予算特別委員会の主な質疑

 議長を除く全議員で構成される予算特別委員会(渡辺好造委員長、藤井敏子・伊藤昭善・木戸経康・平野太祐各副委員長)において、延べ90人の委員が、令和2年度一般会計予算など48議案について、活発な質疑を行い、慎重に審査を重ねました。その審査における主な質疑と答弁を掲載します。

※紙面の都合上、掲載質問数の上限は、各会派の人数按分により決定しています。
※質疑の内容は、各会派からの提出によるものです。
※質疑・答弁の趣旨を簡潔にまとめているため、実際の発言とは言い回しが異なることがあります。

審査日程

2月27日木曜日 委員会運営
3月2日月曜日 審査日程等の変更
3月9日月曜日 文教関係
審査日程の変更
3月11日水曜日 建設関係
3月12日木曜日 経済観光環境関係
3月13日金曜日 消防上下水道関係
3月16日月曜日 厚生関係
3月17日火曜日 総務関係
3月18日水曜日 総括質疑
3月19日木曜日 討論・採決

自民党・市民クラブ

認知したいじめへの適切な対応

 生徒指導支援員の配置によりその成果は。勤務時間は。

 生徒指導支援員による校内巡回が、いじめ等の未然防止や早期対応に結びついている。勤務は1日4時間である。

祇園中学校の教育環境

 祇園中学校は増築・改築後どう変わるのか。

 校舎等の増改築後、普通教室数は37に増え、屋内運動場は1285uに拡張、既存施設の解体後、グラウンドはテニスコート等含め9281uとなる。

テストの採点システム

 本システムの活用について、どう考えているのか。

 客観的な分析結果に基づく個別指導の実施など、今後の授業改善につなげることができると考えている。

広島豪雨災害からの復興など

 長束八木線の未整備となる500メートル区間の整備をしてもらいたい。

 未整備区間の事業着手は、継続復興期間の整備に引き続き行っていけるよう検討することとしている。

都市計画道路中筋温品線

 中筋温品線の1工区の中筋地区と口田地区を結ぶ橋りょう工事の完成はいつになるのか。

 用地取得や道路整備を進めながら、出来るだけ早く橋りょう工事に着手し、令和一桁代後半の完成を目指す。

平成30年7月豪雨災害

 瀬野川に架かる河島橋・中原橋・塚地橋の復旧はいつ頃になるか。

 中原橋・塚地橋は令和2年度末まで、河島橋は令和3年度末までの復旧完了を目指している。

中山間地域の活性化支援

 中山間地域に人を呼び込み企業活動を継続できる支援策は。

 中山間地域の良質な職場を確保するための取り組みを行い、中小企業の人材確保と地域活動の担い手確保の実現に注力する。

観光情報の発信

 広島市が運営するSNSをもっと盛り上げるべきではないか。

 広島広域都市圏の観光情報を発信する「ひろたび」のSNSについても、閲覧者の増加に努めていきたい。

広島市の転出超過対策

 広島広域圏UIJターン促進協議会とはどういったものか。

 圏域の24市町と関係機関等が連携し、東京・関西圏の学生等を対象としたUIJターン就職の促進に取り組む組織である。

民間活力を促進するために

 地域に貢献した企業に対し入札等で優遇してはどうか。

 建設工事競争入札参加資格の認定の際の優遇措置の拡大などについても検討する。

障害者に優しい施策として

 平和記念資料館等で視覚障害者向けのツアーを実施してはどうか。

 平和記念資料館および現代美術館において、ニーズに対してどういった対応ができるか指定管理者と検討していく。

広島城天守閣の耐震対策は

 耐震診断結果が基準値を下回っていたがどう対応していくのか。

 耐震補強工事や建て替えなど耐震性を確保するための方策について、令和2年度末を目途に方向性を決定したい。

町内会・自治会の実態調査

 町内会・自治会の活性化に向けたアンケート調査をどうするのか。

 町内会長や市民を対象に活動状況等の調査を予定しており、調査手法は専門家の意見などを踏まえ検討したい。

生産緑地制度

 生産緑地制度を導入することで、さらなる都市農業の振興が図られると思うがどうか。

 同制度は市街化区域内の農地を保全しようとするものであり、制度導入は、都市農業の振興上、有効と考えている。

自民党・保守クラブ

小・中一貫校の検討を

 似島小・中学校を一貫校の対象とした理由、ならびに教育委員会の支援は。

 一小・一中学校区で校舎が隣接しており、「いきいき体験」の取り組みを一層充実させるため対象とした。移行に向け、保護者や地域住民等と協議を重ねてきた。

究極の国際平和拠点を目指して

 新サッカースタジアムの中へユニタール広島事務所の移転を求む。

 スタジアム内に導入する具体的な機能等の整理・検討はこれからであり、ご提案の一つとして受け止めさせていただく。

府中祇園線の拡幅整備

 府中祇園線改修工事の対象範囲内に所有地のあるJRとの協議の状況はどうなっているか。

 補償費等を提示し協議を進めており、JR社内で拡幅整備に協力する方向で検討していただいている。

林業の担い手育成

 今後の林業の担い手を育成するためにどのように取り組むのか。

 半林半X移住者支援事業で、2名が研修を受講しており、今年で最終年になる。新たに2名を募集していきたい。

UIJターン促進協議会事業の推進を

 地元企業の採用計画の動向は。

 平成30年度末の広島広域都市圏内の事業所へのアンケートでは、約9割の企業が現状の採用数を維持または増加する結果となっている。

「河川の災害復旧」環境を整える

 三篠川の管理を県から「国直轄」への編入とし、復旧の推進を図るべき。

 県が整備を予定しており、今後も国・県・市が連携し、市民の安全・安心のために全力を傾注して取り組むことが重要である。

業務継続計画(BCP)の策定を

 大規模災害で施設が被災した場合における下水道の業務継続は。

 大規模災害が発生した際にも業務を継続し、中断しても早期に復旧が行えるよう、業務継続計画を策定している。

児童虐待防止に向けて

 児童福祉法等の改正で児童虐待はどうなるのか。

 関係機関間の情報共有がより円滑になるとともに、体罰の禁止が法律に明記されたことで指導や支援がしやすくなると考える。

計画的な市債償還を求む

 市債の償還について、今後の収支を見据え、計画性をもって借り入れ償還をする必要があると思うが、どうか。

 実質的な市債残高を今後4年間で5%程度減少させることを目指して、財政運営を行っていく。

広島西飛行場跡地の活用

 広島西飛行場跡地のスポーツ施設整備について、どうなっているか。

 令和2年度に実施する基本設計および実施設計などで多目的スポーツ広場の仕様やレイアウトなどを検討する予定である。

北庁舎別館の老朽化

 北庁舎別館の建て替え検討について、周辺施設との統廃合・機能集約はどのように検討するのか。

 周辺施設の機能集約等を含めて、民間活力の活用について調査を行い、建て替え規模や手法についての詳細な検討を行う。

民有地の災害復旧

 民有地のがけ崩れをどう直すのか。

 県・市施行の急傾斜地崩壊対策事業に加え、この事業の対象外である本市独自の急傾斜地整備復旧資金融資事業により相談を受けながら対応する。

市政改革ネットワーク

高速5号線予定価格の認識ズレ

 予定価格にはJVの見積書を反映させるとのこと。見積条件の反映はどうか。

 JV提出の見積書に記載された見積条件は、契約書には反映されていない。

民間資金で平和大通り活性化

 民間の収益施設から捻出する金額はいくらで何に充てるのか。

 資金負担の枠組みについては、今後、基本計画を作成する中で、概算事業費等を算出した上で整理していきたい。

高齢者ポイント事業の拡充は不要

 65歳以上に対象拡充した事業費と介護予防の効果はどう上がるのか。

 令和3年度事業費で約12億7千万円。早期からの介護予防を促進することがフレイルへの対応にもつながる。

広島市衛生研究所の検査体制

 最新の機器、検査の人材育成等、モノ、ヒトの充実はどうか

 機器、人材について体制の充実を図っており、今後も、専門的な技術職を養成していくことが重要であると考えている。

企業は町内の担い手たり得るか

 企業と地域の連携促進事業の当事者双方への周知方法はどうか。

 本市の広報紙やホームページのほか、シンポジウムや交流会の開催、町内会等への研修会での周知を検討する。

平和記念式典の騒音問題

 令和2年4月以降、デモ団体との協議はどうしていくつもりか。

 話し合いで解決を図りたいが、状況が改善される見込みが無ければ、引き続き条例も視野に入れて検討せざるを得ない。

パートナーシップ宣誓制度

 当事者の意見を聞き、早い時期に開始すべきと思うがどうか。

 当事者の意見や他都市の状況等を勘案し具体的な検討を行い、令和2年度のできるだけ早い時期の導入を目指したい。

自校調理方式の採用の是非

 なぜ、石内北小が自校調理方式になったのか、そのいきさつは。

 現在の石内北小学校区は、分離開校するまでの間は伴南小学校区に編入されていたため、同校と同じ自校調理方式とした。

公明党

給食における野菜の食育

 野菜好きになる食育は、将来の生活習慣病予防にも繋がる取り組みだと考えるがどうか。

 野菜本来のおいしさを伝え、偏食の改善などを図るため、調理方法を研究していきたい。

学校ブロック塀の安全対策

 学校のブロック塀の改修予定の全てを完了することができるのか。

 改修予定70園校のうち、実施設計完了済みのものは早期着工を、その他のものは関係者協議を早期にまとめ、完了に向け着実に進める。

新井口駅完全バリアフリー化

 新井口駅の完全バリアフリー化を進めてもらいたいがどうか。

 改札外は早ければ令和3年度に工事着手し完成まで3カ年程度を予定。JRが整備する改札内もこれと連携し早期完成を目指す。

早期の生産緑地地区指定の実現を

 今後の生産緑地地区の指定に向けたスケジュールはどうか。

 制度導入の事務手続きを進めており、令和2年度から相談体制を整え、生産緑地地区を早期に指定できるよう努める。

広島高速4号線延伸の進捗状況

 広島高速4号線の山陽道直結案はいつ実現可能性を見極めるのか。

 令和2年度は直結ルート案の国との協議を本格化させ、今後、できるだけ早期に判断していきたいと考えている。

安佐市民病院移転に伴う交通網の整備

 地域住民が納得のいくバス路線をどのように決めていくのか。

 現在、バス事業者の意向を確認しており、令和2年度には、地元を含めた関係者と協議を進めていきたい。

5歳児検診

 保護者に発達障害の気付きを促す通知・リーフレットにすべきと思うがどうか。

 保護者が子どもの発達について知り、発達相談の利用を促すものとなるよう内容を工夫したい。

人工呼吸器非常用電源設備補助

 人工呼吸器非常用電源設備補助の対象者への周知等はどう進めるのか。

 広報紙や市ホームページのほか、訪問看護ステーションなどの支援関係者を通じて制度の周知に努めていく。

市民連合

高校入試改革はどうなるのか

 新たな高校入試改革の具体的な内容はどうか。いつから実施するのか。

 「一次選抜」・「二次選抜」の2回とし、学力検査、調査書および自己表現による選抜を行う。令和5年度入学者選抜から実施する。

広島南道路の延伸計画

 計画されている木材港から廿日市IC間の整備をどう考えているのか。

 西側からの交通を南道路に流入させるための重要な区間であり、引き続き早期整備を国に要望していく。

西区のクマ目撃情報対応は!

 クマ目撃情報は何件あり、どのような調査および対応をし、今後の被害予防対策は。

 8件の情報があったが、痕跡は発見できなかった。柿の実の除去等の取り組みの継続と、クマの習性に関する周知を図る。

就職氷河期世代の採用

 本市も就職氷河期世代(34歳〜49歳)対象の中途採用活動を行うべきではないか。

 当該世代に年齢を限定した採用試験について、国等の動向を注視し、関係部局とも協議しながら検討する

総合交通戦略の策定

 街づくりと交通政策の連携で、人に優しい交通計画とすること。

 まちづくりの計画と整合を図りながら、居心地が良く歩きたくなるウォーカブルなまちなかづくりの視点等を組み入れ、検討していく。

日本共産党

かけがえのない毎日を大切に

 子どもは自宅待機でストレスを受けている。外遊びは禁止なのか。

 感染リスクの低い活動として、公園等で行う散歩やジョギングなどの例を示し、周知している。

南北自由通路にいすを

 南北自由通路に疲れたときに休めるいすを設置したらどうか。

 今後、広島駅南口広場再整備を見据え、詳細に検証した上で、設置可能か研究していく。

「気候非常事態宣言」都市に参加を

 地球温暖化対策は待ったなし。「気候非常事態宣言」をしてはどうか。

 広島市地球温暖化対策実行計画に基づき、今後も、地球温暖化防止の意識を高め、行動につなげていく取り組みを進めていきたいと考えている。

放課後デイの役割を見直せ

 国は、家庭で過ごせない児童の居場所だと認めたのではないか。

 今回の国通知は、新型コロナウイルス感染防止のための小学校等の臨時休業に伴う、臨時的な措置とされている。

ジェンダー平等を目指して

 政策・意思決定の場への女性登用を思い切ってやるべきではないか。

 女性の参画拡大は、社会に多様性と活力をもたらすなどの観点から大変重要と考える。

広島創生クラブ

新型コロナ感染拡大の影響

 東京オリ・パラ、平和記念式典、広島FFの開催をどう考えているか。

 オリンピック競技大会の開催の可否はIOCが決定することになる。平和記念式典等については、今後の状況を見て対応したい。


〔用語解説〕

UIJターン
 大都市圏の居住者が地方に移住する動きの総称。Uターンは出身地に戻る形態、Jターンは出身地の近くの地方都市に移住する形態、Iターンは出身地以外の地方へ移住する形態を指す。

ユニタール(UNITAR)
 国連訓練調査研究所のこと。研修を専門とする国連機関として設立し、開発途上国の経済、社会開発、平和、安全保障などの分野における研修プログラムの実施や調査研究を行っている。本部はスイスのジュネーブにあり、広島事務所は平成15年に開設された。

半林半X移住者支援事業
 自ら森林を管理して林業経営を行う「自伐林業」の研修・実践を行いながら、他の仕事でも収入を得る「半林半X」という新たなライフスタイルを目指す中山間地域への移住者を本市が募集し、最長3年間にわたり支援する事業。平成29年度から実施、令和元年度にも募集を行った。

BCP(BusinessContinuityPlan)
 企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく事業継続計画のこと。

フレイル
 高齢期における要介護状態になる前の段階である、身体的、精神・心理的および社会的脆弱性や不安を抱えやすい状態のこと。