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平成26年 広島市食中毒発生状況
目次
1 概要
2 病因物質別にみた発生状況
3 月別にみた発生状況
4 原因施設別にみた発生状況
5 原因食品別にみた発生状況
6 患者数2名以上の集団食中毒事件
7 患者数1名の散発食中毒事件
1 概要
平成26年に市内で発生した食中毒の総事件数は81件、総患者数は688名であった。平成25 年と比較すると、事件数は18件(前年比28.6%)増加し、患者数は485名(前年比238.9%)増加した(図1)。
図1 年次別にみた食中毒の総事件数・総患者数
総事件数81件のうち、患者1名の散発事例は54件であり、全事件数の66.7%を占めていた。患者数2名以上の集団事例は27件(33.3%)であり、このうち患者50名以上の集団事例は1件であった(表1)。
年 | 総事件数 | (再掲) | ||
---|---|---|---|---|
患者1名の 散発事例 |
患者2名以上の 集団事例 |
患者50名以上の集団事例 | ||
平成22年 | 138件 | 115名(115名) | 23名(233名) | 0名(0名) |
平成23年 | 100件 | 73名(73名) | 27名(176名) | 0名(0名) |
平成24年 | 92件 | 71名(71名) | 21名(2,342名) | 3名(2,182名) |
平成25年 | 63件 | 50名(50名) | 13名(153名) | 1名(61名) |
平成26年 | 81件 | 54名(54名) | 27名(634名) | 1名(301名) |
2 病因物質別にみた発症状況
総事件数81件のうち、カンピロバクターによるものが67件(82.7%)と約8割を占め、次いでノロウイルスが9件(11.1%)、黄色ブドウ球菌が2件(2.5%)であった。
総患者数688名のうち、ノロウイルスによるものが513名(74.6%)と約7割を占め、次いでカンピロバクターが114名(16.6%)であった(図2)。
図2 病因物質別にみた総事件数・総患者数
3 月別にみた発生状況
月別の事件数は5月(13件)が最も多く、次いで7月(11件)、6月(10件)の順に多かった。月平均事件数は6.8件であった。また、患者数は大規模ノロウイルス食中毒の発生により、1月が326名と最も多く、次いで2月(126名)が多かった。月平均患者数は57.3名であった(図3)。
図3 月別発生状況(平成26年 総数)
病因物質別に月次推移をみると、カンピロバクターは春から夏を中心に年間を通して発生し、月平均事件数は5.6件であった。また、ノロウイルスは冬から春にかけて発生した(表2)。
病因物質 | 総数 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 81件 | 3件 | 6件 | 5件 | 7件 | 13件 | 10件 | 11件 | 9件 | 3件 | 3件 | 8件 | 3件 | |
細菌(総数) | 70件 | 1件 | 3件 | 5件 | 6件 | 11件 | 10件 | 11件 | 9件 | 3件 | 3件 | 6件 | 2件 | |
(内訳) | サルモネラ | 1件 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 1件 | - | - |
黄色ブドウ球菌 | 2件 | - | 1件 | - | - | - | - | - | - | - | - | 1件 | - | |
カンピロバクター | 67件 | 1件 | 2件 | 5件 | 6件 | 11件 | 10件 | 11件 | 9件 | 3件 | 2件 | 5件 | 2件 | |
ウイルス(総数) | 9件 | 2件 | 3件 | - | 1件 | 1件 | - | - | - | - | - | 1件 | 1件 | |
(内訳) | ノロウイルス | 9件 | 2件 | 3件 | - | 1件 | 1件 | - | - | - | - | - | 1件 | 1件 |
その他(総数) | 2件 | - | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | 1件 | - | |
(内訳) | 動物性自然毒 | 1件 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 1件 | - |
植物性自然毒 | 1件 | - | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | - | - |
4 原因施設別にみた発生状況
総事件数81件のうち、原因施設が判明したものは23件(28.4%)、不明であったものは58件(71.6%)であった。原因施設別の事件数は、飲食店が17件と最も多く、患者数は、仕出屋325名、飲食店253名の順に多かった(表3)。
原因施設 | 事件数(件) | 割合(%) | 患者数(名) | 割合(%) |
---|---|---|---|---|
飲食店 | 17件 | 21% | 253名 | 36.8% |
仕出屋 | 2件 | 2.5% | 325名 | 47.2% |
家庭 | 2件 | 2.5% | 3名 | 0.4% |
旅館 | 1件 | 1.2% | 28名 | 4.1% |
給食施設 | 1件 | 1.2% | 15名 | 2.2% |
不明 | 58件 | 71.6% | 64名 | 9.3% |
計 | 81件 | 100% | 688名 | 100% |
5 原因食品別にみた発生状況
総事件数81件のうち、原因食品が判明したものは23件(28.4%)、不明であったものは58件(71.6%)であった。原因食品別の事件数は、宴会料理が14件と最も多く、患者数は、給食316名、宴会料理196名の順に多かった(表4)。
原因食品 | 事件数(件) | 割合(%) | 患者数(名) | 割合(%) | |
---|---|---|---|---|---|
魚介類(フグ) | 1件 | 1.2% | 1名 | 0.1% | |
肉類及びその加工品 (豚生レバー) |
1件 | 1.2% | 15名 | 2.2% | |
穀類及びその加工品 (炊き込みご飯) |
1件 | 1.2% | 28名 | 4.1% | |
野菜及びその加工品 (バイケイソウ(推定)) |
1件 | 1.2% | 2名 | 0.3% | |
その他 | 19件 | 23.5% | 578名 | 84% | |
(内訳) | 弁当 | 2件 | 2.5% | 39名 | 5.7% |
給食 | 2件 | 2.5% | 316名 | 45.9% | |
宴会料理 | 14件 | 17.3% | 196名 | 28.5% | |
その他の料理 | 1件 | 1.2% | 27名 | 3.9% | |
不明 | 58件 | 71.6% | 64名 | 9.3% | |
計 | 81件 | 100% | 688名 | 100% |
6 患者数2名以上の集団食中毒事件
平成26年に発生した集団食中毒事件は27件であった。原因施設別にみると、飲食店が17件(63.0%)と最も多かった。病因物質別でみると、カンピロバクター14件(51.9%)、ノロウイルス9件(33.3%)の順に多かった。また、1月にノロウイルスを病因物質とした患者数301名の大規模食中毒が発生した(表5)。
表5 患者数2名以上の集団食中毒事件
月別事件数でみると、5月が7件(25.9%)と最も多く、次いで2月の4件、6月及び11月の3件の順であった。最も多いカンピロバクターを病因物質とするものは、5月から9月と11月に発生した(図4)。
図4 集団食中毒における病因物質別事件数の月次推移
7 患者数1名の散発食中毒事件
散発食中毒54件のうち、53件(98.1%)がカンピロバクター、1件(1.9%)が動物性自然毒を病因物質とするものであった。カンピロバクターによる散発食中毒は7月の9件をピークに、1年を通して発生しており、月平均事件数は4.4件であった(図5)。
図5 散発食中毒における病因物質別事件数の月次推移
カンピロバクター散発食中毒患者を年齢階級別にみると、53名のうち10~14歳が14名(26.4%)と最も多く、次いで20~29歳が11名(20.8%)、5~9歳が9名(17.0%)の順に多かった。また、0~19歳までの未成年者が30名(56.6%)と全体の約半数を占めていた。性別では、患者全体の約7割(39名)が男性であった(図6)。
図6 カンピロバクター散発食中毒の年齢階級・性別患者数
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