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フランシスコ・ローマ法王の被爆地訪問を求める要請(2017年11月15日)

ページ番号:0000010156 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

ローマ法王
フランシスコ 台下

被爆地広島・長崎への訪問について(要請)

謹啓 季秋の候 法王台下におかれましてはますます御清祥のことと心からお喜び申し上げます。

台下におかれては、兄弟愛の倫理と平和的共存の気運を世界中の人々に広め、公正で永続的な平和を築くため、祈り、働かれていることに心から敬意を表します。

また、一昨年、被爆70周年という節目の年に、きのこ雲の下で広島・長崎が見舞われた地獄に心を寄せられ、核兵器や大量破壊兵器のない平和な世界に向け、声を一つにすることを願うメッセージを発信していただいたことに心から感謝申し上げます。

1945年8月の原爆の投下により、広島と長崎の街は一瞬のうちに廃墟と化し、その年の終わりまでに両市合わせて約21万人の尊い命が失われました。平均年齢が81歳を超えた被爆者は、怒りや憎しみを乗り越え、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」と自らの辛い体験を語り、核兵器廃絶を訴え続けています。このような被爆者の訴えは、台下の「尊厳への深い敬意」を抱き、「非暴力」に基づく生き方を実践するというメッセージと共通するものがあると考えます。

核兵器禁止条約の採択や核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞等、核兵器廃絶に向けて大きな動きがある中、台下におかれましては、是非とも被爆地を訪問いただき、直接、被爆者の体験や平和への思いを受け止めていただくことを強く願っております。そして被爆地において、台下から核兵器廃絶に向けたメッセージが発信されるならば、現下の国際情勢を乗り越え、世界の多くの人々の絆が強化されるとともに、世界162か国・地域の7,400を超える都市が加盟する平和首長会議の市民や協働する市民社会のパートナーにとって勇気づけられる出来事になると確信しております。

被爆者及び被爆地の市民、そして「核兵器のない世界」を望む世界の人々は、台下の広島・長崎訪問をお待ちしております。

末筆ながら、台下のますますの御健勝を心からお祈りいたします。

謹言

2017年11月15日

広島市長 松井 一實
長崎市長 田上 富久