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米国の大統領選挙において、ドナルド・トランプ候補が当選を確実にしたとの報に接しました。トランプ氏に、まずはお祝いを申し上げます。
国家間の疑心暗鬼が深まり、「断じて使ってはいけない兵器」である核兵器が「条件次第で使える兵器」へとその評価を変え、世界情勢が悪化の一途をたどる中にあって、NPT(核兵器不拡散条約)第6条に規定する義務の履行については、核超大国である米国を始め核保有国が果たすべき役割がますます大きくなっています。トランプ氏には、世界の核兵器の増強や近代化を進める動きに歯止めをかけるべく、NPT第6条の義務を履行し、被爆者の切なる願いである核兵器の廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、強いリーダーシップを発揮していただくことを期待します。
昨年度、広島平和記念資料館には、米国からの多くの訪問者を含め、世界中から198万人を超える方々が訪れています。「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の訴えを受け止め、恒久平和を願う市民社会における平和意識は着実に高まりを見せています。トランプ氏には是非ともこうしたことを受け止め、必要な行動を取っていただけるよう、3人目の現職米国大統領による被爆地訪問の実現に向けて、長崎市とともに要請していきたいと考えています。
令和6年(2024年)11月7日
広島市長 松井 一實