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平成25年 広島市食中毒発生状況
1 概要
平成25年に市内で発生した食中毒の総事件数は63件、総患者数は203人であった。平成24年と比較すると、事件数は29件減少(対前年比 31.5%減)し、患者数は2,210人減少(対前年比 91.6%減)した(図1)。
図1 年次別にみた食中毒の総事件数・総患者数
総事件数63件のうち、患者1人の散発事例は50件であり、全事件数の79.4%を占めていた。患者数2人以上の集団事例は13件(20.6%)であり、このうち患者50人以上の集団事例は1件であった(表1)。
年 | 総事件数 | (再掲) | ||
---|---|---|---|---|
患者1人の 散発事例 |
患者2人以上の 集団事例 |
患者50人以上の 集団事例 |
||
平成21年 | 124件 | 117人(117人) | 7人(101人) | 0人(0人) |
平成22年 | 138件 | 115人(115人) | 23人(233人) | 0人(0人) |
平成23年 | 100件 | 73人(73人) | 27人(176人) | 0人(0人) |
平成24年 | 92件 | 71人(71人) | 21人(2,342人) | 3人(2,182人) |
平成25年 | 63件 | 50人(50人) | 13人(153人) | 1人(61人) |
2 病因物質別にみた発生状況
総事件数63件のうち、カンピロバクターによるものが52件(82.5%)と約8割を占め、次いでノロウイルスが4件(6.3%)であった。また、市内で初めて寄生虫(クドア・セプテンプンクタータ)による食中毒が1件(1.6%)発生した。
総患者数203人のうち、ノロウイルスによるものが102人(50.2%)と過半数を占め、次いでカンピロバクターが75人(36.9%)であった(図2)。
図2 病因物質別にみた総事件数・総患者数
3 月別にみた発生状況
月別の事件数が最も多かったのは8月(13件)であり、次いで11月(8件)が多かった。月平均事件数は5.3件であった。
また、患者数は、大規模ノロウイルス食中毒の発生により、12月が63人と最も多く、次いで1月(43人)、4月(31人)の順に多かった。月平均患者数は16.9人であった(図3)。
図3 月別発生状況(平成25年 総数)
病因物質別でみると、カンピロバクターは1月を除き年間を通して発生し、月平均事件数は4.3件であった。また、ノロウイルスは、冬(1月と12月)にのみ発生した(表2)。
病因物質 | 総数 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 63件 | 4件 | 2件 | 4件 | 7件 | 7件 | 3件 | 5件 | 13件 | 3件 | 4件 | 8件 | 3件 | |
細菌(総数) | 54件 | - | 2件 | 4件 | 4件 | 7件 | 3件 | 5件 | 13件 | 3件 | 4件 | 7件 | 2件 | |
(内訳) | サルモネラ属菌 | 2件 | - | - | 1件 | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - |
カンピロバクター | 52件 | - | 2件 | 3件 | 4件 | 7件 | 3件 | 4件 | 13件 | 3件 | 4件 | 7件 | 2件 | |
ウイルス(総数) | 4件 | 3件 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 1件 | |
(内訳) | ノロウイルス | 4件 | 3件 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 1件 |
その他(総数) | 4件 | 1件 | - | - | 2件 | - | - | - | - | - | - | 1件 | - | |
(内訳) | フグ毒 | 3件 | 1件 | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | - | 1件 | - |
寄生虫(クドア・セプテンプンクタータ) | 1件 | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | - | - | - | |
不明 | 1件 | - | - | - | 1件 | - | - | - | - | - | - | - | - |
4 原因施設別にみた発生状況
総事件数63件のうち、原因施設が判明したものは13件(20.6%)、不明は50件(79.4%)であった(表3)。
原因施設 | 事件数(件) | 割合(%) | 患者数(人) | 割合(%) |
---|---|---|---|---|
飲食店 | 8件 | 12.7% | 72人 | 35.5% |
仕出屋 | 2件 | 3.2% | 14人 | 6.9% |
家庭 | 2件 | 3.2% | 4人 | 2% |
旅館 | 1件 | 1.6% | 61人 | 30% |
不明 | 50件 | 79.4% | 52人 | 25.6% |
計 | 63件 | 100% | 203人 | 100% |
5 原因食品別にみた発生状況
総事件数63件のうち、原因食品又は食事が判明したものは13件(20.6%)、不明は50件(79.4%)であった(表4)。
原因食品 | 事件数(件) | 割合(%) | 患者数(人) | 割合(%) | |
---|---|---|---|---|---|
魚介類(フグ) | 3件 | 4.8% | 6人 | 3% | |
魚介類(ヒラメの刺身) | 1件 | 1.6% | 8人 | 3.9% | |
その他 | 9件 | 14.3% | 137人 | 67.5% | |
(内訳) | 弁当 | 2件 | 3.2% | 14人 | 6.9% |
宴会料理 | 6件 | 9.5% | 120人 | 59.1% | |
その他の料理 | 1件 | 1.6% | 3人 | 1.5% | |
不明 | 50件 | 79.4% | 52人 | 25.6% | |
計 | 63件 | 100% | 203人 | 100% |
6 患者数2人以上の集団食中毒事件
原因施設別にみると、飲食店が8件(61.5%)と最多であった。
また、病因物質でみると、カンピロバクターが5件(38.5%)と最も多く、続いてノロウイルスが4件(30.8%)であった。ノロウイルスを病因物質とする4件のうち、1件は患者数50人以上であった(表5)。
表5 患者数2人以上の集団食中毒事件
月別事件数でみると、1月が4件(30.8%)と最も多く、このうち3件(75%)がノロウイルスによるものであった(図4)。病因物質でみると、カンピロバクターを病因物質とする集団食中毒は5件(38.5%)で最も多く、2月から4月、及び8月、11月にそれぞれ1件ずつ発生した。
図4 集団食中毒における病因物質別事件数の推移
7 患者数1人の散発食中毒事件
散発食中毒50件のうち、カンピロバクターが47件(94.0%)とほとんどを占めており、8月の12件をピークに、1月を除き、1年を通して発生した。カンピロバクターによる散発食中毒の月平均事件数は3.9件であった。(図5)。
図5 散発食中毒における病因物質別事件数の月次推移
カンピロバクター散発食中毒の年齢階級別では、5~9歳代と20歳代が11人(23.4%)と最も多かった。また、0歳~19歳までの未成年者が26人(55.3%)と全体の約半数を占めていた。性別では、患者全体の約6割(27人)が男性であった(図6)。
図6 カンピロバクター食中毒の年齢階級・性別にみた患者数
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