一般質問(9月16日、17日、18日)
※紙面の都合上、1人2問以内で掲載しています。
※質問内容は、発言議員本人の提出によるものです。

発言項目
◎発言順に掲載。太字は下で紹介している質問を含みます。

●母谷龍典
(自民党・市民クラブ・佐伯区)
・サッカースタジアム建設

●平野太祐
(自民党・保守クラブ・西区)
・浸水対策
・直轄国道の整備
・スポーツの振興
・都心部の活性化と建築物の耐震化

・広島市立高等学校への音楽専門の学科またはコースの設置

●西田浩
(公明党・安佐北区)
・「黒い雨」被爆者健康手帳交付請求等に係る第一審判決への対応
・旧陸軍被服支廠の全棟保存と利活用
・私道の公費補助
・避難所開設時のボランティアへの保険
・浸水対策および急傾斜地崩壊対策
・生産緑地制度の推進

●桑田恭子
(市政改革ネットワーク・佐伯区)
・コロナウイルス感染症対策の補正予算執行状況
・(仮称)広島西ウインドファーム事業
・広島大学旧理学部1号館の保存・活用

・サッカースタジアム

●藤井敏子
(日本共産党・安佐南区)
・平和
・「黒い雨」の訴訟
・コロナ禍の下での行政の役割
・有機農業の推進と学校給食
・気候非常事態宣言と南工場の建て替え
・指定学校変更許可基準の改正

●山内正晃
(市民連合・安佐北区)
・平和行政の推進
・新型コロナウイルス感染症への備え
・西日本豪雨災害からの復旧・復興
・林業政策の拡充
・安佐北区のまちづくり
・広島市立病院機構の中期計画の変更
・環境行政

●水野考
(自民党・市民クラブ・安佐南区)
・広島城天守閣
・過大規模校における良好な教育環境の確保
・祇園地区周辺の渋滞

・地域福祉関係団体への応援金を通じたコミュニティ再生

●田中勝
(公明党・西区)
・新型コロナウイルス感染症対策
・平和政策
・防災減災対策
・SDGsの推進


●佐々木壽吉
(自民党・市民クラブ・東区)
・新型コロナウイルスに関する経済対策等



母谷龍典
自民党・市民クラブ

県市の負担割合は

質問  サッカースタジアム建設の県市の負担割合については、どのような調整状況にあるのか。また、今後どのように県との合意に向けて取り組んでいくのか。

答弁 現段階で完全な合意には至っていないが、県から「施設の機能を県民に歓迎してもらえるような中身にしつつ費用負担も考えたい」との考えが示されている。
 今後、民間事業者を公募し、審査・評価を行っていく段階で、施設の機能が県議会や県民に説明できるものになっているか確認する作業を行う中で、県に費用負担について理解を深めてもらう。そして、令和3年度に県市ともに予算計上できるよう取り組みたい。

平和発信はどうするか

質問  サッカースタジアムを新たな平和発信の拠点とするために、どのように取り組んでいくことを考えているのか。

答弁 基本計画の中で「平和記念公園に隣接するという特性をいかし、サッカーを通じた国際交流だけでなく、平和や広島のスポーツの歴史などについて世界中に発信できるような施設を目指す」ことを明記している。
 今後、具体的なイベント開催等を募り、運用方法を検討する。そうして関係者が連携して世界中に平和発信できる施設を実現していきたい。

平野太祐
自民党・保守クラブ

スポーツ施設の整備

質問  広島西飛行場跡地で計画されている、多目的スポーツ広場および野球場の整備についての進捗は、どのような状況なのか。

答弁 多目的スポーツ広場は現在、基本設計業務として測量、ボーリング調査およびレイアウト設計等を実施しており、令和3年度以降に、造成工事および管理棟などの附帯設備工事に着手したいと考えている。
 野球場部分については、駐車場や準備運動などができるスペースとして暫定的な利用を検討しているが、今後の具体的な整備の在り方等については、県と協議していきたい。

都心部の活性化

質問  紙屋町・八丁堀地区と広島駅周辺地区がこのたび特定都市再生緊急整備地域に指定されたが、どのような効果が期待されるのか。

答弁 特定都市再生緊急整備地域では、土地取得や建築物の整備に係る税制上の特例措置が一般の地域より拡充される。こうしたことは大きなメリットとして、良質な民間開発を促進する効果があると考えている。
 引き続き、新たな開発促進策の導入検討を進めるとともに、メリットも最大限活用しながら、将来を見据えた都心への投資を促していきたい。

西田浩
公明党

黒い雨降雨地域の早期拡大を

質問  黒い雨降雨地域の早期拡大に向けてどのように取り組んでいくのか。

答弁 本市としては、一刻も早く「黒い雨降雨地域」の拡大を実現する必要があると考えており、控訴審の対応とは切り離して、国に対し最新の科学技術を用いた検証を早急に進めることを求めるとともに、科学的知見を超えた、被爆者援護の立場に立った政治判断を優先するよう、引き続き強く求めていく。

避難所運営ボランティアは無保険

質問  避難所運営ボランティアがけがをしたとき、市はどのように対応するのか。

答弁 今後、早急に対応策の検討を進めるが、新たな対応策を講じるまでの間については、保険適用のない現在の状況が続くことになってしまう。
 従って、活動されている自主防災組織の皆様には、状況をお伝えした上でご協力をお願いしたいと考えている。

桑田恭子
市政改革ネットワーク

広島大学旧理学部の保存活用

質問  旧理学部には、広島大学と広島市立大学の研究機関の移転が決定している。生まれ変わるこの施設の運営はどこが担うのか。移転後は、これまでの活動に加え連携した研究を期待する。どのような取り組み、研究を行うのか。

答弁 昨年度から、両大学と連携して運営体制などについて協議を進めている。また、広島ならではの共同研究の実施など、新たな取り組みについても調整を行っているところである。平和に関する教育研究と情報発信を通じてヒロシマの心や平和への願いを世界中に広げる新たな拠点となるよう、引き続き関係機関と連携し、保存・活用の具体化に向けて取り組んでいく。

湯来地区での風力発電は不要

質問  湯来町多田、安芸太田町、廿日市市吉和で高さ150mの風車36基になる国内最大級電力の開発が進み、環境影響評価の手続き中である。手続き中の風力発電事業が中止されたことはないと聞くが、どのような時中止できるのか。

答弁 風力発電事業は、環境影響評価手続きにおける経済産業大臣勧告などを踏まえて、その工事に係る認可を同大臣が行うこととなっている。事業者がその勧告などに適切に対応していない場合、当該認可は下りず事業が中止となる。

藤井敏子
日本共産党

「黒い雨」控訴取り下げを!

質問  勝訴判決を受けた、80歳90歳を超えた「黒い雨」訴訟の原告らに対して「もっと頑張れ」と言うことは、命懸けで頑張ってこられた原告らに対してあまりにも冷たい仕打ちではないか。今からでも控訴を取り下げ、速やかに被爆者健康手帳を交付するべきだがどうか。

答弁 控訴を取り下げ、判決が確定したとしても、国が被爆者健康手帳交付に関する法令等を改正しない限り、裁判に参加しなかった黒い雨体験者に手帳を交付する仕組みにはならない。
 国に対し「黒い雨降雨地域」の拡大も視野に入れた検証を早急に実施し今年度内には方向性を示すよう要請している。

学校給食に有機農産物を

質問  有機農業を推進し、学校給食に有機農産物を積極的に活用すべきと考えるがいかがか。

答弁 有機農業は、病害虫による品質や収量の低下が起こりやすく、生産コストも大幅に増加するなどさまざまな課題がある。学校給食は、一定の食材費の下で、日々大量の野菜や果物を安定的に確保する必要があるため、現在の我が国における有機農産物の供給量やそのコストなどを踏まえると、学校給食で有機農産物を積極的に活用することは困難である。

山内正晃
市民連合

災害復旧工事を早く

質問  安佐北区で多くの被害が発生した西日本豪雨災害から2年余りが経過したところだが、復旧工事を早期かつ確実に成し遂げていただきたい。今後の見通しはどのようになっているか。

答弁 今年度末までの3カ年を基本的な復旧期間と位置付け、公共土木施設に係る個々の復旧事業は、8月末で事業全体344カ所のうち、約8割に当たる270カ所が着手済みで、そのうち142カ所は完了している。残る74カ所についても、平成26年8月豪雨災害に係る復旧・復興作業の経験を踏まえつつ、地域の意見を聴き、国の補助金確保にも努め、早期に完了するよう全力で取り組む。

まちづくりを着実に

質問  安芸矢口駅前は送迎車や自転車、歩行者など交通量が非常に多い。駅前をロータリー整備することが必要だが、その検討状況はどうか。

答弁 JR安芸矢口駅は、芸備線の中で最も利用者が多く、通勤通学時間帯の送迎車やバス、バイク、自転車、歩行者などを円滑に処理する必要があり、広場のレイアウト等の概略検討を進めている。来年度、交通事業者等と協議を行うなど、検討を深めていきたい。

水野考
自民党・市民クラブ

祇園小学校の教育環境

質問  児童数が急増し、施設の狭さが顕著になっている祇園小学校をどう認識し、どのように改善しようとしているのか。

答弁 教室や運動場など施設面で大きな課題があると認識している。このため、限られた敷地の中で運動場の有効面積の確保や仮設教室の解消などに向けて検討していく必要があると考えている。こうしたハード整備には、一定の期間が必要であることから、指定学校変更許可基準の改正のように、過大規模校のクラス増の抑制や児童の過密緩和等のソフト対策についても取り組んでいきたい。

祇園地区の渋滞

質問  現状、祇園地区の交通渋滞はますますひどくなっている。この解消のためには、西原1丁目交差点の流れをよくするか、長束八木線を南に伸ばして交通を分散させるしかない。こうした対策についてどう考えるか。

答弁 現在、西原1丁目交差点付近の交通調査を進めており、早期に交通混雑改善策を取りまとめ、右折車線の新増設等を実施したい。また、長束八木線都心部側は、新庄橋への接続部分で交通処理上の問題があるため、整備見通しも立てた上で計画案を示したい。

田中勝
公明党

低炭素社会から脱炭素社会へ

質問  地球温暖化対策として、目指すべき姿を「低炭素社会」から「脱炭素社会」へと前に進めてはどうか。

答弁 国は、最終到達点として「脱炭素社会」を掲げ、今世紀後半早期の実現を目指すという長期的なビジョンを示しており、本市においても、温室効果ガス排出量の大幅削減に向けて、取り組みを加速させる必要があると考えている。今年度改定する「広島市環境基本計画」において、脱炭素社会の構築に取り組むことを示し、市民、事業者の意識を高め、一体となって地球温暖化対策を進めていきたい。

介護タクシーとの災害時輸送協定を

質問  災害時、または災害が発生する前に、要配慮者をより迅速に輸送するため、介護タクシー事業者のような民間活力を利用し、介護タクシーグループと実効性のある災害時輸送協定を締結してはどうか。

答弁 本市では、広島県バス協会、相互個人タクシー協同組合などと協定を締結しているが、要配慮者の輸送には専門的な知識や技術を要することから、介護タクシーグループとの協定締結は非常に有意義と考える。今後、関係部局と協議調整を図りながら協定締結に向け準備を進めたい。

佐々木壽吉
自民党・市民クラブ

経済向上のための施策

質問  新型コロナウイルスによる広島の経済悪化について、中小・小売り、サービス業600社に経済状況アンケートを実施し、回収率38%で、うち経営が苦しいが85・4%の結果になった。
 このことにより、市の金融機関、主に日本政策金融公庫に対し、迅速な融資実行や企業の実情に応じた配慮をするよう、改めて要望していただきたいと思うがどうか。

答弁 日本政策金融公庫の融資については、本市としても、新型コロナウイルス感染症に起因した資金繰り悪化により、厳しい経営が続く事業者の立場に立った対応が行われることが大事だと考えており、これまでも迅速な融資の実行や事業者の実情に応じ配慮いただくようお願いしている。また、国は政策金融機関に対し、対応に万全を期すよう、累次にわたり要請を行っている。
 いまだに新型コロナウイルス感染症の収束の見通しがつかず、今後、さらに事業者の経営状況悪化も懸念される状況において、本市の地域経済を支える中小企業をしっかりと支援する必要があることから、日本政策金融公庫に対し、迅速かつ柔軟な融資の実行などについて改めて要望を行いたい。


〔用語解説〕

特定都市再生緊急整備地域
 都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として、政令で指定する地域を「都市再生緊急整備地域」といい、この「都市再生緊急整備地域」の内から、都市の国際競争力の強化を図る上で特に有効な地域として、政令で指定する地域を「特定都市再生緊急整備地域」という。

有機農業
 化学的に合成された肥料および農薬を使用しないこと、ならびに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできるだけ低減した農業生産の方法を用いて行われる農業。

脱炭素社会
 地球温暖化の原因となる炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を防ぐために、大気中に炭素を排出する化石燃料以外のエネルギーを選択・使用したり、エネルギーに含まれる炭素を除去したりすることをまとめて「脱炭素」と呼び、そうした努力によって実現される持続可能な社会を脱炭素社会という。


令和2年第5回臨時会(7月臨時会)の議案と議決結果など

○:議案に対して賛成  ×:議案に対して反対  △:採決の際に一部議員反対

■令和2年7月18日議決分

区分 議案番号 件名
質疑
討論
会派名 ( )内は所属議員数
議決結果
自民党・市民クラブ
(14)
自民党・保守クラブ
(12)
公明党
(8)
市政改革ネットワーク
(7)
市民連合
(5)
日本共産党
(5)
広島創生クラブ
(1)
清流クラブ
(1)
広島新生クラブ
(1)
補正予算案 80 令和2年度一般会計補正予算(第5号)
質疑
討論
原案可決
補正予算案 81 令和2年度中央卸売市場事業特別会計補正予算(第1号)
原案可決
その他の議案 82 財産の取得(小学校,中学校,中等教育学校及び特別支援学校の教育の用に供するためのタブレット端末)
原案可決
その他の議案 83 財産の取得(小学校及び中学校の教育の用に供するための電子黒板)
原案可決
決議案 15 議員としての政治倫理の遵守に向けての決意を表明する決議案
討論
原案可決

※決議案第15号は広島創生クラブが欠席
※「質疑」は議案について質疑があったことを、「討論」は討論があったことを示します。
※議長(自民党・市民クラブ山田議員)は表決には参加しません。
※議決時の所属会派は4面に掲載しています。


可決した決議

議員としての政治倫理の遵守に向けての決意を表明する決議案

 広島市議会基本条例の第6条には、議員の政治倫理として「議員は、市民の負託により市政に携わる権能及び職責を有することを深く認識し、その負託にこたえるため、政治倫理の向上と確立に努めるものとする。」となっている。政治倫理とは、公正、公平に行動するために政治家が持たねばならない良識と高潔を基礎とした行動規範である。今回、河井克行衆議院議員と河井案里参議院議員が、公職選挙法違反(買収)で逮捕・起訴され、この事件に関係する議員について、連日マスコミ報道されている。議員は公人であり、有権者への説明責任がある。今こそ、自らの政治生命を懸けての十分な説明を行うべきだと考える。
 しかし、いまだ具体的に説明責任を果たそうという姿勢と反省が見えない議員がいることにより、市民の政治不信が強まっている。一体どれだけの議員がこの事件に関わっているのか、現在明らかにできていない。
 よって、私たち、広島市議会議員は、政治倫理を遵守し、公人として市民への説明責任があることを強く認識し行動することにより、市民からの信頼回復に向けて全力を尽くすことを表明する。
 以上、決議する。


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