市長の施政方針に対する質疑及び一般質問
第3回定例会・本会議(6月23日・26日・27日)

※紙面の都合上、1人2問以内で掲載しています。
※質問内容は、発言議員本人の提出によるものです。

発言項目
◎発言順に掲載。太字は下で紹介している質問を含みます。

●沖本高博
(自民党・市民クラブ・東区)
・G7広島サミットの成果
・広島駅周辺のにぎわいづくり
・高度医療・人材育成拠点となる新病院
・広島高速5号線

●松本拓也
(市民連合・市民の声・安芸区)
・G7広島サミット
・教員のメンタルヘルス対策と復職支援
・広島市こども文化科学館のリニューアル
・スポーツ振興に向けた取り組み
・安芸中野駅前の広場の整備
・平成30年7月豪雨災害を受けたその後の対応

●並川雄一
(公明党・中区)
・G7広島サミット後の「迎える平和」の取組
・災害に強いまちづくり
・子育て支援
・高齢者の権利擁護支援
・市営住宅の適正な管理
・幼・保・小・中・高の交通教育

●中原洋美
(日本共産党・南区)
・被爆地ヒロシマの役割
・未来を担う子どもの育成
・県の高度医療・人材育成拠点基本構想
・マイナ保険証
・中央図書館の移転
・広島高速5号線シールドトンネル工事

●森野貴雅
(新政クラブ・佐伯区)
・200万人広島都市圏構想
・地域コミュニティの活性化
・特別支援学校

●桑田恭子
(ひろしま清風会・佐伯区)
・G7広島サミット後の平和発信
・中央図書館移転等
・地域コミュニティ活性化「ひろしまLMO」
・少子化への対応

●大田智弘
(広島維新の会・南区)
・若者支援
・子育て支援
・DXの推進
・市債残高の状況
・シンフォニーホールの整備

●川口茂博
(自民党・市民クラブ・安芸区)
・G7広島サミット
・平成30年豪雨災害からの復旧と安芸区のまちづくり
・東部市場の跡地活用
・水の都ひろしまにおける流域連携

●丸山幸一郎
(市民連合・市民の声・安佐南区)
・介護人材の確保
・ヤングケアラーへの支援
・子ども・子育て支援
・官民での新たな共同運営システム
・災害対策
・投票率の向上
・給料が上がる地域経済の実現

●幸城麗子
(公明党・南区)
・G7広島サミット後の平和の取組
・熱中症対策
・本市のDXの取組
・図書館連携
・終活支援におけるエンディングノートの活用

●水野考
(自民党・市民クラブ・安佐南区)
・広島市の幼児教育・保育
・デジタル教育
・部活動の地域移行
・新安川流域の治水
・砂防事業
・長束・祇園地区の渋滞対策


沖本高博
自民党・市民クラブ

G7サミットの成果

質問  ロシアのウクライナ侵攻により平和が脅かされている中で行われたG7広島サミットでは、核軍縮に焦点を当てた「広島ビジョン」が取りまとめられた。このサミットの成果とそれを今後どう活かすのかを聞かせてほしい。

答弁 全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界を目指すというメッセージが世界に向けて発信されたことは、一定の評価をすべきであり、歴史に残る平和サミットであったと受け止めている。これを機に、本市が推進する平和文化の振興を一層強化し、核兵器のない平和な世界の実現に向けた機運の醸成に取り組んでいきたい。

広島駅周辺のにぎわい

質問  「陸の玄関口」である広島駅の周辺地区は、都心の核であり、本市が進める「楕円形の都心づくり」においても中心的な位置づけである。回遊性を向上させるため、新幹線口のペデストリアンデッキを延伸させるべきでは。

答弁 広島駅周辺地区においては、同地区の歩行環境整備に向けた基本的な考え方に基づき、官民連携による歩行者専用ネットワークとして検討することとしている。今後、沿道の開発計画、土地利用の進捗(しんちょく)状況などを的確にとらえ、開発事業者と調整を図りながら検討を進めたい。


松本拓也
市民連合・市民の声

積極的なメンタルヘルス対策を

質問  現在、教育現場の超過勤務については抜本的な改善に至っていない状況である。超過勤務が引き起こす教員の病休率が本市は全国平均を上回る中、積極的なメンタルヘルス対策を行ってほしいが教育委員会の考えはどうか。

答弁 市教育委員会においては、産業医や保健師による相談窓口の設置や全教職員対象のメンタルヘルス研修会の開催、新規採用教員等が対象の臨床心理士による個人面談の実施等のメンタルヘルス対策を行っている。こうした取り組みは教職員の働き方改革の推進という観点からも重要であると考えており、今後、国の委託事業の活用等も検討しながら、さらなる充実に取り組む。

安芸中野駅前の広場整備

質問  当駅は安芸区内にある他の駅と比べ、駅前広場の整備が遅れている。駅利用者や地域住民の安全性、出入りする車の安全性という観点から駅前広場の整備が必要と思うが、本市はどのように考えているか。

答弁 当広場は、朝夕のピーク時には通過交通が多く、ロータリーもないことからさまざまな交通が輻輳(ふくそう)し、混雑している。今後、広場管理者のJR西日本など関係機関と連携し、どのような対応が可能か検討したい。


並川雄一
公明党

G7広島サミット後

質問  G7首脳が平和記念資料館を訪問した際に記帳した芳名録は、G7広島サミットの遺産である。平和記念公園を核兵器廃絶を決意する場所として整備するためにも、この芳名録を広島の被爆の記憶とつなげて、展示・公開すべきではないか。

答弁 G7首脳が、被爆の実相に直接触れた上で芳名録に記帳された核兵器廃絶への思いは、大変意義深く、重要なものと考えている。G7首脳の思いを多くの方々に受け止めていただいた上で、核兵器のない世界に向けてのさまざまな活動を展開する一里塚にしたいと考えており、令和5年7月から広島国際会議場で展示・公開する方向で検討を進めている。

高齢者の権利擁護支援

質問  成年後見制度を利用すると、成年後見人等は、金融機関等のほか市税や国保・福祉サービスなど役所内においても多くの届け出が必要となる。制度利用促進のため、通知送付先を一括登録すべきだと思うが、その検討状況は。

答弁 これまで区役所の担当窓口ごとに必要であった手続きを、一つの窓口で一括して受け付ける体制に変更することは、成年後見人等の負担軽減や本市の業務効率化につながることから、導入に向けて関係部署と協議を進めている。


中原洋美
日本共産党

G7広島サミットは失敗

質問  核兵器禁止条約には一切触れず、核兵器廃絶を究極の目標に先送りした「核抑止力を正当化」した広島ビジョンは、いざとなれば核兵器を使うこともためらわない、再び非人道的な惨劇を与えるぞと他国を脅すものである。これは、市長の目指す方向と同じか。

答弁 核軍縮に向けた取り組みが停滞している中、G7で初めて核軍縮に焦点を当てた広島ビジョンが採択された。その中で、全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けたコミットメントが再確認されている。核兵器廃絶を目指す本市としては、国際的な規模で平和意識を醸成することに貢献していきたい。

学校プールは建て替えを

質問  老朽化しても建て替えず、近隣の学校などのプールを利用する「借り物プール」での水泳授業は、学校の根幹である「授業」を、財政負担を理由にないがしろにするものだ。計画的に改修・整備を行うことが設置者である教育委員会の責任ではないのか。

答弁 プール以外の校舎や体育館等の施設については、令和3年2月に策定した「広島市学校施設長寿命化計画」に基づき、計画的な維持保全に取り組み、施設の長寿命化を図るとともに、更新時期を迎えた際には、必要な改築を行いたいと考えている。


森野貴雅
新政クラブ

ひろしまLMOを有意義なものに

質問  担い手不足の地域にこそ、まちづくりに対する意欲を喚起し、「ひろしまLMO」を活用した地域コミュニティの維持・発展に取り組んでいただくよう、行政が積極的に働き掛ける必要があると思うがどうか。

答弁 各区コミュニティ交流協議会や地区社協、連合町内会・自治会等に対し、話し合いの場を設けるなどして、地域の実情に応じた「ひろしまLMO」づくりに向け、伴走支援を行っている。こうした取り組みを継続するとともに、「ひろしまLMO」として認定した先導的な好事例を広く発信し、住民主体のまちづくりの基盤である「ひろしまLMO」を全市に広げていきたい。

特別支援学校の就学区域見直しを

質問  本市は、市立広島特別支援学校の就学区域内(中、東、南、西、安芸区)だけでなく、本市全域の特別支援教育を考えるべきである。就学区域の見直しを含め、県と協議すべきだと思うがどうか。

答弁 県立特別支援学校へ就学している本市児童生徒の人数や通学時間に係る情報については、現在も県教委から提供を受けている。引き続き、就学者数などを把握しながら、就学区域の見直しも含めて広域的な施設配置の在り方などについて、県と協議していきたい。


桑田恭子
ひろしま清風会

中央図書館移転先の経営は厳しい

質問  広島駅南口開発株式会社の令和5年度の資金計画では、6年度への繰越金が3億円しかなく、毎年減少している。図書館移転により核テナントである福屋からの賃料が減少すると、さらに経営が厳しくなるのではないか。7年度から経営が安定する理由は何か。

答弁 同社が新たに直接運営することになるフロアを含む中・下層階が価値の高い賃貸床であることに加え、集客力の高い中央図書館の移転およびそれに連動して実施する建物全体のリニューアルにより誘客機能が向上することから、毎年度の返済金の圧縮額が、賃貸対象の床面積の減少による収入減よりも経営上はプラスに働くものと同社は判断している。

地域活性化ひろしまLMO

質問  地域コミュニティの新たな協力体制である「ひろしまLMO」の募集がされている。このLMOには多額の補助金が支払われるが、全小学校区で実施した場合、予算額はいくらか。またその財源はどうするのか。

答弁 「ひろしまLMO」には、設立・運営費として一組織当たり650万円が支給される予定であり、全小学校区で設立された場合の所要額は約9億円を見込んでいる。財源については、令和5年度の場合、当初予算の総務費500億円の内数として確保することとなる。


大田智弘
広島維新の会

若い世代への就職支援

質問  本市は総合計画の中で、「多様な市民が生き生きと暮らせるまちづくり」に取り組むこととしている。地域活性化のためには、若い世代に地元で就職してもらうことが不可欠と思うが、本市の考えは。

答弁 地元企業をより深く知ってもらい、地元企業への就職、定着を図ることを目的に、有給長期インターンシップを実施しているほか、市立高校での「企業の高校出前講座」などを行っている。また、東京・関西圏からのUIJターンの促進、就職氷河期相談窓口や区役所での就労支援窓口の設置、企業の誘致などにも取り組んでいる。今後は移住支援にも取り組みたい。

市債残高の状況

質問  にぎわいを生み出すための事業は必要だが、市債を借り入れて行えば、市民生活や本市の発展に悪影響を及ぼしかねない。市債残高のコントロールは不可欠である。臨時財政対策債残高等を除いた実質的な市債残高はいくらか。また、今後の見通しはどうか。

答弁 令和3年度決算における臨時財政対策債残高等を除いた市債残高は、6514億円となっており、平成14年度決算の8483億円をピークに約2000億円減少させている。今後も厳しい財政状況が続くと見込まれるが、市債残高の適切な管理に努める。


川口茂博
自民党・市民クラブ

心(真)の復興

質問  平成30年7月の記録的な大雨により被害を受けた箇所はほぼ復旧したが、ホタルの飛来数が減少してしまった。地元で復活を望む声があることについて、本市の見解は。また、ホタルの保全活動団体と、今後どのように連携し、どう対処していくのか。

答弁 地域の方々がホタルの復活を望まれている想いは理解している。また、上瀬野地区の方々がホタルに関する知見を深めるために「瀬野川ホタルの会」の取り組みに参画されていることも承知している。本市としては、地域の方々の想いを受け止めながら、関係部局が連携しつつ、必要な支援を行っていきたい。

東部市場の跡地活用

質問  東部市場移転後の跡地については、新たな雇用の創出や地産地消への貢献、さらには住環境の改善につながるような活用方策を検討してほしいが、どのように進めていくのか。

答弁 現在、広島広域都市圏の周辺市町との連携強化にも配慮しながら、都市機能の整備の可能性や国道2号とのアクセス性をより高める方策について調査・検討を行っている。今後、この結果に基づき、地域住民や周辺事業者等の意見も聴きながら、具体的な活用策を整理し、計画的に取り組んでいきたい。


丸山幸一郎
市民連合・市民の声

ヤングケアラーへの支援

質問  家族の世話・介護について、誰にも相談したことのない子どもが多数存在する。児童生徒に対するヤングケアラーに関するアンケートの中に、「ヤングケアラーとは?」という入口部分から支援内容までを盛り込んではどうか。

答弁 ヤングケアラーを早期に発見し、適切な支援につなげるためには、児童生徒自身が自分は支援が必要な状況かもしれないと気付き、声をあげられるよう、「ヤングケアラー」という概念を広く周知する必要がある。令和5年度は、アンケート調査の際に、ヤングケアラーについての概念や相談窓口等についての項目を設け、啓発する。

官民での新たな共同運営システム

質問  利用者目線で、利用しやすい交通ネットワークの構築を行うことをお願いする。一方で路線の合理化等によっては、各社の収益性への影響も懸念されるため、収益性の維持向上のための支援をすべきではないか。

答弁 労働環境の改善および利便性向上等に各社が積極的に取り組むことができるよう、EVバスの導入をはじめとする交通DX・GXの取り組みや、施設・設備等の機能強化などに対しても支援を行うことを検討している。


幸城麗子
公明党

姉妹公園協定

質問  平和記念公園とパールハーバー国立記念公園が姉妹公園協定を締結すると発表されたが、締結することとなった理由とその意義は何か。

答弁 このたびの協定締結は、日米両国市民にとって友好の架け橋となるものであり、これまで日米の先人たちが平和を願って積み重ねてきた努力に報いるものにもなると考えている。さらに、市民一人一人が日常生活の中で平和について考え行動する「平和文化」を市民社会に根付かせるための重要な一歩となるものと確信している。

熱中症対策

質問  近年、熱中症により命を落とす人が増えている。今後、地球温暖化が進行すれば、さらに極端な高温発生リスクが増加すると見込まれる。本市では、高齢者を熱中症から守るために、どのような取り組みを行っているのか。

答弁 高齢者の健康面や生活面に関して日頃から支援を行っている地域包括支援センターの職員が、熱中症に関する講座を開催しているほか、熱中症対策を分かりやすくまとめたチラシを配布するなどして、その普及啓発や注意喚起を行っている。


水野考
自民党・市民クラブ

幼児教育・保育

質問  認定こども園を設置するに当たっては、そこで提供する教育・保育が公立の幼稚園と保育園両方の良い所が生かされた園になるよう双方の現場の意見を反映してもらいたい。そのために、どのように取り組むのか。

答弁 幼稚園教諭・保育士と関係課の職員とで協議の場を設け、必要となる施設・設備ならびに園の基本理念および目指す子ども像など、幼児教育・保育の内容について検討している。幼稚園と保育園の双方で培ってきたそれぞれの専門的な知見を最大限活かせるよう、今後も現場の意見も聴きながら、認定こども園の開園に向けて検討を進めていく。

部活動の地域移行

質問  休日の部活動の地域移行を行うためには、指導者の人材確保が大きな課題となる。この課題に対して、どのようなことが必要だと考えているのか。

答弁 例えば、実業団などの民間企業、競技団体、大学といった新たな受け皿の掘り起こしを行う必要がある。また、将来的に、安定的な人材確保を継続していけるようにするため、受け皿となる団体等と学校とをつなぐコーディネート機能の整備についても検討していく必要があると考えている。


〔用語解説〕

1 広島型地域運営組織「ひろしまLMO(エルモ)」
 LMOとは、Local Management Organization(地域運営組織)の略で、令和4年2月に策定した「広島市地域コミュニティ活性化ビジョン」に基づく「新たな協力体制」として本市が認定する組織のこと。地区社会福祉協議会や連合町内会・自治会等が中心となり、NPOや住民有志等と連携して、地域の情報・将来像の共有や地域課題の解決に向けた取り組みなどを行う。認定を受けることで、助成金をはじめとするさまざまな支援が受けられる。

2 交通DX・GX
 DXとは、データやデジタル技術を活用して業務や働き方、生活や風土などに変革を起こすことを、GXとは、化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換することをいう。鉄道・路線バスなど地域交通のDX・GXの推進により、利便性・持続可能性・生産性を向上させ、交通事業者の経営効率化・経営力強化を図る。

3 認定こども園
 幼稚園と保育園の両方の良さを併せ持ち、教育・保育を一体的に行う施設のこと。就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能および地域における子育て支援を行う機能を備えており、都道府県等が認定基準を満たす施設を認定する。



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