予算特別委員会の主な質疑

 議長を除く全議員で構成される予算特別委員会(西田浩委員長、山本昌宏・平野太祐・平岡優一・水野考各副委員長)において、延べ78人の委員が、令和5年度関係議案58件、令和4年度関係議案24件について、活発な質疑を行い、慎重に審査を重ねました。その審査における主な質疑と答弁を掲載します。


自民党・市民クラブ

生活保護制度
 受給者の死亡により発生する家主の損害を補償する仕組みはないのか。

 家主等が加入する民間保険等で対処すべきものだが、指定都市間で国への要望を含め意見交換を行っている。

榎山川の氾濫の再発防止
 平成30年7月豪雨災害で氾濫した榎山川について、災害の再発防止策は。

 県による流域上流部の砂防堰堤の整備や市による避難誘導対策など、一体となって防災・減災に努めていきたい。

JR下祇園駅の再整備
 自由通路、駅舎、西口駅前広場、アクセス道路はそれぞれいつ利用開始か。

 自由通路および駅舎は令和5年度末、西口駅前広場は令和7年度半ばの供用を予定しており、アクセス道路は令和8年度末の整備完了を目指している。

雪害予防対策
 市域内外をまたがる道路の除雪状況に差が生じないよう県と連携すべきでは。

 市域外の国道、県道を管理している広島県と協調して除雪が行えるよう協議・調整していきたい。

盛土規制法に基づく規制区域の指定
 区域指定により資産価値が下がるなど、住民が不利益を被る心配はないのか。

 区域指定は、盛土等に伴う災害の防止のためであり、土地の安全性が高まることから、不利益は生じないと認識している。

商工センター地区の活性化事業
 本事業をどのように進めるのか。また、いつ頃までに完成させる意気込みか。

 令和6年度の完成を目標にまちづくりビジョンを策定する。まちづくりは新中央市場の整備と相互調整を図りながら進めたい。

広島拘置所の壁画保存
 紙屋町から広島城への地下道に、パネル化した壁画を設置してはどうか。

 制作者のご遺族等から設置場所としての意向が示された場合は、地下道管理者と協議を行い検討していく必要がある。


自民党・保守クラブ

子育て世帯に対する本市の認識は
 放課後児童クラブを有料化するが、子育て世帯の現状をどう認識しているのか。

 昼間保護者等が家庭にいない世帯が増加しているため、放課後児童クラブの受け皿の確保が重要と認識している。

国民健康保険料の改定
 国民健康保険料の値上げは、計画策定の段階で予想できなかったのか。

 令和5年度における保険料の上昇は、コロナ禍の影響が大きく、当時は予測できなかったものである。

障害福祉サービス事業
 運営に必要な人材確保のため、職員の待遇を向上させる制度はあるか。

 事業所は、福祉・介護職員処遇改善加算等の算定額相当以上の賃金改善を実施することとなっている。

肥料価格高騰対策
 肥料価格が上昇する中、下水汚泥資源の肥料利用をどう進めていくか。

 国の動向を踏まえつつ、農業者のニーズに応じて、利用促進に向けて、関係部署と連携して対応したい。

平和大通りの利活用に当たって
 ワークショップ参加者だけでなく周辺住民等の意見も十分に聞くべきでは。

 周辺住民等に正しく理解していただくため、今回の報告会や次回のワークショップの広報などに努める。


公明党

食品ロス削減推進条例を食育教材に
 条例の内容を教材に盛り込み、児童生徒に食品ロス削減の啓発を行えないか。

 条例の内容を取り上げた資料を作成し、授業等の中で周知を図るなど、食品ロス削減の普及啓発に取り組みたい。

1人暮らしの高齢者支援を
 あんしん電話設置事業をより利用しやすい事業へと見直してはどうか。

 利用要件の緩和等さまざまな見直しを行っており、今後も、本事業のチラシを分かりやすくするなど、利用者等の声を丁寧に聞き取りながら取り組む。

住宅用火災警報器の更新
 更新を促すため、ナッジ理論を利用した広報が効果的と思うが、どうか。

 住宅用火災警報器の点検・交換について、今後はさらに印象に残る広報となるよう工夫し、一層の周知を図る。

「書かない」窓口の早期設置を!
 この取り組みは全国各地に広がっているが、本市も取り組むべきではないか。

 市民の利便性の向上に向けた取り組みを検討する中で、他都市の事例も参考にしながら、「書かない窓口」の拡大に努めていく。


市民連合

メンタルヘルス対策の強化を
 教職員のメンタルヘルス対策は重要だが、サポート体制はどうか。

 ストレスチェックの実施、産業医や保健師による健康相談、臨床心理士による相談対応などを行っている。

公共空間等の利活用推進を
 カミハチキテルと連携し、滞留空間の常設化に取り組むべきでは。

 県警等との協議調整を行い、常設化に支障がなく効果的な場所を検討し、カミハチキテルと連携を図りながら早期実現に向けて取り組んでいきたい。

自動車産業を支える中小企業の成長
 雇用の維持や賃金の上昇のために、どのように取り組むのか。

 細やかで実効性の高い伴走型支援を実施し、企業のコスト削減や収益力強化に欠かせない生産性向上の取り組みを後押しする。


ひろしま清風会

香害被害者の声を聞くこと
 香害とはどのようなものか、本市の認識は。

 柔軟剤等の香りで体調を崩すことがあるため、香害と呼ばれる。香害に悩む市民がいることを広く周知し、理解していただくよう努める。

間所ポンプ場の稼動基準は?
 雨雲レーダーや降雨状況等を総合的に判断し、早めにポンプ稼働できないのか。

 ポンプ場への雨水の流入量や水位上昇は一律でなく、予測が困難なため、ポンプの稼働は水位により判断している。

図書館の駅前移転は懸念だらけ
 各テナントへの営業補償を考慮していないが、必要となれば誰が負担するのか。

 移転工事については、営業補償が発生しないよう騒音・振動等に配慮することとしており、現時点では、営業補償を行う予定はない。


日本共産党

平和教材に「はだしのゲン」を残して
 被爆者団体をはじめ全国からの削除撤回を求める声を聞き、どう考えるのか。

 限られた授業時間内で「家族の絆」を説明する教材として、より使いやすいものに見直したことを丁寧に説明していきたい。

全会一致の付帯決議の履行を
 付帯決議の理解を得よとの意味を正しく理解し、十分に履行するべきでは。

 当然に理解していただくべく説明を行ってきたところであり、付帯決議で課された手続きは果たしてきたものと考えている。


無党派クラブ

公有財産の取得、交換、処分、貸付等
 弁護士、税理士、不動産鑑定士など外部委員で構成する委員会で審査すべきでは。

 財産評価委員会で、財産取得に関する主管課長等に加え、外部の不動産鑑定士を委嘱し、適正に審査している。



〔用語解説〕

1 盛土規制法
 令和5年5月26日に施行される「宅地造成及び特定盛土等規制法」の通称。令和3年7月に発生した静岡県熱海市の盛土崩落に伴う大規模な土石流災害等を踏まえ、これまでの「宅地造成等規制法」を法律名・目的も含めて抜本的に改正し、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制することとなった。今後、本市は、同法に基づき、盛土等に伴う災害防止のため、盛土等により人家等に被害を及ぼしうる区域を規制区域として、令和7年5月25日までに指定する。

2 広島拘置所の壁画
 広島城築城400年を記念して、本市の依頼に基づき、東区出身の故入野忠芳氏が制作し、平成元年11月に完成した。広島拘置所一帯がかつての広島城郭内武家屋敷跡であることにちなみ、江戸時代の城下町の様子が再現されている。縦約2メートル、全長約200メートルに及ぶ大作である。

3 あんしん電話
 本市在住の高齢者等を対象に実施しているサービスの一つ。緊急時に通報機器のボタンを押すと看護師等が待機する電話相談センターにつながり、救急車の要請や健康相談を行うことができる。利用料は原則自己負担。

4 ナッジ理論
 人々が行動を選択する時の癖を理解して、強制することなく、人々が望ましい行動を選択するように導くアプローチのこと。ナッジとは、英語で「注意をひくために肘で軽く突く、そっと背中を押す」という意味。

5 カミハチキテル
 民間企業を中心に、行政や大学など、広島都心に関わるさまざまな団体が参画する官民連携のまちづくりプラットフォームのこと。カミハチとは、“カミ(紙屋町地区)”と“ハチ(八丁堀地区)”を一体的にとらえた愛称であり、キテルは、人にキテほしいなどの意味が込められている。今後、このエリアで多くの都市開発プロジェクトが動きつつある中、カミハチを中心に、都心全体をリノベーションするための方向性を検討・実現することを目的としている。



※紙面の都合上、掲載質問数の上限は、各会派の人数按分により決定しています。
※質疑の内容は、各会派からの提出によるものです。
※質疑・答弁の趣旨を簡潔にまとめています。


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