謹賀新年

議長 山田 春男
副議長 渡辺 好造

 新年おめでとうございます。
 市民の皆様には、初春を気持ちも新たにお迎えのこととお慶び申し上げます。また、日頃から市政に対し、ご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年の年頭あいさつでは、新しい元号「令和」に込められた願いを市民の皆様が享受できる良い年になることを念じ、また、被爆75周年という節目の年に、東京オリンピック・パラリンピックを通じて、広島市民の平和への願いが世界中に浸透していくことに大きな期待を寄せておりました。
 しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大は、大規模なイベントの開催を延期や中止に追いやっただけでなく、私たちの日常生活にも大きな影響を与えました。こうした中、本市は昨年2月に対策本部を設置、市議会においては関係部局の迅速な対応を促進する観点から、令和2年度当初予算案の審議日程を短縮し、議決日を早めるという措置を講じました。さらには、5月以降、コロナに打ち勝つ緊急対策として提案される補正予算案を、3回の臨時会を開いて切れ目なく審議・可決するなど、市民の安心・安全な暮らしを守るため、全力を傾注した次第であります。
 一方、都市づくりでは、中央公園のサッカースタジアム建設や路面電車が乗り入れる広島駅南口広場の再整備も着実に進展を見せており、また、紙屋町・八丁堀地区と広島駅周辺地区の一定区域が昨年9月、中四国初の「特定都市再生緊急整備地域」の指定を受け、今後はこの指定のメリットを最大限活かしながら、国際競争力の強化を視野に、さらなる都市機能の集積が図られることを期待しています。
 また、平和の推進に関しては、昨年10月、核兵器禁止条約の批准国が発効要件の50カ国に達し、核兵器のない平和な世界の実現に向け力強い一歩を踏み出しました。市議会はこの機を逃さず、我が国が唯一の被爆国としての役割を果たすよう「核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書案」を可決し、政府に対して強く要請いたしました。
 さて、我が国における少子高齢化と人口減少が一層本格化する中、持続可能で個性豊かな地域社会を築いていくため、地方創生の取り組みや地域の枠を超えた広域連携、行政の徹底したデジタル化の推進が強く求められています。本市では「200万人広島都市圏構想」を掲げ、全国に先駆けて広域連携の推進に取り組んでおり、今後とも圏域全ての住民が愛着と誇りを持ち、長く住み続けたいと思えるよう圏域のさらなる発展を牽引していかなければならないと考えています。
 市議会は、これまでも市民の皆様に身近な議会を目指し、多くの改革に取り組んでまいりました。公正性と透明性を確保し、市民の皆様の負託に応えることが議会に求められていること、政治倫理を遵守し市民の皆様に対する説明責任があることを議員一人一人が強く認識し、行動することで、今後とも市民の皆様に信頼され、健全で開かれた議会となるよう取り組んでいく所存です。
 本年も市議会に対し、さらなるご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、市民の皆様にとってこの一年が実り多い年となりますよう心からお祈り申し上げまして、新年のごあいさつといたします。

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