予算特別委員会の主な質疑

 議長を除く全議員で構成される予算特別委員会(宮崎誠克委員長、近松里子・山路英男・山本昌宏・定野和広各副委員長)において、延べ107人の委員が、令和4年度一般会計予算など56議案について、活発な質疑を行い、慎重に審査を重ねました。その審査における主な質疑と答弁を掲載します。

※紙面の都合上、掲載質問数の上限は、各会派の人数按分により決定しています。
※質疑の内容は、各会派からの提出によるものです。
※質疑・答弁の趣旨を簡潔にまとめているため、実際の発言とは言い回しが異なることがあります。


自民党・市民クラブ

祇園中学校の施設整備
 今の形の運動場で部活動や体育祭はどう実施すればよいのか。

 使用する曜日や時間帯を部ごとに割り当てて行うなど、実施方法や内容を工夫しながら実施していく。

SSWの増員を!
 SSWのさらなる増員等が必要だと考えるが、どうか。

 SSWの派遣要請数の増加、子どもを取り巻く環境の課題の複雑化等を踏まえ、増員等に向けた検討を行っていく。

若年性認知症
 若年性認知症の早期発見に関する取り組みはどのようなものがあるか。

 市民向け講演会の開催等の普及啓発、認知症地域支援推進員による相談・支援、認知症サポーターの養成に取り組んでいる。

湯来企業団地の下水処理
 企業団地の下水道を整備するため、効率的な方策はあるか。

 一定の収益を前提として、企業団地内の大型浄化槽が周辺未整備地域も含む共同浄化槽として活用可能か検討する。

広島高速4号線延伸の推進
 関係機関との延伸事業についての協議は、現在どのような状況か。

 アクセス向上・物流効率化等の効果について理解を得た。構造の協議を進め、早期に合意し手続きに入りたい。

北部バス路線のフィーダー化
 バス停待合環境を整備することが重要だが、乗継利用者の負担軽減策は。

 総合福祉センターへのバスロケーション表示器の設置や乗継割引、急行便の運行について調整している。

ひろしま西風新都の都市づくり
 梶毛西地区の開発はどうなるのか。

 同地区土地の現保有者である事業者からは、開発に向けた具体的な検討を進めていると聞いており、今後、協議があるものと考えている。

生産緑地制度
 令和2年度、3年度に生産緑地地区の指定に申し出た農家は何戸か。

 令和2年度が18戸、令和3年度が11戸である。

農業の担い手育成
 若い農業経営者を育成するための研修事業の中で、どのように支援するのか。

 栽培技術について専任の職員が丁寧に指導するほか、地域に溶け込むための心構えについての座学を設けている。

廃食油のリサイクル推進
 広島市として、今後どのように取り組むのか。

 スーパーマーケット等における回収の取り組みが拡大されるよう、市民意識の醸成に向けて取り組んでいく。

広島城天守閣の木造復元
 復元の根拠となる資料としてはどういったものがあるか。

 江戸時代の絵図、指図や昭和初期に作成された実測図に加え、古写真や絵葉書などを確認している。

アーバンスポーツの普及
 国際大会等の開催を視野に入れた若者への普及はどうするのか。

 若い世代を中心に認知度や関心が高まっており、まちの活力創出にもつながるアーバンスポーツの振興を図っていきたい。

「特別自治市」制度の周知
 「特別自治市」制度の認知度向上のため、学生等へのアプローチはどうか。

 大学等へ制度の紹介の場を設けることを働きかけたり、大学のカリキュラムの一部で制度を紹介するなど、制度のPRに取り組んでいきたい。

広島広域都市圏の推進
 島根県浜田市、美郷町、邑南町との連携に向けた進捗状況は。

 広島広域都市圏全体のさらなる活性化が期待できることから、令和4年4月からの連携を目途に、調整を進めている。


自民党・保守クラブ

公立小中学校のトイレ
 乾式化について、今後の洋式化に合わせて改修する予定はあるのか。

 まずは、乾式化に比べ学校現場のニーズが高い洋式便器率を上げることに集中的に取り組んでいく。

学校施設の長寿命化
 学校施設の使用する年数を80年と設定したのはなぜか。

 鉄筋コンクリート造の学校の望ましい耐用年数が最大80年であることを踏まえ、目標使用年数として設定した。

民生委員協力員の配置拡充
 民生委員の負担軽減策としてなぜ協力員の配置拡充に取り組むのか。

 民生委員の声を踏まえ、地域の実情等に応じて柔軟な配置等が行えるよう制度を拡充し、サポート体制を強化しようとするものである。

造血細胞移植後の再接種費用助成
 この助成制度は、どのような制度か。

 造血細胞移植等により、既に接種済みの定期予防接種を再接種する必要がある対象者の再接種費用を助成するものである。

人と環境にやさしい保育環境整備へ
 今後の公立園建て替え時は、木材の活用を進めてほしいがどうか。

 木材の利用が、良好な保育環境の確保に有益であるという認識に立って、整備手法や整備内容を検討していく。

奥迫川の放水路
 県は整備するというが、国がポンプ場を増設するほうが早いのでは。

 国は追加のポンプ設置の予定はない。河川管理者の県は放水路を計画に位置付け、現在、課題を整理している。

西広島駅周辺の整備
 北口・南口の駅周辺地区が今後どのような役割を担うと考えるか。

 交通結節点としてより円滑な交通処理が可能となるとともに、駅周辺のにぎわいづくりにも貢献するものと考えている。

平和大通りは全体を公園に
 100メートル道路は己斐から一体化して全て公園にすべきと思うがどうか。

 公園とするのは、まず、中区の区域で整備や利活用を進め、人の流れを呼び込む環境を築いた上で、西区の区域にも広げたいと考えている。

スーパーマツの植栽で災害を防ぐ
 松枯れ被害を防ぐスーパーマツを植えた実績があれば教えてほしい。

 本市域における広島スーパーマツの植栽は、これまでに6カ所、約3ヘクタールで実施してきている。

集会所へのAEDの設置
 集会所にAEDを設置するにあたり、何か条件を設けるのか。

 AEDの「管理者」「点検担当者」を定め、AEDの使用方法を習得する講習を受講することを条件と考えている。

柔道人口減少対策に施設の整備を
 柔道は施設さえあれば競技人口の減少は止まる。市の考えは。

 施設整備については、広域的な視点で、どういったことができるか令和4年度の調査の中で研究していきたい。

他国の戦争被害も学べる機会を
 本市でも多様な海外版の平和展を開催(誘致)できないか。

 各種団体と連携しながら、市民が他国の戦禍の実相についても理解を深めることができる機会の充実に努めたい。


公明党

不登校児童生徒の居場所
 ふれあい教室は、市内4カ所に限らず、新たな教室を設置すべき。

 通室児童生徒数の増加等を踏まえ、新たなふれあい教室の設置について検討を進めていく。

放課後児童クラブ待機児童
 高学年で放課後児童クラブを利用できなくなった待機児童への対応は。

 児童館に遊びに来た際に気掛かりな様子がある場合は、教職員と情報交換を行うなど、引き続き学校と連携して対応する。

福祉避難所に非常用電源を
 非常用電源の設置等、福祉避難所の環境整備に努めるべきと考えるがどうか。

 福祉避難所には、非常時の機能維持の環境を整えてもらうことが望ましく、国の補助制度の積極的な活用を働き掛けたい。

マンション管理の早期適正化を!
 マンション管理計画の認定制度において、市独自の認定基準を設定すべきでは。

 管理計画の認定に市独自の基準を設定することについて、関係団体の意見等も参考に、その必要性を検討する

平和の発信を花々で
 広島駅に花々を設置し、「ヒロシマの心」を世界に発信できないか。

 再整備する広場施設へのさまざまな仕掛けを検討し、関係団体にも働き掛け、来訪者が広島を感じられるよう取り組む。

新たな動物との出会いはいつ?
マルミミゾウの繁殖開始時期と、コビトカバの導入時期はいつか。

 マルミミゾウの交配は、順調にいけば令和4年8月頃を予定しており、コビトカバの導入は、令和9年度を目指している。

防犯情報を市公式LINEで
 不審者情報を共有し子どもたちを守るためにLINEで発信してはどうか。

 「防犯情報」をLINEで発信することについては、令和4年5月中に運用開始できるよう、調整をしている。

エールエールA館以外の候補地は?
 図書館の現在地建て替えと移転建て替え。どれだけ検討したのか。

 利便性、周辺の環境、まちづくり、事業費などについて比較を行った。


市政改革ネットワーク

給食費公会計化、補助金はどうなる?
 学校給食会の仕事が減ると思うが、補助金の交付額は変わるのか。

 給食費の管理業務は減るが、同会の業務の大半を占める食材調達は残るため、令和3年度と同程度の予算を措置している。

高齢者ポイント事業の当初予想は?
 この事業の立ち上げ時の参加率はどのくらいと想定していたのか。

 事業を立ち上げる際に、具体的に参加率の想定は行っていない。

広島駅南口開発株式会社の資金計画は変わるか
 図書館がエールエールA館に移転したら損失補償の額等が変化するはず。議会の議決が必要では。

 資金計画が変わるかは、関係金融機関との協議で決まる。場合によっては、議決を要することも想定される。

家庭系可燃ごみ搬出袋の可視化
 ごみの減量化や危険物混入防止のため、透明・半透明袋のみを搬出袋としては。

 国の法制定や本市の地域特性を踏まえた上で、本市の分別区分の見直しを検討する際に、ごみ袋の可視化についても検討する。

協同労働が8年間もモデル事業?
 モデル事業は2~3年の期間が通常であるが、なぜ8年も続けたのか。

 3年間のモデル事業として開始したが、その成果と課題を検証するには団体の数や活動年数が少なかったことから、期間を延長した。

ボルゴグラード市との記念事業
 社会状況が目まぐるしく変わる中、どのように考えるのか。

 本市としては、中止せざるを得ないと考えている。


市民連合

ヤングケアラーの把握と支援を
 ヤングケアラー全てを把握できるよう調査してほしいがどうか。

 福祉部局と連携して、質問項目や調査方法などを検討し、令和4年度の早期に実施できるよう取り組んでいく。

学校と地域は連携・協働すべき
 学校と地域が協力し、互いの課題解決に取り組むことが求められるのではないか。

 学校と地域の連携・協働を一層推進し、「地域とともにある学校づくり」を進めていく。

広島市障害者差別解消推進条例の改正
 国の法改正に合わせ、市も条例改正が必要と考えるがどう取り組むのか。

 国の動向を見据えつつ、障害当事者や事業者等からの義務化についての意見も踏まえながら、条例改正に向けた検討を行いたい。

消防ヘリコプターは市民の大切な命綱!
 消防ヘリコプターは、適切な時期で更新すべきと考えるが、いかがか。

 新しい機体開発や安全装備品の状況、国の財政措置も踏まえ、適切な時期に更新する必要があると考えている。

国道183号の右折レーン新設
 183号(西原~大宮間)に右折車線などを新設する目的は。

 西原一丁目交差点以南の3車線化や当該交差点への右折車線設置などの交差点改良を行うことで、交通混雑の緩和を図ることが目的である。


日本共産党

学校トイレへの生理用品の設置
 広島市は他都市と比べ設置が遅れている。なぜ実現しないのか。

 県内や政令指定都市では常設の事例がない。他都市の状況等を勘案し、関係部署と連携して引き続き検討したい。

加齢性難聴者への補聴器購入助成を
 認知症防止に役立つ補聴器の購入には、公的助成が必要ではないか。

 他の政令指定都市と共同で補聴器購入に係る全国一律の公的補助制度の創設を国に要望しており、今後も適宜要望したい。

「住まいは人権」の市営住宅へ
 高齢者対策として浴室のドア等を計画的に改修するべきではないか。

 空家となった市営住宅について高齢者対応住戸改善事業を行う際には、今後、浴室の構造上対応可能な住戸ではドア改修も行っていく。

プラスチックごみの削減を
 根本的解決には目標設定が必要と思う。削減に向けどう取り組むのか。

 使い捨てプラスチックの削減に向けた取り組みや、海洋プラスチックごみの新たな流出をゼロにする仕組みの構築など、さまざまな取り組みを進める。

図書館にもっとお金をかけよ
 知の拠点である図書館に市はお金をかける余地が大きいと思うがどうか。

 運営に必要な予算を確保し、引き続き市民ニーズに応えながら図書館サービスの充実に努める。


広島創生クラブ

広島市の新たなシンボル
 市の魅力アップのため、鳥や魚などを新たなシンボルに定めてはどうか。

 本市の施策の推進にいかに資するかといった点を考慮し、関係部署と協議した上で今後検討する。



〔用語解説〕

SSW(スクールソーシャルワーカー)
 教育分野に関する知識に加え、社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて、学校と関係機関等とのネットワークを構築し、ケース会議等において支援方針や具体的な支援内容を検討し、関係機関等につなぐ役割を担う福祉の専門家のこと。

認知症地域支援推進員
 認知症の人の状態に応じて必要なサービスが適切に提供されるよう、医療機関や介護サービス、地域の支援機関の間の連携支援や、認知症の人やその家族を対象とした相談業務などを行う者のこと。広島市は各区1名ずつ配置している。

認知症サポーター
 認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、手助けをする応援者のこと。市町村や職場などで実施されている「認知症サポーター養成講座」を受講した人が「認知症サポーター」となる。

民生委員協力員
 民生委員・児童委員が行っている見守り活動や地域福祉活動の補助を行うボランティアのこと。

スーパーマツ
 松くい虫による松枯れ被害に対して抵抗性を高めた、枯れにくい松のこと。

福祉避難所
 車いす使用者等対応トイレやスロープ等の設置など福祉的配慮が整っている避難所のこと。

高齢者ポイント事業(高齢者いきいき活動ポイント事業)
 高齢者の社会参加活動を奨励するための事業のことで、活動実績に基づき付与されるポイント数に応じてその高齢者に奨励金が支給される。

ヤングケアラー
 本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを、日常的に行っている18歳未満の子どものこと。


審査日程

2月18日金曜日 委員会運営
2月22日火曜日
2月24日木曜日
文教関係
2月25日金曜日
2月28日月曜日
厚生関係
3月1日火曜日 消防上下水道関係
3月2日水曜日
3月3日木曜日
建設関係
3月4日金曜日
3月7日月曜日
経済観光環境関係
3月8日火曜日
3月9日水曜日
総務関係
3月10日木曜日 総括質疑
3月16日水曜日 討論・採決