一般質問 第3回定例会・本会議(9月17日、21日、22日)
※紙面の都合上、1人2問以内で掲載しています。
※質問内容は、発言議員本人の提出によるものです。

発言項目
◎発言順に掲載。太字は下で紹介している質問を含みます。

●海徳裕志
(自民党・市民クラブ・安佐南区)
・平成26年8月豪雨災害からの復興
・恵下埋立地(仮称)の整備状況
・高速5号線の安全・安心な工事推進
・資源ごみの持ち去りへの対策
・ウイズコロナ時代の地域コミュニティ
・放課後児童クラブの見直し

●石橋竜史
(自民党・保守クラブ・安佐南区)
・コロナ禍の緊急支援策
・ワクチン接種事業
・災害対応
・学童保育


●渡辺好造
(公明党・南区)
・地域猫活動の課題
・ペット(家庭動物)との同行避難
・医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行と今後の課題
・核兵器禁止条約締約国会議への出席
・原爆ドームの特別史跡指定と広島原爆遺跡に関する国の文化財指定への具申
・改正瀬戸内海環境保全特別措置法の成立

●定野和広
(市政改革ネットワーク・西区)
・新型コロナウイルス感染症対策
・太陽光発電
・学校


●中原洋美
(日本共産党・南区)
・被爆地ヒロシマの願いを受け止める政府を
・「命を守る」自治体の役割を果たすとき

・子どもの最善の利益のために

●太田憲二
(市民連合・西区)
・平和
・新型コロナウイルス感染症対策
・交通政策
・地域コミュニティ活性化
・美化推進区域・喫煙制限区域
・災害に強い街づくり

●水野考
(自民党・市民クラブ・安佐南区)
・令和3年8月11日からの大雨による災害
・地域の防災力の強化
・GIGAスクール構想で配布されたタブレット端末の活用


●川本和弘
(公明党・安佐南区)
・令和3年8月大雨災害
・特色ある小中一貫教育校の周知

・魅力ある市立高校づくり
・地域活動支援センターⅢ型
・安佐勤労青少年ホーム閉館後の施設利用

●母谷龍典
(自民党・市民クラブ・佐伯区)
・奨学金制度


 
海徳裕志
自民党・市民クラブ

コロナ時代の地域コミュニティ

質問  本市の活性化には、地域コミュニティの活性化が重要となるが、少子高齢化などによる地域コミュニティの活力低下が懸念されることに加え、新型コロナウイルスの感染拡大により、さまざまな地域活動にも影響が出ている。
 本市では、持続可能な地域社会の実現を図ることを目的として、「地域コミュニティ活性化ビジョン」の策定に取り組まれているが、どのような方針で策定されるのか、また、どのような内容を考えているのか。

答弁 令和3年度に策定するビジョンでは、地域団体の連携体制が強化された先にある、これからの理想とも言える地域コミュニティの姿を示すとともに、課題に対応し、さらなる活性化を図るために行動を起こそうとする地域の方々に対し、行政の支援策を示し、地域の実情に応じた主体的な取り組みを促したい。併せて、地域における「共助」の取り組みを行政が組織横断的な視点に立って把握した上で、持続可能な地域コミュニティとするための「公助」の仕組みを示したい。
 こうした視点から、地域コミュニティの活性化に関する懇談会での議論を進め、ビジョンの内容を具体化し、住民同士が支え合い、安全・安心に暮らすことができる持続可能な地域コミュニティの実現を図っていきたい。

石橋竜史
自民党・保守クラブ

災害時の初動対応強化へ

質問  気候変動により発生する自然災害が頻発化、激甚化、広域化する昨今、市が救助主体となり、被災者の救助や避難所・応急仮設住宅の設置などが直接実施可能となる「救助実施市」の指定を目指すべきではないか。

答弁 現在、災害時の救助は、県からの事務委任を受け実施している。本市が救助実施市になれば、国と直接協議し、被災地の実情に即した、よりきめ細やかで迅速な対応が行えることから、将来的には救助実施市になることを目指し、今後も引き続き、県との協議を行っていく。

子育て環境のさらなる整備を

質問  気象警報の発表時、市の学童保育は臨時休所になるが、一方で保育園と同様に学童保育を開所している自治体は多い。市も子どもの安全確保を大前提に制度を見直すべきではないか。

答弁 本市は、夏休みなど小学校が休業日の場合、朝7時時点で各種警報の発表があれば放課後児童クラブを休所としているが、警報の発表が長期間に及びクラブの休所が長期化した場合は、保護者の負担が大きくなることから、今後は保育園とのバランスも踏まえ、検討したい。

渡辺好造
公明党

医療的ケア児支援法の充実を!

質問 医療的ケア児支援法が令和3年6月18日に公布され、9月18日に施行されるが、これを受けて、広島市として医療的ケア児およびその家族に対する支援を今後どうしていくのか。

答弁 本市では、重症心身障害児者を受け入れる短期入所事業の実施や相談窓口の設置、事業者情報等を発信するWebサイトの開設等により、医療的ケア児等に寄り添った支援を行っている。引き続きアウトリーチ型の相談支援体制を地域社会全体で支えながら、きめ細かい支援の継続を図っていくとともに、法に掲げる各種支援措置を勘案しながら関係機関と連携し、拡充策等を検討していきたい。

早期に文化庁へ意見具申を!

質問 「原爆ドーム」を国の特別史跡として指定するため、令和3年度中に文化庁へ意見具申をしてもらいたいが、どうか。

答弁 原爆ドームの特別史跡指定には、物件の歴史的価値やこれまでの保存工事の内容などを取りまとめた報告書の作成が必要となり、それには、文献などの資料収集のほか、専門家からの意見聴取なども必要となることから、令和4年度中をめどに、必要な作業や報告書の取りまとめを行い、令和5年度中に意見具申が行えるよう取り組む。

定野和広
市政改革ネットワーク

土砂災害の芽を摘もう

質問  普及が進む再エネ施設は、不安定な場所では法面崩落や災害の被害拡大を招く恐れがある。8月豪雨や熱海市の土砂災害を受け、斜面や山林への太陽光パネルの設置には何らかの安全確保策が必要ではないか。

答弁 法改正により、事業者が森林法等の関係法令に違反した場合、経済産業大臣が事業計画の認定を取り消すことができ、直接法令に違反しなくても、適切な土地の選定等を怠っていると認められる場合、防災等の観点から指導・助言等を行えるようになった。これを踏まえながら、国や庁内関係部局との連携を図り、安全確保や環境保全に十分配慮して、再生可能エネルギーの導入促進に努めたい。

変わる入試への対応は

質問  令和5年度から高校入試が大きく変わる。全ての受験生に新たに課せられる「自己表現」に必要な力を身に付けるため、どう指導を行い、また、表現することが苦手な生徒にはどう対応するのか。

答弁 課題を解決する過程で、立場や根拠を明確にして議論したり考察したことを論理的に説明したりするなど、協働的・探究的な学習を積極的に取り入れている。表現することが苦手な生徒には、少人数で活動する場を意図的に設定し自分の考えを述べる経験をさせるなど、生徒の特性を踏まえた指導も行っている。

中原洋美
日本共産党

黒い雨被害者の救済を

質問  全ての黒い雨被害者の救済には、審査基準の改定を急ぐべきだが、いつまで待てばいいのか。今日までに改定されない理由は何か。市は、審査基準の具体的な改定内容を国とどう調整しているのか。

答弁 令和3年9月、県と合同で厚生労働大臣に対して、①高齢化が進む「黒い雨」体験者を早期に救済するための制度改正を急ぎ、遅くとも令和4年度当初には運用を開始すること②援護対象地域は、最低でも「大瀧雨域」「増田雨域」を合わせた地域とするとともに、地域外であっても控訴審判決を尊重した制度設計にすることなどの要請を行った。

コロナ禍の学生に支援を

質問  大学生から「コロナ禍2年目は預金も尽き、大学の支援だけでは足りない。臨時給付金を再支給してほしい」との声が届いている。困窮する学生の救済は、政治の仕事。市は市立大学生への直接支援を拡充すべきではないか。

答弁 市立大学では、生活に困窮する学生に対し、令和3年度、応急奨学金のほか学内の食堂や売店で使用可能な金券の配布、食品等の現物支給を行っている。このような学生への直接支援は、学生の実情を把握している大学において、まずは検討・実施されるべきと考えている。

太田憲二
市民連合

公共交通支援を

質問  公共交通は、新型コロナの影響で利用者が激減し、事業運営が大変厳しい状況である。今後は、路線の減便や廃止が相次ぐことが予想され、地域への影響は計り知れない。引き続き公共交通事業者を支援すべきだがどうか。

答弁 公共交通は人口減少・少子高齢化の進展や運転手不足の深刻化等に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う輸送需要の大幅な減少に直面しており、事業者の経営努力による存続は難しくなってきている。
 市民生活や経済活動を支える公共交通の維持・確保は地方自治体の重要な役割であり、今後の支援の在り方について検討していきたい。

喫煙制限区域の拡大を

質問  これまでの美化推進区域・喫煙制限区域の指定で、ポイ捨てや受動喫煙の減少につながった。この区域を公共交通主要駅や学校周辺にも拡大してほしいが、どのように考えているのか。

答弁 区域拡大は、検討すべき重要な課題と認識している。こうした中、令和3年度から、横川駅や西広島駅周辺などでは、これまでの啓発文の掲示等に加え、巡回パトロールを行い、歩行喫煙やたばこのポイ捨て対策を強化した。今後、こうした対策の効果を検証し、地元の意見や地域の状況も踏まえた上で、効果的な方策を検討していきたい。

水野考
自民党・市民クラブ

地域の防災力強化

質問  令和2年の調査で、町内会で最も充実させたい活動は「防災活動・災害時の活動」であることが分かった。地域の防災力強化に向けては、地域のさまざまな主体が連携することが必要だと思うが、市はどう取り組むのか。

答弁 自然災害が多発する昨今、地域団体と消防団や自主防災組織とが連携を強化することが大切である。
 現在策定中の地域コミュニティ活性化ビジョンでは、あらゆる団体間の連携強化に向けた取り組みや支援策等についてお示ししたい。そして、地域の防災力強化を含めた「広島ならでは」の持続可能な地域社会を実現していきたい。

タブレット端末の活用

質問  小学校に配備されたタブレット端末は、児童生徒が自由にチャットできるのか。また、チャット等ネットを通して他者とつながる機能を使う際には、ルールを教えることが大切と思うが、使用に際してどう指導を行うのか。

答弁 児童生徒間のチャット機能は授業時間以外使用できないようにしている。
 情報モラルの指導は各学校で、児童生徒の発達段階に応じ、道徳科や技術・家庭科技術分野等の授業で行っているが、今後、手引に沿って、基本的な機器の扱い方とともに指導を行う。

川本和弘
公明党

鳴谷川(なるたにがわ)の土石流対応

質問  鳴谷川の急峻な谷から土石流が発生し下流域に住む方々は、今後の大雨により、またいつ土石流が起こるか心配している。今後の対応について、どのように考えているのか。

答弁 発生直後から、河川に堆積した土砂等の撤去を開始し、概ね完了した。民有地に流れ込んだ土砂等についても土地所有者の同意の下、撤去予定である。
 また、県知事に対し、砂防堰堤(えんてい)に堆積した土砂等の早期撤去と保全、鳴谷川を含めた砂防堰堤の整備促進について緊急の要望書を提出した。速やかな整備が図られるよう、引き続き要望していきたい。

一貫教育校の周知強化

質問 小中一貫教育校の特色ある教育環境について、これまで児童生徒や保護者へ、どのように周知してきたのか。また、令和4年度入学、転入希望者を募るために、どのような取り組みを考えているのか。

答弁 令和2年度、概要等を記載したリーフレット等を作成、配布した。また、各校が学校説明会を開催し、教育方針や特色ある教育活動について説明した。今後は、これまでの取り組みに加え、市広報紙に各校の特色や具体的な活動内容等を掲載するとともに、SNSやホームぺージ等で積極的に発信していく。

母谷龍典
自民党・市民クラブ

奨学金制度

質問  現在、市が関係する奨学金制度として「広島市教育振興会奨学金」があるが、対象は、市内の定時制高校と看護学校に通う学生に限定されている。この制度を、新たな時代にふさわしい内容に充実させる必要があると思うが、どのように考えているのか。

答弁 当該奨学金は、一般財団法人広島市教育振興会が、市民等からの寄付を財源に、働きながら学ぶ子どもたちを支援したいという寄付者の思いを受け、毎年度、市内の定時制高等学校や看護専門学校に通う学生を対象に、月額8千円の奨学金を給付しているものである。
 奨学金の基金残高に限りがある中で、制度の在り方や新たな寄付の確保などについて、今後、一般財団法人広島市教育振興会の評議員や理事と協議していきたい。
 また、高等学校教育における奨学金制度は、国において措置されるべきであり、機会を捉えて、子育て家庭の経済的負担軽減について適切に措置されるよう国に要望していく。



〔用語解説〕

地域コミュニティ活性化ビジョン
 地域コミュニティの活力低下や地域を支える人材の不足が懸念されており、これまで地域が有していた相互扶助や福祉、防犯といった機能が低下するおそれがあることから、住民同士が支え合い、安全・安心に暮らすことができる地域を創り、持続可能な地域社会の実現を図ることを目的に、本市が令和3年度に新たに策定するビジョンのこと。

救助実施市
 災害救助法が適用された場合、一般的に、法による救助は都道府県が実施し、市町村はこれを補助することとなるが、平成31年(2019年)4月の法改正により、内閣府の指定を受けた救助実施市は、救助の実施主体として、応急仮設住宅の設置や被災者の救助を行うことが可能となった。
 現在、20市の政令指定都市のうち、12市(仙台市、さいたま市、横浜市、川崎市、相模原市、名古屋市、京都市、神戸市、岡山市、北九州市、福岡市、熊本市)が救助実施市として指定されている。

医療的ケア児支援法
 医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことで、全国に2万人いると推計される。
 この法律では「医療的ケア児」を定義し、国や地方公共団体が医療的ケア児の支援を行う責務を負うことを明文化した。医療的ケア児を育てる家族の負担を軽減し、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職を防止する目的で作られた。

特別史跡
 国の法律である文化財保護法に基づいて指定されるもので、遺跡の中で重要なものを「史跡」、その中でも特に重要なものを「特別史跡」としている。
 原爆ドームは、平成7年(1995年)に史跡に指定され、その翌年に世界文化遺産に登録された。
 なお、広島県内では、廿日市市の厳島が特別史跡に指定されている。

「大瀧雨域」「増田雨域」
 国は、「黒い雨」の範囲を大雨が降ったとされる「宇田大雨地域」に限定し、被爆者援護策を行ってきたが、広島高裁は、令和3年(2021年)7月の判決において、より広範囲に黒い雨が降ったとして、平成22年(2010年)に統計学者の大瀧慈(めぐ)氏の発表した「大瀧雨域」と平成元年(1989年)に気象学者の増田善信氏が発表した「増田雨域」にも、「黒い雨」が降った蓋然(がいぜん)性があるとした。

砂防堰堤(えんてい)
 土砂災害防止のために、渓流の谷出口付近に設置し、土石流を食い止めるほか、土砂を溜めて渓流の勾配を緩やかにすることで、一度に大量の土砂が下流に流れ出ることを防ぎ、人家や公共施設等を保全するための施設。砂防ダムともいう。

小中一貫教育校
 本市では、全ての中学校区で、小・中学校の円滑な接続を図るため、小中連携に力を入れており、その方法の一つとして、義務教育9年間を一体的に捉えた学習を行う「小中一貫教育」を、令和2年度から似島、戸山、阿戸の3校において実施している。


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