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平和記念施設保存・整備方針 資料編2.平和記念施設保存・整備方針(中間とりまとめ)に対する市民意見

ページ番号:0000009635 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

目次

平和記念施設保存・整備方針 資料編2.平和記念施設保存・整備方針(中間とりまとめ)に対する市民意見

1.市民意見募集の概要
2.市民意見(18件)の概要と対応
3.広島修道大学人間環境学部「まちづくり論」学生レポート(96件)の概要と対応

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1.市民意見募集の概要

  1. 募集期間:平成17年(2005年)11月25日~12月16日
  2. 募集の方法:市役所市民ロビー、各区役所及び平和記念資料館で、保存・整備方針(中間とりまとめ)への市民意見募集要領と中間とりまとめの全文を配布するとともに、市ホームページにも掲載。市民と市政12月1日号にも募集の記事を掲載。
  3. 応募方法:郵送、ファクス、市ホームページの応募フォームに送付。
  4. 応募件数:114件(うち一般が18件。96件は広島修道大学の「まちづくり論」学生レポート)

2.市民意見(18件)の概要と対応

注:以下、意見は◆印以下のゴシック体で示す。⇒印以下の 太字部分が意見への対応。このうち 下線部は中間とりまとめを修正した部分である。(広島修道大学学生レポートも同じ。)

平和記念施設の役割

◆平和記念施設の果たすべき役割
「観光資源」の表現は再考されたい。「原子爆弾の被災を記念する場」については、単に「記念する場」ではなく、核兵器廃絶につながる表現を盛り込まれたい。
意見の趣旨に沿い修正する。

原爆ドーム

◆戦後、「汚い、危ない」などと言う口実で撤去しようとした動きに対して、市民の力でそれを乗り越え、市議会は「永久保存」を決議した。このような背景を持って、原爆ドームは保存され、世界遺産に登録されるに至ったことを明らかにするとともに、平和記念資料館などの施設が成立する過程で果たした被爆者の声、世論の推移を明記されたい。
⇒平和記念施設のなりたち、原爆ドームの存廃論議などについては、記載することとしている。

◆原爆ドームは、文化庁の文化遺産登録申請書のいう「核兵器究極廃絶の象徴」ではなく、「非核都市宣言」の主旨に沿うこと。
意見の趣旨に沿い修正する。

◆原爆ドームは、雨を防ぐため、ガラス貼で外からも見えるような大きな屋根で覆えばよい。

◆原爆ドームの上に鉄筋コンクリートで屋根を付けて、風雨を避けないと永久に残すことは難しい。
⇒鞘堂や覆屋は、原爆ドームの劣化の進行を抑制する効果があるが、平和記念施設保存・整備方針(以下、「保存・整備方針」という)では、外観が変わること、それによる世界遺産としての価値への影響が懸念されることから、鞘堂や覆屋を設けず、現位置において必要な劣化対策を施しながら保存していくこととしている。

◆原爆ドームと広島市レストハウスは現状保存して下さい。
⇒保存・整備方針においては、原爆ドームは「現状のまま保存する」ことを基本方針としている。〔※レストハウスへの意見は別掲〕

◆原爆ドームの金属部分を漆(うるし)を用いて保存してはどうか。
⇒保存技術の一案として、担当部署に伝える。

◆被爆の惨状をよりリアルに伝えるためには、周辺の樹木をもっと整理してはどうか。市電の側から見ると樹木が多すぎてドームがよく見えない。
⇒平和記念公園内の樹木は、今から約50年前の昭和32~33年にかけて行われた「供木運動」により、県下はもとより日本各地から寄せられた樹木が大きく育ったもので、また、広島市にとっての緑は、被爆により75年間草木も生えないと言われた焦土の中から芽生え、市民に生きる勇気と希望を与えてくれた、「生命」及び「平和」の象徴でもある。このことから、原爆ドーム周辺の樹木を伐採することは考えていないが、これまでに「公園内の樹木が茂りすぎているため、原爆ドームが電車通り側から見えにくい」との意見もあったことから、必要に応じて適宜、剪定を行ってきている。
なお、保存・整備方針においては、被爆の惨状をよりリアルに伝えるため、原爆ドーム周辺の瓦礫の活用や見学通路の設置について検討するとともに、原爆ドームの保存に悪影響を与える恐れのある樹木については、必要に応じ剪定又伐採等の措置を行うこととしている。

平和記念公園

◆遺跡・遺物の示す破壊力の実態を追求することにとどまらず、それを通して人的被害の具体的状況を明らかにするとともに、この視点に立って、平和記念公園・原爆ドーム・平和大通りなどの周辺地域を被爆の実相が追体験できる場として整備すること。
⇒保存・整備方針では、旧中島地区の市民生活の復元等による追体験空間の整備を進めることとしている。その中で、人的被害の状況についても紹介するよう努めることとしたい。なお、人的被害の状況については、資料館の展示等において引き続き紹介していく。

◆公園内に昔の町名や、主要な建物などを記した標識を各所に設置し、「爆心地が公園だった」という誤解を防いで欲しい。
⇒保存・整備方針では、被爆の実相を伝えるため、慰霊碑・町跡碑などへの説明板の設置や説明板の多言語化、音声ガイド機能の整備など説明機能の充実に取り組むこととしている。

◆元大正屋呉服店を保存する会・原爆遺跡保存運動懇談会が出版した『爆心地中島-あの日あのとき-』で明らかにされている証言などに基づいて表示板を設置されたい。
⇒説明板の設置などに際しては、関係する書籍等を参考とさせていただきたい。

◆元大正屋呉服店(市レストハウス)について、文化庁の要請を受け入れ、保存することを明確に表明すること。その上にたって活用について論議を尽くすこと。
⇒保存・整備方針においては、原爆ドーム、平和記念公園などの中核的施設の保存・整備について、全体的な考え方の整理を行うものであり、レストハウスをはじめその他施設の個別具体の整備方針まで示すこととしていない。
なお、レストハウスについては、来訪者の休憩場所の観点から、修学旅行生等がくつろげる十分なスペースがないことや、被爆建物の保存・活用の観点からは、地下部分を除いて、建物の原形や被爆の惨状・痕跡を留めていないことなどの課題が指摘されていた。こうした中、平成8年に原爆ドームが世界遺産に登録され、レストハウスを含む平和記念公園一帯が、そのバッファゾーンとされたことなどに伴い、レストハウスとしての機能拡充と被爆建物としての保存のあり方の両面から検討を続けてきた。
しかしながら、厳しい財政状況のもとで建替えの即時着工が困難であったため、平成12年に、当分の間建設計画を凍結する旨を公表し、現在に至っており、建物の状態をこれ以上悪化させないために必要な補修を行いながら、本市の財政状況等を踏まえ、その取扱いについて慎重に検討していきたい。

◆旧森永製菓広島支店の遺構について、再発掘し、保存の手立てを取り、公開すること。
⇒保存・整備方針では、地下に残る街並みの遺構の活用を検討することとしている。

◆「慰霊碑」は「平和都市記念碑」と正確に表記すること。この碑の説明版に、(原爆死没者慰霊碑)と()付けで表記していることも論拠はどこにもない。また、この碑の後方の「日の丸」についても同様に掲揚の論拠はなく、訪ねた人が強い違和感を持つものであり、削除・撤去すべきである。
⇒指摘のとおり、原爆死没者慰霊碑の正式名称は「広島平和都市記念碑」である。市では、この碑の説明文にもあるように、通常、原爆死没者慰霊碑と広島平和都市記念碑の両方を碑の名称として用いている。また、市では、市庁舎をはじめ、市の主要施設に国旗を掲げており、平和記念公園についても国旗を掲揚しているものである。

◆「原爆の子の像」の折り鶴を、カメラで監視したり、ショーケースのような入れ物に入れて保管することは盗まれたり、焼かれたりすることより悲しいことである。「教師と子どもの碑」の周りには、野晒しでたくさんの折り鶴が置かれており、その方がまだ良いと思う。
⇒市では、世代や地域を超えた「平和の循環」を創出する取組みとして折り鶴の保存・展示に取り組んでおり、屋根付きの折り鶴台(ブース)は、「原爆の子の像」に捧げられる数多くの折り鶴を雨露から守るため、平成14年(2002年)に整備したものである。平成14年、15年に続いて起こった折り鶴への放火事件は、平和意識の低下・希薄化を示す事件として、国内外に衝撃として伝わり、大きな反響を起こしたことからも、防犯措置は必要と考えている。

◆芸術家の力を借り、2代目の「原爆の子の像」を作ってはどうか。塔は、セメント様のもので製作されており、悲しくも美しい物語を思わせるにふさわしい素材とは思えない。平和公園全体を見回しても、不釣合いである。
⇒原爆の子の像は、2歳の時に被爆した佐々木禎子さんが、10年後に白血病で亡くなったことをきっかけに、同級生たちが、「原爆で亡くなったすべての子どもたちのために慰霊碑をつくろう」と呼びかけ、全国の3,200校余りの学校や海外からの支援により、昭和33年(1958年)に完成したものである。その建立の経緯を大切にする必要があると考えており、市において像を造り替えることは考えていない。

◆平和学習にきた団体は殆どが資料館下のピロティを集合場所としている。雨天や夏の暑さからも好都合なので、できれば親しみ易い雰囲気があればよい。
⇒保存・整備方針では、修学旅行生らが平和学習を行い、昼食・休憩をとる場所の確保について検討することとしている。なお、平和記念資料館本館のピロティ越しに見る慰霊碑や原爆ドームの見通しは、平和記念公園のデザインにおいて重要な要素であることから、ピロティに設備等を設置することは考えていない。

◆平和記念公園の石畳に対して佛教の方から異論があった。また酷暑には放熱と眩しさで案内するのに疲労が大きい。
⇒現在の平和記念公園の園路は、平成元年(1989年)に策定した平和記念公園再整備基本計画に基づき、『国際平和記念都市の原点となる「聖地」にふさわしい整備を行う』との基本理念のもと、併せて「都市公園」「観光地」としての機能の充実を図ることを目的として再整備したものである。この計画においては、(1)来園者の動線が明確で分かりやすいこと、(2)歩きやすいこと(耐久性があること)、(3)地域性のある素材であること等を総合的に勘案した上でミカゲ石を舗装材として採用したものである。

◆原爆死没者慰霊碑への参道に沿った芝生広場に、亡くなられた方々の名前と年齢を刻んだ碑を造って欲しい。
⇒芝生広場は8月6日の平和記念式典の会場として使用しており、また、沖縄の平和の礎(約23万9千人を刻銘)の例を見ても広大な敷地が必要となることから、平和記念公園内に設置することは困難と考えている。

◆国際会議場北側の緑地帯に、高さ4m、幅30m程度の中央に昭和20年8月6日の日付と8時15分を指した時計を配した平和公園全体の解説板を設置してはどうか。
⇒保存・整備方針では、原爆や平和への理解を深めるため、世界の核の状況を示す表示板や平和記念公園周辺の碑の案内板の設置を検討することとしており、その検討に際しての参考とさせていただく。

◆平和記念公園・原爆ドームは、夜間は市の中心部でありながら、市民や観光客がほとんど訪れない。公園内の照明が暗く、照明灯、照度・色彩などまちまちで不統一であり、夜間にも多くの人々が訪れるよう、格調の高いライトアップを提案する。
⇒保存・整備方針では、夜間の安全性の確保とともに、平和記念公園の持つ多用な機能に対応するための夜間照明の増設・改良を行うこととしている。また、ライトアップなどの光の演出についても検討することとしている。

◆平和記念公園は「あの日・あのとき」を追体験し、核兵器廃絶・平和への誓いを固めあう場である。そのために多くの人が集う場づくりを進めるのであり、単に人が集まればいいというものではない。
⇒保存・整備方針では、「旧中島地区の市民生活の復元等による追体験空間の整備」や「平和学習の場の確保」等を基本方針として掲げており、単に人が集まればいいとは考えていない。

◆公園内を横切る車両の全面通行禁止を。事故が起きてからでは遅い。爆心地島病院の周辺に駐車場があるため、特に車が多く危険。駐車場位置の規制があれば。

◆「中島本通り」だけでなく本川岸の道路も含めて、抑制ではなく禁止とすること。原爆ドームが世界遺産に登録され、平和記念公園がバァファーゾーンに指定されるという状況を踏まえて関係者に強く働きかけること。

◆公園内道路はこの程度の対策では必ず悲劇が起こる。陸橋、地下道の建設が他の何よりも優先すべきである。
⇒元安橋と本川橋を結ぶ平和記念公園内の市道については、都心における回遊性の向上の観点及び修学旅行生などの来訪者が安心して散策できるように改善することの必要性などから、車両通行禁止が有効な方法であると考えている。
しかし、当該市道は周辺地域の方々にとって重要な路線であるため、地域の方々の意見を聞きながら、実現に向けて取り組んでいきたいと考えている。
また、本川左岸の道路の対策については、上記平和記念公園内市道の車両通行禁止の状況等を見極めた上で検討を行いたいと考えている。

◆マイカーでの駐車場の表示を分かりやすく作って欲しい。また、駐車料金を安くしてゆっくり平和記念施設を見学出来るようにしたらどうか。

◆地下駐車場を設けて来訪者の便宜を図るとともに、景観整備に取り組むこと。
⇒平和記念公園周辺には6基の駐車場案内サインを設置している。また、自家用車での来訪があった場合、入口守衛所において周辺の駐車場を案内している。
なお、観光バスや福祉車両については、公園内での駐車が可能である。保存・整備方針では、平和記念公園への来訪者や公園利用者の利便性を高めるため、駐車場の整備を検討することとしている。

◆平和記念公園は、環境に配慮して公衆便所や噴水に雨水利用をすると良いと思う。
⇒近年、地球環境問題への対応が問われる中、環境への負荷を低減し、持続可能な循環型社会の構築が求められている。提案のあった公衆便所や噴水への雨水利用については、重要なことと考えているが、雨水を利用するためには貯留タンクなどの施設整備に係るコスト面、雨水の安定供給等の問題があることから、今後の研究課題としたい。

◆車椅子や手話通訳、盲導犬などへの配慮をして欲しい。
保存・整備方針に「ユニバーサルデザインに配慮した整備」の項目を加える。

◆原爆慰霊碑前の芝生広場は、土曜・日曜のみ全面開放して市民の憩いの場とすべき。

◆芝生の開放は望ましいが、犬の散歩のマナーが心配。
⇒芝生広場を含む平和記念公園の使用許可の運用は、季節や時間帯等を考慮し、社会実験等を行うとともに市民の意見を聴きながら、その開放について検討することとしている。また、芝生広場の開放の検討にあたっては、指摘の点にも留意する。

◆今から100年のち、被爆の惨状を生々しく伝えることは、難しくなる。100年後を目標に爆心地復元を目指してはどうか。〔内容:平和記念公園内はできるだけ発掘して復元。公園内の樹はできるだけ公園外(周辺)に移植。原爆ドームもできるだけ被爆直後の姿に戻す。大手町1丁目の元安橋~本通り以北も発掘した瓦礫で埋め尽くす。この地域の建物は市民球場跡地へできるだけ移転。爆心地に塔を建て、上空に爆心をマーキングする。など〕
⇒現在の平和記念公園は、戦後の復興計画の中で広島平和記念都市建設法に基づく記念施設として整備されたものであり、「聖地」であるとともに「観光地」「都市公園」としての役割を果たしている。また、平和記念資料館、参道、慰霊碑、平和の池、平和の灯、原爆ドームと連なる植栽等により形づくられた軸線上の見通し(ビスタ)を大切にしたいと考えている。さらに、市民球場のある中央公園も平和記念公園と同じく広島平和記念都市建設計画に基づき、都市公園として整備されてきたものであり、都心部における貴重なオープンスペースとして多くの市民等に利用されている総合公園であることから、都市公園を廃止することはできないと考えている。

◆市民球場跡地に、すべての遺品(被爆資料等)を展示(1階)し、被爆直後の市街地を航空写真から復元し見学することのできる(2階)、「平和ドーム」を整備する。
⇒現球場(市民球場)跡地利用の検討に際し、参考とさせていただく。

平和大通り

◆「平和大通り」も現実は車両のための通りとなってその名にふさわしくない。遠方から来広した人は公共交通機関を利用するのが大半で、車の利便性を追う傾向とは基本的に相容れない。
⇒現在の平和大通りは、「立ち寄りたくなるような魅力がない」、「緑地帯が有効に活用されていない」、「夜暗くて歩くのが怖い」、「歩行者と自転車が輻輳している」などの問題があることから、平成14年10月にこれから50年の都市づくりを見据えた「平和大通りリニューアル事業」の基本方針をとりまとめた。この方針は、「道づくりから街づくりへ」をテーマとし、(1)人間尺度(ヒューマンスケール)を尊重した使い勝手のよさ、(2)道路と一体化した街並みの形成、(3)美しい風景づくり、の3つの観点で整備を進めていくことを示している。

◆世界中からの善意の樹木(100m道路)に、贈られた国の名前と木の種類や説明などのメッセージをつけ、散策マップも作り、遠足や観光コースにすればよい。
⇒平和大通りにある多くの樹木は、今から約50年前の昭和32~33年にかけて行われた「供木運動」により、県下はもとより日本各地から寄せられたものであり、一部、海外の方から記念樹として寄贈されたものもある。これらの樹木の一部については記念碑等を設置しているものもあるが、ほとんどの樹木は寄贈者等が特定できておらず、説明板等を設置していないのが現状である。
しかし、広島市にとって緑は、戦後において市民に生きる勇気と希望を与えてくれた、「生命」及び「平和」の象徴であり、このような思いを後世に継承していく必要があることから、樹木名と樹種の性質を記載した樹名板を平成13年度に設置したところである。提案のあった件については、今後検討していきたいと考えている。
なお、保存・整備方針においては、平和記念公園への誘導手法の工夫として「案内マップ」の作成などを検討することにしている。

◆「被爆者の森」は、各県の県名の表示がないものが散見され、また分かりにくい。そして世界の国の木を可能な限り集め、当該国の来訪者にPRしてはどうか。京都の「歴史の散歩道」のように願いたい。県木等の所在掲示板も必要である。
⇒「被爆者の森」は、鶴見橋西詰から駅前通りにかけての南北の緑地に、日本原水爆被害者団体協議会が各都道府県を代表する樹木を1本ずつ植樹したもので、各樹木には、樹種名及び県名を記載した樹名板を取り付けており、欠損等が発見された場合、速やかに補修している。また、樹名板のほかに、「被爆者の森」に関する経緯等を記載した石碑を設置している。平和大通りの樹木は、「被爆者の森」のほか、昭和32~33年にかけて行われた「供木運動」により寄贈を受けたものなど多くの樹木があり、樹木の生育環境を確保する観点から、これ以上、植樹するのは困難な状態である。
なお、平和大通りの樹木の中には、海外の方からいただいた樹木などもあることから、これらの樹木については、平和や観光の観点を踏まえ、説明板の設置について検討していきたい。

◆平和大橋、西平和大橋の欄干は、今はあまりにも無残な姿になっている。是非とも修復して欲しい。可能であれば橋の本体も作り直し、イサム・ノグチ氏が望んでいたであろう姿にして、平和公園と一体で、川の町ひろしまの名物になる作品に仕上げて欲しい。
⇒平和大通りの3つの橋、平和大橋、西平和大橋及び緑大橋については、架設後50年余を経ているが、厳しい財政事情の中、まとめて架け替えることは極めて難しい状況である。このため、平和大橋、西平和大橋については、現在の橋を補修し、延命化して活用しつつ、外側に歩道橋などの新たな機能を整備することが現実的であると考え、今年度から、両橋への歩道橋の新設について検討している。具体的には、両橋の周辺が広島有数のシンボル空間であることや、現在の橋の欄干が世界的に著名なイサム・ノグチ氏の設計であり、戦災復興の象徴と言うべきものであることなどを考慮し、歩道橋を設置した際の景観検討を実施するとともに、現在の橋の現況調査を行い、補修、補強工法など延命化の方策について検討している。
今後はこれらの検討結果を踏まえ、まずは歩行者の通行量が多い平和大橋について、歩道橋の整備に必要な調査、設計及び欄干と橋本体の補修、補強の設計に着手したいと考えている。

景観整備

◆公園中央の軸線のすぐ北に商工会議所の建物があり、雰囲気として目障り。来広者が慰霊碑とドームを同時に撮影しようとすると、バックの黒い建物に苦労する。
⇒保存・整備方針では、平和記念公園や世界遺産原爆ドームの周辺に相応しい景観形成に努めることとしており、建物の改修時におけるファサード整備、改築時における低層化・移転などを景観誘導の例示として示し、取り組むこととしている。

◆建築中の元安橋東詰のビルが出来ると爆心地・島外科の建物が展望できない。景観整備の観点に立って規制をすること。今後のビル建築などを展望し、実効的な規制が出来る条例制定に取り組むこと。
⇒本市では、現在、平成16年12月に施行された景観法を踏まえた景観に関する条例の策定作業を行っている。強制力のある高さ制限は、「景観地区」として都市計画決定し、建築確認で担保することとなるが、併せて現在の容積率を見直し、高さ制限と整合させる必要がある。そのためには、土地所有者や住民等の合意形成を図ることが必要であり、原爆ドーム及び平和記念公園周辺や、平和大通り沿道地区の景観計画を策定していく段階で、市民や条例の中で位置付ける予定の景観審議会等の意見を聴きながら、高さ制限を含めて十分検討していく。

市民や企業との協働

◆市民や企業との協働について、清掃や案内などに積極的参加をされる方に敬意と感謝。資料館や追悼祈念館も、ガードマンの制服姿でなく、親しみ易い人たちに迎えられる方がよい。
⇒より親しみ易い公園・施設となるよう、今後ともボランティア等と協働していくこととしたい。保存・整備方針の「市民や企業との協働」の取組みに「ボランティア等との連携」などの文言を加える。

その他

◆岡本太郎氏の壁画について、「平和公園内に屋外展示する」または「現代美術館の屋内か屋外に展示する」ことを検討してはどうか。
⇒この壁画については、本市としても大きな関心を持ち、情報収集・検討を行っているが、この作品は大変大きく展示場所に制約があるため、展示場所の確保や展示方法、経費負担など解決すべき様々な課題があることから、意見は今後の検討の参考にさせていただく。

◆丸木位里・俊夫妻の原爆の図については、広島や長崎にあってこそ有意義なものになる。是非とも資料館等に飾られるべきものと考える。スペース上問題があれば、現代美術館での展示も良いと思われる。
⇒本市による作品の譲り受けや常設展示については、現在までそうした要請はなく、また、要請があったとしても、市の財政状況等が大変厳しい中で困難な状況である。

◆提案を実現する上で、最大の問題は予算の確保だと思うが、個人・企業・団体からの募金・寄付集めでその大半を賄う。世界に一つしかない「広島・長崎」のために、一大キャンペーンを行うべき。
⇒保存・整備方針では、原爆ドームの保存に関して「世界の人々が参加することのできる募金運動」について記述している。募金運動は財源確保のためだけではなく、キャンペーンを通じた「ヒロシマの願い」の広がりが重要だと考えており、原爆ドームの保存を通じてこれを進めていくよう考えている。

3.広島修道大学人間環境学部「まちづくり論」学生レポート(96件)の概要と対応

平和記念施設の位置付け

◆「聖域」という言葉に疑問がある。本来、平和記念施設の目的は核兵器廃絶と世界恒久平和である。戦争の悲惨さを伝える場、感じてもらう場であるべきであり、聖域化により本来の目的が薄れる。

◆戦争がなく、平和であるという喜びを感じることができる場所であってほしい。

◆平和公園は入りにくい雰囲気がある。様々なイベントの開催やイルミネーション、カフェなどを設置し親しみ易い場所とすべき。

◆平和を世界に伝えることが大切なことであり、まず、世界中のできるだけ多くの人にここを訪れてもらいやすい、訪れたくなるような環境にしていく必要がある。

◆被爆者の思いを大切にしながら、新たな平和記念公園になればよい。訪れた市民や観光客が平和、戦争、原爆のことについて考え、平和の大切さを知ることができ、かつ憩うことが出来る場所になればよい。

◆聖域と賑わいの場の区別をしっかりする必要がある。
⇒平和記念施設保存・整備方針(以下、「保存・整備方針」という)においては、平和記念施設の役割として「被爆の惨禍を後世に伝え、平和を学び・考え語り合う場、平和を願う世界の市民が集い・憩う場、行動する場」を掲げている。「聖域」や「被爆の実相を伝える場」を確保しながら、「市民が集い・憩う場」等も重層的に確保するよう考えている。

原爆ドーム

◆外観が変わるが、覆屋、鞘堂を設置してよいのではないか。いずれ劣化はしていくので被爆当時の状況を示すためにはやむをえないと考える。

◆一番変えてはならないことは「原爆の悲劇」であり、ドームに手を加え過ぎ、悲劇の濃さを薄めてはならない。手を加え過ぎることを一番恐れます。

◆ドームは柵があって見えにくい。見学通路の設置は賛成です。

◆世界中に募金を募るのは良いシステムだと思う。
⇒保存・整備方針では、鞘堂や覆屋は、原爆ドームの劣化の進行を抑制する効果があるが、外観が変わること、それによる世界遺産としての価値への影響が懸念されることから、鞘堂や覆屋を設けず、現位置において必要な劣化対策を施しながら保存していくこととしている。

平和記念公園の樹木のあり方

◆平和公園や平和大通りの樹木は今のまま残すべき。青々とした木々があるからこそ、復興や平和が感じられる。

◆紅葉やイチョウ、桜などを植え、四季の移り変わりを感じられる公園にしてほしい。

◆平和記念公園を訪れて、象徴的な場所であるにもかかわらず印象が薄い。原因は樹木が繁茂していること、慰霊碑などがあまり目立っていないことである。公園中央の見通しを遮る樹木の剪定や跡碑などへの説明板を設置してほしい。追体験ができる整備を行うとよい。

◆ドーム周辺は樹木が生い茂り雰囲気が重い。もっと明るいオープンな空間にしたい。
⇒保存・整備方針では、平和記念公園の軸線を意識するとともに、被爆の実相を伝えるため原爆ドームや慰霊碑等を効果的に見ていただくため、必要に応じて樹木の剪定等を行うこととしている。

慰霊碑・記念碑の活用

◆公園内の慰霊碑等が分かりにくい。説明板やパンフレットなどでアピールすべき。

◆説明板の設置、多言語化、音声ガイド機能は世界からの来広を図るためには必要なことである。小学生のためには仮名をつけることも必要である。

◆音声ガイドは必要ない。後付けの聴覚情報によって、リアリティが失われてしまう。

◆「企業名入り説明板」は、平和記念施設の雰囲気を壊すと考える。
⇒保存・整備方針では、被爆の実相を伝えるため、慰霊碑・町跡碑などへの説明板の設置や説明板の多言語化、音声ガイド機能の整備など説明機能の充実に取り組むこととしている。なお、音声ガイドについては、整備に際し、聞きたい方のみ聞けるというような工夫をしたいと考えており、「企業名入り説明板」の検討に際しては、平和記念公園の雰囲気にマッチしたものとなるよう配慮したい。

夜間安全性・ライトアップ

◆夜間の公園は暗く、最近の事件を考慮しても夜間照明の増設が必要である。

◆ライトアップにより夜の平和公園という新たな魅力が創造できる。

◆生育の妨げとなるので樹木に照明をあてることは賛成できない。

◆ライトアップ等は自然環境に配慮し、風力など自然エネルギーを利用すべき。

◆昼は賑わいの場、夜は神聖な場という活用が考えられる。
⇒保存・整備方針では、夜間の安全性の確保とともに、平和記念公園の持つ多用な機能に対応するための夜間照明の増設・改良を行うこととしている。また、ライトアップなどの光の演出についても検討することとしている。なお、ライトアップの検討に際しては、樹木の育成への影響に配慮するとともに、自然エネルギーの利用など自然環境への配慮についても検討することとしたい。

バリアフリー

◆階段や段差が多い施設周辺の改善が必要である。

◆慰霊碑前の階段など、バリアフリー化を図るべき場所がある。
保存・整備方針に「ユニバーサルデザインに配慮した整備」の項目を加える。

学習場所・休憩場所

◆平和について語り合えるような休憩所的なものが必要である。

◆雨天時などに使える広いスペースの休憩所がほしい。

◆修学旅行生の集会や休憩場所として、修学旅行シーズンに仮設の屋根つき休憩場所を設置してはどうか。

◆資料館を見たあと、気持ちを整理し、考え、語り合う空間の確保が必要である。
⇒保存・整備方針では、修学旅行生らの平和学習や休憩のための場所の確保について検討することとしている。整備等にあたっては、公園の景観との調和に配慮したものとするよう努めることとしたい。

平和記念公園のゲート性の確保

◆平和記念公園のエリアを分かりやすくするため、ゲートなどを整備してはっきりさせてはどうか。

◆被爆を後世に伝えていくため、慰霊碑周辺の「聖域化」は必要である。「ただの公園」にさせてはならない。そのため、聖域である公園の出入口には「門」や「説明プレート」を設置してはどうか。

◆平和大通りは、街と一体化し活性化を図る必要がある。ただし、平和記念公園は異空間として魅力を増していくべきである。
⇒保存・整備方針においては、「平和記念公園のアプローチ部は、ゲート性などに配慮し、公園への進入を演出する工夫をしたシンボル性の高い整備」を行うこととしている。「門」などの整備については、その具体化を図る中で検討することとなる。

駐車場などの設備

◆駐車場を増設すべきである。

◆広島市民がわざわざ交通機関を使ってまで平和記念公園に行くとは考えにくい。車であればドライブ感覚で気軽に行きやすくなる。

和記念公園を身近なものとし、平和に対する意識を広げていく。

◆もっと明るく綺麗なトイレにすべき。ベンチが少ない。
⇒保存・整備方針においては、駐車場についてその整備を検討することとしている。その検討に際しては公園内の景観にも考慮し行うこととなる。ベンチやトイレの整備については要望として承る。

平和記念公園への誘導

◆平和公園への誘導は、街全体で関連づけた誘導の手法にすべき。

◆広島駅を降りても広島にきたというイメージがなく、展示や絵などによってヒロシマを印象付けることによって、平和記念公園を訪れようとする意識が生まれてくる。

◆平和公園までの行き方をもっと分かりやすくし、楽しみながら自然に足が向かうような工夫をすべき。

◆昔の面影を感じさせる工夫をし、西国街道を観光資源として活用することで来園者にアピールできる。

◆平和公園行きのバスを運行してはどうか。
⇒保存・整備方針では、広島駅などに「ヒロシマを訪れたことを実感できるような展示・表示」の設置、「平和の道」や「西国街道」などの活用、平和記念公園への「近道の表示」や「案内マップ」の作成など平和記念公園への誘導手法の工夫について検討することとしている。

平和記念公園の使用許可の緩和

◆平和記念公園の役割からすれば、神聖化することも大事であるが、役割を十分に発揮していくためには条件付で開放していくべき。

◆平和公園はお墓のようなイメージがある。カフェやストリートミュージシャンに開放してはどうか。

◆規制を緩和し、観光や都市公園としての機能を備え、様々なイベントを催すことができるようにすべき。

◆クラシックコンサートは開いても良い。公園を見て、音楽を聴き、歩いて回ることによっていろいろな感覚が刺激され、平和公園が深く印象に残る。

◆売店やコンサートなどは、活用と規制のバランスを考えながら使用していければよい。

◆イベントはテーマを絞って、期間も限定して行えばよい。

◆平和記念公園は重くて近寄り難い雰囲気がある。若い人たちの意見を聴き、公園のあり方を見直すべき。

芝生広場

◆平和コンサートの開催には開放する。音楽は国境、言語、宗教の垣根を越える力を持っており、メロディに乗せて平和のメッセージを世界に発信していくことができる。

◆芝生広場で平和活動・文化イベントを行えば、今まで以上に戦争、平和について考えることができる。

◆芝生を開放し、イベントを行ったり、平和を体感でき、くつろげる場としたい。

◆芝生は開放した方が観光客等との交流の場として活用できる。

◆親子連れ、高齢者が憩いの場として利用している姿こそ「平和」である。その姿は原爆で亡くなった人々の慰霊にもなると考える。

◆芝生で遊べなくなったことは、平和公園へ来ること自体を拒否されていると感じる。

◆芝生広場は、市民の集う、憩う場として、常時開放すべき。

◆聖域としてのイメージは残していかなければならない。しかし、それに固執すると市民との距離が生まれ、広島の魅力が薄れる。もう少し開放の機会を増やしたほうが良い。

◆芝生広場の開放は、聖域としての静けさの確保とのバランスが課題と考える。

◆芝生広場の利用は避けるべき。あの場所こそが他の場所とは違うものである。開放するとしても常時ではなく、イベント時や周期的に開放すればよい。

◆原爆のことを忘れないために芝生広場に足を踏み入れ、集い、憩い、戦争や平和について話し、考える場としていくべき。しかし、被爆者の心情や芝生広場はそっとしておくべきという人がいることを忘れてはならず、また、戦争や原爆のことが実感できない場所としてはならない。

平和記念公園のイベント的活用

◆平和・平和文化を発信するため、コンサートや文化イベントによって若者が気軽に集える場所にする。

◆音楽は世代、国境を超えて世界中の人々につながる言語である。これが人々のつながりをつくり、平和のメッセージを伝えていくことができる。

◆聖域という雰囲気を壊さない程度で、コンサートや集い、イベントによって、人々の平和に対する関心を向上させる。

◆ドームの周辺で平和に関するイベントを開催してはどうか。

◆公園内での市民や団体が主催する平和を目的とした文化イベントを増やしていくべき。

カフェ・レストランの設置

◆広島・ヒロシマをPRするため、広島を感じさせる「hiroshimaカフェ」をつくる。

◆休憩所やカフェを設置することにより、観光客や市民にとって平和公園が身近なものとなる。

◆憩い・集う場としてカフェは必要と考えられるが、屋台の設置は景観のことを考慮すると好ましくない。

◆原爆ドームが目に入る程度の位置にオープンカフェを設置した方が良い。

◆休憩所やカフェの整備は良いことだが、景観や雰囲気への配慮が必要である。

憩い・賑わいの場

◆一般市民が参加または憩う場として整備することにより、平和記念公園を身近に感じ、平和に対する意識が広がる。

◆人々が集う空間をつくればよい。休憩所やカフェ、芝生の解放も必要である。
⇒保存・整備方針では、平和記念公園とその周辺は、「被爆の惨禍を後世に伝え、平和を学び・考え語り合う場、平和を願う世界の市民が集い・憩う場、行動する場」であるとしている。「聖域」や「被爆の実相を伝える場」を確保しながら、「市民が集い・憩う場」等も重層的に確保するよう考えている。また、芝生広場を含む平和記念公園の使用許可の運用に当たっては、季節や時間帯といった要素を勘案し、社会実験的な手法により効果や課題を検証するとともに、市民の意見を聴きながらその合意のもと、開放を検討することとしている。

景観

◆原爆ドームの背景の商工会議所、市民球場のライトは、聖域を期待してきた来広者をがっかりさせるものである。景観は聖地らしく美しいほうが良い。

◆平和公園、ドームの背景は、高い建物を無くしたほうが良い。

◆市民球場移転後の土地利用として、商工会議所を建て替え低層化すれば、公園の背景がきれいになる。

◆ドーム背景の建物があり、周りは変化しても、変わらないドームがあることで平和が実感される。造られた公園より自然体な公園を望む。

◆原爆ドーム背後の建物は、戦後の復興の象徴とも考えられる。
⇒平和を願う世界の人々が訪れる平和記念公園や核兵器廃絶と恒久平和の象徴である世界遺産原爆ドームの周辺には、それに相応しい景観を形成することが必要と考えており、今後、策定予定の景観計画の具体化を通じ、原爆ドーム周辺の美観形成対象地域の拡大や事前協議手続きの義務化など景観誘導の強化を図ることとしている。また、原爆ドーム背後の景観誘導についても、背後の建物の改修時におけるファサード整備や改築時における低層化や移転を誘導例として示し、取組みを進めることとしている。

その他

◆平和活動や文化イベントは、広く市民に知らせ、市民が積極的に参加することで、街の活性化が図れる。

◆ホームページで平和を訴えるポスターを募集したり、マスコット的キャラクターをつくってはどうか。

◆定期的に平和に関する講演会、討論会などを開催し、気軽に立ち寄れる場所を設けるなど、さまざまな平和の知識を吸収できる工夫が必要である。

◆来訪者に「自分は平和を望んでいる」意思表示をするためのストラップや腕輪をプレゼントする。
⇒今後の、平和記念施設の整備・活用や市の取組みにおいて、参考とさせていただく。

このページに関するお問い合わせ先

市民局 国際平和推進部 平和推進課 被爆体験継承担当
電話:082-242-7831/Fax:082-242-7452
メールアドレス:peace@city.hiroshima.lg.jp