決算特別委員長報告

【総括的な指摘・要望事項】
各会計歳入歳出決算については、自主財源の確保は財政運営の安定性と行政活動の自主性を確保する上で極めて重要であることから、市税等について、効果的・効率的な収納体制を整備するなど、収入の確保及び収納率の向上に努める必要がある。
今後とも厳しい財政状況の中で、多様化する行政需要に的確に対応するためには、「選択と集中」による政策の重点化・効率化を図りつつ、すべての事務事業の見直しにより、経費の縮減を行う必要がある。
臨時財政対策債の発行などの影響により、令和3年度末の一般会計の市債残高は1兆1352億円となっており、将来世代へ過度の負担を残さないよう市債残高の抑制に、より一層努める必要がある。
企業決算については、水道事業、下水道事業及び安芸市民病院事業いずれも、その経営環境は依然として厳しいものと予想されることから、従来にも増して、経営の効率化を図り、独立採算制の原則のもと健全で安定した事業経営の確保に努める必要がある。
最少の経費で最大の効果を挙げることを基本に全庁を挙げてさらなる行政経営改革に着実に取り組み、弾力性のある健全な財政体質を確立するとともに、市民サービスのさらなる向上をめざして、なお一層努力されるよう強く求めておく。

【個別の要望事項】
基金については、その設置目的を踏まえて、将来も事業を継続することができるよう適切に積み立てること。
災害時に市民が迅速に避難し、安心して避難所に滞在できるよう、避難誘導アプリの普及・改善や避難所の環境整備に努めること。また、避難行動要支援者を支援する方やボランティアなどの関係者が安心して活動できる環境整備についても取り組むこと。
中央図書館等の再整備に当たっては、議会・利用者・有識者などの関係者から広く意見を取り入れ、求められる機能等を盛り込んだ図書館整備方針を作成するとともに、市民等に対して丁寧に説明を行うこと。
急傾斜地崩壊防止対策については、引き続き県に対し補助金の増額を要望するとともに、令和4年度に創設した住宅の防災・減災推進事業のさらなる活用を図るなど、国や県と連携して早急かつ確実に進めること。
消防行政においては、組織全体の対応力や市民サービスの向上を図るため、職員個々の適性や能力に応じた人材育成に引き続き努めるとともに、女性消防吏員のさらなる活躍に向けた取組を推進すること。 また、救急活動については、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中において、感染防止対策を徹底し、救急搬送体制の維持に万全を期すこと。
いじめ対策については、誰にも相談できずに一人で抱え込み、必要なSOSを発信できない状況にある児童生徒がいることを踏まえ、児童生徒自らが相談できる力を身につける取組や相談体制の充実に、より一層努めること。また、スクールソーシャルワーカーの人材確保が難しい状況であるため、処遇についての抜本的な検討を行うこと。
学校施設の長寿命化に当たっては、それぞれの地域の実情に即した学校の在り方について、地域の意見を聞きながら検討を行った上で、整備に着手すること。
観光振興については、G7広島サミットの開催都市として注目の集まる絶好の機会を逃すことなく、次世代を担う若い世代や留学生などに対するSNSを用いた広島の魅力発信の働きかけを行うなど、観光情報のさらなる発信力向上に取り組むこと。
新中央市場の建設に当たっては、これまで中央市場及び東部市場が果たしてきた安全で安心な生鮮食料品等を安定的に供給する物流拠点としての機能の向上を図るとともに、市民や観光客も呼び込む魅力あるにぎわい機能の充実に努めること。また、場内関係事業者の経営安定に資する効果的な支援を行うこと。
障害の有無を超えて誰もが参加できる社会づくりに向けて、障害者差別解消を目的とした各種施策についてさらなる広報・周知に努め、行政・事業者・市民が一体となって社会的障壁除去に係る取組をより一層進めること。また、障害者スポーツの支援強化をはじめ、障害者の社会参加を促進する施策の充実を図ること。
ひとり親家庭等福祉については、居場所づくり事業など各種施策の充実を図るとともに、支援が必要な家庭に対する情報提供に力を入れること。また、子どもや子育て家庭を地域ぐるみで支えているこども食堂の実施状況の把握に努め、その活動が継続できるよう支援方法を検討すること。
道路整備に当たっては、円滑な都市交通を確保するため、災害復旧を含む現在着手中の事業を早期に完了できるよう、引き続き関係者の緊密な連携を図り、着実に推進すること。


令和4年第8回臨時会の議案と議決結果
議案に対して賛成  議案に対して反対  採決の際に一部議員反対

■令和4年10月28日議決分
区分 議案番号 件名
質疑・討論
会派名 ( )内は所属議員数
議決結果
自民党・市民クラブ
(14)
自民党・保守クラブ
(9)
公明党
(8)
市民連合
(6)
日本共産党
(5)
ひろしま清風会
(5)
市政改革クラブ
(2)
清流クラブ
(1)
無党派クラブ
(1)
決算認定案等 令和3年度各会計歳入歳出決算
第1号 一般会計
第10号 介護保険事業特別会計
討論

反対1人
認定
決算認定案等 令和3年度各会計歳入歳出決算
第9号 後期高齢者医療事業特別会計
第12号 競輪事業特別会計
第16号 開発事業特別会計
討論

反対1人
認定
決算認定案等 令和3年度各会計歳入歳出決算
第2号 住宅資金貸付特別会計
第3号 母子父子寡婦福祉資金貸付特別会計
第4号 物品調達特別会計
第5号 公債管理特別会計
第6号 広島市民球場特別会計
第7号 用地先行取得特別会計
第8号 西風新都特別会計
第11号 国民健康保険事業特別会計
第13号 中央卸売市場事業特別会計
第14号 国民宿舎湯来ロッジ等特別会計
第15号 駐車場事業特別会計
第17号 市立病院機構資金貸付特別会計
第18号 元宇品町財産区特別会計
第19号 三入財産区特別会計
第20号 砂谷財産区特別会計
認定
決算認定案等 令和3年度水道事業決算
認定
決算認定案等 令和3年度下水道事業決算
認定
決算認定案等 令和3年度安芸市民病院事業決算
認定
決算認定案等 令和3年度高南財産区会計歳入歳出決算
認定
決算認定案等 令和3年度小河内財産区会計歳入歳出決算
認定
決算認定案等 98 令和3年度水道事業会計未処分利益剰余金の処分
原案可決
決算認定案等 99 令和3年度下水道事業会計未処分利益剰余金の処分
原案可決
補正予算案 104 令和4年度一般会計補正予算(第7号)
原案可決

※自民党・市民クラブが1人欠席、自民党・保守クラブが1人欠席
※「討論」は討論があったことを示します。
※議長(自民党・市民クラブ 佐々木議員)は表決には参加していません。


議決時の会派別所属議員

●自由民主党・市民クラブ
(略称 自民党・市民クラブ)
(電話504-2734) 山路 水野 川口 中本 碓井 佐々木 山田 母谷 八條 宮崎 平岡 椋木 西佐古 三宅(朗)
●自由民主党・保守クラブ
(略称 自民党・保守クラブ)
(電話504-2442) 元田 平野 木島 児玉 金子 木山 谷口 三宅(正) 石橋
●公明党 (電話504-2445) 碓氷 西田 渡辺 石田 川村 並川 田中 川本
●市民連合 (電話504-2444) 太田 山内 若林 山本 岡村 山下
●日本共産党 (電話504-2446) 中森 近松 中原 藤井 吉瀬
●ひろしま清風会 (電話504-2908) 森畠 桑田 永田 竹田 定野
●市政改革クラブ (電話504-2616) 伊藤 藤田
●清流クラブ (電話504-2845) 大野
●無党派クラブ (電話504-2910) 馬庭