総括質問 第2回定例会・本会議(2月10日・14日・15日)
※紙面の都合上、1人2問以内で掲載しています。
※質問内容は、発言議員本人の提出によるものです。

発言項目

◎発言順に掲載。太字は下で紹介している質問を含みます。

●八條範彦(自民党・市民クラブ・安佐南区)
・中央図書館等の移転
・官民連携のまちづくり
・入札制度
・学校給食
・学校教育

●三宅正明(自民党・保守クラブ・安芸区)
・福祉政策と新型コロナウイルス感染症対策
・まちづくりと災害対策
・文化政策と中央図書館
・地域コミュニティと行政の関わり


●並川雄一(公明党・中区)
・成年後見の更なる利用促進
・中央図書館、こども図書館及び映像文化ライブラリーの集約化・移転
・吉島老人いこいの家及び吉島屋内プールの集約化・移転

・長期未払金の整理
・保育士の配置基準の緩和等
・行政にしかできない終活の支援
・養育費確保の支援
・校舎外のトイレの洋式化

●馬庭恭子(市政改革ネットワーク・中区)
・コロナ対策全般
・EBPM「証拠にもとづく政策形成」
・中央図書館等の移転
・成人年齢の引き下げに伴う消費者教育等
・適正な投票所設置
・重度精神障害者通院医療費助成

●吉瀬康平(日本共産党・東区)
・日米地位協定の見直し
・敵基地攻撃能力
・黒い雨裁判の高裁判決を受け入れた上での新たな被爆者認定指針
・中央公園内の施設の再編計画


●岡村和明(市民連合・南区)
・文化財の保護と活用
・通学路における児童の安全確保
・地域コミュニティ
・土砂災害特別警戒区域
・特別自治市
・にぎわいのあるまちづくり
・カーボンニュートラル実現に向けた取り組み

●宮崎誠克(自民党・市民クラブ・佐伯区)
・地域コミュニティ活性化ビジョン
・広島広域公園の活性化

・小規模雑居ビルの防火安全対策

●田中勝(公明党・西区)
・新型コロナに関する5歳から11歳児へのワクチン接種と後遺症外来等
・核兵器廃絶に向けて新たな段階におけるヒロシマの役割
・原爆ドームの特別史跡及び旧日本銀行等の国文化財指定
・家族伝承者の養成
・西広島駅南口駅前広場の再整備等

・自転車を生かしたまちづくりの推進

●藤田博之(市政改革ネットワーク・佐伯区)
・市街地再開発事業

●椋木太一(自民党・市民クラブ・安佐南区)
・多様な大都市制度
・「共生社会」
・「安全・安心」
・新型コロナウイルス感染症対策



八條範彦
自民党・市民クラブ
中央図書館等の移転

質問  市は、なぜ中央図書館等をエールエールA館に移転することに決めたのか。

答弁 エールエールA館は、中央図書館等に必要な条件に最も適合するとともに、建設費の面でも、中央公園内での建て替えと比べ、負担軽減になる。
 また、広島駅に直結予定のため、新たな利用者層の呼び込みにもつながり、図書館本来の学習機能や調査研究機能をより多くの方に利用してもらえることで、中央図書館としての機能が今まで以上に発揮されるものと考えている。

給食センター

質問  五日市地区学校給食センターの土地と建物の所有者は誰か。その土地の取得等に係る費用の市と事業者の負担割合はどうなっているのか。

答弁 同センターの所有者は、受託者である広島アグリフードサービス株式会社であり、土地の取得や建物の整備に係る費用も同社が負担している。本市は、このうちの建物整備費について、学校給食に使用する時間および面積から算出した使用割合に応じ、おおむね7割を委託料の中で支払っている。


三宅正明
自民党・保守クラブ
プライスレスの考え方も

質問  市が50年以上掛けて市民とともに作ってきた文化的空間を壊してでも、中央図書館を移転させることで生まれる、市の文化政策における新たな価値とは。

答弁 図書館は、地域の情報拠点として市民の文化度を向上させていくためにも重要な役割を担っている。中央図書館を、平和文化の情報拠点として広島駅周辺地区に整備することで、都心の東西の核に文化的機能が配置されることになり、多くの市民や来訪者が平和文化を学びやすくなる。これを通じて、都心全体での文化度を高めるとともに、平和への思いを共有する平和文化を市内外へ広めていきたい。

お上意識は無くなるか

質問  行政と地域コミュニティが共に動いていくのであれば、既存の行政組織体系の中で、例えば公民館を中心としたコミュニティづくりを進めるなど、地域と行政をつなぐことを検討すべきと考えるがどうか。

答弁 地域コミュニティが主体となって行う活性化のための取り組みを、段階を追って着実に支援するため、組織横断的な発想の下、本庁を中心に、区役所、公民館、市・区社会福祉協議会などの既存の組織が一丸となって支援していく。


並川雄一
公明党
こども図書館等の移転

質問  図書館等の基本設計・実施設計・不動産の鑑定評価に関する予算計上は早すぎるのではないか。また、1万3千名を超える署名と市民意見をどう受けとめるのか。

答弁 中央公園内の公共施設の集約化等については、取り組みを延期していた期間はあるが、平成23年から検討している。令和7年に広島駅ビルの開業などが計画されており、図書館の開館時期を合わせることで利便性も高まることから、同年開館を目指している。こうした計画内容の議論を深めていただくため、今定例会に予算案を提出した。反対意見が多数あることは一つの課題と受けとめ、よりよい施設となるよう検討していく。

吉島老人いこいの家の存続を

質問  同施設は、吉島屋内プールと集約化されるが、新吉島屋内プール内には、高齢者が無料で利用できる集会施設や公衆浴場組合に配慮した無料の浴室等を設置すべき。また、これらの対応ができるまで、同施設を存続すべき。

答弁 同施設の再整備にあたっては、当初から浴室存続の要望があった。市浴場組合と協議を重ねたが、一般公衆浴場の営業を圧迫する無料の浴室設置は認められないとのことであった。地元には浴室は設置しないことを説明し、了承を得た。集約後の施設は、地元の要望を踏まえ整備する。


馬庭恭子
市政改革ネットワーク
中央図書館等の移転

質問  エールエールA館への移転案の発案者は誰か。また、この場所への移転を決めた決定的な根拠は何か。

答弁 この移転案は、広島駅周辺地区整備を所管する都市整備局と中央図書館再整備を所管する市民局とが協議を進めていく中で出てきたものである。
 広島駅周辺でふさわしい施設を探していたところ、広島駅南口開発株式会社から要望書が提出され、周辺の民間施設と比較・検討した結果、図書館等に必要な条件に最も適合するとともに建設費も現地建て替えと比較して負担軽減となることから、エールエールA館を移転先とした。

重度精神障害者通院医療費助成

質問  県内の他市町は令和3年4月から本制度による助成を開始しているが、本市だけが令和4年2月からであり、不公平・不平等である。条例改正し、令和3年4月にさかのぼって償還払いできるようにすべきでは。

答弁 助成開始を令和4年2月からとしたのは、新たに所得要件を満たす対象者を抽出して受給者証を作成するためのシステム改修・検証におおむね10カ月を要するためである。また、償還払いは重度精神障害者の方に新たな負担をかけることになるため条例改正することは考えていない。


吉瀬康平
日本共産党
中央図書館等の移転

質問  移転計画が出されて3カ月。拙速に事業費の一部の予算が出されているが、予算措置された後でも、その後の議論の結果で計画を撤回することはあり得るのか。

答弁 本定例会に中央図書館等の再整備に必要となる予算を提案しているが、これは議会において議論を深めていただくためのものであり、本市としては、中央図書館の再整備を皮切りに、中央公園内の各施設の移転・集約化を着実に進めていきたいと考えている。

黒い雨被害者を救え

質問  市と県は、黒い雨裁判の高裁判決に反する11の疾病要件を入れた厚労省の新たな認定指針の骨子案に同意した。敗訴した行政側が判決を受け入れ、確定したのに、その判決に従わなくてもいいと市長はお考えか。

答弁 本市は、高裁判決に従い、53名の原告全員に被爆者健康手帳を交付した。原告以外の黒い雨体験者には、高裁判決の効力は及ぶものではなく、国が上告を断念した際に示した総理談話に基づき、救済していくべきものと考えている。


岡村和明
市民連合
心ひとつで脱炭素化を!

質問  脱炭素化に向かう社会・産業構造の変化は、中長期的に地場産業や雇用に大きな影響を及ぼす。広島市内の自動車関連産業の中小企業を含めた事業者の継続性について、本市はどのように対応しようとしているのか。

答弁 令和4年度から、本市、マツダ、地域の中小企業とで協議体制を構築し、一丸となった取り組みができる環境を醸成したい。その上で、技術力の向上、経営基盤の確保、従業員問題などに係る諸課題の解決についてしっかりと支援するため、国や県レベルでの関連対策と連動した的確な対策を協議体として講じられるようにしていきたい。

レッドゾーン居住者への対応

質問  本市は、これまで土砂災害特別警戒区域の居住者に対して手厚く支援してきたが、同区域内の建物・土地は、売れにくい状況にある。同区域内にある水道施設の安全確保と、隣接住民への対応はどうするのか。

答弁 毎月の水道施設の巡視点検に加え、のり面の安定度調査を5年に一度実施することで、のり面の安全性を確認する。そして、対策を要する施設については、順次整備する。同地域内に居住し、不安に思われている方に対しては、水道施設の安全性について、丁寧に説明を行っていく。


宮崎誠克
自民党・市民クラブ
地域の新たな協力体制

質問  地域の新たな協力体制の構築に向けて、市職員に積極的に地域活動に参加してもらうため、どのように取り組むのか。また、ボランティア休暇制度について、どのように周知を図るのか。

答弁 職員の地域活動への参加を促すため、年間6日を限度にボランティア休暇制度を設けるとともに、報酬を得て地域活動を行う際の基準を明確化している。さらに、令和4年度から人事評価制度を見直し、町内会・自治会活動への参加や民生委員・児童委員としての活動等を業績目標として設定できるようにし、遂行結果を評価する。ボランティア休暇制度の職員への周知は、あらゆる機会を捉えて行う。

広域公園に新たな施設を

質問  トレーニング施設を含む宿泊可能な施設を整備することで、一流アスリートの招聘や利用度が高まる。それが青少年の競技力向上につながり、ひいては本市のスポーツ振興につながると思うが、検討状況はどうか。

答弁 サンフレッチェ広島の本拠地移転後は、トレーニングルームなどとして再整備し、引き続き青少年の競技力向上やスポーツ振興に寄与していきたい。また、地域住民から要望のある、神楽や花火、吹奏楽等地域密着型イベントの実施、デイキャンプやバーベキューを楽しめる環境整備などの活性化策にも取り組む。


田中勝
公明党
家族伝承者の養成

質問  「被爆体験伝承者」の養成事業に、被爆者家族を対象とした新たな枠組みの導入を要望してきた。令和4年度からは、「家族伝承者」の養成を開始するとのことだが、どのように進め、どういった効果を期待しているのか。

答弁 令和4年5月頃から養成研修の受講者を募集する。養成期間は約2年間で、被爆の実相や話法技術等の講義、講話原稿の作成、実習などを行い、研修終了後、家族伝承者として学校や平和記念資料館などで講話していただく。より多くの人々に被爆体験を伝え、核兵器のない平和な世界を願う「ヒロシマの心」を共有することにつながっていくものと期待している。

安全で快適な駅前広場に

質問  西広島駅南口駅前広場の再整備にあたっては、バスやタクシーの乗降場に雨や日差し等を防ぐ屋根を設置したり、利用者にやさしいベンチを設置したりするなど、安全で快適な駅前広場になればと考えるが、どのようになるのか。

答弁 (1)乗降場を再配置する、(2)駅から乗降場までの間に屋根を設置する、(3)バス乗降場にベンチを設置する、(4)視覚障害者誘導用ブロックを適切に設置する、(5)身体障害者の乗降場を駅に近い位置に新たに設置するなど、乗換利便性の向上や安全性の確保に対応する計画である。


藤田博之
市政改革ネットワーク
不自然な財産交換の真相は

質問  商工会議所ビルを取得する目的について何も議論されていないのに、現在使用中の行政財産である基町駐車場との財産交換をなし崩し的に進めてきた市の姿勢には問題がある。なぜ、市民の財産を商工会議所に差し出すような不自然な財産交換をしたのか、経緯と真相を聞きたい。

答弁 本市では、平和記念資料館側から原爆ドームを望むとき、商工会議所ビルが原爆ドームの左後ろに位置するという現在の景観を、より平和都市広島を象徴するものに変えていく取り組みを進めているところである。また、老朽化が進む基町駐車場については、本市の都心においてウォーカブルなまちづくりを進める中でどう処理するかを検討する必要があった。
 そうした中、平成30年9月、都市機能の充実・強化と原爆ドームの背景の景観改善という課題を同時に解決しようと考え、商工会議所に同ビルの移転・建て替えを提案したところ、本市の提案に賛成していただき、一丸となって再開発事業を行うこととなった。その後、財産交換を行い、両者が地権者となって事業を円滑に進めていくことについて合意した。
 財産交換は、次なる事業展開をにらんだまちづくりを進めていくためのプロセスであり、財産交換のために物事を進めたわけではない。


椋木太一
自民党・市民クラブ
子どものワクチン接種に配慮を

質問  5歳から11歳までの子どもに対するワクチン接種に不安を抱く保護者もおり、配慮が必要と考える。市として、どのようなことに取り組んでいくか。

答弁 国は、5歳から11歳までの小児への新型コロナウイルスワクチンの接種を努力義務としない方向で検討している。これは、12歳以上と同様に取り扱うことの確証が得られていないからだと思われるが、保護者は判断の決め手を欠き、不安を感じている。必要となる情報をできる限り丁寧に分かりやすく提示していくことで、保護者が適切な判断が行えるようにしていきたい。

特別自治市」制度のメリットは?

質問  地方が「国ー県ー市町村」の二層構造では、二重行政などのデメリットが多い。「国ー特別自治市」の一層構造となる「特別自治市」制度を導入した際、市や市民にどのようなメリットがあるのか。

答弁 本市が「特別自治市」になることで、国と直接やり取りを行えるようになるため、各種施策をより効率的かつ機動的に展開することが可能となる。また、二重行政が完全に解消され、市民サービスの向上を実現できる。



〔用語解説〕

重度精神障害者通院医療費助成
 精神障害者保健福祉手帳1級かつ自立支援医療受給者証(精神通院)を所持し、所得要件を満たしている方に対して、通院に係る医療費を補助する制度のこと。令和4年2月以降の通院が対象となる。

被爆者健康手帳
 原子爆弾による被爆者に対して交付される手帳のこと。被爆した時の状況(被爆場所や入市日等)が記載されているほか、医療機関の受診結果等を記録することができる。都道府県知事が指定した医療機関を受診する際、健康保険証とともに提示すれば、医療費の支援を受けられる。

脱炭素化
 地球温暖化の大きな要因である二酸化炭素などの温室効果ガスの排出の抑制を目指すこと。地球温暖化対策の推進に関する法律では、「都道府県及び市町村は、その区域の自然的社会的条件に応じて、温室効果ガスの排出の抑制等のための総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するように努めるものとする」とされている。

家族伝承者
 自身の家族である被爆者の被爆体験と平和への思いを受け継ぎ、被爆者に代わりそれらを伝える者のこと。幅広い被爆体験を伝承するため、令和4年度から養成を開始する。

ウォーカブルなまちづくり
 人口減少や少子高齢化が進み、商店街のシャッター街化などによる地域の活力の低下が懸念される中、都市の魅力を向上させ、まちなかににぎわいを創出するため、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかを形成すること。

特別自治市
 現行の指定都市制度が抱える課題を抜本的に解消し、住民がより良い行政サービスを受けられるよう、一元的・総合的な事務や権限と、それに見合う自主財源を制度的に保障する新たな大都市制度のこと。
 国・道府県と指定都市とで分かれていた事務の窓口の一本化により、住民の利便性向上、行政組織の簡素化や事務の効率化などが図られるというメリットがある。



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