決算特別委員長報告

【総括的な指摘・要望事項】
各会計歳入歳出決算については、自主財源の確保は財政運営の安定性と行政活動の自主性を確保する上で極めて重要であることから、市税等について、効果的・効率的な収納体制を整備するなど、収入の確保及び収納率の向上に努める必要がある。そして、今後とも厳しい財政状況の中で、多様化する行政需要に的確に対応するためには、「選択と集中」による政策の重点化・効率化を図りつつ、すべての事務事業の見直しにより、経費の縮減を行う必要がある。また、臨時財政対策債の発行などの影響により、令和4年度末の一般会計の市債残高は1兆1694億円となっており、将来世代へ過度の負担を残さないよう市債残高の抑制により一層努める必要がある。
企業決算については、水道事業、下水道事業及び安芸市民病院事業いずれも、その経営環境は依然として厳しいものと予想されることから、従来にも増して、経営の効率化を図り、独立採算制の原則のもと健全で安定した事業経営の確保に努める必要がある。ついては、最少の経費で最大の効果を挙げることを基本に全庁を挙げてさらなる行政経営改革に着実に取り組み、弾力性のある健全な財政体質を確立するとともに、市民サービスのさらなる向上をめざして、なお一層努力されるよう強く求めておく。

【個別の要望事項】
平和の推進に当たっては、被爆体験の継承・伝承におけるデジタル技術のさらなる利用と、来館者が増加している広島平和記念資料館の入館体制・観覧環境の整備や被爆建物の保存・活用に引き続き取り組むことにより、被爆の実相を広く伝えるとともに、原爆死没者の慰霊と世界恒久平和の実現を祈念する平和記念式典が厳粛な中で執り行われ、ヒロシマの心を共有する機会となるよう努めること。
入札・契約制度については、地元企業の受注機会の確保や業者負担の軽減を図る観点から、入札要件の検証やDXの推進など、さらなる改善に努めること。
市民の生命・財産を守るため、雨水幹線や雨水ポンプ場などの浸水対策施設の整備等を着実に進めること。
消防行政においては、組織全体の対応力や市民サービスの向上を図るため、引き続き職員個々の適性などに応じた人材育成や女性消防吏員のさらなる活躍に向けた取組を推進すること。また、消防団サポーター制度を通して消防団の認知度向上を図るなどの取組により、消防団の将来を担う人材の確保に一層努めること。
学校給食費については、公会計移行後に未納額が増加している原因を精査した上で、未納を発生させないための対策や発生した場合の対策をしっかりと講じること。
いじめ・不登校対策については、いじめの認知件数や不登校児童生徒数が増加しているため、傍観者にならない取組や誰かに相談する力を身につける取組、ICTを活用した児童生徒への支援の充実をより一層進めるとともに、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの配置等の拡充に引き続き努めること。
観光振興については、国内及びインバウンド観光客の誘客促進に向けて、ハード・ソフト両面からおもてなし機能の向上に努めるとともに、夜間・早朝の活用によるにぎわいの創出等により、宿泊につながるイベントを強化するなど、滞在時間の延長に向けた取組をより一層進めること。
循環型社会の形成に当たっては、ごみの減量とリサイクルの推進につながる市民・事業者・行政が相互に連携協力した取組や、資源ごみの持ち去り行為対策を着実に進めるとともに、ごみの持ち運びが困難な高齢者の増加などについても考慮した上で、将来にわたる安定的な処理体制の整備により一層努めること。
保育園運営については、長期にわたって持続可能な保育の提供体制を構築するため、担い手である保育士の確保に向けた就業支援や処遇改善に一層取り組むとともに、保育士の負担軽減に有効なICTの活用や悩みを相談できる体制強化など、離職防止につながる取組を着実に進めること。
こども医療費補助については、子どもと子育てに優しいまちづくりを進めていくため、議会の付帯決議を踏まえて、対象年齢の拡大や所得制限の見直しなどさらなる制度の拡充に向けて取り組むこと。
道路整備等に当たっては、良好な都市環境を形成するため、現在着手中の事業を早期に完了できるよう引き続き取り組むとともに、既設道路の維持補修を着実に行うこと。また、橋りょうの維持管理については、社会的・財政的な影響を勘案しつつ事後保全型から予防保全型へ見直すなど、適切な管理により一層取り組むこと。


令和5年第5回臨時会の議案と議決結果
議案に対して賛成  議案に対して反対

■令和5年10月27日議決分
区分 議案番号 件名
質疑・討論
会派名 ( )内は所属議員数
議決結果
自民党・市民クラブ
(14)
市民連合・市民の声
(8)
公明党
(8)
日本共産党
(6)
新政クラブ
(6)
ひろしま清風会
(4)
広島維新の会
(3)
清流クラブ
(1)
無党派クラブ
(1)
自民党・至誠会
(1)
新風クラブ
(1)
鈴蘭会
(1)
決算認定案等 令和4年度各会計歳入歳出決算
第1号 一般会計
第8号 後期高齢者医療事業特別会計
第9号 介護保険事業特別会計
第11号 競輪事業特別会計
第15号 開発事業特別会計
討論
認定
決算認定案等 令和4年度各会計歳入歳出決算
第2号 母子父子寡婦福祉資金貸付特別会計
第3号 物品調達特別会計
第4号 公債管理特別会計
第5号 市民球場特別会計
第6号 用地先行取得特別会計
第7号 西風新都特別会計
第10号 国民健康保険事業特別会計
第12号 中央卸売市場事業特別会計
第13号 国民宿舎湯来ロッジ等特別会計
第14号 駐車場事業特別会計
第16号 市立病院機構資金貸付特別会計
第17号 元宇品町財産区特別会計
第18号 高南財産区特別会計
第19号 三入財産区特別会計
第20号 小河内財産区特別会計
第21号 砂谷財産区特別会計
認定
決算認定案等 令和4年度水道事業決算
認定
決算認定案等 令和4年度下水道事業決算
認定
決算認定案等 令和4年度安芸市民病院事業決算
認定
決算認定案等 100 令和4年度水道事業会計未処分利益剰余金の処分
原案可決
決算認定案等 101 令和4年度下水道事業会計未処分利益剰余金の処分
原案可決

※新政クラブが1人欠席
※「討論」は討論があったことを示します。
※議長(自民党・市民クラブ 母谷議員)は表決には参加していません。


議決時の会派別所属議員

●自由民主党・市民クラブ
(略称 自民党・市民クラブ)
(電話504-2734) 山路 椋木 西佐古 碓井 山田 母谷 八條 宮崎
平岡 水野 川口 三宅(朗) 豊島 沖本
●市民連合・市民の声 (電話504-2444) 山内 山本 岡村 若林 山下 有田 丸山 松本
●公明党 (電話504-2445) 碓氷 石田 川村 西田 並川 田中 川本 幸城
●日本共産党 (電話504-2446) 中森 中村 中原 清水 藤本 大西
●新政クラブ (電話504-2442) 平野 森野 木山 元田 三宅(正) 石橋
●ひろしま清風会 (電話504-2908) 桑田 定野 永田 森畠
●広島維新の会 (電話504-2946) 大田 福田 長井
●清流クラブ (電話504-2845) 大野
●無党派クラブ (電話504-2910) 門田
●自由民主党・至誠会
(略称 自民党・至誠会)
(電話504-2947) 亀井
●新風クラブ (電話504-2949) 木村
●鈴蘭会 (電話504-2948) 石川