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G20愛知・名古屋外務大臣会合開催時における被爆地訪問を求める要請(非核保有国外務大臣宛(核兵器禁止条約未署名国)ドイツ、イタリア、カナダ、アルゼンチン、オーストラリア、韓国、サウジアラビア、トルコ)

ページ番号:0000010195 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

被爆地広島・長崎の訪問について(要請)

謹啓 向春の候 貴台にはますます御清祥のことと心からお喜び申し上げます。

本年11月、我が国で開催される「2019年G20愛知・名古屋外務大臣会合」の機会に、是非とも貴台に被爆地広島・長崎を訪問していただきたいとの願いをお伝えしたいと存じます。

1945年8月の原爆の投下により、広島と長崎の街は、一瞬のうちに廃墟と化し、多くの尊い命が失われました。辛うじて生き残った被爆者は、平均年齢が82歳を超える中、放射線による後障害や差別・偏見に苦しみながらも「核兵器のない世界」の実現を強く願い、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」と自らの辛い体験を語り続けています。

貴台におかれましては、被爆地において一発の原子爆弾がもたらした被爆の実相を深く理解いただくとともに、被爆者の平和への切なる願いを受け止めていただきたく存じます。そして、「核兵器のない世界」こそが私たちの目指すべきゴールであるとの認識を共有していただき、私たちが全ての国の為政者に求めているように、理性と洞察力を持って核兵器廃絶に向かって行動を起こしていただくことを心から希望いたします。

世界にいまだ1万4千発を超える核兵器がある中、意図的であれ偶発的であれ、核兵器が炸裂したあの日の広島・長崎の姿を再現させ、人々を苦難に陥れる危険性は核兵器が存在する限りなくなりません。そうした中、私たちは、世界的に大きな影響力を有する貴国が「核兵器のない世界」に向けて、各国の立場や考え方の違いを乗り越えてリーダーシップを発揮していただくことを心から望んでおります。

被爆地の両市民は、貴台の訪問を心から歓迎いたしますとともに、貴国と共に「核兵器のない世界」を目指して取り組んでいくことを希望しています。

末筆ながら、貴台のますますの御活躍と御健勝を心からお祈りいたします。

謹言

2019年2月12日(13日)

広島市長 松井 一實

長崎市長 田上 富久