謹賀新年
議長
母谷 龍典
副議長
宮崎 誠克
新年おめでとうございます。
市民の皆さまには、新春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。また、日頃から市議会に対し、ご理解とご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。
昨年は、被爆地広島、長崎にとって大変意義深い年となりました。10月に日本原水爆被害者団体協議会へのノーベル平和賞の授与が決まり、12月、ノルウェー・オスロ市で授賞式が執り行われました。改めて、長年、被爆体験を語り、原爆被害の凄惨(せいさん)さと核兵器の非人道性を訴え、核兵器の廃絶に向けて力を尽くしてこられましたことに深く敬意を表します。
まちづくりに関しては、昨年2月に新サッカースタジアムが開業しました。開業以来、サンフレッチェ広島やレジーナの公式戦、FIFAワールドカップ26アジア2次予選のシリア戦などが開催され、全国から多くのサッカーファンが集い熱気と歓声に包まれています。ゲームの無い日でも、街中(まちなか)スタジアムの特性を生かしたイベントが開催され、会議室も多様な利用ができる広島の新たなシンボルとして街の活性化に貢献しています。
また、8月には、このスタジアムを中核とする「ひろしまスタジアムパーク」が新たな商業施設などの魅力を加えて全面開業し、市民の皆さまの憩いの場となっています。さらに、10月には、紙屋町・八丁堀地区の活性化に向けた官民連携のリーディング・プロジェクトとして、同地区と広島駅とを結ぶ相生通り沿いでの市街地再開発事業が始動しました。
このように街の景色が新しく生まれ変わっていく鼓動を肌で感じ、その輝かしい未来に思いを馳せ、胸を躍らせている市民の皆さまも多いのではないでしょうか。
今年は、3月にJR広島駅南口に新駅ビルが開業し、また、夏頃には、その2階に路面電車の乗り入れが始まる見通しです。これによりJR線との乗り換えの利便性や紙屋町・八丁堀地区へのアクセシビリティが向上し、中国・四国地方の中枢都市の玄関として、新たな賑わいの創出と高度な交通機能の集積に期待が高まります。
さて、我が国における少子高齢化と人口減少が深刻となり、若者を中心とした人口流出も課題となる中、本市では、持続可能な地域社会を実現するため、県域を越えた近隣市町で構成する都市圏の経済活性化と圏域内人口200万人超の維持を目指す「200万人広島都市圏構想」の実現に向けた取り組みを進めています。その連携中枢都市である本市は、引き続き、圏域全体の持続的な発展を牽引(けんいん)する役割を果たしていかなければなりません。
また、世界では、ロシアによるウクライナへの侵攻や中東地域における紛争が長期化の様相を呈しています。ロシアが核抑止力の国家政策指針を改定し、核兵器使用の危険性が高まるほか、核戦力の増強を進める国があるなど、依然として世界平和は危機に瀕(ひん)しています。
被爆80周年に当たる今年、世界恒久平和と核兵器廃絶の実現に向けたさらなる国際的潮流が生まれるよう、被爆地広島の使命として、世界中の多くの人々に被爆の実相を伝え、平和を願う「ヒロシマの心」を広める取り組みを積極的に推進していく必要があります。
市議会は、こうした施策を進めるに当たり、市民を代表する合議制の機関として、引き続き、権能と職責を深く認識し、さらなる自己研鑽(けんさん)に努め、市政の発展・振興のため、全力を傾注してまいる所存でございます。
本年も市議会の取り組みに対し、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、市民の皆さまにとってこの一年が実り多い年となりますようお祈り申し上げまして、新年のごあいさつとさせていただきます。
「ひろしま市議会だより」は議会の活動を市民の皆さまに広く知っていただくための広報紙です。
〔バックナンバー〕市議会ホームページ>議会広報>広報紙