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広島市人権教育・啓発推進指針 第1部 第1章 指針策定の必要性

ページ番号:0000011360 更新日:2020年2月27日更新 印刷ページ表示

第1部 指針策定の必要性

第1章 指針策定の必要性

世界最初の原子爆弾によって破壊しつくされた広島市は、「平和のないところに人権は存在し得ない」「人権のないところに平和は存在し得ない」という20世紀の教訓を自らの悲惨な体験から得ました。そのため、本市は、平和とは、単に戦争がない状態にとどまらず、安全で良好な環境のもとに人類が共存し、一人ひとりが尊厳を保って人間らしく生活することができる状態ととらえ、「国際平和文化都市」を都市像に掲げ、人間としての尊厳に基づく権利の尊重を市政の重要な柱としてきました。

そして、本市は、平成10年(1998年)、被爆50周年を経て次の新しい時代の都市づくりを進めるため策定した新しい広島市基本構想において、「広島のアイデンティティの形成」を掲げました。それを具体的に推進するため、平成11年(1999年)11月に第4次広島市基本計画を策定し、「広島のアイデンティティ形成のための取組」の一つとして、「共に生きる人づくり・まちづくり/平和都市にふさわしい人づくり」を次のとおり掲げ、理想とする広島らしい都市の姿や市民の生活を実現していくことをめざしています。

1 豊かな感性と創造性を持った人づくり

生命を尊び、生きる喜びを心から分かち合い、経済発展がもたらした物質的な豊かさを享受するだけでなく、精神的な豊かさを大切にすることができる豊かな感性と創造性を持った人づくりを推進する。

2 すべての人を思いやることのできる人づくり

すべての市民が等しく人間として尊重され、自立し、品格のある人間が行動するまちをめざし、市民のモラルやマナー、ホスピタリティ(すべての人に心を込めて接する態度)の向上に取り組むなど、人を思いやることのできる温かい心を持った人づくりを推進する。

3 国際感覚の高揚

国際社会の一員であることを自覚し、日本文化への理解を深め、世界の人々との交流やふれあいを通じて多様な文化や価値観を理解し、認め合えることができるよう、そして、日常生活の中においても、地球的視野を持ち、考え、行動していくことができるよう、市民の国際感覚の高揚に取り組む。

また、新世紀を迎えた平成13年(2001年)8月6日の平和宣言では、「『戦争の世紀』の生き証人であるヒロシマは、21世紀を核兵器のない『平和と人道の世紀』にするため、全力を尽くすことを宣言」し、広島は「人道都市」として大きく羽ばたく意志を示しました。

このような本市の目標を達成するためには、これまでの手法を漫然と繰り返すのではなく、社会情勢の変化に応じて、市民と行政による協働の理念に基づく取組や広域的な連携の促進並びに体制の整備など、新たな視点を加えた取組が必要になっています。特に、同和問題をはじめ女性、障害者などにかかわる様々な人権問題の解決に向けた個別の教育・啓発の取組は、人権問題が今後ますます複雑化、多様化するのに対応し、これまでの教育や啓発活動の中で積み上げられてきた成果とこれまでの手法を踏まえ、すべての人の基本的人権を尊重していくための人権教育・啓発として、発展的に再構築する必要があります。

したがって、本市は「21世紀は人権の世紀」をキーワードとし、新たな視点を加え、総合的な施策の方向性を明らかにした人権教育・啓発推進指針を策定するものです。

なお、平成12年(2000年)12月には、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が公布されました。この法律では、わが国における人権の尊重の緊要性に関する認識の高まりと、社会的身分、門地、人種、信条または性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状やその他の人権擁護に関する国内外の情勢を考慮し、国や地方公共団体において、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定することが責務であると規定されています。