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NPT再検討会議が最終文書を採択しないまま閉会したことに対する市長コメント(2015年5月23日)

ページ番号:0000009956 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

NPT再検討会議が最終文書を採択しないまま閉会した。

最終文書案では、世界の政治指導者たちが核兵器の被害を受けた地域や人々と交流し経験を共有することや、核軍縮義務を全うするため、法規制を含めた効果的な措置を特定する作業部会を国連総会で設けるよう提言されていたが、中東の非核化を巡る対立により最終文書が採択されなかったことは、極めて残念である。

一方で、今回の会議を通じて、多くの非核保有国の間に自らも核兵器の被害国となり得るという当事者意識が広がり、オーストリアが提出した「人道の誓約」に100を超える国が賛同した。このように、NPT締約国の半分以上の国々に、核兵器禁止に向けた法的枠組みの必要性の認識が広がったことを評価したい。

今後、この流れを途絶えさせないためにも、核保有国を含む全ての締約国の参加の下に、核兵器禁止に向けた法的枠組みについて議論を行う場を設けるよう努力し続けることが重要である。

そのため、本市としては、こうした動きをより確実なものとするよう、今後とも被爆の実相を「守り、広め、伝える」取組を強化するとともに、平和首長会議の加盟都市とさらなる連携を深め、被爆者が切に願う一日も早い核兵器廃絶の実現に向けて、核兵器禁止条約の早期の交渉開始を求める国際世論の拡大に取り組んでいきたい。

平成27年(2015年)5月23日

広島市長 松井 一實