一般質問 第5回定例会・本会議(6月10日.13日.14日)
※紙面の都合上、1人2問以内で掲載しています。
※質問内容は、発言議員本人の提出によるものです。

発言項目
◎発言順に掲載。太字は下で紹介している質問を含みます。

●西佐古晋平
(自民党・市民クラブ・安芸区)
・災害復旧、防災・減災の取組
・公立幼稚園のあり方
・障がい者のスポーツの振興
・安芸市民病院の建替え
・職員の働き方改革

●石橋竜史
(自民党・保守クラブ・安佐南区)
・多文化共生のまちづくり
・外国人技能実習生
・核兵器廃絶へ向けた本市の取組

●川本和弘
(公明党・安佐南区)
・G7サミットの広島開催と平和の取組
・帯状疱疹ワクチン接種の費用助成
・アストラムライン毘沙門台駅
・魅力ある高校づくり

●山本昌宏
(市民連合・西区)
・黒い雨
・被爆地広島でのG7サミットの開催
・災害に強いまちづくり
・市民の健康づくり
・広島市の若者支援

●近松里子
(日本共産党・中区)
・核兵器廃絶
・物価高騰からくらしを守るために
・中央図書館等
・高速5号線トンネル工事

●桑田恭子
(ひろしま清風会・佐伯区)
・平和
・中央図書館再整備
・高速5号線
・公共交通ネットワークの活用
・教育

●藤田博之
(市政改革クラブ・佐伯区)
・市有財産の等価交換と市街地再開発事業

●山路英男
(自民党・市民クラブ・東区)
・新たな公共交通システム構築
・小中学校の学校プールの今後の方向性
・原爆障害対策協議会の今後

●元田賢治
(自民党・保守クラブ・南区)
・公共交通の在り方
・成年年齢の引き下げ

●碓氷芳雄
(公明党・安佐南区)
・ブルーカーボンを活用した温暖化対策の取組
・広島市所蔵の広島東洋カープ関係資料の活用
・子宮頸がん予防ワクチンの接種
・生産緑地制度の活用と農業生産資材の高騰への対応
・中央図書館等の再整備
・ヤングケアラーへの支援の取組

●川口茂博
(自民党・市民クラブ・安芸区)
・平成30年7月豪雨災害からの復旧と安芸区のまちづくり
・21世紀を担う子供たちが夢と希望を持てる環境づくり
・望まない受動喫煙
・水の都ひろしまにおける水循環と流域連携


西佐古晋平
自民党・市民クラブ

障がい者のスポーツ振興

質問  「これからスポーツを始めたい」、「もっと本格的にスポーツに取り組みたい」などと思われている障がい者の方に対して、市は、どのような取り組みを行っているか。

答弁 障害者スポーツの振興を図るためには、多くの障害者に、スポーツを通じて仲間と交流することの楽しさや喜びを感じてもらうことが大切であり、本市では、そのためのきっかけづくりや活動場所の提供などに取り組んでいる。例えば、広島市心身障害者福祉センターでは、車いすスポーツなどの体験会の開催、フィットネス体操などの実技指導、スポーツ指導員が各地域に出向いて行う体験学習会の開催などに取り組んでいる。

安芸市民病院の建替え

質問  本市は現在、広島市東部の拠点病院である安芸市民病院の建替えを進めているが、建替え後は、どのような病院になるのか。また、子どもが受診しやすい配慮として、何か考えていることはあるか。

答弁 開院後は、現状の医療機能を維持しつつ、在宅や施設療養中に容態が急変した患者を受け入れる機能など、在宅医療を支えるバックアップ機能の充実を図ることにしている。また、小児科と他の診療科の待合スペースを明確に区分するとともに、プレイコーナーなどを配置するよう計画している。


石橋竜史
自民党・保守クラブ

多文化共生の推進へ

質問  多様なる国や文化の背景を持つ市民の方々と、暮らしの諸課題を洗い出して、意見交換を行う「広島市多文化共生市民会議」の開催頻度を増やすべきと思うがどうか。

答弁 本市の外国人市民数が増加している中、この会議を活用して、外国人市民当事者から意見を伺い、問題意識などを確認しながら、多文化共生のまちづくり推進指針に掲げる取り組みを充実させていくことが重要と考えている。
 現在、この会議は、年2回の開催だが、ウェブ会議も活用しながら、可能な限り意見を聴取する機会を増やしていきたい。

技能実習生を広域で守る

質問  異国の地から広島県・市へ就労で訪れた外国人技能実習生への「生活情報の提供や支援」については、近隣市町や広域連携を結ぶ市町とも問題意識を共有し、共に解決策を検討すべきではないか。

答弁 本市の外国人相談窓口は、府中町、海田町、熊野町および坂町と共同運営しており、定期的に意見交換を行っている。その場を活用し、技能実習生への情報提供や支援の方策を検討する。また、他の広域都市圏の市町とも共同して実施できる取り組みを検討したい。


川本和弘
公明党

帯状疱疹ワクチンの費用助成

質問  帯状疱疹の発症を抑えるワクチン接種費用に対して、公費助成制度の導入ができないか。また、帯状疱疹に関する基礎的な情報として、症状や治療、予防方法などについて、広く市民に周知する必要があると思うがどうか。

答弁 公費助成制度導入は自治体独自の判断で行うのではなく、国において十分検討した上で実施すべきである。現在、厚生科学審議会において、定期接種化に関する議論がなされており、国の動向を注視していきたい。また、症状や治療等に関する情報の発信については、今後検討する。

交通結節点の環境整備

質問  交通結節点である毘沙門台駅から毘沙門台中バス停までの連絡通路は、高低差が約20メートルあり、階段も多い。バリアフリー化もしくは、一部だけでもエレベーターなどの整備が必要と考えるがどうか。

答弁 本市では、令和3年度末に広島市総合交通戦略や地域公共交通計画を改定し、交通結節点の乗り換え環境の向上に積極的に取り組むことにした。当該連絡通路利用者の負担を軽減できるよう、昇降施設の設置について検討したい。


山本昌宏
市民連合

太田川堤防道路をより安全に

質問  新庄橋以北の古市広島線から南下してくる交通量も多いことから、太田川放水路右岸側堤防道路の三滝橋・新己斐橋間に歩道を整備してはどうか。また、新己斐橋西詰交差点に右折車線を設置してはどうか。

答弁 堤防道路の歩道整備については、河川内の高水敷を遊歩道として活用することや堤防下道路に連続性を持たせるような改良ができないかなど、河川管理者等と協議しながら検討していきたい。また、右折車線の設置については、県警とも協議の上、現況の道路内に右折車線を設置する交差点改良案を検討しているところである。

障害児・者への医療支援

質問  「広島市精神保健福祉センター」でも新たなケアの手法「オープンダイアローグ」を取り入れ、相談支援の体制充実・強化、障害福祉サービス等の質向上に役立ててほしいと考えるが、どうか。

答弁 この手法は、対話によるケアを主眼に置いた比較的新しい精神療法の一つと聞いている。本市としては、再発を繰り返しがちな精神疾患の改善などを図る観点から、この手法が福祉の現場でどのように活用できるのか、国等による調査研究の成果なども踏まえながら検討していきたい。


近松里子
日本共産党

ロシアは侵略やめよ

質問  広島市として、国連と連帯し、世界の平和首長会議の加盟都市に対して、「国連憲章に基づく平和秩序の回復」の一点で団結しようと呼び掛けるべきだが、どう考えるか。

答弁 平和首長会議は、市民社会の立場から、平和的な解決に向けた賢明な外交努力を国連加盟国や国連事務総長等に求めるとともに、加盟都市間で連帯していくことを表明している。広島市長が会長を務める平和首長会議としては、引き続き市民社会がヒロシマの心を理解し平和への思いが国際的な規模で広がるよう、各国政府関係者や国連等へ働き掛けていきたい。

物価高騰対策を

質問  燃料、材料、資材、食品の値上がりが続き、市内中小事業者は苦境に立たされている。事業継続のため、直接の支援策を講じるべきではないか。

答弁 本市では、従来から中小事業者への事業継続に関する支援として、金融支援や経営支援などを行っている。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の原油価格・物価高騰対応分を活用した新たな支援策についても現在検討中であり、地元経済団体や金融機関等への聞き取りおよび意見交換を行っているところである。


桑田恭子
ひろしま清風会

図書館、エールエールは不適

質問  エールエールA館が中央図書館等の移転候補地となることに伴う広島駅南口開発株式会社の新たな収支計画が示されていないが、どうなっているのか。また、同社の経営は安定しているのか。

答弁 現在、同社内において、収支シミュレーションの検討段階であり、本市は詳細を承知していない。今後、令和4年2月定例会で可決された付帯決議を踏まえ、現地建て替え等と比較検討する資料の一つとして示す予定である。エールエールA館のリニューアルに伴い手持資金が減少する見込みだが、収益向上につながる投資であり、令和7年度以降の経営は安定すると同社から聞いている。

子どもに修学旅行を

質問  国の学級閉鎖基準に、「同一学級に複数の児童生徒のコロナ感染が判明した場合」がある。本市は、「複数」を「2人以上」と解釈しているが、修学旅行の中止を極力回避するためにも、基準を緩和するべきではないか。

答弁 「複数」とは、「2以上」のことであり、本市としては、安全確保のため、2人以上の感染が判明した場合などに、学級閉鎖の措置をとることとしている。学級閉鎖を行った後、在宅期間中に陽性が判明し、結果的にクラスターとなった事例もあるため、現時点での基準緩和は考えていない。


藤田博之
市政改革クラブ

市は市民の疑問に答えよ

質問  なぜ、市営基町駐車場周辺の再開発事業を実施する前に、広島商工会議所ビルと市営基町駐車場等との財産交換を行ったのか。そのことによる本市のメリットはなにか。

答弁 同地区の再開発事業実施に併せて、本市の長年の懸案事項であった原爆ドームの背景の景観改善を同時に決着できれば、紙屋町・八丁堀地区の都市機能の一層の充実・強化を図ることができるとの判断の下、平成30年に本市から商工会議所に対し、商工会議所ビルの移転を提案した。この提案を受けた商工会議所は、自分たちの要望を十分に反映した施設を確実に入手できるなら協力できるとのことであったため、商工会議所の要望が反映できるよう再開発事業への参画を検討することとした。そして、そのための手段として、財産交換を先行させることについて、地権者も含めた関係者と議論を重ねた結果、合意が成立したものである。
 財産交換の時期が、再開発事業完了後であった場合、商工会議所ビルを取得できる確約はなく、取得できなければ景観改善もできないこととなる。


山路英男
自民党・市民クラブ

学校プールに民間活力を

質問  学校プールの老朽化を見据えた民間プールの活用や、教員の負担軽減のための民間からの水泳指導者の派遣など、ハード・ソフト両面で民間活力を活かすべきだと思うがどうか。

答弁 民間プールの活用は、プール改築等の経費が不要になること、また、民間指導者の活用は、水泳授業に係る教員の負担が軽減することなどの利点があるが、施設使用料や指導者への謝礼金が必要となるなどの課題もある。今後、プール改築の必要が生じた場合、これらの利点と課題を踏まえながら、民間プールの活用も選択肢に加えて検討する。あわせて、民間指導者活用の可能性も検討する。

貴重な財産を今後のために

質問  広島原爆障害対策協議会(原対協)が保有している被爆者の貴重なデータは、今後、原爆放射線医科学研究所、放射線影響研究所と協力し、共同研究を始めるべきだと考えるがいかがか。

答弁 研究機関同士が共同研究を行うことは、原対協のさらなる発展に寄与する有効な取り組みであるとともに、被爆の実態に関する調査研究の促進につながるものと考えている。共同研究の実施に向けて、本市として、どのような協力ができるか検討していきたい。


元田賢治
自民党・保守クラブ

公共交通の在り方

質問  比治山町交差点から松川町交差点までの区間の現況4車線道路の中に、軌道を敷設することになっているが、車線数の減少による渋滞発生や街区道路への侵入制限等の懸念がある。その点はどうか。また、工事中、地域への対応はどうするのか。

答弁 大きな渋滞の発生はないと確認しているが、整備後に交通上の課題が生じれば、円滑な交通が確保されるよう努める。また、街区道路との出入りに関しては、この区間に停留所を1カ所、軌道中央部に架線柱を設置する計画だが、軌道を横断する車両への支障はない。今後、工事中の交通規制などについて、地域の方々に対して、より丁寧な説明を行っていく。

成年年齢の引き下げ

質問  成年年齢は、必ずしも自立できる年齢と一致するものではないと思う。18歳になるとできること・まだできないことを詳しく周知するべきではないか。

答弁 SNSを中心とした広報媒体や学校への出前講座などを通じて、積極的な広報・啓発に努めていきたい。また、令和4年度策定予定の第3次広島市消費生活基本計画に、成年年齢の引き下げを踏まえた若年者への消費者教育を盛り込み、関係機関等と連携を図りながら、消費生活における課題に取り組んでいく。


碓氷芳雄
公明党

農業生産資材の高騰への対応を

質問  農業生産資材の高騰は、その上昇分を野菜等の価格に転嫁できない現状の中、農業者の経営を直撃しており、今後の農業を憂える声が日増しに大きくなっている。この現状をどう認識し、どのように対応するのか。

答弁 本市農業者の経営に、資材値上がりの影響が出始めており、先行きへの不安感が広がりつつあると認識している。土壌分析結果に基づく肥料の適正使用の指導に力を入れるとともに、国や県の支援策の動向も見ながら、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の原油価格・物価高騰対応分を活用した支援策の検討を進めている。

ヤングケアラーへの支援を

質問  国は令和4年度からの3年間を、ヤングケアラー認知度向上の「集中取組期間」に定めた。今後、本市として相談体制の強化等が重要になると考えるが、国の方針を踏まえ、どのように取り組むのか。

答弁 国が作成した広報啓発資料や支援マニュアルを活用してヤングケアラーの社会的認知度向上を図るとともに、各区こども家庭相談コーナーや児童相談所等の職員を対象とした研修を実施したい。また、どのような相談支援体制を整える必要があるのか、関係部署が集まり検討する。


川口茂博
自民党・市民クラブ

水循環と流域連携

質問  太田川下流部に位置する本市は、上流部の影響が及ぶことは明白であり、流域自治体との連携を意識しながら水の都ひろしまを守る取り組みを推進する必要があると思うが、本市の考えは。

答弁 本市の水循環に大きな役割を担う太田川の環境問題に対応するためには、下流は上流を思い、上流は下流を思うことを忘れず、流域自治体が行政区域を超えた連携協力を図ることが不可欠である。本市では、源流域における森林整備や生活排水対策等を行っているほか、流域自治体と太田川流域振興交流会議を設置し、健全な水循環の確保に向けた活動等にも取り組んでいる。

矢野中央線の進捗状況

質問  国道31号周辺の慢性的な渋滞の緩和や災害に強いまちづくりを進めていくためにも、矢野中央線の早期完成が必要。令和4年度の整備予定と今後の見込みを教えてほしい。

答弁 矢野中央線の海田町境から南側の未整備区間については、令和8年度完成を確実なものとするため、現時点で7割となっている用地取得の促進を図り、令和7年度中の工事着手を目指して取り組む。


〔用語解説〕

帯状疱疹
 帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気で、神経に炎症を起こし、皮膚に発疹が現れる。免疫力の低下が発症の原因となる。合併症を引き起こしたり、皮膚の症状が治まった後も痛みが続いたりすることがある。ワクチンを接種することで、発症や重症化を予防できる。

オープンダイアローグ
 フィンランドで実践されている統合失調症患者に対する治療的介入手法のこと。患者や家族からの連絡を受けた医療スタッフが患者の自宅を訪問し、繰り返しの対話を通して症状の緩和を目指す。統合失調症だけでなく、うつ病、引きこもりなどの治療法としても期待されている。

平和首長会議
 核兵器廃絶を目指す世界の都市で構成される国際NGO。1982年に、当時の広島市長が核兵器廃絶に向けた都市連帯を提唱し、これに賛同する都市により構成された「世界平和連帯都市市長会議」がはじまり。加盟都市相互の連帯を通じて核兵器廃絶の市民意識を国際規模で喚起するとともに、飢餓・貧困等の諸問題の解消、難民問題、人権問題の解決および環境保護のために努力し、世界恒久平和の実現に寄与することを目的とする。

太田川流域振興交流会議
 太田川の水質保全対策を目的として設立された機関「太田川流域市町村水質保全交流会議」が発展改組され現在に至る。太田川の流域市町が連携して、太田川流域の振興と交流の推進を図ることを目的としている。



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