店が、店外のスロープを客席として使用し、スロープが使えなかった。 【片麻痺(車イス)】 ・最近のレストラン等のお店ではよく配慮してもらえる。お願いしなくても、お店が自主的に貸切状態にしてくれることがある。 ・病院内のレストランで食事を運んでもらえないかとお願いしたら、忙しいと断られた。それは良くあることだが、食事後、店を出たら店員が追いかけてきて、「あんたたち障害者はこの店に来ないでくれ」と言った。後日店長が謝罪に来たが、障害者の相手はめんどくさいから、とりあえず謝っておけばいいと言う態度だった。 ・セルフサービス中心の店は大変苦労する。混んでいたら気を遣って入店を諦めることもある。セルフサービス自体はしかたないが、障害者が来ても無視をせずせめて声掛けをしてもらいたい。また、困ったことがあれば声をかけてください、等の表記があるだけでもありがたい。個別な配慮は自分自身が事業者と話し合っていく必要があるかもしれないが、一般的な困りごと等は、事業者や行政等との話し合いの場等で少しは解決していけることがたくさんあるのではないか。 【脳性麻痺(車イス)】 ・子どもを保育園に迎えに行った際、言語障害があるため、園児達に「変な声だ、帰れ」と言われた。子どもから、「みんなはお父さんのことを知らないから」と言われたので、保育園に苦情を言うのではなく、園長先生と相談し、先生方に自分や同じ障害を持つ人が話をする機会や、園児とふれあう機会を持つなどの対応をしてもらった。 ・行きつけのお店では、かがんで目線を合わせて挨拶してくれたり、話しかけたりしてくれる。また、入口の段差を最初は抱えてあげてくれていたが、店長さんが手作りのスロープを作ってくれた。 ・駅において、長時間職員の対応を待つことになる。また、駅員に嫌な顔をされることがある。 ・公共交通機関に乗ると、周りの乗客から(急いでいるんだから)乗るなと言う目で見られたり、言われたりすることがある。また、乗車拒否もある。 ・乗務員に乗降の手伝いをお願いしたら、今日は手首が痛いので、乗せられない、後にしてほしいと言われた。 ・コンビニの出入口の前の部分が、通路ではなく駐車場になっているため、店舗に入りにくく、危険である。 【視覚障害】 ・銭湯で、他の客の迷惑になるので、一人での利用はやめてほしいと言われた。理由を聞くと具体的な理由はなかった。施設の人と話し合った結果、謝罪してもらい、以後一人でも利用できるようになった。 ・会議等では点字の資料を準備してほしい。 【聴覚障害】 ・クレジットカードの手続きで、代理電話をかけてもらったら、本人でないと受けられないと言われた。 ・テレビ局から取材を受けた際、放送の際には手話通訳と字幕を付けてほしいとお願いし、要望に応えられるよう努力すると言ってもらったが、放送を見たら手話通訳もついておらず、字幕もほんの一部だけだった。情報を入手するというのは権利である。 【難聴】 ・病院で紙に書いて説明してほしいと言っても、大きな声で言えば大丈夫だろうと言われ、なかなか対応してもらえない。 ・海外、国内関わらず、旅行に行った際、何らかの配慮がないとガイドの言っていることが分らない。お願いしても配慮してもらえない。これでは旅行を楽しめない。 【難病】 ・病院で、耳元で高齢者に話しかけるような大声で看護師に話しかけられた。 ・コンサートホールで車椅子席に着いたら、他の観客から邪魔だと言われた。 ・理解力が無い人のような扱いを受けた。 ・経口摂取できないのに、レストランで一人前の注文を求められた。 ・車椅子用駐車場に屋根が無くて困った。 ・乗換駅にエレベーターが設置されていない。 ・一番前に並んでエレベーターを待っていたが、健常者にぬかされて乗れず、何本も待った。 【知的障害】 ・支援があれば健常者よりも優れた能力を持っている人もたくさんいるので、合理的配慮が得られればよい。 ・不動産を借りる際、手帳を持っていることを言ったら障害者は借りられないと言って断られた。 ・公共交通機関で降りる際に手帳を提示したら、「お前障害者か」と言われた。 ・仲間同士で出かけたとき、白い目で見られた。 【精神(統合失調症)】 ・殺傷事件等が起きると、容疑者に対して「精神鑑定」という言葉が使われ、精神障害者に風評被害や偏見が起こる。その事件の犯人と同じ病を持っている人は、同じように見られる。事件が起きるたびに本人や家族は怯えることになるので、精神鑑定という言葉は使わないでほしい。 【発達障害・自閉症スペクトラム) ・知的障害がある人から機能の高い人まで様々な方がいて、一人ひとり特性違うので、個別に合理的配慮を受けたというケースが少ない。 ・自閉症は話せる人もいるが、視覚優位なので、あらゆるところで言葉のシャワーを浴びせられて混乱する。 ・視覚的に理解して視覚的に考え、発信することに難しさがあるので、カードや筆談、タブレット等を使ってコミュニケーションをとるが、話せる人も多いことから、話すことを強要されることが多い。文字や絵で書いてほしいが、なかなか対応してもらえない。 ・言われていることの重要な部分が分らないとか、優先順位を付けるのができないという特性から、しばしば相手の誘導にのってしまい、意思決定ができていないことがある。 ・病院等で、障害の特性を伝えるのが苦手のため、視覚的なものを元にしたコミュニケーションをお願いするが、話せるから大丈夫、と言われて対応をしてもらえず、お互いに間違った理解をしてしまう。 ・健常者に比べて敏感だったり、鈍感だったりするところがある。特に音に過敏な人が多いので、その配慮が必要。また、決して能力が低い訳ではないので、配慮があれば複雑な話にもついて行ける。ただし、その配慮がないために、不登校になることが多い。かといって家にいても、秩序だった生活をしていないと生活が難しく、家族も困っている。 ・障害の特性からパニックになり、その際の他害行動や暴言があったこと等のみを切り取って判断されてしまい、もう来ないでくれ等の言葉を言われることがある。 ・施設に行った際、暗くて閉鎖的な場所でパニックを起こす様子を見た職員が、明るい道を通って会場まで連れていってくれた。おかげで楽しい体験をすることができ、その施設を好きになることができた。臨機応変な対応をしてくれて感謝している。 【てんかん】 ・歯科医院を受診した際、問診票にてんかんがあると書いたら、治療中にてんかん発作が起こった際の責任がとれないから、治療できないと言われた。てんかんのタイプを伝えたところ、主治医の診断書が必要と言われた。 ・てんかんでもインフルエンザの予防接種ができるのか、主治医に確認してほしいと言われた。なお、その場でその先生にてんかん学会のホームページを確認してもらい、予防接種を受けることができた。 【高次脳機能障害】 ・見た目は健常者と変わらないが、自身の困りごと等を発信することが難しいため、配慮をしてもらえない。そういったことがまだ一般的に知られていないので、理解が進んでほしい。 ・団地内に住民用の有料の乗り物があり、障害者は子どもと同じ半額で利用できるが、その半額の切符は改札を通る際に音がなる。見た目には障害者と分らないため、周りの方から違反をしているんじゃないかと言う目で見られてしまう。事業者に改善をお願いしたが、システム上仕方ないと言われた。他にそういう意見はないか、あるならどうしているのか聞いたところ、同じ意見はあり、それがイヤな人は正規の料金で乗っている人もいるとのことだった。何か対策をしようという態度が見られなかった。 ○その他のご意見 【障害者差別全般に対して】 ・今日は他の障害をお持ちの方の話を聞けてよかった。 ・障害者差別は、偏見、無知、無理解からくる。 ・障害者は、普通の何気ない生活の中で、無視されたり拒否されたりすることが、キリがないほどたくさんある。 ・小さい頃から、障害のある人・ない人と分けて育てられてきた。 ・障害を見て、その人個人を見ようとしない。 ・障害者が外出する、社会参加するということが、まだまだ一般に想定されていない。 ・障害者にとって、結婚・出産・子育てといったことが、まだまだ当たり前ではない。 ・障害者で女性ということで、二重の差別を受けることがある。 ・今日出てきたような事例はごく一部。市への相談件数も年々減っているのではないかと思うが、だからと言って差別が減っているわけではない。 ・建物がバリアフリーでも、中に入っている店舗がバリアフリーとは限らない。 ・個別の配慮は自分自身が事業者と話し合っていく必要があるかもしれないが、一般的な困りごと等は、事業者や行政との話し合いの場等で、解決していけることがたくさんあるのではないか。 ・差別をする人たちが、法や条例のことを知らないといけない。 【障害者差別解消支援地域協議会について】 ・協議会の委員に、障害当事者が少ないのは問題ではないか。 ・協議会を公開している(傍聴できる)ことの広報が足りないのでは。もっとしっかりとすべき。 ・協議会の開催時間をもっと障害者が傍聴しやすい時間にしてほしい。 ・要約筆記を付ける際は、文字表示を他の方にも見えるようにしてもらいたい。 ・市ホームページで資料を公開する際は、PDFでは読めないので、HTMLにするなど、視覚障害者に配慮したWebアクセシビリティに注意してほしい。 【国・市の制度等について】 ・65歳問題について。 ・災害時の対応について。(安全に避難できる方法、避難所のバリアフリー化等) ・移動支援等の障害福祉サービス全般について。(必要な時に使えない、収入があったら使えない、ヘルパー不足で使えない等) ・高齢化に伴いデイケアに受け入れてもらえない。また、障害者も受け入れ可能な高齢者施設がない。