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「核兵器を非合法化する努力の強化」を促すための共同声明について、外務省に要請(2012年11月6日)

ページ番号:0000009841 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

外務大臣 玄葉 光一郎 様

「核兵器を非合法化する努力の強化」を促すための共同声明について(要請)

10月22日に国連総会第一委員会において、34カ国が共同で標記の声明を発表しました。日本政府がこの声明への署名を「拒否」したことについて、市民等から、疑問の声が上がっています。
本市としては、同声明が、核兵器廃絶を目指す被爆地広島の訴えと重なるものであり、これらの国々としっかり連携を図っていただきたいと考えていることから、是非とも以下の点について現時点の政府の考えを御教示下さるようお願いします。

同声明においては、「すべての国家は、核兵器を非合法化し、核兵器のない世界を実現するための努力を強めなければならない。」と記述されています。
これは、日本政府が中心となり第66回国連総会に提出し、圧倒的賛成多数で採択された核軍縮決議「核兵器の全面的廃絶に向けた共同行動」において、「2010年5月のNPT運用検討会議における合意事項の着実な実施のために国際社会による一致した行動が必要である」としていた考え方、すなわち「核兵器のない世界」の実現を目指すという考え方と一致しているのではないでしょうか。「核兵器を非合法化し」という手段を明示した上で「努力を強め」るとしていることで、NPT運用検討会議における合意事項を解説していると評価しても差し支えないのではないでしょうか。また、直ちに「非合法化」しろと主張しているものではありません。
更に、同声明においては、「核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道的結果をもたらすことは、国際社会全体の懸案である。したがって、国連総会は、この問題に包括的に取り組んでいく上で、とりわけ重要な役割を担っている。」との記述があることから、「非合法化」は、国連総会としての重要な役割と位置付けていると考えるのが妥当ではないでしょうか。このように考えられることから、核兵器を絶対悪と認識している「ヒロシマ」とすれば、署名することに何らの支障はないように思われますが、署名を見合わせなければならない何らかの事情等があるのか御教示ください。
なお、外交上、諸々の配慮をする必要があるために、現段階で署名が困難であるとしても、「本共同声明者の立場を理解できる。」との意見表明をすることは可能ではないのでしょうか。

2012年(平成24年)11月6日
広島市長 松井 一實